昨年は坂東牧場生産、ノーザンファーム育成馬のシャルフジンがブリーダーズゴールドジュニアカップに優勝。
同馬は船橋移籍後も重賞2連勝を飾るなど、3歳となった今も世代トップクラスの能力を発揮している。
また、昨年フローラルカップ、ブロッサムカップを制したコスモポポラリタは、
生産、育成ともに新冠町ビッグレッドファーム。
こちらはデビュー時から外厩制度を利用しており、レースへ向けての最終仕上げまで牧場が担っていた。
コスモバルクの例を挙げるまでもなく、ホッカイドウ競馬の2歳戦を見るうえで
近隣の大手牧場育成馬は外せないファクターとなっている。もちろん今年も注目馬が目白押しだ。
芝適性を感じさせる動き 超良血馬エオリエンヌ
ノーザンファーム生産、育成のエオリエンヌ(牝、父トゥザワールド、母ライクザウインド、田中淳司厩舎)は、
半兄に東京スポーツ杯2歳S2着のアサヒ、叔父にディープインパクト、ブラックタイドらがいる超・良血馬。
キャロットクラブで募集され、即満口となった期待の1頭だ。
ここまで順調に育成が進められてきたことから3月中旬に門別競馬場入りして、間もなく能検を受けることになりそう。
骨量豊富で2歳戦向きのスピードタイプ。田中師によれば「血統、馬体から素質を感じさせる馬。
どんな走りを見せてくれるか本当に楽しみ。芝適性を感じますのでJRA北海道シリーズへの挑戦も考えたい」とのこと。
今後もノーザンファームと田中淳司厩舎を行き来しながら調整される予定だ。
小柄な牝馬ながらスピード抜群 早期デビュー予定のラビュリントス
もう1頭のキャロットクラブ所属馬ラビュリントス(牝、父キンシャサノキセキ、母ブリトマルティス、田中淳司厩舎)は、
新冠橋本牧場生産、ノーザンファーム育成馬。
こちらはひと足先に能検をパスしており、デビューへ向けて一段と調教ペースを上げているところだ。
420キロ前後と小柄な牝馬だが、さきの能検では楽々と後続を突き離して49秒8の好時計をマーク。
田中師も「良いスピードを見せてくれましたし、サイズのわりに体幹がしっかりしている」と高評価だった。
「もう少し体が増えてくれればなおいいですね」ということで、さらなる成長に期待だ。
追ってしっかりと反応 好センスのファゼドール
追分ファーム生産、同リリーバレー育成馬では、
ファゼドール(牝、父キンシャサノキセキ、母ミラグレ、田中淳司厩舎)が一番手評価。
4月7日の能検では好スタートから2番手につけて直線追われてしっかりと反応。
ほぼ差のない2着入線で49秒4の好タイムをマークしている。
騎乗した服部騎手は「押しながらの追走となりましたが、センスがありますし、
追ってからの反応がとても良かった」と好感触だった。
田中師も「直線の走りはしっかりしていましたね。距離が延びた方が良いタイプでしょう」と評価している。
能検後も良いコンディションを保っていることから、5月5日フレッシュチャレンジ競走(1,100m)でのデビューを予定している。
社台ファーム生産&育成のグラビティモデル、バルーンアートも要注目
社台ファーム生産、育成馬では、能検初日に合格済みの
グラビティモデル(牡、父キンシャサノキセキ、母グラッブユアハート、角川秀樹厩舎)と
バルーンアート(牡、父シャンハイボビー、母フライングバルーン、田中淳司厩舎)の評判が良い。
2頭とも能検後は牧場で調整されており、状態は整い次第デビューへ向けて再入厩する予定だ。