2歳未勝利戦(JRA認定アタックチャレンジ競走)も始まり、いよいよ2歳戦まっさかりの門別競馬場。
1勝馬同士が対決するシーズン最初の2歳重賞「栄冠賞(H2、1,200メートル、6月28日)」には
今年もハイレベルなメンバーが揃うだろう。
短距離適性の高い早期デビュー組がスピードに磨きをかける一方、ホッカイドウ競馬ではこの間にも能力検査が続いており、
5月後半~6月デビューの中から後の重賞ホースが出てくることもしばしば。
コラム最終回は夏デビューから秋を見据える注目馬をピックアップする。
半兄に北海道2歳優駿2着のアベニンドリーム
アベニンティアラはこの血統を熟知する桑村騎手の手綱でデビュー予定!
5月10日の能検で余裕の1着入線を果たしたアベニンティアラは、
兄に20年北海優駿馬で、19年北海道2歳優駿(現:JBC2歳優駿、Jpn3)2着のアベニンドリーム(現大井所属)がいる血統背景。
もともと角川厩舎ゆかりのファミリーラインだが、本馬は開業3年目を迎えた新鋭・森山雄大厩舎が管理を任された。
ゲートが課題という話も漏れ聞こえてきたが、能検では抜群のダッシュ力を見せてハナに立ち、
直線で追われるとしっかりと反応。
道中は息を入れる場面もあり、レースセンスの良さが光った。
能検にも跨った桑村騎手が主戦を務める予定で、森山師は「この血統を良く知っている鞍上にすべて任せています。
能検の走りも良かったですし、距離の融通もききそう。うちの期待馬です」と自信たっぷり。
6月頃のデビューを予定している。
タフな馬場で49秒9の好時計をマーク!次開催にもデビュー予定のシーサーペント
前出アベニンティアラと同じ日に能検を受けて、当日の一番時計となる49秒9を叩き出したのがシーサーペント。
ひとつ前のレースで受験する予定だったが、返し馬で手綱が外れるアクシデントがあり、急遽3レース目へ変更となった。
人為的なミスであり、馬の気性面にはまったく問題ないのでご安心を。
その能検はスタートこそもっさりしていたが、加速がつくとスッと好位につけて余裕の手応え。
直線でムチが一発、二発と入ると瞬時に反応して1着でゴール板を駆け抜けた。
3月頃の能検と比べると馬場は相当にタフになっており、この時計はポテンシャルの高さを証明するもの。
田中師によれば「気性が勝っていてスピードもあるから、次開催にもデビューさせたい。
早々に勝ち上がるイメージを持っています」とのことだ。
厩舎期待の大物、能検でそのポテンシャルを証明したヴァイスホルン
川島洋人厩舎のヴァイスホルンは5月10日の能検で大きく出遅れながらも、外々を回って追い上げて1着入線。
ゴール前は完全に流しており、時計以上の評価ができる内容だった。
牝馬ながら能検時498キロと雄大な馬格の持ち主。
1歳時の骨折で調整が遅れたために生産者の中島牧場さん所有の予定だったが、
調教が進むにつれて良くなってきたことから急遽、ターファイトクラブでの募集が決定。
現在はすでに満口となっている。
川島師も「最初から期待していた馬。すごく楽しみ」と評価しており、デビューが待ち遠しい。
間もなくデビューを迎える注目馬たち
アベニンティアラ(牝)父ベストウォーリア 母アベニンプラナス 母の父サウスヴィグラス 森山雄大厩舎 スマイルファーム生産
シーサーペント(牡)父ディスクリートキャット 母ジョジョニー 母の父ゴールドアリュール 田中淳司厩舎 アサヒ牧場生産
ヴァイスホルン(牝)父ダンカーク 母シラヤマヒメ 母の父サクラローレル 川島洋人厩舎 中島牧場生産