昨シーズンもサントノーレ、ブラックバトラーなど２歳戦の主役たちを送った名門・田中淳司厩舎。
2015年から9年連続リーディングを獲得し、3年連続で年間140勝以上をマーク。
今や全国にその名を轟かせるトップトレーナーだ。

今年も多くのオーナーに支持されて、すでに60頭を超える2歳馬がスタンバイ。
デビューへ向けての第一関門ともいえる能力検査では初日(3/14)、2日目(3/21)でトータル43頭が合格を果たし、
開幕へ向けて準備万端といったところだ。その2歳馬たちの顔ぶれは多士済々。
昨年以上に層が厚いので、次回以降の新種牡馬編や大手牧場編などでも同厩舎の所属馬を紹介していく予定だ。

1回目の今回は春先から活躍できそうな早期デビュー馬をピックアップする

師も一目惚れした好馬体、あえてハイレベルなホッカイドウ競馬を選択して高みを目指すアヤサンドリーム
「スピードがあるし、運動神経が良い」と文句なしの高評価はアヤサンドリーム(牡)。
3月14日の能検では好スタートから先手を奪うと、直線で軽く気合をつけただけで後続を突き離して1着入線。
50秒3の時計もさることながら、無駄のないコーナーリング、素軽いフットワークが目を引いた。

当初は南関東でデビューする予定だったが、大井・坂井英光師から『ホッカイドウ競馬でおろした方が強くなるから』との助言があり、田中師のもとへ。
「じつはその時、すでに2歳馬がいっぱいだったから一度は断ったのだけれど、英光に『一度馬を見てきて』と言われて。 飛野牧場さんで実馬を見たら素晴らしいトモをしていて、馬っぷりがとても良い。これは、と思って預からせていただくことにしました」。

見た目の格好良さはホッカイドウ競馬No.1厩舎の中でもトップ3に入るレベル。
血統的には短距離でスピードを生かす競馬になりそうだが、師の見立てでは「1,400～1,600mくらいはこなせそう」とのこと。能検でパートナーを務めた落合騎手もお気に入りの1頭だ。
早期デビューから2歳重賞戦線を狙っていく。

良血ロードカナロア産駒の男馬、雄大な馬格に規格外のパワーが潜んでいるマキシマムドライブ
素質馬揃いの厩舎内でもとびきりの良血。マキシマムドライブ(牡)は能検時516キロと雄大な馬格の持ち主でありながら、
動きにメリハリがあり春先から動いていけそうなタイプだ。

「ホッカイドウ競馬に入ってくるロードカナロア産駒の男馬というとこれまでは極端に小さい馬など、少々難ありな馬しか入ってこなかったけれど、この馬は馬格があって脚元も問題なし。 セリに出す1歳時に喉の心配があったようですが、今は全く問題ないです。 兄コイニオチテは気性的に短距離でしたが、この馬は柔軟に動けますし、馬体を見ても距離の融通がききそうですよ」。

さきの能検では逃げた2着馬を直線で猛然ととらえて堂々の1着入線。追われてからの反応の良さは、同日の出走馬の中でも目立つものだった。 芝もダートもこなせそうな血統だけに早期勝ち上がり～トライアル権利獲得といけば、JRA北海道シリーズ参戦の可能性もありそうだ。

鞍上・落合騎手も太鼓判の好素材、開幕を見据えて順調な仕上がりを見せるインテンスドライヴ
牝馬で最初に名前が挙がったのはインテンスドライヴ(牝)。
「良いトモをしているし、スピードも持っています。牝馬特有の気の悪さみたいなものがありませんし、動きも一番良いくらい」と田中師。

3月14日の能検では抜群のスタートから先手を主張し、手綱を抑えたままで1着入線を果たしている。
時計こそ目立たないが、強く追ったわけではなく、時計以上に評価できる内容だった。
「坂路でもいつも持ったまま上がってきますし、コースに出て5頭併せの大外を走った時もただ1頭、持ったままでした。
このまま順調に進めることができれば開幕戦のスーパーフレッシュ候補に入ってきますね」。

ダート適性の高い新種牡馬の注目産駒。初陣の日は近そうだ。

このほか田中淳司厩舎の早期デビュー予定馬としてレーザースペックル(牡)、シトラスフレイバー(牡)の名前が挙がり、
いずれも2歳戦向きの良いスピードを持っているとのこと。名前を覚えておいて損はなさそうだ。

田中淳司厩舎 早期デビュー予定馬ピックアップ
アヤサンドリーム(牡) 父Blue Point、母ワイルドバド、母の父Dubawi 飛野牧場生産
マキシマムドライブ(牡) 父ロードカナロア、母ココロノアイ、母の父ステイゴールド 酒井牧場生産
インテンスドライヴ(牝) 父フォーウィールドライブ、母ウェイヴランナー、母の父Raven's Pass 白井牧場生産
レーザースペックル(牡) 父パイロ、母バンダ、母の父キングヘイロー 上水牧場生産
シトラスフレイバー(牡) 父ダノンレジェンド、母シホノコプント、母の父エピファネイア 橋本牧場(安平)生産