4月17日の新シーズン開幕へ向けて、2歳馬の調教が急ピッチで進められている門別競馬場。
ホッカイドウ競馬では初日のスーパーフレッシュチャレンジ競走を皮切りに、
今年も全国最多のJRA認定レースが実施される予定だ。
4月14日時点ですでに340頭を超える若駒が能検に合格。
各陣営で早期デビュー馬の選定も進んでおり、1回開催からデビューラッシュとなりそうだ。
見逃し厳禁の有力馬たちをここで一気に紹介しておこう。
能検初日に49秒8の好タイムをマーク、母譲りのスピードが魅力のゲクウ
今年も有力馬がズラリと揃う田中淳司厩舎で、開幕戦を託されることになったのはスズカコーズウェイ産駒のゲクウ(牡)だ。
母キスミーローズは2歳戦からスピード能力を発揮して、牡馬相手のイノセントカップで2着に入るなど短距離路線で活躍した。
本馬は母の初仔ながら能検時486キロと十分な馬格があり、「能検で49秒8のタイムを出したように良いスピードがあり、動きも上々。
順調さで一歩リードしている」(田中師)という存在だ。
能検初日のタイム順でいうと上から3番目ではあるが、他馬とはスピードが違いすぎて早々に1頭になった分、
時計が出にくかった側面も。終始、併せ馬のかたちで好タイムを出した1、2番時計の馬(小野厩舎のファストワン、ハーフブルー)と比べて
能力的に見劣ることは決してないだろう。当然、デビュー戦勝利を意識しての初陣となる。
将来性十分!能検初日に2番時計をマークしたハーフブルーに熱視線
能検初日に1、2番時計馬を送り、例年以上に層の厚いラインナップになりそうな小野望厩舎。
小野師といえば徹底して馬の将来を考えて仕上げていくスタイル。
長いスパンで考え、馬の成長を見ながら調整する厩舎だけに、春先の段階でここまで動けるということは、それだけ各馬の能力が高いことの証左になる。
「1番時計のファストワンも良いけれど、伸びしろはこちらの方がありそう」と師が推奨してくれたのは、
能検初日に2番時計をマークしたハーフブルー(牝)だ。
「入厩当初から馬っぷりが良く、筋肉量があるタイプ。それでいて動きは硬くないです。
能検では速い時計を出しましたが、スピード一辺倒という感じはしませんし、
距離は延びても問題なさそう。5月中にはデビューさせたい」とのこと。
師によればどの馬も新馬戦から無理に勝つようにはしていない、ということだが、能力であっさりの可能性は十分。
その場合、2歳戦はもちろん、先々の楽しみも大きく広がることだろう。
迫力の好馬体、1回門別開催でデビュー予定のノビシロシカナイ
小野厩舎でハーフブルーよりもひと足早くデビューできそうなのがミッキーアイル産駒のノビシロシカナイ(牡)。
能検時548キロという超大型馬ながら、ゲートからゴールまで終始、素軽い動きを見せて、
レースセンスの良さを感じさせる内容だった。
「これから体は引き締まってくるでしょうし、能検後にゲートから出した動きも良かったです。
本馬は南関東のギガース(ニューイヤーC、ネクストスター東日本)や、
うちの厩舎出身のシシュフォス(クラウンC)と同じオーナーの所有馬。この馬で続きたいですね」と小野師。
4月24または25日のフレッシュチャレンジ競走でデビューする予定だ。
ボリューム、バランス◎のエスポワールシチー産駒、未知の魅力たっぷり!?なカセノオーリン
「血統を含めて正体不明なところはあるけれど、エスポワールシチー産駒でこれだけの体をもっていて好バランス。
走らないわけないと思っています」(角川師)
能検後も順調に乗り込めていることから、1回門別開催のデビュー候補に入ってきたのがカセノオーリン(牝)。
母は未勝利馬でその初仔ということで、掴みづらい面はあるものの、母系を遡れば祖母の叔父にゴールデンダリア(新潟大賞典)、スカイディグニティ(菊花賞2着、セントライト記念2着)がいる血統。
能検時474キロと十分な馬格があり、勝ち気な性格もレース向きと評されている。
「入厩は昨年11月中旬。当時は今ほどボリュームがなかったのですが、乗り出してだんだんと良い体になってきました。
ピッチ走法ではないですし、胴伸びもありますから距離はある程度こなしてくれるでしょう」と角川師。
早期から長く楽しませてくれそうな1頭だ。
能検後も順調な早期デビュー馬ピックアップ
ゲクウ(牡) 父スズカコーズウェイ、母キスミーローズ、母の父サウスヴィグラス グランド牧場生産
ハーフブルー(牝) 父サンダースノー、母アラモアナビーチ、母の父シニスターミニスター 幌村牧場生産
ノビシロシカナイ(牡) 父ミッキーアイル、母アングレカム、母の父Pour Moi ヒダカファーム生産
カセノオーリン(牝) 父エスポワールシチー、母カセノレインボー、母の父カネヒキリ Yogibo Versailles Stable株式会社生産