2024年シーズンの開幕から1ヶ月が経ち、ますます盛り上がりを見せるホッカイドウ競馬の2歳戦。
5月第3週目から3日間の開催(※6月第2週目までは変則2日~3日開催)がスタートして番組もここからさらに充実してくる。
コラム最終回では能検後に間隔を開けて成長を待っていた馬や、5月に能検をパスした注目馬を紹介していこう。
セレクションセールで1,760万円の高評価 ヘニーヒューズ産駒のエリーに熱視線
田中淳司厩舎からデビュー予定のエリー(牝)は、叔母にJRA重賞3勝のデアリングハート、
近親に2020年三冠牝馬のデアリングタクトがいる超良血馬。
3月14日の能検時で492キロと十分な馬格があり、
セレクションセールで1,760万円の高評価を受けたのも納得の逸材だ。
田中師によれば「牝馬特有のものですが、体の脂が抜けてスッとしがちなので、
この馬は成長を促しながらじっくり調整していきたい」とのことで、デビューはもう少し先になりそう。
ただ、現時点でも「体がありますし、胴伸びもある。ヘニーヒューズ産駒らしい立派なトモとお尻の持ち主です。
暖かくなったらさらに良くなるでしょう」と期待値はかなり高い。
無事にデビューを果たした暁にはエーデルワイス賞を目指していく方針だ。
白老ファーム生産・社台ファーム育成のフィエレッツァ 追われてからのストライドに素質がキラリ☆
3月21日の能検でセンスの良さが光ったのはシャンハイボビー産駒のフィエレッツァ(牡)。
社台オーナーズクラブの所属馬で、母系にドバイWCを制したヴィクトワールピサがいる名牝系の出身だ。
能検時442キロで体のラインはまだ華奢に映ったものの、積極的にハナに立って運ぶと、
直線の競り合いから鋭く脚を伸ばして差のない2着入線。
追われると重心をグッと下げて加速しており、動きの良さが目立った。
管理する田中淳司師も「まだ成長途上の体つきですが、動きには余裕がありましたし、
追われてからのストライドが良いですね。デビューはもう少し先ですが、
牧場で高評価されていた馬ですし、楽しめそう」と手応えを口にした。
能検後は一旦、社台ファームに戻っており、間もなく再入厩予定。
順調にいけば6月頃に初陣を迎えられそうだ。
母は関東オークス3着馬 オーマイグッネスの半妹、アナザーメイト
角川秀樹厩舎の期待馬として春先から名前が挙がっていたアナザーメイト(牝)は、
2022年のサンライズカップを制したオーマイグッネスの半妹。
母もホッカイドウ競馬からデビューして南関東移籍後に東京プリンセス賞を勝ち、
関東オークスで3着に入った実力馬だった。
3月14日の能検は52秒6のタイムで4着入線と目立つ内容ではなかったものの、あえて砂を被せに行き、
直線は流して一度も強く追われなかっただけに着順、タイムは参考外だ。
角川師によれば「牝馬ながら兄よりも馬格があり、大きいわりに動きは素軽いです。
牝馬にしてはカリカリした面がありませんし、大人しいくらい。
1,000mでは少々忙しいかも」ということで、距離は延びた方が良いタイプでもある。
ここまで順調に乗り込まれて間もなくデビューを迎える予定。
実戦で大きく変わってきそうだ。
父譲りの軽快なスピードが武器 馬なりの能検で49秒4のシンシアビューティ
5月7日の能検で49秒4の好タイムをマークしたシンシアビューティ(牝)は、
入厩からまだ日が浅かった4月中旬の時点で五十嵐師が
「速いところはこれからだけど現時点でかなり感触が良い」と評価していた1頭。
姉たちはJRAで複数勝利を挙げており、堅実かつ能力の高いファミリーラインだ。
本馬は多少気の難しい面があるということで能検では鞍上が気を遣って乗っており、
馬なりで回ってきただけという内容。それでいて50秒を切ってくるというのはスピードの絶対値が高いことの証左だ。
「課題の気性面を克服できれば、かなり動けるのではないか」と師の期待も大きく膨らんだ。
乗り込み量のわりに順調に仕上がってきており、ほどなくデビュー予定。
初戦からスピード全開の走りを期待したい。
ホッカイドウ競馬でこれからデビューする注目2歳馬
エリー(牝)父ヘニーヒューズ、母デアリングプライド、母の父ダイワメジャー、須崎牧場生産
フィエレッツァ(牡) 父シャンハイボビー、母プレステッツァ、母の父ルーラーシップ、(有)社台コーポレーション白老ファーム生産
アナザーメイト(牝) 父ディスクリートキャット、母ブライズメイト、母の父エイシンサンディ、沖田牧場生産
シンシアビューティ(牝) 父キンシャサノキセキ、母キャプテンガール、母の父キャプテンスティーヴ、シンボリ牧場生産