すぱっと!POG!コラム ・江橋大介さんの南関4場注目馬・ホッカイドウ競馬から注目2歳馬の生情報・浅野靖典さんのPOG必勝法!?すぱっと!POG!コラム ・南関東トラックマンの注目馬・ホッカイドウ競馬から注目2歳馬の生情報・浅野靖典さんのPOG必勝法!?

ホッカイドウ競馬 今シーズンの注目&おすすめ2歳馬紹介【競馬ブック・板垣祐介】

☆2025年ホッカイドウ競馬、開幕!
来る4月16日、桜前線が北の大地にたどり着くよりひとあし先に、
馬産地日高に春を告げるホッカイドウ競馬の新シーズンが開幕する。

今年は昨年までよりも閉幕が1週延び、11月13日まで、85日間(昨年比1日増)の日程で開催される。
道営記念の翌週にも3日間の開催があるという点が、スケジュールの大きな変更点だろう。
その賛否はさておき、今シーズンも、熱い気持ちを持った人馬による激闘が数多く見られるはずである。

☆各路線の展望
昨年、古馬マイル以上の重賞を完全制覇して絶対王者となったベルピット。
やはり今年もこの馬が中距離路線の中心となるだろう。
再びの全国挑戦も含め、王者の威厳を示すような走りに期待したい。

一方で昨年は大混戦となったのが短距離路線。
開幕2週目の4月24日に組まれているエトワール賞には、
明け4歳となってさらなる飛躍を目指すストリーム、トラジロウや、古豪ドウドウキリシマ、ジャスパーシャイン、
また、中央オープンからの転入となるケイアイロベージなど新勢力も登録がある。
今年は絶対的エースが登場するだろうか。

3歳戦では、昨年のJBC2歳優駿を制覇したソルジャーフィルドが、地元三冠制覇を目指して登場する。
三冠馬の称号を手にするのは決して容易なことではないが、実績的には明らかに抜きん出た存在である。
差しに構える脚質を考えると、内回りマイルが舞台の1戦目、5月1日の北斗盃が試金石となるかもしれない。

昨年から北海道スプリントカップが3歳限定戦となったことで、3歳短距離路線にも注目が集まる。
まずは3戦3勝で栄冠賞馬となったベラジオゼロ。
怪我からの復帰を目指して調整中で、もちろんこの馬に関しては三冠路線の可能性もある。
他では、ネクストスター門別の勝ち馬ミラクルヴォイス、サッポロクラシックカップの勝ち馬イイデマイヒメなども有力だ。

そして何と言っても、ホッカイドウ競馬の核と言えるのが2歳戦だ。
開幕日には、世代最初の新馬戦であるスーパーフレッシュチャレンジが組まれている。
次項では、開幕週で行われるフレッシュチャレンジの注目馬、
また、ここまで5回実施された能力検査からの注目馬を何頭かピックアップしたい。

☆開幕週新馬戦の注目馬
◯4月16日スーパーフレッシュチャレンジ(1,000m)
2023年生まれのサラブレッドの一番星はどの馬か、全国的にも注目度の高いレースだ。
11頭立てと頭数も集まり、将来を嘱望された素質馬が顔を揃えた。個人的な注目馬は以下の3頭。

エーデルリッター (牡 父ベストウォーリア 母ララシャルロット 小野望厩舎)
4月3日の能検では、3番手で流れに乗り、直線は先行2頭の間を割るようにして伸びてきた。
51秒1というタイム以上の評価ができる内容だ。
管理する小野調教師、騎乗する小野楓馬騎手ともに、気性の若さを課題に挙げているが、
能力は高いというのもまた共通した認識だ。
能検からホライゾネットを着用しているように、確かに気性面は難しそうだが、真面目に走れれば楽しみだ。

スペシャルチャンス (牡 父ダノンレジェンド 母ワディラム 田中淳司厩舎)
3月13日の能検を49秒4の優秀なタイムで合格。
テンから緩まないハイラップを逃げ馬の外につけ、直線でいとも楽々と抜け出した。
デビューに向けた4月3日のゲート練習では、
翌日のフレッシュチャレンジに出走するベストグリーンの内に併せて僅かに遅れたものの、1,000mの全体時計は62秒6。
実戦並みの好タイムで動いた。能検時で422kgと小柄ながら、秘めた素質は計り知れない。

イイデスカイボス (牡 父ヘニーヒューズ 母アリノマンボ 村上厩舎)
3月13日の能検を50秒1で1位入線。
返し馬の段階から、ボリューム感たっぷりでパワフルな馬体は目を引いた。
ゴールまで余力を持って走っており、追えば楽に50秒は切っていただろう。
坂路とコース(ゲート練習)を併用してしっかり時計を出しており、能検からの上積みも十分。
他の有力馬も含め、レースで揉まれてどうかは未知数なだけに、外枠を引いた点も好材料だ。

能検内容からはブルーメンガルテンも有力。
勝敗に関わらず覚えておきたい馬は多い。

◯4月17日フレッシュチャレンジ(1,100m)
3月13日に行われた今年の第1回能検で一番時計をマークしたベストグリーンが登場。
1,000mのスーパーフレッシュではなく1,100mのこちらを選択した点は興味深い。
注目を一身に背負ってどのようなパフォーマンスを見せるだろうか。

ベストグリーン (牡 父スマートファルコン 母ピースフルジョイ 田中淳司厩舎)
48秒6という能検タイムだけでも素質の高さを物語るには十分すぎるものだが、
能検当時で馬体重520kgというかなりの大型馬ながら、重たさを感じさせない先行力と終いの反応を見せた内容は非凡だ。
他陣営からもこの馬を高く評する声が聞かれており、やはり素質は確かだろう。
豊かなスピードの持続力を踏まえての1,100mデビューのはずで、今後、更に距離が延びても楽しみな存在である。

ベイビーザロック(牡 父マテラスカイ 母グラニュエル 小野望厩舎)
新種牡馬マテラスカイの初年度産駒。
鋭いスピードで押し切る競馬で活躍した父のイメージとは裏腹に、
この馬の能検は、出遅れて最後方から豪快に差し切るという内容だった。
スタートの遅さはネックだが、能検後は何度もゲート練習を課されており、何よりそれを補って余りある脚力は魅力的だ。
逆転候補として初戦はもちろんだが、追いかける価値のある1頭。

☆能検からの注目馬
当たり前のことだが、能力検査は、他の馬よりひとつでも上の着順を求める「競走」とは違う。
能検に対する姿勢は各陣営、また各馬により様々で、その時点でどれだけのタイムで走れるか、
それなりに動かして能力を確認したいというケースもあれば、
あくまで調教の一環と捉え、速いタイムを求めずに合格だけ主眼に置くケースもある。
もちろん、水準より速いタイムで合格する馬は、それだけ基礎体力とスピードの絶対値を備えているという評価をすべきだ。
ただ、能検からの上積み、ひいてはその後の変わり身の幅がどれくらいあるだろうか、という点に着目すると、
また違った発見があると思う。
そこで、あえて以下では、能検で1位入線ではなかった、ないしは際立つ好内容ではなかったものの、
この先、大きく変わってきそうな馬を何頭か取り上げてみたい。

アヤサンジョリーン(牝 父ノーブルミッション 母アーマンディ 五十嵐厩舎)
3月13日の能検では、51秒2のタイムで2位入線。
ややエンジンの掛かりが遅かったが、ゴール前ではよく伸びてきた。
内容も決して悪くはないのだが、この馬の「変わり身ポイント」は、6月1日生まれでかなりの遅生まれだという点。
成長度に関わるこのビハインドを加味すれば、3月の時点でこれだけ走れたという事実は高い素質の証明になる。
規定でデビューは誕生日以降になるが、覚えておきたい。

アップロード(牡 父ワールドエース 母ディーズエフォート 米川厩舎)
3月27日の能検では、52秒8で4位入線。
数字的には目立たないが、スピードには乗れており、直線は意識的に馬の後ろに入れて砂を被せ、終いは完全に流していた。
タイム以上に中身は濃く、走りにもバネを感じさせる。
鞍上の石川倭騎手は「完成度はまだまだですが、
(同じワールドエース産駒で)シルトプレに似た感触はありました」とのこと。
長い目で成長を見たい馬だ。

プレミアフルーツ(牝 父ワールドプレミア 母ホーリーフルーツ 村上厩舎)
3月13日の能検では、51秒1で2位入線。
父ワールドプレミアにとってはこの世代が初年度産駒となる。
ステイヤータイプの父の形質を引き継いだゆったりしたトビながら、
明らかに距離不足の800mをこのタイムでついてこれたことに運動能力の高さを感じる。
本格化という意味では先かもしれないが、距離が延びて大変身の可能性がある。
早期に勝ち上がれば、コスモス賞など芝でも見てみたい。

レーザーベルン (牡 父サングレーザー 母ミステリーベルン 小国厩舎)
能検は上述のイイデスカイボスと同じ組で出走し、2秒5差離された3位入線。
出負けしたこともあって流れには乗れなかったのだが、残りひとハロンの脚勢に光るものがあった。
フローラルカップと金沢シンデレラカップを勝利した母の初仔で、この馬もやはり良質なイーブンペース型だろう。
能検では53秒5で4位入線だった昨年のウィルオレオールのように、この馬もガラッと変わりそうだ。

今年は特に2歳馬全体の平均点が高く、ここに挙げた馬以外にも素質を垣間見せた馬たちは多数いる。
ぜひ、未来のスターホースの原石たちから、「推し」を見つけて応援してみてもらいたい。

TOPへ