2024 Dirt Triple Crown
2023.9.20 門別1,800mサンライズカップ(H1)【1着馬】雲取賞or京浜盃 指定競走
2022年優勝馬 オーマイグッネス(内)
2歳&3歳ダート体系図
サンライズカップとは
2020年から「H1」に昇格した「サンライズカップ」。
「JBC2歳優駿(Jpn3)」と同舞台で行われるだけに、JBCを見据えた若駒の参戦が期待できそうだ。
また、本競走には翌年の南関東クラシック戦線をにぎわす素質馬が多く参戦している。
近年ではヒガシウィルウィンの南関東二冠、ヤマノファイト、タービランスの「羽田盃(S1)」制覇が代表的なところだ。
今年はどの馬が勝ち名乗りを挙げて羽ばたいていくのか!?
ホッカイドウ競馬を代表する2歳馬たちによる見応えのあるレースに是非ご注目頂きたい。
なお、「サンライズカップ」はダート競馬の体系整備に伴い、2024年春の「雲取賞(Jpn3)」及び「京浜盃(Jpn2)」の指定競走となっている。
この指定競走における1着馬は「雲取賞」または「京浜盃」出走馬の選定にあたり、その成績を重視されることになる。
有力馬紹介
参考レース
-
- 6/27
- 門別
- 1,200m
- 栄冠賞(H2)
- ストリーム
-
- 8/10
- 門別
- 1,700m
- ブリーダーズゴールドジュニアカップ(H2)
- ブラックバトラー
サンライズカップレース回顧(文:競馬ブック・板垣祐介)
ホッカイドウ競馬の2歳重賞戦線は、栄冠賞を始点として、性別や距離によって路線が分かれていく。
今年はそのすべてを含めて、ここまで複数のタイトルを得た馬が一頭もいない。
つまり、どの路線も勢力図がはっきりと定まっていないということである。
このサンライズカップはJBC2歳優駿のトライアルレースの位置づけだが、
結果として、この路線もまた新たに勢力図が塗り替えられることになった。
勝利したのは重賞初挑戦の新星、パッションクライである。
小社(競馬ブック)の採時で前半3Fが37秒6、1,000m通過が63秒3。
道中は12秒台後半のラップで流れる淀みないイーブンペースを、2番手から抜け出す横綱相撲だった。
前走のオープン特別では、前半3Fで今日より3秒近く遅いスローペースを同様の運びで勝っているのだから、
この緩急自在の走りは、能力の高さはもちろん、非凡なレースセンスに裏打ちされたものだろう。
写真:ホッカイドウ競馬提供
逃げたカプセルは、常に1馬身後ろにいるこの馬のプレッシャーに耐えきれず、4コーナーで音を上げてしまった。
パッションクライ鞍上の桑村騎手、実はブリーダーズゴールドジュニアカップ(BGJC)ではこのカプセルに騎乗して、2着に逃げ粘っていた。
ライバルの背を知っているからこその、強気な競馬だったのかもしれない。レース後のインタビューで桑村騎手は、
「素直で操縦性が高く、どんな競馬でもできる馬ですし、中央馬相手でもいい走りができると思います。」と述べた。
当然、JBC2歳優駿のV候補である。
デビューから2連勝でBGJCを制覇したブラックバトラーは、パッションクライに完敗の形で2着に敗れた。
ただ、今日のパドックでは気負いが目立ち、レースで追い出してからの走りも、やや伸びやかさを欠くものだった。
前走より調整過程自体は順調だったくらいだが、今日はメンタル面の若さが表面化した感がある。
新たに強力なライバルが出現したことは確かだが、BGJCの評価が下がるわけではない。
田中淳司調教師に話を伺ったところ、「前走と違って人気を意識した運びをした分、
タメが作りきれなかったかもしれません。それに、道中まったくハミを取る感じがなかったカプセルを含め、
他馬のアクシデントでゲート入りがやり直しになった影響もあると思います。」とのことだった。
キャリアの浅い2歳馬だけに、そういった事象がメンタルに及ぼす影響は無視できないところだ。
当然、本番での逆転の可能性は十分に残されている。
ダバイエスペランサは栄冠賞から数えて4度目の重賞挑戦で、初めて3着以内に入った。
評判馬のポテンシャルに圧倒されるのも、2歳戦を見る上でひとつの楽しみだが、
こうして地道にキャリアを積んできた馬の成長を実感できるのもまた、その醍醐味であろう。
個人的に紙面で◎を打ったインテンシーヴォにも触れておかなければならない。
今日は終始、砂を被る展開で集中力を欠き、ほぼ実力を出すことなく終わってしまった。
近2走の走りから能力は重賞でも足りるはずで、今回の結果は参考外としたい。
さて、BGJC、サンライズCを終えて、この路線の有力どころはほぼ出揃った。
ただ、レース後の聞き込みから、現時点でJBC2歳優駿に出走が濃厚というのは、今回の上位3頭のみ。
立て直し中のルクスシールズが間に合えば上位の一角だったが、出否は微妙だ。
今後、多少の増減こそあれ、少数精鋭という形でJRA勢を迎え撃つことになりそうだが、もちろん、レベルが低いわけではない。
その先に待つ新たなステージ=ダート3冠へ橋をつなぐためにも、
ホッカイドウ競馬の若駒たちが、先陣を切って道を示してくれることと思う。
レース概要
実施日 | 9/20(水) |
競馬場 | 門別競馬場 |
距離 | 1,800m |
出走条件 | サラ系2歳 |
負担重量 | 牡馬 55kg 牝馬 54kg |
優先出走権 | 1着馬は「雲取賞」または「京浜盃」出走馬の選定にあたり、その成績を重視される |