2025 Dirt Triple Crown

2025.3.11 大井 2,000m'25スターバーストカップ(準重賞) 【1着馬】羽田盃 出走権付与

2024年優勝馬 マッシャーブルム号

2024年優勝馬 マッシャーブルム号

Road to 羽田盃&東京ダービー

Road to 羽田盃

'25スターバーストカップとは

大井2,000mで争われる準重賞「'25スターバーストカップ」。
従来は古馬重賞「勝島王冠(SII)」のトライアルレースとして3歳秋に行われていたが、
2024年より3歳ダート三冠初戦「羽田盃(JpnI)」のトライアルレースとして3歳春に施行時期が移行している。

「羽田盃」への優先出走権が与えられる南関東所属馬限定のトライアルレースはスターバーストカップのみ。
僅か1頭にのみ与えられる羽田盃への切符を巡ってし烈な争いとなるだろう。

予想<日刊競馬・市川俊吾>

いよいよダート三冠の開幕がすぐそこまで近づいてきた。
改革2年目の今年は南関東勢のクラシック制覇への期待は益々高まり、
東京ダービー、ジャパンダートクラシックと同じ距離で行われるスターバーストカップは重要な前哨戦となる。
昨年同様7頭と少頭数にはなったが打倒JRAへ向け素質馬が顔を揃えた。

◎ナイトオブファイア
ここまでデビュー3戦3勝、大井生え抜きとして大注目の存在。
2着に1.7秒をつける衝撃の新馬戦の勝ち時計1:28:1は
前日のB1B2の勝ち時計1:27:8と比較してもデビュー戦としては破格のタイムだった。
2戦目は一気の距離延長に加えて砂を被る競馬だったが
折り合いもつき動じることなく抜群の瞬発力で完勝し、底知れぬ能力をまざまざと見せつけた。

久々の実戦だが最終追い切りでは矢野騎手を背に62.6-49.6-36.2と出色のタイムをマークして
パワーアップした走りを披露し上々の仕上がりと判断していい。
管理する渡邉和雄調教師は「素質だけで走っていた2歳時に比べ馬体もシャープになり確かな成長を感じる。
追いきりの後もケロッとしていて、息も全く乱れていない」というのだから末恐ろしい。
「どんな競馬でもできるし操縦性も抜群。ここはしっかり勝って次へ進みたい」と力強いコメント。
ミックファイアのタッグが再びクラシックを沸かしてくれることは間違いない。
メンバー的にもここは負けられない一戦で相手探しと見ている。

〇アレンパ
兄に大井で重賞2勝のワークアンドラブがいる良血馬。
能力試験前から動きが目立っていたがその期待通りに新馬を完勝。
それだけにここ数戦の走りに物足りなさは残るが本来の力を出し切っていないのも事実。
陣営は「まだレースに集中していない面があるので今回はブリンカーを着ける予定」とのこと。
近走はスタートがやや決まっていないだけに大外枠も歓迎。
バテない持久力ある走りはおそらく徹底先行策で生きるはず。
久々の勝利を掴みクラシック路線に殴り込みたい。

▲ジェーケーボンバー
ここ2戦はナイトオブファイアに水をあけられたが先行力とスタミナが魅力の1頭。
久々だけに仕上がりがカギだがしっかり乗り込まれており力は発揮できそうだ。
今回はナイトオブファイアとは斤量1キロ差。3度目の正直で逆転を狙う。

△ベルグラシアス
デビュー戦こそ大敗したが、その後は安定感ある走りで毎回上位争い。
兄にクラシックで好走したジャーニーマンがいて距離の融通は効きそうだ。紅一点、相手は揃ったがデキの良さを生かしたい。

△アルミンテソーロ
マイルの新馬戦を快勝。トビの大きいダイナミックな走りは距離が伸びて更にパフォーマンスが上がりそうだ。
まだキャリア1戦で一気に相手はあがるが、未知の魅力はこの馬。
管理する荒山厩舎は昨年、サントノーレが京浜盃でJRA勢を撃破したが残念ながら2冠への出走は叶わなかった。
昨年のリベンジへ虎視眈々。

有力馬紹介

●ナイトオブファイア

父ホッコータルマエ
母ノーズトウショウ(母父ブラックホーク)

通算成績:3戦3勝

大器の呼び声も高いナイトオブファイア。
昨年11月のデビューから無傷の3連勝、2着馬につけた着差の合計は15馬身半にもなる。
逃げて良し、差して良し、さらには揉まれる競馬も対応済み。
追い出されてからグッと伸びてくる脚は大物感に溢れ、どこまででも伸びて行きそうな美しいフットワークは惚れ惚れする。

母の半弟はJRA重賞馬のトウショウドラフタ。
母系を遡れば名牝スイープトウショウの名前も出てくるトウショウ一族の出身だ。
トライアルを制して3歳ダート三冠路線に駒を進められるか大注目のレースと言って良いだろう。


●アルミンテソーロ

父サートゥルナーリア
母カーリンズビーエフエフ(母父Curlin)

通算1戦1勝

新種牡馬サートゥルナーリア産駒の南関東での競走馬登録数は2頭。
本馬はJRA登録もされていたが、南関東の名門・荒山勝徳厩舎からデビューとなる。
そのデビュー戦は好スタートから2番手追走。
直線を向いて抜け出す定石の競馬で、後続には2馬身半をつけてみせた。
デビュー2戦目で一気の相手強化となるが、荒山師の期待の表れでもあり、未知の魅力に溢れている。


●ジェーケーボンバー

父ホッコータルマエ
母レッドプライム(母父スペシャルウィーク)

通算5戦1勝

ホッカイドウ競馬で1勝挙げて南関東に移籍。
南関東では2走していずれもナイトオブファイアに敗れたが、
移籍初戦は重賞好走馬プレミアムハンドに先着、前走は準重賞と能力自体は非常に高そうだ。
約2か月半の充電。鞍上に笹川翼騎手を配して逆転を狙いたい。


●アレンパ

父ドレフォン
母ハナライ(母父Medaglia d'Oro)

通算5戦1勝

昨年9月の新馬戦を快勝した素質馬。
以降は善戦止まりではあるが、11月の「ハイセイコー記念(S1)」では後方から脚を伸ばして5着している。
半兄は大井のマイル重賞を2勝したワークアンドラブと血統背景も魅力だ。

参考レース

レース回顧<高橋華代子>

3月11日の大井で、準重賞・スターバーストカップが行われました。
1着馬にダート三冠の初戦・羽田盃(4月29日、大井)の優先出走権が与えられるトライアル。
地元のナイトオブファイアが単勝1.0倍の断然人気に応え、無傷の4連勝を決めました。

道中は7頭立ての5番手を追走。
向正面で一気に先頭に立つと、内からアルミンテソーロ、外からジェーケーボンバーも並びかけ、3頭が併走状態。
3~4コーナーからは抜群の手応えでライバルたちを引き離し、最後は6馬身差をつける圧勝でした。
勝ちタイムは2,000mを2分9秒9(重)。

強さが光った一戦にコンビを組んだ矢野貴之騎手は
「先々に向けても、今日はオーバーペースで行こうと思っていたくらいだったので、
2頭から絡まれる形になったのは負荷がかかって良かったです。
2段階で来られても、冷静にしっかり対応ができたところはすばらしいです。
(来られて)ハミは取っていましたが、無駄な力を使っている訳ではなくて、『いつでも行けます』という態勢ができていた感じ。
スローでも折り合えて、しまいもしっかりまとめてきたのは立派です。従順さがいいですね」と絶賛。

休み明けや初距離、別定57キロも難なくクリアした内容は
「これまでで一番いい走りだったと思いますよ。今がようやく競走馬っぽくなってきたなぁと。交流重賞でも楽しみです」と手応え。

課題については
「スタートの一歩目だけです。まだ緩さがある分(スタートが)あまり速くないので、五分に出られるようになれば、
もっと楽な位置で運べるようになると思います」と話していました。

ナイトオブファイアを手掛けるのは、23年の無敗の三冠馬ミックファイアと同じ星加浩一オーナー&渡邉和雄調教師です。
渡邉調教師は「ミックファイアもそうですが、この馬も心臓がいいので、走り終えた直後もいつも通りにケロッとしています。
これだけのレースをしてくれたので、あとはアクシデントなく、交流重賞に自信を持って向かいたいです」と力を込めました。
当初からの予定通り、京浜盃(3月26日、大井)から羽田盃に向かう予定です。

数日後に厩舎へおじゃますると、ナイトオブファイアはちょうどご飯の時間でした。
好物はニンジン。何気なく過ごしている佇まいも雰囲気がたっぷりです。

担当の吉田厩務員は
「レース後も疲れはなく元気です。まだ幼いですが、賢い馬ですよ。
体幹も良くて、蹄の手入れで脚を上げる時もブレずにスーッと上げます」とのこと。

好物のニンジンを食べるナイトオブファイア

好物のニンジンを食べるナイトオブファイア

生え抜きからまた楽しみな馬が出てきました。
これからどんな大仕事をやってのけるのか、気持ちが高まります!


<他陣営のコメント>
2着 ベルグラシアス 町田直希騎手
「緩い馬ですが、競馬に行くといい感じ。女の子でこれだけ長い脚を使えれば、東京プリンセス賞とか面白そうですね」

3着 スルガダイナゴン 今野忠成騎手
「大型馬で距離延長をさせた方がいいという判断だったそうですが、それがいい方に出たと思いますよ」

4着 アレンパ 鷹見陸騎手
「ラチ沿いからロスのない競馬をしたいと思っていて、ハナを叩いて行けたのは良かったです。
マクって来られても自分のペースを崩さずに乗れたので、最後までしっかり脚を使ってくれました。いい競馬はできたと思います」

5着 ジェーケーボンバー 笹川翼騎手
「ジッとしていれば2着はあったと思いますが、前に強い馬がいたし、エンジンの掛かりが遅い馬なので、早めに仕掛けました。
休み明けの分もあって最後に脚は上がりましたが、先を見据えたら決して悪いレースではなかったと思います。いい馬ですよ」

6着 アルミンテソーロ 藤田凌騎手
「今日が2戦目でまだキャリアは浅い中でも、勝ちに行く競馬で頑張ってくれました。
相手は強かったですが、この仔もポテンシャルが高いので楽しみな馬です。
気の難しさはあるので、これから大人になってくれれば」

7着 アンクロワヤブル 西啓太騎手
「相手は強かったですが、馬自身は頑張ってくれました。折り合いはつくので、距離は長くても大丈夫です」

'25スターバーストカップ

'25スターバーストカップ
(提供:特別区競馬組合)

レース概要

実施日 3/11(火)
競馬場 大井競馬場
距離 2,000m
出走条件 サラ系3歳
負担重量 牡馬56kg 牝馬54kg
2025.2.28までの番組ポイント900ポイントにつき1kg加増
※負担重量の上限は牡馬58kg、牝馬56kg
優先出走権 1着馬に「羽田盃(JpnI)」の優先出走権付与

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