
春の牝馬重賞「しらさぎ賞(S3)」!
牝馬重賞が充実している南関東競馬。
今年度は古馬が出走できる重賞は8つあるが、“地方馬限定”となると、
本競走と暮れの「東京シンデレラマイル(S3)」のみとなる。
しらさぎ賞は牝馬重賞としては今年で12回目を数えるが、過去10年の傾向をデータで分析してみよう。
※2006年以前は3歳馬による重賞で、しらさぎ賞自体は今年で56回目
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2017年 | ニシノラピート | 大井 | サウスヴィグラス | 2人気 |
2016年 | ララベル | 大井 | ゴールドアリュール | 1人気 |
2015年 | ノットオーソリティ | 船橋 | スウェプトオーヴァーボード | 1人気 | 2014年 | レッドクラウディア | 大井 | アグネスタキオン | 2人気 | 2013年 | ナターレ | 川崎 | クロフネ | 2人気 | 2012年 | クラーベセクレタ | 船橋 | ワイルドラッシュ | 1人気 | 2011年 | ザッハーマイン | 船橋 | Mineshaft | 1人気 | 2010年 | ジョーイロンデル | 浦和 | クロフネ | 2人気 | 2009年 | デザートレジーナ | 船橋 | タヤスツヨシ | 2人気 | 2008年 | アストリッド | 船橋 | ホワイトマズル | 1人気 |
名だたる名牝が優勝馬に名を連ねている。
冒頭にも記載したが、地方限定の牝馬重賞ということで、しらさぎ賞を目標にする牝馬も多いのだろう。
また、JRA所属の有力馬が牝馬重賞を求めて南関東に移籍するケースも多くなった。
過去10年の優勝馬では2014年レッドクラウディアがその筆頭で、JRA所属時に「クイーン賞(Jpn3)」を制した実績がある。
連対騎手は限られる!
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2017年 | 柏木 健宏 | 矢野 貴之 | 瀧川 寿希也 |
2016年 | 吉原 寛人 | 矢野 貴之 | 左海 誠二 |
2015年 | 吉原 寛人 | 森 泰斗 | 的場 文男 |
2014年 | 森 泰斗 | 的場 文男 | 張田 京 |
2013年 | 的場 文男 | 吉原 寛人 | 御神本 訓史 |
2012年 | 戸崎 圭太 | 石崎 駿 | 吉原 寛人 |
2011年 | 的場 文男 | 左海 誠二 | 江川 伸幸 |
2010年 | 戸崎 圭太 | 森 泰斗 | 真島 大輔 |
2009年 | 戸崎 圭太 | 的場 文男 | 桑島 孝春 |
2008年 | 戸崎 圭太 | 左海 誠二 | 山田 信大 |
しらさぎ賞は特定の騎手が活躍する傾向にある。
過去10年で「戸崎圭太騎手」が4勝、「的場文男騎手」が2勝、2着2回、3着1回、「吉原寛人騎手」が2勝、2着1回、3着1回。
さらに、「森泰斗騎手」、「左海誠二騎手」、「矢野貴之騎手」も複数回3着以内に好走しており、
2012年2着の「石崎駿騎手」も2006年&2007年に優勝している。
そんな中、2017年は“ニューフェイス”の「柏木健宏騎手」が優勝!
過去の傾向通り、「柏木健宏騎手」が“リピーター”となるのか、それとも…!?
なお、「柏木健宏騎手」は2011年「アフター5スター賞(S3・タカオセンチュリー)」以来、約6年ぶりの重賞制覇だった。
近年は大井所属馬の活躍が顕著!
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 1 | 2 | 2 | 10 | 6.7% | 20.0% |
船橋 | 5 | 4 | 6 | 35 | 10.0% | 18.0% |
大井 | 3 | 3 | 0 | 23 | 10.3% | 20.7% |
川崎 | 1 | 1 | 2 | 15 | 5.3% | 10.5% |
南関以外 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
過去10年で最も成績が良いのは「船橋所属馬」の5勝、2着4回、3着6回。
ただし、直近の成績に限ると「大井所属馬」の成績が良く、過去4年で3回もワン・ツーを決めている。
また、しらさぎ賞は2015年から「地方交流戦」として行われており、南関東地区以外からの参戦もある。
成績は2015年5着のタッチデュール(笠松)が最高となっているが、全国区の活躍を見せる牝馬には要注目となるだろう。
人気馬に逆らうな!?
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 5 | 0 | 0 | 5 | 50.0% | 50.0% |
2人気 | 5 | 1 | 0 | 4 | 50.0% | 60.0% |
3人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% |
4人気 | 0 | 3 | 2 | 5 | 0.0% | 30.0% |
5人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% |
6人気以下 | 0 | 4 | 4 | 61 | 0.0% | 5.8% |
過去10年の優勝馬は「1番人気」or「2番人気」のみ!
ただし、「1番人気馬」は5勝、4着以下5回、「2番人気馬」は5勝、2着1回、4着以下4回と“両極端”の成績でもある。
となると、馬券的には「頭固定の2、3着流し」。
「3番人気以下」は甲乙つけがたいが、「6番人気以下」の人気薄にも警戒した方が良さそうだ。
単勝式は堅いが、連勝式は妙味あり!
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2017年 | 360 | 2,730 | 25,150 |
2016年 | 160 | 3,300 | 37,060 |
2015年 | 180 | 820 | 10,610 |
2014年 | 510 | 1,990 | 16,880 |
2013年 | 860 | 9,470 | 145,910 |
2012年 | 100 | 520 | 5,600 |
2011年 | 130 | 900 | 45,050 |
2010年 | 430 | 1,470 | 16,790 |
2009年 | 320 | 1,470 | 175,490 |
2008年 | 290 | 500 | 15,260 |
平均 | 334 | 2,317 | 49,380 |
前項の通り、優勝馬は「1番人気or2番人気」なので、「単勝」の配当は非常に低い。
クラーベセクレタが勝った2012年には“単勝元返し”という決着もある。
逆に妙味があるのは「馬複」と「三連単」。
「馬複」は平均2,317円、「三連単」は平均49,380円となっており、手広く流してみても良さそうだ。
枠番による有利/不利はなし!
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 2 | 0 | 7 | 0.0% | 22.2% |
2枠 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% |
3枠 | 2 | 0 | 1 | 7 | 20.0% | 20.0% |
4枠 | 1 | 3 | 1 | 5 | 10.0% | 40.0% |
5枠 | 2 | 0 | 2 | 16 | 10.0% | 10.0% |
6枠 | 0 | 3 | 1 | 16 | 0.0% | 15.0% |
7枠 | 1 | 0 | 2 | 17 | 5.0% | 5.0% |
8枠 | 3 | 0 | 2 | 15 | 15.0% | 15.0% |
しらさぎ賞が行われる「浦和1,400m」はフルゲート12頭。
過去10年で1頭だけ除外(2012年)が出ているが、その他の年は全てフルゲート12頭立てで行われている。
「枠番別」で最も優勝馬を輩出しているのは「8枠」の3頭。
しかしながら、「8枠」が秀でているわけではなく、内枠から外枠まで、万遍なく優勝馬が出ている。
これは2、3着馬も同様で、「枠番による有利/不利」はデータ上からは読み取れない。
4歳~6歳馬が中心のレース!
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
3歳 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 0.0% |
4歳 | 3 | 1 | 5 | 28 | 8.1% | 10.8% |
5歳 | 4 | 4 | 3 | 22 | 12.1% | 24.2% |
6歳 | 3 | 4 | 2 | 22 | 9.7% | 22.6% |
7歳以上 | 0 | 1 | 0 | 17 | 0.0% | 5.6% |
しらさぎ賞の出走条件は、2014年までは「3歳以上牝馬」で、2015年からは「4歳以上牝馬」(※)で行われている。
とはいえ、「3歳馬」の出走はゼロで、中心は「4歳~6歳馬」だ。
過去10年では、「4歳馬」が3勝、「5歳馬」が4勝、「6歳馬」が3勝。
2着、3着も「4歳~6歳馬」が好成績を残している。
しらさぎ賞は「牝馬限定」ということもあり、牡馬重賞と比較すると年齢が若い馬が活躍する傾向にあるようだ。
※本分析の対象期間のみ記載
牝馬は格より勢い!?
斤量 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
52~53kg | 3 | 3 | 5 | 46 | 5.3% | 10.5% |
54~55kg | 1 | 4 | 3 | 27 | 2.9% | 14.3% |
56kg以上 | 6 | 3 | 2 | 16 | 22.2% | 33.3% |
しらさぎ賞は格付別(クラス別)に斤量が異なる“別定戦(※1)”。
格付別の斤量は「A1級56kg」、「A2級54kg」、「B1級以下52kg」となり、今年の場合は、
2016年4月1日~2018年4月13日の期間中(※2)にダートグレード競走を勝っていれば「2kg」、地方重賞を勝っていれば「1kg」加増される。
上記を2017年に行われたしらさぎ賞を例に、少し具体的に書くと…
優勝したニシノラピートは当時、A2級だったので「54kg」、2着のプリンセスバリューはA1級なので「56kg」。
「重賞馬の加増」に当たる1頭は5着ミスミランダーで、3歳時に地方重賞2勝の実績があったため、
A1級の「56kg」に加え、地方重賞勝ちの「1kg」が加増され、合計斤量は「57kg」となる。
少し前置きが長くなったが、過去10年のしらさぎ賞で好成績を残しているのは「56kg以上」の馬。
いわゆる“格上馬”で、6勝、2着3回、3着2回と実力をいかんなく発揮している。
続いて、「52kg~53kg」の3勝、2着3回、3着5回だが、こちらは「格上挑戦馬」と言うことになる。
「牝馬は格より勢い」という格言も聞かれるが、上記の結果だけを見れば、「格」を重視した方がいいのかもしれない。
※1.南関東以外の馬は南関東格付基準表に当てはめて決定
※2.2歳時の成績は除く
トライアル制覇の勢いは!?
ティアラカップ着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ティアラカップ1着 | 1 | 1 | 0 | 2 | 25.0% | 50.0% |
ティアラカップ2着 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0.0% | 0.0% |
ティアラカップ3着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
ティアラカップ4着以下 | 0 | 1 | 0 | 8 | 0.0% | 11.1% |
しらさぎ賞と同舞台で行われるトライアルレース。
2014年(※)からトライアルとして実施されているため、データ分析も2014年以降とする。
過去4回の優勝馬は全てしらさぎ賞に出走し、1勝、2着1回。
「ティアラカップ」は“A2以下の格付馬によるレース”ということ考慮すると、悪くない成績ではないだろうか。
ちなみに、トライアル優勝馬で4着以下に敗れた2頭も掲示板は確保しており、格下馬であっても軽視は禁物だ。
※2014年はプリムラ賞
2018年ティアラカップの結果
4着以下から巻き返す馬も多い!
マリーンカップ着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
マリーンカップ1着 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 0.0% |
マリーンカップ2着 | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% |
マリーンカップ3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 0.0% |
マリーンカップ4着以下 | 0 | 5 | 2 | 9 | 0.0% | 31.3% |
JRA勢が出走できるダートグレード競走「マリーンカップ(Jpn3)」。
連対馬のサンプルは2012年のクラーベセクレタのみだが、しらさぎ賞では単勝1.0倍の支持に応えて快勝している。
注目は「マリーンカップ4着以下」の2着5回、3着2回。
そのうち、「マリーンカップで4着~7着」に“健闘”した馬が5頭を占めているのは見逃せない。
※2011年のマリーンカップは開催中止
※2009年のマリーンカップはしらさぎ賞以後に開催
2018年マリーンカップの結果
上位馬には要注目!
東京シンデレラマイル着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
東京シンデレラマイル1着 | 2 | 0 | 0 | 4 | 33.3% | 33.3% |
東京シンデレラマイル2着 | 2 | 2 | 0 | 2 | 33.3% | 66.7% |
東京シンデレラマイル3着 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.0% | 0.0% |
東京シンデレラマイル4着以下 | 0 | 4 | 0 | 24 | 0.0% | 14.3% |
前年末に行われるマイル重賞「東京シンデレラマイル(S3)」。
冒頭にも記載したように、南関東では貴重な地方馬限定(※)の牝馬重賞だ。
過去10年、東京シンデレラマイル優勝馬は6頭がしらさぎ賞に出走して2勝。
同様に2着馬も6頭が出走し、2勝、2着2回の成績を挙げている。
2着馬の方が安定感はあるが、やはり重賞上位馬には注目が必要だろう。
※東京シンデレラマイルは南関東所属馬のみ
2017年東京シンデレラマイルの結果
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回はゴールデンウイークの船橋ナイター!5月3日(木祝)の「東京湾カップ(S3)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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