~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2019年1月16日(水) 
サラ系4歳以上 船橋1,000m
船橋記念(S3)

レース紹介

一瞬に全てを!「船橋記念(S3)」!
船橋1,000mを舞台に行われるスプリント戦。
同舞台の「習志野きらっとスプリント(S2)」と並び、南関東では最も短い距離で争われる重賞だ。

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2018年 アピア 大井 ファスリエフ 1人気
2017年 フラットライナーズ 船橋 シニスターミニスター 1人気
2016年 イセノラヴィソン 船橋 ファスリエフ 3人気
2015年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 2人気
2014年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 3人気
2013年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2012年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2011年 ジーエスライカー 大井 サウスヴィグラス 2人気
2010年 スリーセブンスピン 大井 Carson City 2人気
2009年 スパロービート 川崎 サウスヴィグラス 1人気

船橋記念はナイキマドリードの歴史でもある。
同一重賞4連覇(南関東)の記録はフジノウェーブ以来(※)となり、南関東では史上2頭目の快挙だった。

また、スプリント戦で気になるのはサウスヴィグラス産駒の成績。
過去10年で優勝馬は2頭だが、3着は4回あり、現在、3年連続で3着に好走している。

そんなサウスヴィグラス産駒の“後継種牡馬”として期待される2009年の優勝馬スパロービート。
2019年1月9日時点で地方登録馬はグローリアスサード1頭のみだが、父待望の産駒初勝利を2019年1月1日に挙げている。

※2010年~2013年の「東京スプリング盃(S3)」を4連覇、同レースは現在「フジノウェーブ記念(S3)」として実施されている

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

4連覇の手綱は川島正太郎騎手

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2018年 御神本 訓史 中野 省吾 山崎 誠士
2017年 左海 誠二 森 泰斗 山崎 誠士
2016年 笹川 翼 森 泰斗 赤岡 修次
2015年 川島 正太郎 本田 正重 的場 文男
2014年 川島 正太郎 桑村 真明 増田 充宏
2013年 川島 正太郎 町田 直希 戸崎 圭太
2012年 川島 正太郎 山田 信大 戸崎 圭太
2011年 坂井 英光 真島 大輔 本橋 孝太
2010年 真島 大輔 戸崎 圭太 和田 譲治
2009年 戸崎 圭太 御神本 訓史 左海 誠二

本項目でも「川島正太郎騎手」の“4連覇”が燦然と輝いている。
ナイキマドリードは2012年~2014年が川島正行厩舎、2015年は川島正一厩舎に所属しており、“川島一家”で4連覇の大偉業を達成したのである。

その他、3着内に複数回、好走実績のある騎手は、
4回の「戸崎圭太騎手」、2回の「御神本訓史騎手」、「左海誠二騎手」、「真島大輔騎手」、「森泰斗騎手」、「山崎誠士騎手」。
比較的、リピート率の高い重賞と言えそうだ。

勝ち数は船橋!連対率は大井!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 1 12 0.0% 7.1%
船橋 6 3 5 46 10.0% 15.0%
大井 3 6 2 23 8.8% 26.5%
川崎 1 0 2 12 6.7% 6.7%

過去10年で6勝、2着3回、3着5回の成績を残している地元「船橋所属馬」。
対するは「大井所属馬」の3勝、2着6回、3着2回で、連対率26.5%は「船橋所属馬」の15.0%を大きくしのいでいる。

3番人気以内の馬が全10勝!

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 5 2 0 3 50.0% 70.0%
2人気 3 1 2 4 30.0% 40.0%
3人気 2 1 1 6 20.0% 30.0%
4人気 0 1 4 5 0.0% 10.0%
5人気 0 1 1 8 0.0% 10.0%
6人気以下 0 4 2 67 0.0% 5.5%

上位人気馬が結果を残している重賞で、「1番人気馬」が5勝、「2番人気馬」が3勝、「3番人気馬」が2勝。
過去10年の優勝馬は全て「3番人気以内」の馬なのである。

スピード勝負に紛れなし!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2018年 210 4,980 49,470
2017年 170 1,240 11,510
2016年 450 1,790 13,240
2015年 710 1,010 42,750
2014年 440 980 20,320
2013年 140 930 6,240
2012年 210 5,530 31,320
2011年 440 6,650 53,310
2010年 350 430 3,860
2009年 120 440 2,930
平均 324 2,398 23,495

前項の「人気別成績」の通り、3番人気以内の馬が10勝しているので「単勝式」は非常に堅い配当。
過去10年で最も高配当は2015年の710円、「平均配当」は324円だ。

一方、「馬複」は4桁配当が6回、「三連単」は5桁配当が7回。
超高額配当は無いものの、「単勝」の配当を考えると高くなっている印象で、軸から手広く流しても良いのかもしれない。

ピンクの枠がスゴイ!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 1 8 10.0% 10.0%
2枠 1 1 0 8 10.0% 20.0%
3枠 1 1 0 12 7.1% 14.3%
4枠 1 1 4 9 6.7% 13.3%
5枠 2 2 0 13 11.8% 23.5%
6枠 0 1 1 15 0.0% 5.9%
7枠 1 2 0 17 5.0% 15.0%
8枠 3 2 4 11 15.0% 25.0%

最も好成績を挙げているのはピンクの「8枠」!
過去10年で「8枠」は3勝、2着2回、3着4回の成績で、3着内に入らなかった年は1度しかない。
これは率でも明確に出ており、勝率15.0%、連対率25.0%、さらには3着内率45.0%も「枠番別」ではトップの数字だ。

ただし、その他の「枠」が不利というわけでもない。
唯一、「6枠」のみ優勝経験が無いものの、「1枠」~「8枠」まで全ての「枠」で連対実績がある。

ちなみに、3着内率が高いのは「8枠」の45.0%と「4枠」の40.0%。
この「4枠」と「8枠」が3着内に同時に入った回数は、過去10年で5回だ。

スピード勝負なら牝馬も通用!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 8 9 4 65 9.3% 19.8%
牝馬 1 1 5 21 3.6% 7.1%
セン馬 1 0 1 7 11.1% 11.1%

牡馬牝馬混合の重賞は数多くあるが、船橋記念は「牝馬」が活躍している重賞の1つ。

過去10年で「牝馬」は1勝、2着1回、3着5回。
現在、5年連続で「牝馬」が“1頭だけ”3着内に好走している。

上記の「牝馬」5頭を、前項の「枠」と絡めてみると…「8枠の牝馬」が3頭、「3枠の牝馬」が2頭となる。
華やかな枠色に「牝馬」が収まったときは注目してみても面白いかもしれない。

世代間のスピード比べ!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
4歳 2 0 1 8 18.2% 18.2%
5歳 1 2 1 14 5.6% 16.7%
6歳 2 3 3 19 7.4% 18.5%
7歳以上 5 5 5 52 7.5% 14.9%

過去10年で最も勝ち星を挙げているのは「7歳以上」の5勝。
ただし、ナイキマドリードが4連覇した際の年齢は「6歳~9歳」なので、「7歳以上」の5分の3はナイキマドリードとなる。

一方、連対率では各世代が互角。
年齢を重ねた馬は出走頭数こそ多いものの、スピード勝負なら若い馬も負けていない。

実績馬強し!

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
57kg 6 4 3 25 15.8% 26.3%
55kg 2 2 3 24 6.5% 12.9%
53kg以下 2 4 4 44 3.7% 11.1%

船橋記念の斤量は“クラス別定”
各斤量は【A1級57kg・A2級55kg・B1級以下53kg・牝馬2kg減】となり、
賞金額などによる加増は無いので、実績馬にとっては力を出し易い条件だ。

そんな条件でもあり、「57kg」を背負うA1級の馬が6勝、2着4回、3着3回で最も成績が良い。
次いで、「55kg」、「53kg以下」と続くが、やはり「53kg以下」の馬が出走表に並ぶとどうしても注目してしまう。

「53kg以下」の馬はのべ54頭が出走し、2勝、2着4回、3着4回。
このうち、1勝、2着1回、3着2回(のべ17頭)は「51kg」の馬なのである。
斤量「51kg」は“B1級以下の牝馬”となるので、格上挑戦の牝馬だからといって侮ってはいけない。

余談ではあるが、今年の船橋は1月~3月も「ハートビートナイター」として実施される。
このため、ジョッキーが着用するアンダーシャツ分(寒さ対策)の重量「0.5kg」が斤量に上乗せされるのである。
例えば、船橋記念に出走するA1級の馬は本来、斤量57.0kgなのだが、今年は57.5kgで出走となる。

寒い中、風を切って走るジョッキーにもご注目頂きたい!

好走実績は全てあの馬!

【ゴールドカップの着順別の成績】

ゴールドカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドカップ1着 2 0 0 0 100.0% 100.0%
ゴールドカップ2着 0 0 0 0 - -
ゴールドカップ3着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
ゴールドカップ4着以下 2 0 0 7 22.2% 22.2%

※「ゴールドカップ」の施行時期が12月に移行して以降のデータ(2011年実施回から7年分)

浦和1,400mで争われる「ゴールドカップ(S2)」。
2017年12月の実施回から距離1,400m(旧1,500m)で行われている。

過去7年の「ゴールドカップ」出走組からは4頭の船橋記念覇者を輩出。
この4頭は全て“ナイキマドリード”なので、ナイキマドリード以外の馬は船橋記念で結果を残せていないことになる。

ナイキマドリード自身は「ゴールドカップ」2勝をはじめ、浦和重賞4勝のコース巧者。
ただ、それよりも“船橋1,000m”の方が得意だったということだろう。

条件替わりで一変する馬には要注意となりそうだ。

2018年ゴールドカップの結果

前回優勝馬はアピア!

【カムイユカラスプリント(カムイユカラS)の着順別の成績】

カムイユカラS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
カムイユカラS1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
カムイユカラS2着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
カムイユカラS3着 0 0 0 0 - -
カムイユカラS4着以下 0 0 1 5 0.0% 0.0%

※「カムイユカラスプリント」がオープン競走となって以降のデータ(2015年実施回から3年分)

近年は船橋記念トライアルとして実施されている「カムイユカラスプリント」。
過去3年の「カムイユカラスプリント」連対馬からはのべ4頭が参戦して、2勝を挙げる活躍ぶりだ。

「カムイユカラ」という名のレースは昔から船橋で行われていたが、
2015年実施回からはオープン競走となり、よりハイレベルなレースとなっているようだ。

2018年カムイユカラスプリントの結果

真夏から真冬へ

【アフター5スター賞の着順別の成績】

アフター5スター賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
アフター5スター賞1着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
アフター5スター賞2着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
アフター5スター賞3着 1 1 1 2 20.0% 40.0%
アフター5スター賞4着以下 0 3 1 14 0.0% 16.7%

前年夏に大井1,200mで行われている「アフター5スター賞(S3)」。

例年、上位馬の参戦も少なくないが、「アフター5スター賞」1・2着馬は意外にも不振。
該当馬は過去10年で3頭が参戦し、4着2回、10着1回という成績だ。

逆に、成績が良いのは「アフター5スター賞」3着馬で1勝、2着1回、3着1回。
また、「アフター5スター賞」4着以下からも2着3回、3着1回と好走馬が出ている。

約半年前に行われるレースで季節も真逆ではあるが、「アフター5スター賞」で奮わなかった馬を見直すのも良さそうだ。

2018年アフター5スター賞の結果

今年は大注目!

【習志野きらっとスプリント(習志野きらっとS)の着順別の成績】

習志野きらっとS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
習志野きらっとS1着 2 0 0 2 50.0% 50.0%
習志野きらっとS2着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
習志野きらっとS3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
習志野きらっとS4着以下 0 2 0 5 0.0% 28.6%

※「習志野きらっとスプリント」は2011年より実施

船橋記念と同舞台で行われている「習志野きらっとスプリント(S2)」。
地方競馬「スーパースプリントシリーズ」のファイナルを飾る競走で、全国各地からスピード自慢が集結する。

現在、4年連続で「習志野きらっとスプリント」の優勝馬が参戦しているが、船橋記念では2勝、10着2回。
該当馬は2015年から1着 ⇒ 10着 ⇒ 1着 ⇒ 10着なので、2018年の「習志野きらっとスプリント」優勝馬が出てくると…!?

2018年習志野きらっとスプリントの結果

【1~3着馬の4コーナー通過順】

船橋記念(過去10年)

1着 2着 3着
1番手 3
(30.0%)
2
(20.0%)
3
(30.0%)
2~5番手 5
(50.0%)
6
(60.0%)
2
(20.0%)
6番手以降 2
(20.0%)
2
(20.0%)
5
(50.0%)

習志野きらっとスプリント(過去7年)

1着 2着 3着
1番手 4
(57.1%)
2
(28.6%)
1
(14.3%)
2~5番手 3
(42.9%)
4
(57.1%)
3
(42.9%)
6番手以降 0
(0.0%)
1
(14.3%)
3
(42.9%)

船橋1,000mは向こう正面からスタートし、3・4コーナーを周って308mの直線へ。

上表上段は「船橋記念」、下段は「習志野きらっとスプリント」の4コーナーでの位置取り。
()内のパーセンテージは各着順に占める、位置取りの割合を示している。

船橋記念の「位置取り」に関しては、「4コーナー先頭」の馬が3勝、2着2回、3着3回。
必ずしも“先手必勝”という結果とはなっていないのが分かる。

逆に“必勝パターン”は「4コーナーで2~5番手」に位置している馬で、5勝、2着6回、3着2回だ。
さらに、「6番手以降」の馬も2勝、2着2回、3着5回となっており、直線で追い込むシーンも少なくない。

これを同舞台の「習志野きらっとスプリント」と比較すると、「4コーナー先頭の優勝馬」と「6番手以降」の成績に差が見られる。
「習志野きらっとスプリント」では「4コーナー先頭」の馬が勝ち切り、「6番手以降」から追い上げるシーンは少ない。
他方、「船橋記念」はその逆の傾向で、差し馬が台頭しているのだ。

「船橋記念」は寒さの厳しい真冬、「習志野きらっとスプリント」は盛夏に行われる重賞。
天候・砂の状態などなど、微妙に違いが出るのかもしれない。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2月6日(水)に大井競馬場で行われる長距離重賞「金盃(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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