~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2020年1月8日(水) 
サラ系4歳以上 船橋1,000m
船橋記念(S3)

レース紹介

一瞬に全てを!「船橋記念(S3)」!
船橋1,000mを舞台に行われるスプリント戦。
同舞台の「習志野きらっとスプリント(S2※)」と並び、南関東では最も短い距離で争われる重賞だ。
※習志野きらっとスプリントの格付は2020年から「S1」

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2019年 アピア 大井 ファスリエフ 1人気
2018年 アピア 大井 ファスリエフ 1人気
2017年 フラットライナーズ 船橋 シニスターミニスター 1人気
2016年 イセノラヴィソン 船橋 ファスリエフ 3人気
2015年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 2人気
2014年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 3人気
2013年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2012年 ナイキマドリード 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2011年 ジーエスライカー 大井 サウスヴィグラス 2人気
2010年 スリーセブンスピン 大井 Carson City 2人気

船橋記念はナイキマドリードの歴史でもある。
同一重賞4連覇(南関東)の記録はフジノウェーブ以来(※)となり、南関東では史上2頭目の快挙だった。

現在の船橋1,000m巧者といえば、船橋記念を連覇中のアピア!
同条件では6戦5勝、2着1回。2020年は“3連覇”がかかるだけに、出走してくるようであればぜひとも注目したい。

※2010年~2013年の「東京スプリング盃(S3)」を4連覇、同レースは現在「フジノウェーブ記念(S3)」として実施されている

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

4連覇の手綱は川島正太郎騎手

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2019年 御神本 訓史 山林堂 信彦 山崎 誠士
2018年 御神本 訓史 中野 省吾 山崎 誠士
2017年 左海 誠二 森 泰斗 山崎 誠士
2016年 笹川 翼 森 泰斗 赤岡 修次
2015年 川島 正太郎 本田 正重 的場 文男
2014年 川島 正太郎 桑村 真明 増田 充宏
2013年 川島 正太郎 町田 直希 戸崎 圭太
2012年 川島 正太郎 山田 信大 戸崎 圭太
2011年 坂井 英光 真島 大輔 本橋 孝太
2010年 真島 大輔 戸崎 圭太 和田 譲治

本項目でも「川島正太郎騎手」の“4連覇”が燦然と輝いている。
ナイキマドリードは2012年~2014年が川島正行厩舎、2015年は川島正一厩舎に所属しており、“川島一家”で4連覇の大偉業を達成したのである。

近年では、アピアの手綱を取る「御神本訓史騎手」や2017年から3年連続3着の「山崎誠士騎手」。
2016年及び2017年2着の「森泰斗騎手」など、リピート率の高い重賞となっている。

地元船橋が好成績だが…

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 1 13 0.0% 6.7%
船橋 6 3 4 42 10.9% 16.4%
大井 4 5 2 27 10.5% 23.7%
川崎 0 1 3 12 0.0% 6.3%

地元の「船橋所属馬」が6勝、2着3回、3着4回と好成績を残している。
ただし、2018年、2019年と2年連続で「船橋所属馬」が3着内に1頭も好走していないのは気になるところだ。

頭は人気馬!3番人気以内が全10勝!

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 5 2 0 3 50.0% 70.0%
2人気 3 1 2 4 30.0% 40.0%
3人気 2 0 1 7 20.0% 20.0%
4人気 0 1 3 6 0.0% 10.0%
5人気 0 2 1 7 0.0% 20.0%
6人気以下 0 4 3 67 0.0% 5.4%

上位人気馬が順当に結果を残しており、なかでも5勝を挙げる「1番人気馬」がトップの成績。
次いで「2番人気馬」の3勝、「3番人気馬」の2勝が続き、「4番人気以下」からは優勝馬が出ていない。

スピード勝負に紛れなし!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2019年 130 850 11,150
2018年 210 4,980 49,470
2017年 170 1,240 11,510
2016年 450 1,790 13,240
2015年 710 1,010 42,750
2014年 440 980 20,320
2013年 140 930 6,240
2012年 210 5,530 31,320
2011年 440 6,650 53,310
2010年 350 430 3,860
平均 325 2,439 24,317

前項「人気別成績」の通り、3番人気以内の馬が10勝しているので「単勝式」は非常に堅い配当。
先週の「報知オールスターカップ(S3)」の単勝平均配当も「364円」と低かったが、船橋記念はさらに低い「325円」となっている。

一方、「馬複」は4桁配当が6回、「三連単」は5桁配当が8回。
超高額配当は無いものの、「単勝」の配当を考えると高くなっている印象で、軸から手広く流しても良いのかもしれない。

ピンクの枠がスゴイ!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 1 8 10.0% 10.0%
2枠 1 0 0 9 10.0% 10.0%
3枠 1 1 1 11 7.1% 14.3%
4枠 1 1 3 10 6.7% 13.3%
5枠 3 2 0 12 17.6% 29.4%
6枠 0 1 1 16 0.0% 5.6%
7枠 1 2 0 17 5.0% 15.0%
8枠 2 3 4 11 10.0% 25.0%

最も好成績を挙げているのはピンクの「8枠」!
「8枠」は2勝、2着3回、3着4回の成績を残しており、3着内に入らなかった年は過去10年で1度しかない。
これは率でも明確に出ており、3着内率45.0%は「枠番別」トップの数字だ。

次いで、成績が良いのが「5枠」の3勝、2着2回。
アピアが2年連続で「5枠」を引いていることもあるが、2019年の勝利を加算して勝率、連対率はトップに躍り出た。

ちなみに、上記の「5枠」と「8枠」はともに、2017年から3年連続で3着内に好走している。

スピード勝負なら牝馬も通用!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 7 9 5 65 8.1% 18.6%
牝馬 1 1 4 22 3.6% 7.1%
セン馬 2 0 1 7 20.0% 20.0%

牡馬牝馬混合の重賞は数多くあるが、船橋記念は「牝馬」が活躍している重賞の1つ。

過去10年で「牝馬」は1勝、2着1回、3着4回。
2014年から2018年までの5年間は、「牝馬」が“1頭だけ”3着内に好走していた。

上記の「牝馬」5頭を、前項の「枠」と絡めてみると…「8枠の牝馬」が3頭、「3枠の牝馬」が2頭となる。
華やかな枠色に「牝馬」が収まったときは注目してみても面白いかもしれない。

世代間のスピード比べ!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
4歳 1 1 1 9 8.3% 16.7%
5歳 1 2 1 14 5.6% 16.7%
6歳 2 3 3 19 7.4% 18.5%
7歳以上 6 4 5 52 9.0% 14.9%

過去10年で最も勝ち星を挙げているのは「7歳以上」の6勝。
ただし、ナイキマドリードが4連覇した際の年齢は「6歳~9歳」、アピアの連覇が「7歳・8歳」なので、
「7歳以上」の6分の5勝は両馬によるものだ。

一方、連対率では各世代が拮抗。
年齢を重ねた馬は出走頭数こそ多いものの、スピード勝負なら若い馬も負けていない。

実績馬強し!

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
57(57.5)kg 7 4 3 27 17.1% 26.8%
55(55.5)kg 2 2 2 25 6.5% 12.9%
53(53.5)kg以下 1 4 5 42 1.9% 9.6%

船橋記念の斤量は“クラス別定”
斤量は【A1級57kg・A2級55kg・B1級以下53kg・牝馬2kg減】となり、
獲得賞金額などによる斤量の加増は無いので、実績馬にとっては力を出し易い条件だ。

そんな条件でもあり、「57kg」を背負うA1級の馬が7勝、2着4回、3着3回で最も成績が良い。
次いで、「55kg」、「53kg以下」と続くが、やはり「53kg以下」の馬が出走表に並ぶとどうしても注目してしまう。

「53kg以下」の馬はのべ52頭が出走し、1勝、2着4回、3着5回。
このうち、1勝、2着1回、3着2回(のべ18頭)は「51kg」の馬なのである。
斤量「51kg」は“B1級以下の牝馬”となるので、格上挑戦の牝馬だからといって侮ってはいけない。

★冬期の斤量について
通年ナイターを実施している船橋は、寒さの厳しい冬期期間中も「ハートビートナイター」として実施される。
このため、ジョッキーが着用するアンダーシャツ分(寒さ対策)の重量「0.5kg」が斤量に上乗せされるのである。
例えば、船橋記念に出走するA1級の馬は斤量57.0kgが通常なのだが、斤量57.5kgでの出走となるのだ。

寒い中、風を切って走るジョッキーにもご注目頂きたい!

好走実績は全てあの馬!

【ゴールドカップの着順別の成績】

ゴールドカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドカップ1着 2 0 0 0 100.0% 100.0%
ゴールドカップ2着 0 0 0 0 - -
ゴールドカップ3着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
ゴールドカップ4着以下 2 0 0 8 20.0% 20.0%

※「ゴールドカップ」の施行時期が12月に移行して以降のデータ(2011年実施回から8年分)

浦和1,400mで争われる「ゴールドカップ(S2)」。
2017年12月の実施回から距離1,400m(旧1,500m)で行われている。

過去8年の「ゴールドカップ」出走組からは4頭の船橋記念覇者を輩出。
この4頭は全て“ナイキマドリード”なので、ナイキマドリード以外の馬は船橋記念で結果を残せていないことになる。

ナイキマドリード自身は「ゴールドカップ」2勝をはじめ、浦和重賞4勝のコース巧者。
ただ、それよりも“船橋1,000m”の方が得意だったということだろう。

条件替わりで一変する馬には要注意となりそうだ。

2019年ゴールドカップの結果

アピアの必勝ローテ…!?

【カムイユカラスプリント(カムイユカラS)の着順別の成績】

カムイユカラS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
カムイユカラS1着 2 0 0 1 66.7% 66.7%
カムイユカラS2着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
カムイユカラS3着 0 0 0 0 - -
カムイユカラS4着以下 0 0 1 6 0.0% 0.0%

※「カムイユカラスプリント」がオープン競走となって以降のデータ(2015年実施回から4年分)

近年は船橋記念トライアルとして実施されている「カムイユカラスプリント」。
船橋記念を連覇中のアピアも2年連続で「カムイユカラスプリント」を優勝している。
このアピアを含め、過去5年の「カムイユカラスプリント」連対馬はのべ5頭が参戦して、3勝を挙げる活躍ぶりだ。

「カムイユカラ」という名のレースは昔から船橋で行われていたが、
2015年実施回からはオープン競走となり、よりハイレベルなレースとなっているようだ。

2019年カムイユカラスプリントの結果

真夏から真冬へ

【アフター5スター賞の着順別の成績】

アフター5スター賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
アフター5スター賞1着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
アフター5スター賞2着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
アフター5スター賞3着 1 1 0 2 25.0% 50.0%
アフター5スター賞4着以下 0 2 1 13 0.0% 12.5%

前年夏に大井1,200mで行われている「アフター5スター賞(S3)」。

現在、2年連続で船橋記念の優勝馬を輩出しているが、ご承知のようにアピアが該当する。
このアピアを除くと…「アフター5スター賞」4着以下の2着2回、3着1回が目立つところだろうか。

約半年前に行われるレースで季節も真逆ではあるが、「アフター5スター賞」で奮わなかった馬を見直すのも良さそうだ。

2019年アフター5スター賞の結果

今年は鬼門の年?

【習志野きらっとスプリント(習志野きらっとS)の着順別の成績】

習志野きらっとS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
習志野きらっとS1着 3 0 0 2 60.0% 60.0%
習志野きらっとS2着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
習志野きらっとS3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
習志野きらっとS4着以下 0 2 0 6 0.0% 25.0%

※「習志野きらっとスプリント」は2011年より実施

船橋記念と同舞台で行われている「習志野きらっとスプリント(S2)」。
地方競馬「スーパースプリントシリーズ」のファイナルを飾る競走で、全国各地からスピード自慢が集結する。

現在、5年連続で「習志野きらっとスプリント」の優勝馬が参戦しているが、船橋記念では3勝、10着2回。
該当馬は2015年から1着 ⇒ 10着 ⇒ 1着 ⇒ 10着 ⇒ 1着なので、2019年の「習志野きらっとスプリント」優勝馬が出てくると…!?

2019年習志野きらっとスプリントの結果

【1~3着馬の4コーナー通過順】

船橋記念(過去10年)

1着 2着 3着
1番手 3
(30.0%)
2
(20.0%)
3
(30.0%)
2~5番手 5
(50.0%)
6
(60.0%)
2
(20.0%)
6番手以降 2
(20.0%)
2
(20.0%)
5
(50.0%)

習志野きらっとスプリント(過去8年)

1着 2着 3着
1番手 4
(50.0%)
2
(25.0%)
1
(12.5%)
2~5番手 4
(50.0%)
5
(62.5%)
3
(37.5%)
6番手以降 0
(0.0%)
1
(12.5%)
4
(50.0%)

船橋1,000mは向こう正面からスタートし、3・4コーナーを周って308mの直線へ。

上段のデータは「船橋記念」、下段は「習志野きらっとスプリント」の4コーナーでの位置取り。
()内のパーセンテージは各着順に占める、位置取りの割合を示している。

船橋記念の「位置取り」に関しては、「4コーナー先頭」の馬が3勝、2着2回、3着3回。
必ずしも“先手必勝”という結果とはなっていないのが分かる。

逆に“必勝パターン”は「4コーナーで2~5番手」に位置している馬で、5勝、2着6回、3着2回だ。
さらに、「6番手以降」の馬も2勝、2着2回、3着5回となっており、直線で追い込むシーンも少なくない。

これを同舞台の「習志野きらっとスプリント」と比較すると、「4コーナー先頭の優勝馬」と「6番手以降」の成績に差が見られる。
「習志野きらっとスプリント」では「4コーナー先頭」の馬が勝ち切り、「6番手以降」から追い上げるシーンは少ない。
他方、「船橋記念」はその逆の傾向で、差し馬が台頭しているのだ。

「船橋記念」は寒さの厳しい真冬、「習志野きらっとスプリント」は盛夏に行われる重賞。
天候・砂の状態などなど、微妙に違いが出るのかもしれない。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回はRoad to クラシック!1月15日(水)に浦和競馬場で行われる「ニューイヤーカップ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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