
羽田盃トライアル「京浜盃(S2)」
3歳クラシックへの登竜門となる京浜盃。
JRAでは「弥生賞(G2)」に位置する競走となり、南関東クラシックへ向け有力馬が顔を合わせる。
優勝馬の多くが南関東クラシックで大活躍している出世レースだが、ここに至るまでの傾向を分析してみよう。
▼データ分析のポイント
・素質馬揃いの船橋所属馬
・「8枠」は人気薄でも押さえたい
・「全日本2歳優駿(Jpn1)」の上位馬が好成績
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2019年 | ステッペンウルフ | 船橋 | サウスヴィグラス | 3人気 |
2018年 | ヤマノファイト | 船橋 | エスポワールシチー | 1人気 |
2017年 | ヒガシウィルウィン | 船橋 | サウスヴィグラス | 3人気 |
2016年 | タービランス | 浦和 | パイロ | 2人気 |
2015年 | オウマタイム | 船橋 | タイムパラドックス | 3人気 |
2014年 | ハッピースプリント | 大井 | アッミラーレ | 1人気 |
2013年 | ジェネラルグラント | 船橋 | ロージズインメイ | 2人気 |
2012年 | パンタレイ | 川崎 | フィガロ | 2人気 |
2011年 | クラーベセクレタ | 船橋 | ワイルドラッシュ | 1人気 |
2010年 | ジーエスライカー | 大井 | サウスヴィグラス | 6人気 |
南関東を代表する名馬がズラリ。
過去10年の優勝馬のうち、のちの南関クラシックホースは5頭(うち、二冠馬3頭)、3着内にまで広げると計8頭にもなる。
つまり、「京浜盃」での優勝は南関クラシック戦線の“主役”になることを意味するのである。
ちなみに、過去6年の京浜盃覇者は、南関クラシック第1戦「羽田盃(S1)」で3勝、2着2回、3着1回と全て3着内に好走している。
森泰斗騎手に注目!
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2019年 | 御神本 訓史 | 森 泰斗 | 本橋 孝太 |
2018年 | 本橋 孝太 | 御神本 訓史 | 柏木 健宏 |
2017年 | 森 泰斗 | 赤岡 修次 | 矢野 貴之 |
2016年 | 森 泰斗 | 笹川 翼 | 和田 譲治 |
2015年 | 左海 誠二 | 張田 京 | 吉原 寛人 |
2014年 | 吉原 寛人 | 真島 大輔 | 山崎 誠士 |
2013年 | 石崎 駿 | 佐藤 裕太 | 左海 誠二 |
2012年 | 森 泰斗 | 戸崎 圭太 | 山崎 誠士 |
2011年 | 戸崎 圭太 | 御神本 訓史 | 的場 文男 |
2010年 | 戸崎 圭太 | 坂井 英光 | 今野 忠成 |
「森泰斗騎手」が3勝、2着1回の活躍。
コンビを組んだ2016年タービランス、2017年ヒガシウィルウィンは、京浜盃をステップにクラシックのタイトルを手にしている。
また、パンタレイで制した2012年の京浜盃が“牡馬”で手にした初のタイトルだった。
直近2年では「御神本訓史騎手」が1勝、2着1回、「本橋孝太騎手」が1勝、3着1回と好調だ。
船橋所属馬が圧倒!
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 1 | 1 | 0 | 16 | 5.6% | 11.1% |
船橋 | 6 | 5 | 3 | 33 | 12.8% | 23.4% |
大井 | 2 | 3 | 5 | 50 | 3.3% | 8.3% |
川崎 | 1 | 1 | 2 | 18 | 4.5% | 9.1% |
「船橋所属馬」が過去10年で6勝。
また、「船橋所属馬」でのワンツー決着は5回を数え、目下のところ、3年連続でワンツーを決めている。
地元の「大井所属馬」は2勝を挙げているものの、2着3回、3着5回と勝ち切れていない印象だ。
1~3番人気馬の連対率は横一線!
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 3 | 2 | 0 | 5 | 30.0% | 50.0% |
2人気 | 3 | 2 | 0 | 5 | 30.0% | 50.0% |
3人気 | 3 | 2 | 1 | 4 | 30.0% | 50.0% |
4人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% |
5人気 | 0 | 0 | 3 | 7 | 0.0% | 0.0% |
6人気以下 | 1 | 4 | 5 | 87 | 1.0% | 5.2% |
「1~3番人気馬」がいずれも3勝、2着2回の成績を残している。
ただし、「1~3番人気馬」の“3着”がのべ1回しかないように、“3強”揃っての好走は少ない。
となると、「6番人気以下」の1勝、2着4回、3着5回には注目したい。
昨年も1着から順に「3番人気」⇒「2番人気」⇒「12番人気」での決着だった。
単勝は堅く、馬複、三連単は高配当!
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2019年 | 710 | 1,420 | 181,460 |
2018年 | 210 | 520 | 3,960 |
2017年 | 420 | 2,360 | 29,050 |
2016年 | 300 | 3,370 | 173,480 |
2015年 | 490 | 19,530 | 286,030 |
2014年 | 110 | 880 | 6,550 |
2013年 | 330 | 540 | 7,170 |
2012年 | 510 | 830 | 12,380 |
2011年 | 130 | 380 | 3,510 |
2010年 | 1,770 | 4,100 | 435,660 |
平均 | 498 | 3,393 | 113,925 |
前項の通り、上位人気馬が結果を出していることもあり、「単勝」は堅く収まっている。
一方、「馬複」、「三連単」は高配当の香りが…
上位人気馬が揃って好走するケースが少ないため、“紐荒れ”の傾向にある。
特に「三連単」は高配当が多く、過去5年で3回も10万円オーバーのビッグ配当が飛び出している。
ピンク祭り!
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 0 | 2 | 13 | 0.0% | 0.0% |
2枠 | 2 | 3 | 1 | 9 | 13.3% | 33.3% |
3枠 | 1 | 0 | 1 | 17 | 5.3% | 5.3% |
4枠 | 3 | 0 | 1 | 16 | 15.0% | 15.0% |
5枠 | 0 | 1 | 2 | 16 | 0.0% | 5.3% |
6枠 | 0 | 0 | 1 | 19 | 0.0% | 0.0% |
7枠 | 2 | 1 | 0 | 16 | 10.5% | 15.8% |
8枠 | 2 | 5 | 2 | 11 | 10.0% | 35.0% |
「2枠」と「8枠」の成績が良い。
特に「8枠」は2勝、2着5回、3着2回(3着内率45.0%)と抜群の安定感を示している。
「8枠」の凄さは、以下に示す“過去7年”の成績を見れば明らかだろう
年 | 1着 | 2着 | 3着 | 2019年 | 4枠 | 8枠 | 4枠 |
---|---|---|---|
2018年 | 4枠 | 2枠 | 8枠 |
2017年 | 7枠 | 8枠 | 1枠 |
2016年 | 8枠 | 8枠 | 5枠 |
2015年 | 7枠 | 8枠 | 2枠 |
2014年 | 8枠 | 8枠 | 5枠 |
2013年 | 4枠 | 2枠 | 8枠 |
過去7年で「8枠」は2勝、2着5回、3着2回。
人気に関係なく好走しているので、是非とも「8枠」は押さえたいところだ。
クラシックを狙う牡馬が優勢
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 9 | 9 | 9 | 108 | 6.7% | 13.3% |
牝馬 | 1 | 1 | 1 | 9 | 8.3% | 16.7% |
セン馬 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
牡馬クラシックを狙う素質馬が参戦していることもあり、「牡馬」が圧倒的に有利。
そんな中、「牝馬」が1回だけ優勝している。
優勝馬は、後に「羽田盃(S1)」、「東京ダービー(S1)」の南関牡馬クラシック二冠を達成するクラーベセクレタだ。
近年の出世レース!
ニューイヤーカップ着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ニューイヤーカップ1着 | 2 | 1 | 0 | 4 | 28.6% | 42.9% |
ニューイヤーカップ2着 | 1 | 1 | 2 | 3 | 14.3% | 28.6% |
ニューイヤーカップ3着 | 1 | 1 | 0 | 4 | 16.7% | 33.3% |
ニューイヤーカップ4着以下 | 0 | 0 | 0 | 27 | 0.0% | 0.0% |
「浦和1,600m」で行われる年明け恒例の3歳重賞。
過去5年の京浜盃覇者のうち、昨年を除く4頭は「ニューイヤーカップ(S3)」に出走しており、近年では“出世レース”となっている。
※昨年の「ニューイヤーカップ」覇者トーセンガーネットは南関東牝馬二冠
特に、「ニューイヤーカップ」1~3着馬には要注目。
該当馬は過去10年でのべ20頭が出走し、4勝、2着3回、3着2回、3着内率は45.0%にもなる。
「浦和1,600m」はトリッキーなコースとして知られるが、「ニューイヤーカップ」上位馬の力量は素直に評価したいところだ。
2020年ニューイヤーカップの結果
重賞初年度からダービー馬を輩出!
雲取賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
雲取賞1着 | 0 | 2 | 0 | 4 | 0.0% | 33.3% |
雲取賞2着 | 0 | 0 | 0 | 8 | 0.0% | 0.0% |
雲取賞3着 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0.0% | 0.0% |
雲取賞4着以下 | 1 | 1 | 3 | 19 | 4.2% | 8.3% |
昨年から「S3重賞」に昇格した「雲取賞(S3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、実施初年度から南関クラシックホースを輩出している。
なお、「雲取賞」の1~3着馬には「京浜盃」、1、2着馬には「羽田盃」の優先出走権が付与されている。
2018年までの「準重賞」のデータを含むが、「雲取賞」組は京浜盃で苦戦を強いられている。
「雲取賞」優勝馬は過去10年で6頭が出走し、2着が2回。
同じく2、3着馬はのべ18頭が出走しているものの、3着内に好走した馬は出ていない。
昨年の「雲取賞」上位馬の参戦は、1着ヒカリオーソと3着カジノフォンテン。
ヒカリオーソは後の東京ダービー馬ではあるものの、京浜盃では結果を残せなかった(鼻出血)。
今年は重賞昇格2年目となるが、過去のデータは参考になるのか?それとも…!?
2020年雲取賞の結果
JRA勢相手の好走歴は信頼の証!?
全日本2歳優駿着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
全日本2歳優駿1着 | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% |
全日本2歳優駿2着 | 1 | 0 | 0 | 1 | 50.0% | 50.0% |
全日本2歳優駿3着 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0.0% | 20.0% |
全日本2歳優駿4着以下 | 1 | 3 | 2 | 16 | 4.5% | 18.2% |
前年12月に行われる2歳ダート王決定戦「全日本2歳優駿(Jpn1)」。
強豪JRA勢をはじめ、全国から有力馬が参戦しており、レベルの高い争いが展開されている。
JRA勢相手に好走=能力の証ではあるが、次は「全日本2歳優駿」“好走馬”にフォーカスを当ててみよう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
全日本2歳優駿[5着以内] | 3 | 4 | 2 | 6 | 20.0% | 46.7% |
全日本2歳優駿[地方最先着馬] | 2 | 3 | 0 | 5 | 20.0% | 50.0% |
上段は「全日本2歳優駿」で5着以内に好走した馬の京浜盃での成績だ。
これを見ると、いかに好成績を残しているかが分かるデータで、のべ15頭が京浜盃に参戦し、9頭が3着内に好走している。
参考までに、下段のデータは「全日本2歳優駿」5着以内かつ京浜盃に出走した15頭のうち、“地方最先着馬”に絞り込んだデータだ
JRA勢相手に好走した実力は侮れないといったところだろう。
2019年全日本2歳優駿の結果
成長曲線の差?
2歳重賞 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
鎌倉記念優勝馬 | 1 | 1 | 1 | 3 | 16.7% | 33.3% |
平和賞優勝馬 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0.0% | 0.0% |
ハイセイコー記念優勝馬 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% |
全日本2歳優駿優勝馬 | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% |
南関東では、例年9月~12月にかけて2歳重賞が行われる。
京浜盃出走馬の成長曲線は各馬それぞれだが、果たして「2歳重賞ウイナー」が京浜盃でも通用しているのだろうか?
「2歳重賞ウイナー」はのべ18頭が参戦。
もちろん、クラシックへの“一叩き”として走る馬もいるが、京浜盃に限ってはあまり結果が出ていないようだ。
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は南関東牝馬クラシック第1戦!3月25日(水)に浦和競馬場で行われる「桜花賞(S1)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
データ満載!南関東4競馬場の情報は「nankankeiba.com」をチェック!