~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2020年3月18日(水) 
サラ系3歳 大井1,700m
京浜盃(S2)

レース紹介

羽田盃トライアル「京浜盃(S2)」
3歳クラシックへの登竜門となる京浜盃。
JRAでは「弥生賞(G2)」に位置する競走となり、南関東クラシックへ向け有力馬が顔を合わせる。
優勝馬の多くが南関東クラシックで大活躍している出世レースだが、ここに至るまでの傾向を分析してみよう。

▼データ分析のポイント
・素質馬揃いの船橋所属馬
・「8枠」は人気薄でも押さえたい
・「全日本2歳優駿(Jpn1)」の上位馬が好成績

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2019年 ステッペンウルフ 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2018年 ヤマノファイト 船橋 エスポワールシチー 1人気
2017年 ヒガシウィルウィン 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2016年 タービランス 浦和 パイロ 2人気
2015年 オウマタイム 船橋 タイムパラドックス 3人気
2014年 ハッピースプリント 大井 アッミラーレ 1人気
2013年 ジェネラルグラント 船橋 ロージズインメイ 2人気
2012年 パンタレイ 川崎 フィガロ 2人気
2011年 クラーベセクレタ 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2010年 ジーエスライカー 大井 サウスヴィグラス 6人気

南関東を代表する名馬がズラリ。
過去10年の優勝馬のうち、のちの南関クラシックホースは5頭(うち、二冠馬3頭)、3着内にまで広げると計8頭にもなる。
つまり、「京浜盃」での優勝は南関クラシック戦線の“主役”になることを意味するのである。

ちなみに、過去6年の京浜盃覇者は、南関クラシック第1戦「羽田盃(S1)」で3勝、2着2回、3着1回と全て3着内に好走している。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

森泰斗騎手に注目!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2019年 御神本 訓史 森 泰斗 本橋 孝太
2018年 本橋 孝太 御神本 訓史 柏木 健宏
2017年 森 泰斗 赤岡 修次 矢野 貴之
2016年 森 泰斗 笹川 翼 和田 譲治
2015年 左海 誠二 張田 京 吉原 寛人
2014年 吉原 寛人 真島 大輔 山崎 誠士
2013年 石崎 駿 佐藤 裕太 左海 誠二
2012年 森 泰斗 戸崎 圭太 山崎 誠士
2011年 戸崎 圭太 御神本 訓史 的場 文男
2010年 戸崎 圭太 坂井 英光 今野 忠成

「森泰斗騎手」が3勝、2着1回の活躍。
コンビを組んだ2016年タービランス、2017年ヒガシウィルウィンは、京浜盃をステップにクラシックのタイトルを手にしている。
また、パンタレイで制した2012年の京浜盃が“牡馬”で手にした初のタイトルだった。

直近2年では「御神本訓史騎手」が1勝、2着1回、「本橋孝太騎手」が1勝、3着1回と好調だ。

船橋所属馬が圧倒!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 1 0 16 5.6% 11.1%
船橋 6 5 3 33 12.8% 23.4%
大井 2 3 5 50 3.3% 8.3%
川崎 1 1 2 18 4.5% 9.1%

「船橋所属馬」が過去10年で6勝。
また、「船橋所属馬」でのワンツー決着は5回を数え、目下のところ、3年連続でワンツーを決めている。

地元の「大井所属馬」は2勝を挙げているものの、2着3回、3着5回と勝ち切れていない印象だ。

1~3番人気馬の連対率は横一線!

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 2 0 5 30.0% 50.0%
2人気 3 2 0 5 30.0% 50.0%
3人気 3 2 1 4 30.0% 50.0%
4人気 0 0 1 9 0.0% 0.0%
5人気 0 0 3 7 0.0% 0.0%
6人気以下 1 4 5 87 1.0% 5.2%

「1~3番人気馬」がいずれも3勝、2着2回の成績を残している。
ただし、「1~3番人気馬」の“3着”がのべ1回しかないように、“3強”揃っての好走は少ない。

となると、「6番人気以下」の1勝、2着4回、3着5回には注目したい。
昨年も1着から順に「3番人気」⇒「2番人気」⇒「12番人気」での決着だった。

単勝は堅く、馬複、三連単は高配当!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2019年 710 1,420 181,460
2018年 210 520 3,960
2017年 420 2,360 29,050
2016年 300 3,370 173,480
2015年 490 19,530 286,030
2014年 110 880 6,550
2013年 330 540 7,170
2012年 510 830 12,380
2011年 130 380 3,510
2010年 1,770 4,100 435,660
平均 498 3,393 113,925

前項の通り、上位人気馬が結果を出していることもあり、「単勝」は堅く収まっている。

一方、「馬複」、「三連単」は高配当の香りが…
上位人気馬が揃って好走するケースが少ないため、“紐荒れ”の傾向にある。
特に「三連単」は高配当が多く、過去5年で3回も10万円オーバーのビッグ配当が飛び出している。

ピンク祭り!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 0 2 13 0.0% 0.0%
2枠 2 3 1 9 13.3% 33.3%
3枠 1 0 1 17 5.3% 5.3%
4枠 3 0 1 16 15.0% 15.0%
5枠 0 1 2 16 0.0% 5.3%
6枠 0 0 1 19 0.0% 0.0%
7枠 2 1 0 16 10.5% 15.8%
8枠 2 5 2 11 10.0% 35.0%

「2枠」と「8枠」の成績が良い。
特に「8枠」は2勝、2着5回、3着2回(3着内率45.0%)と抜群の安定感を示している。

「8枠」の凄さは、以下に示す“過去7年”の成績を見れば明らかだろう

1着 2着 3着
2019年 4枠 8枠 4枠
2018年 4枠 2枠 8枠
2017年 7枠 8枠 1枠
2016年 8枠 8枠 5枠
2015年 7枠 8枠 2枠
2014年 8枠 8枠 5枠
2013年 4枠 2枠 8枠

過去7年で「8枠」は2勝、2着5回、3着2回。
人気に関係なく好走しているので、是非とも「8枠」は押さえたいところだ。

クラシックを狙う牡馬が優勢

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 9 9 108 6.7% 13.3%
牝馬 1 1 1 9 8.3% 16.7%
セン馬 0 0 0 0 - -

牡馬クラシックを狙う素質馬が参戦していることもあり、「牡馬」が圧倒的に有利。
そんな中、「牝馬」が1回だけ優勝している。
優勝馬は、後に「羽田盃(S1)」、「東京ダービー(S1)」の南関牡馬クラシック二冠を達成するクラーベセクレタだ。

近年の出世レース!

【ニューイヤーカップの着順別の成績】

ニューイヤーカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ニューイヤーカップ1着 2 1 0 4 28.6% 42.9%
ニューイヤーカップ2着 1 1 2 3 14.3% 28.6%
ニューイヤーカップ3着 1 1 0 4 16.7% 33.3%
ニューイヤーカップ4着以下 0 0 0 27 0.0% 0.0%

「浦和1,600m」で行われる年明け恒例の3歳重賞。
過去5年の京浜盃覇者のうち、昨年を除く4頭は「ニューイヤーカップ(S3)」に出走しており、近年では“出世レース”となっている。
※昨年の「ニューイヤーカップ」覇者トーセンガーネットは南関東牝馬二冠

特に、「ニューイヤーカップ」1~3着馬には要注目。
該当馬は過去10年でのべ20頭が出走し、4勝、2着3回、3着2回、3着内率は45.0%にもなる。
「浦和1,600m」はトリッキーなコースとして知られるが、「ニューイヤーカップ」上位馬の力量は素直に評価したいところだ。

2020年ニューイヤーカップの結果

重賞初年度からダービー馬を輩出!

【雲取賞の着順別の成績】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 0 2 0 4 0.0% 33.3%
雲取賞2着 0 0 0 8 0.0% 0.0%
雲取賞3着 0 0 0 10 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 1 1 3 19 4.2% 8.3%

昨年から「S3重賞」に昇格した「雲取賞(S3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、実施初年度から南関クラシックホースを輩出している。
なお、「雲取賞」の1~3着馬には「京浜盃」、1、2着馬には「羽田盃」の優先出走権が付与されている。

2018年までの「準重賞」のデータを含むが、「雲取賞」組は京浜盃で苦戦を強いられている。
「雲取賞」優勝馬は過去10年で6頭が出走し、2着が2回。
同じく2、3着馬はのべ18頭が出走しているものの、3着内に好走した馬は出ていない。

昨年の「雲取賞」上位馬の参戦は、1着ヒカリオーソと3着カジノフォンテン。
ヒカリオーソは後の東京ダービー馬ではあるものの、京浜盃では結果を残せなかった(鼻出血)。

今年は重賞昇格2年目となるが、過去のデータは参考になるのか?それとも…!?


2020年雲取賞の結果

JRA勢相手の好走歴は信頼の証!?

【全日本2歳優駿の着順別の成績】

全日本2歳優駿着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿1着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
全日本2歳優駿2着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
全日本2歳優駿3着 0 1 1 3 0.0% 20.0%
全日本2歳優駿4着以下 1 3 2 16 4.5% 18.2%

前年12月に行われる2歳ダート王決定戦「全日本2歳優駿(Jpn1)」。
強豪JRA勢をはじめ、全国から有力馬が参戦しており、レベルの高い争いが展開されている。

JRA勢相手に好走=能力の証ではあるが、次は「全日本2歳優駿」“好走馬”にフォーカスを当ててみよう。

【全日本2歳優駿「上位馬」の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿[5着以内] 3 4 2 6 20.0% 46.7%
全日本2歳優駿[地方最先着馬] 2 3 0 5 20.0% 50.0%

上段は「全日本2歳優駿」で5着以内に好走した馬の京浜盃での成績だ。
これを見ると、いかに好成績を残しているかが分かるデータで、のべ15頭が京浜盃に参戦し、9頭が3着内に好走している。

参考までに、下段のデータは「全日本2歳優駿」5着以内かつ京浜盃に出走した15頭のうち、“地方最先着馬”に絞り込んだデータだ

JRA勢相手に好走した実力は侮れないといったところだろう。

2019年全日本2歳優駿の結果

成長曲線の差?

【南関2歳重賞ウイナーの成績】

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
鎌倉記念優勝馬 1 1 1 3 16.7% 33.3%
平和賞優勝馬 0 0 1 5 0.0% 0.0%
ハイセイコー記念優勝馬 0 0 0 5 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿優勝馬 1 0 0 0 100.0% 100.0%

南関東では、例年9月~12月にかけて2歳重賞が行われる。
京浜盃出走馬の成長曲線は各馬それぞれだが、果たして「2歳重賞ウイナー」が京浜盃でも通用しているのだろうか?

「2歳重賞ウイナー」はのべ18頭が参戦。
もちろん、クラシックへの“一叩き”として走る馬もいるが、京浜盃に限ってはあまり結果が出ていないようだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は南関東牝馬クラシック第1戦!3月25日(水)に浦和競馬場で行われる「桜花賞(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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