~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2020年2月5日(水) 
サラ系4歳以上 大井2,600m
金盃(S2)

レース紹介

日本で一番長いダート重賞「金盃(S2)」
南関東のみならず、国内で行われるダート重賞では最も長い距離(2,600m)で争われる。
向こう正面からスタートし約1周半の攻防。
馬と騎手との折り合い、騎手同士の駆け引き、まさに人馬一体となる争いは見応え十分だ!

なお、金盃は2015年から距離が2,600m(旧2,000m)に変更されているため、今回の分析の一部は2015年以降の「過去5年」とする。

※2019年現在、金沢の「北國王冠」と並んで最長距離
※第1回~第18回は2,400m、第19回~第58回は2,000m、第59回(2015年)以降は2,600m

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2019年 サウンドトゥルー 船橋 フレンチデピュティ 1人気
2018年 クラージュドール 船橋 キングカメハメハ 5人気
2017年 ユーロビート 大井 スズカマンボ 2人気
2016年 ジャルディーノ 大井 ワイルドラッシュ 3人気
2015年 アウトジェネラル 大井 アドマイヤドン 8人気
2014年 フォーティファイド 大井 フォーティナイナー 4人気
2013年 トーセンルーチェ 船橋 マリエンバード 2人気
2012年 トーセンルーチェ 船橋 マリエンバード 4人気
2011年 スーパーパワー 大井 スキャターザゴールド 1人気
2010年 マズルブラスト 船橋 ホワイトマズル 2人気

過去10年の優勝馬のうち、2,000m以上の南関重賞orJRA重賞を“複数”制している馬は5頭(太字)
南関東では長距離重賞が限られていることもあり、ステイヤーにとっては大目標となるレースの1つとなっている。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

長距離戦は騎手の腕の見せ所!?

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2019年 御神本 訓史 的場 文男 森 泰斗
2018年 森 泰斗 町田 直希 石崎 駿
2017年 吉原 寛人 山本 聡哉 森 泰斗
2016年 真島 大輔 吉原 寛人 本橋 孝太
2015年 御神本 訓史 森 泰斗 石崎 駿
2014年 戸崎 圭太 吉原 寛人 御神本 訓史
2013年 張田 京 御神本 訓史 石崎 駿
2012年 張田 京 米倉 知 森 泰斗
2011年 真島 大輔 今野 忠成 佐藤 博紀
2010年 戸崎 圭太 石崎 隆之 的場 文男

長距離戦は騎手で買え!?
過去10年の1着~3着には、年間100勝以上をマークするジョッキーがずらりと並んでいる。
「太字」は前年に100勝以上(※)の勝ち星を挙げた騎手で、さらに「赤字」は前年の南関東リーディング上位3名だ。
※JRA含む

距離が2,600mとなった2015年以降は「森泰斗騎手」が4回、「御神本訓史騎手」、「吉原寛人騎手」、「石崎駿騎手」が2回、馬券に絡んでいる。
また、優勝騎手の「御神本訓史騎手(2015年)」、「真島大輔騎手」、「森泰斗騎手」は、前年の南関東リーディングで2位だった。
“リピーター”と“前年の南関東リーディング2位”の騎手には要注目となりそう。

ちなみに、南関東リーディングは「森泰斗騎手」、「矢野貴之騎手」、「真島大輔騎手」が2015年から上位3位を独占していたが…
2019年は若手のホープ「笹川翼騎手」が3位!勝ち鞍数も174勝(前年147勝)まで伸ばし、前年6位から大躍進している。

2019年南関東リーディングはこちら

大井所属馬が優勢!

【所属競馬場別の成績(過去5年)】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 0 11 0.0% 8.3%
船橋 2 0 2 9 15.4% 15.4%
大井 3 3 3 41 6.0% 12.0%
川崎 0 1 0 1 0.0% 50.0%

過去5年で地元の「大井所属馬」が3勝、2着3回、3着3回と好成績。
ただし、金盃の前後には「川崎記念(Jpn1・川崎2,100m)」、「報知グランプリカップ(S3・船橋1,800m)」が組まれていることもあり、
「浦和」・「船橋」・「川崎」の所属馬は出走頭数自体が少なくなっている。

「大井所属馬以外」では、「船橋所属馬」の2勝、3着2回、「浦和所属馬」の2着1回、「川崎所属馬」の2着1回。
3着内に好走しているのべ6頭のうち、3頭(※)は「森泰斗騎手」が手綱を取っていた。

※2015年2着ドラゴンエアル(川崎)、2017年3着&2018年1着クラージュドール(船橋)、

上位人気の成績は拮抗!?

【人気別成績(過去5年)】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 1 1 0 3 20.0% 40.0%
2人気 1 0 1 3 20.0% 20.0%
3人気 1 0 1 3 20.0% 20.0%
4人気 0 2 2 1 0.0% 40.0%
5人気 1 0 0 4 20.0% 20.0%
6人気以下 1 2 1 48 1.9% 5.8%

「4番人気以外」の馬が1勝ずつを挙げているように、人気別の成績は横一線!
過去5年分なのでサンプル数は少ないが、上位人気馬の信頼度は甲乙つけがたいデータとなっている。
逆に見ると、「1番人気馬」は1勝、2着1回なので、信頼度はそれほど高くないようだ。

1・2着の組み合わせでは、「5番人気以内」と「6番人気以下」が5回中、3回。
残りは「3・4番人気馬」と「1・4番人気馬」の組み合わせなので、人気馬同士での決着は少なくなっている。

高配当が期待できる!?

【配当傾向(過去5年)】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2019年 160 950 5,960
2018年 740 3,630 44,860
2017年 400 14,050 118,070
2016年 450 1,610 11,730
2015年 4,070 4,620 553,090
平均 1,164 4,972 146,742

昨年は人気サイドでの決着で配当は低くなったものの、その前の4年間は高配当と言えるだろう。
前項の「人気別成績」の通り、軸馬の選択は難しそうだが、高配当も十分狙える傾向となっている。

隣接する枠が…?

【枠番別の成績(過去5年)】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 2 3 4 0.0% 22.2%
2枠 2 0 0 7 22.2% 22.2%
3枠 0 0 0 9 0.0% 0.0%
4枠 1 0 0 9 10.0% 10.0%
5枠 0 3 1 6 0.0% 30.0%
6枠 2 0 1 7 20.0% 20.0%
7枠 0 0 0 10 0.0% 0.0%
8枠 0 0 0 10 0.0% 0.0%

過去5年の1~3着の「枠番」は以下の通り。

▼2019年 1着「4枠」 2着「5枠」 3着「1枠」
▼2018年 1着「6枠」 2着「5枠」 3着「5枠」
▼2017年 1着「6枠」 2着「5枠」 3着「1枠」
▼2016年 1着「2枠」 2着「1枠」 3着「6枠」
▼2015年 1着「2枠」 2着「1枠」 3着「1枠」

「6枠」優勝時は1つ隣の「5枠」が2着、「2枠」優勝時は同じく「1枠」が2着。
そして昨年は「4枠」が1着、「5枠」が2着と、隣接する枠が連対している。
また、2015年と2016年、2017年と2018年は同じ枠番での決着だったので、今年は「4枠」と「5枠」になるかもしれない…!?

また、1~3着は昨年の「4枠」を除くと、「1枠」・「2枠」・「5枠」・「6枠」しか来ていないのが分かる。
偶然か必然か、データ的には面白い傾向である。

好走率では、「1枠」の数字がすこぶる良い。
「1枠」は過去5年で優勝馬こそ出ていないものの、2着2回、3着3回の成績で3着内率は55.6%となる。
コーナーを6回通過する長距離戦だけに、最短距離を走れる枠はプラスに作用するのかもしれない。

【牡馬牝馬別の成績(過去5年)】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 3 4 5 54 4.5% 10.6%
牝馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%
セン馬 2 1 0 7 20.0% 30.0%

タフな条件でもあり、「牝馬」の参戦は2017年タイムビヨンド(6着)のみ。

古豪が活躍!

【年齢別の成績(過去5年)】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
4歳 0 2 1 6 0.0% 22.2%
5歳 1 1 1 11 7.1% 14.3%
6歳 0 0 0 12 0.0% 0.0%
7歳以上 4 2 3 33 9.5% 14.3%

「7歳以上」の古豪が4勝、2着2回、3着3回と活躍。
一方、出走頭数は少ないものの、3着内率33.3%の「4歳馬」も見逃せない。
昨年も1着サウンドトゥルー(9歳)、2着シュテルングランツ(8歳)、そして3着に「4歳」のワークアンドラブが入っている。

さて、活躍が顕著な「7歳以上」の馬だが、年齢別にさらに細かく見てみよう。

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
7歳 1 1 2 11 6.7% 13.3%
8歳 2 1 0 7 20.0% 30.0%
9歳 1 0 0 10 9.1% 9.1%
10歳 0 0 1 3 0.0% 0.0%
11歳 0 0 0 2 0.0% 0.0%

過去5年で成績が良いのは、「8歳馬」の2勝、2着1回、「7歳馬」の1勝、2着1回、3着2回。
これを少し掘り下げてみると…

2016年2着のユーロビート(7歳時)は、翌年の8歳時に金盃優勝!
2017年3着のクラージュドール(7歳時)は、同じく8歳時に金盃を優勝している。
年齢を重ねて着順を上げているように、円熟味を増したステイヤーには一目置きたいところだろう。

オープン馬が強い!

【斤量別の成績(過去5年)】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
57kg以上 1 3 2 6 8.3% 33.3%
56kg 3 1 1 29 8.8% 11.8%
55kg 0 0 0 1 0.0% 0.0%
54kg 1 0 2 13 6.3% 6.3%
53kg以下 0 1 0 13 0.0% 7.1%

金盃の「斤量」はクラス別定で、以下の通りとなる。
秋の長距離重賞「東京記念(S1・2,400m)」は年齢・性別による「定量戦」なので、
クラス(格付)が下の馬にとっては金盃の方が走りやすい条件だ。

▼A1級56kg A2級54kg B1級以下52kg 牝馬2kg減
※2019.2.4~2020.1.31までのダートグレード競走/JRA重賞1着馬は2kg、南関東S1/S2重賞1着馬は1kg加増
※2歳・3歳限定競走は除く

結論的には斤量「56kg」、「57kg以上」を背負うオープン馬(A1級)が強い。
唯一、「54kg(A2級)」で優勝したのは2016年のジャルディーノだが、当時4連勝中で、オープン競走を完勝していた実力馬だった。

ちなみに、南関東のクラスは“番組賞金”によって決定する。
JRAでは基本的に1つ勝つと上のクラスに昇級するが、南関東では5着でも賞金を獲得すると上のクラスに昇級できるのである。

南関東の「クラス」、「番組賞金」について、詳しくはこちらをご覧頂きたい。

金盃が得意な馬を探せ!

【金盃の1~3着馬】

1着 2着 3着
2019年 サウンドトゥルー シュテルングランツ ワークアンドラブ
2018年 クラージュドール ウマノジョー キングニミッツ
2017年 ユーロビート ウマノジョー クラージュドール
2016年 ジャルディーノ ユーロビート プレティオラス
2015年 アウトジェネラル ドラゴンエアル フォーティファイド
2014年 フォーティファイド ツクバチャーム アウトジェネラル
2013年 トーセンルーチェ フォーティファイド スターシップ
2012年 トーセンルーチェ タートルベイ スマートインパルス
2011年 スーパーパワー シーズザゴールド フリートアドミラル
2010年 マズルブラスト セレン クレイアートビュン

「太字」の馬は金盃で複数回、3着内に好走した馬となる。
昨年は該当馬が3着内に好走しなかったものの、昨年の好走馬が、今年リピーターとなって活躍するケースもあるだろう。
また、金盃は2015年から2,600mに距離が変更されているが、リピーターが活躍する傾向に変わりはないようだ。

リピーターの活躍は大井2,400mで争われる「東京記念」の南関データ分析でも記載しているが、
南関東においては限られた条件(※)ということもあり、長距離戦を目標に息の長い活躍をする馬が多いのかもしれない。

※南関東で行われる2,400m以上の重賞は「金盃」、「東京記念(大井2,400m)」、「ダイオライト記念(船橋2,400m・Jpn2)」

【金盃トライアル(金盃TR)の着順別の成績】

金盃TR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
金盃TR1着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
金盃TR2着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
金盃TR3着 0 0 0 0 - -
金盃TR4着以下 0 0 0 4 0.0% 0.0%

昨年度から実施された「金盃トライアル競走(※)」。
まだまだ傾向は掴めないものの、ステイヤーが参戦しているだけに注目となる。

※一昨年度の「金盃トライアル競走」は悪天候により競走取り止め
※昨年度は2,600m、今年度は2,400m

2019年金盃トライアルの結果

好走率が高い!

【報知オールスターカップ(報知ASC)の着順別の成績(過去5年)】

報知ASC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
報知ASC1着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
報知ASC2着 0 0 1 0 0.0% 0.0%
報知ASC3着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
報知ASC4着以下 2 0 0 6 25.0% 25.0%

お正月の川崎開催で行われる2,100mの重賞。
金盃の前後は中長距離重賞が各場で行われていることもあり、「報知オールスターカップ(S3)」からの転戦馬は少ない。

それでも、2015年の優勝馬ドラゴンエアルは金盃で2着、2017年2着のクラージュドールは金盃でも3着に好走。
2018年も4着のクラージュドールが金盃を制しているように、報知オールスターカップで好勝負した馬には注目となりそうだ。

2020年報知オールスターカップの結果

もう一つの大井長距離重賞

【東京記念の着順別の成績(過去5年)】

東京記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念1着 1 1 1 1 25.0% 50.0%
東京記念2着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
東京記念3着 0 0 1 2 0.0% 0.0%
東京記念4着以下 0 1 1 15 0.0% 5.9%

前年の9月~10月に行われる2,400mの「東京記念」。
前述したように、南関東では貴重な長距離重賞ということで、金盃と同様に多くのステイヤーが参戦している。

過去5年の「東京記念」優勝馬からは4頭が金盃に出走し、1勝、2着1回、3着1回。
昨年も「東京記念」を制したシュテルングランツが2着に好走したように、優勝馬は一定の成績を残している。

2019年東京記念の結果

ステイヤーが大活躍!

【前走の距離別の成績(過去5年)】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,800m未満 0 0 0 15 0.0% 0.0%
1,800m~2,000m未満 0 2 0 11 0.0% 15.4%
2,000m以上 5 3 5 36 10.2% 16.3%

こちらのデータは「前走の距離別の成績」となる。
前走が「1,800m未満」の馬は3着内の経験がなく、「1,800m~2,000m未満」は2着が2回あるのみ。
一方、前走が「2,000m以上」の馬は全5勝を挙げ、2着3回、3着5回と好成績を残しているのだ。

ステイヤーにとっては目標となるレースでもあり、長距離路線を歩む馬がきっちりと結果を出している。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は3歳重賞!「金盃」の翌日2月6日(木)に大井競馬場で行われる「雲取賞(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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