~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2020年12月9日(水) 
サラ系3歳以上 大井1,800m
勝島王冠(S2)

レース紹介

東京大賞典トライアル!「勝島王冠(S2)」!
南関東の中長距離ランナーはもちろん、短~マイル戦が得意な馬も参戦する1,800m戦。
「東京大賞典(G1)」トライアルとしての役割も担い、1着馬には同レースへの優先出走権が付与される。

▼データ分析のポイント
・大井所属馬が8勝と断然
・3歳馬でもチャンスあり
・中長距離をステップにした馬が好成績

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2019年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 1人気
2018年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 3人気
2017年 ディアドムス 大井 ジャングルポケット 1人気
2016年 セイスコーピオン 川崎 デュランダル 1人気
2015年 ムサシキングオー 大井 キングヘイロー 2人気
2014年 ハブアストロール 大井 エイシンサンディ 11人気
2013年 ガンマーバースト 船橋 スペシャルウィーク 1人気
2012年 プーラヴィーダ 大井 フィガロ 1人気
2011年 スマートインパルス 大井 スパイキュール 3人気
2010年 スーパーパワー 大井 スキャターザゴールド 10人気

今年で12回目を迎える勝島王冠。
以前はオープン競走、準重賞競走として実施されており、歴代優勝馬にはボンネビルレコード、オリオンザサンクスなどの名前もある。

近年は東京大賞典への重要なステップレースの1つとして注目度もアップ!
2019年は勝島王冠を勝利したモジアナフレイバーが東京大賞典3着、同2着ノンコノユメが同じく東京大賞典で2着に好走している。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

森騎手&笹川騎手が好相性

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2019年 繁田 健一 真島 大輔 吉原 寛人
2018年 繁田 健一 森 泰斗 笹川 翼
2017年 岡部 誠 笹川 翼 瀧川 寿希也
2016年 森 泰斗 的場 文男 和田 譲治
2015年 笹川 翼 達城 龍次 矢野 貴之
2014年 左海 誠二 矢野 貴之 張田 昂
2013年 森 泰斗 真島 大輔 吉原 寛人
2012年 戸崎 圭太 石崎 駿 御神本 訓史
2011年 A.ムンロ 町田 直希 石崎 駿
2010年 真島 大輔 的場 文男 金子 正彦

「繁田健一騎手」がモジアナフレイバーとのコンビで連覇中。
また、今年の南関リーディングを独走している「森泰斗騎手」、地方通算1,000勝を達成した「笹川翼騎手」の活躍も目立つ。

ちなみに、「笹川翼騎手」の初タイトルは2015年の「勝島王冠」だ。

地元勢強し!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 1 9 0.0% 9.1%
船橋 1 4 2 29 2.8% 13.9%
大井 8 5 6 80 8.1% 13.1%
川崎 1 0 1 5 14.3% 14.3%

3連覇中の「大井所属馬」が8勝、2着5回、3着6回と大活躍。
出走頭数が多いので連対率は他場と変わりないが、“地元強し”と言ってもいい結果だろう。

人気馬or人気薄?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 5 2 1 2 50.0% 70.0%
2人気 1 3 0 6 10.0% 40.0%
3人気 2 2 0 6 20.0% 40.0%
4人気 0 1 0 9 0.0% 10.0%
5人気 0 0 3 7 0.0% 0.0%
6人気以下 2 2 6 93 1.9% 3.9%

過去10年で「1番人気馬」は5勝、2着2回、3着1回と信頼度は抜群!
これを「1~3番人気」に幅を広げると、8勝(2着7回、3着1回)を占めるまでになる。

一方で、「6番人気以下」は2勝、2着2回、3着6回。
優勝した2頭は「10番人気(2010年スーパーパワー)」、「11番人気(2014年ハブアストロール)」となっている。

なお、2010年は1着から順に「10番人気⇒1番人気⇒13番人気」、
2014年は「11番人気⇒6番人気⇒7番人気」の決着で、三連単はともに100万円オーバーの超ビッグ配当だった。

堅い、ときどき大荒れ?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2019年 190 250 5,320
2018年 480 640 9,220
2017年 350 3,140 63,720
2016年 160 370 9,780
2015年 390 1,510 30,110
2014年 12,800 58,750 1,448,340
2013年 240 1,380 84,620
2012年 180 390 3,700
2011年 950 1,960 10,530
2010年 7,740 8,690 1,711,130
平均 2,348 7,708 337,647

前項の「人気別成績」の通りだが、2010年&2014年は大荒れの決着。
この2年を除くと、「単勝平均368円」、「同馬複:1,205円」、「同三連単:27,125円」となり、比較的、平穏な配当なのが分かる。

枠番による差は無い!?

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 1 2 13 0.0% 6.3%
2枠 2 2 1 13 11.1% 22.2%
3枠 1 1 0 18 5.0% 10.0%
4枠 3 0 1 16 15.0% 15.0%
5枠 1 1 2 16 5.0% 10.0%
6枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%
7枠 2 3 2 12 10.5% 26.3%
8枠 0 2 1 17 0.0% 10.0%

全ての「枠」で連対実績があるように、「内枠」~「外枠」までほぼ均等の成績。

大井1,800m(※)は内回りコースの直線入り口からスタートするコースで、直線を一杯に使った先行争いが見どころ。
フルゲートは16頭で、多頭数となることも多い勝島王冠だが、データ上では有利不利は少ないようだ。

それでも、近年は「7枠」の成績が良く、目下のところ4年連続連対中(1勝)。
さらに、連対率26.3%は枠番別で最も高く、3着内率36.8%も頭一つ抜けている。

※大井1,800mは外回りコースで実施(同じ場所からスタートする1,600mは内回りコース)

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 8 8 112 7.2% 13.0%
牝馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%
セン馬 0 2 2 10 0.0% 14.3%

過去10年で「牝馬」の出走は2010年のラインジュエル(※)のみ。
南関東の秋~冬は牝馬重賞が充実している時期だけに、「牝馬」の出走は少なくなっているのだろう。

※2011年も出走予定だったが、残念ながら除外となっている

負担重量の軽い3歳馬に注目!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 2 0 2 9 15.4% 15.4%
4歳 3 2 1 13 15.8% 26.3%
5歳 2 0 2 18 9.1% 9.1%
6歳 3 3 1 26 9.1% 18.2%
7歳以上 0 5 4 57 0.0% 7.6%

「3歳馬」が好調!
過去10年を見ると2勝、3着2回と目立って良い数字ではないが、このうちの1勝、3着2回は2017年と2018年での成績だ。

この時期の「3歳馬」といえば、負担重量の恩恵が検討材料の1つとなる。
勝島王冠の負担重量は「A1級57kg・A2級55kg・B1級以下54kg・3歳馬2kg減・牝馬2kg減」(※)。
2018年は斤量53kgのモジアナフレイバー(A2級)が優勝し、同53kgのリコーワルサーが3着に好走している。

また、2017年までは「B1級以下53kg」だったので、斤量51kgの「3歳馬」も出走していた実績がある。
斤量51kgに限定すると、過去10年で3頭の「3歳馬」が出走し、3着1回、4着1回、11着1回。
歴戦の古馬が勢揃いする重賞ではあるものの、若さと勢い、そして斤量の恩恵を最大限に生かしているようだ。

※2020年の場合は、基準の重量に以下が加増される
  2019.12.2から2020.12.4までのダートグレード競走及びJRA重賞勝ち馬2kg、南関S1/S2重賞勝ち馬1kg加増
  (2歳・3歳限定競走の成績を除く)

大注目の3歳準重賞!

【スターバーストカップ(スターBC)の着順別の成績】

スターBC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
スターBC1着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
スターBC2着 0 0 2 1 0.0% 0.0%
スターBC3着 0 0 0 0 - -
スターBC4着以下 0 0 0 0 - -

2013年から行われている3歳馬限定の準重賞「スターバーストカップ」。

サンプル数が少ないので参考程度にはなるが、過去にのべ6頭が勝島王冠に参戦して1勝、3着2回。
前項「年齢別の成績」でご紹介した“2017年と2018年で3着内に好走した3頭(1勝、3着2回)”は、
全て「スターバーストカップ」をステップにしていた。

2020年スターバーストカップの結果

条件替わりで一変する馬は!?

【マイルグランプリ(マイルGP)の着順別の成績】

マイルGP着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
マイルGP1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
マイルGP2着 1 1 0 3 20.0% 40.0%
マイルGP3着 0 2 0 2 0.0% 50.0%
マイルGP4着以下 0 0 1 28 0.0% 0.0%

例年、勝島王冠の約1か月前に行われている「マイルグランプリ(S2)」。
2011年より施行時期が春⇒秋に変更されているため、本項目では2011年以降、9年分のデータとする。
※今年は夏に実施され、同じマイル重賞「サンタアニタトロフィー(S3)」が秋に実施されている

マイルグランプリ上位馬の出走は思いのほか少なく、1~3着馬は過去9年でのべ11頭が参戦。
その11頭の成績は2勝、2着3回となっており、3着内率45.5%と悪くない数字だ。

また、「マイルグランプリ4着以下」からは、のべ29頭が出走して3着が1回あるのみ。
「内回り1,600m」⇒「外回り1,800m」への条件替わり(※)で一変した馬は少なかったということだろう。
ちなみに、「マイルグランプリ4着以下」から3着に好走した1頭は、前年の勝島王冠を勝利していたムサシキングオーだ。

※「マイルグランプリ」⇒「勝島王冠」に直行しているとは限らない

2020年マイルグランプリの結果
2020年サンタアニタトロフィーの結果

優勝馬の過信は禁物?

【東京記念の着順別の成績】

東京記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念1着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
東京記念2着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
東京記念3着 0 2 0 3 0.0% 40.0%
東京記念4着以下 1 0 1 34 2.8% 2.8%

続いては距離が短縮するパターン。
勝島王冠の約2か月前に行われている2,400mの長距離重賞「東京記念(S1)」。

過去10年で「東京記念」優勝馬は4頭が参戦しているものの、3着内に好走した例は1度も無い。
いずれも勝島王冠では2番人気以内に支持されているので、データ上は“危ない人気馬”ということになる。

「東京記念4着以下」からは、のべ36頭が出走して1勝、3着1回。
こちらも目立った数字ではないが、該当の2頭(2015年3着アウトジェネラル・2017年1着ディアドムス)は、ともに1,800mの重賞ウイナーだった。

2020年東京記念の結果

連対馬は信頼度が高い!

【埼玉新聞栄冠賞の着順別の成績】

埼玉新聞栄冠賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
埼玉新聞栄冠賞1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
埼玉新聞栄冠賞2着 1 1 1 3 16.7% 33.3%
埼玉新聞栄冠賞3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
埼玉新聞栄冠賞4着以下 0 1 1 18 0.0% 5.0%

浦和1,900mで行われている「埼玉新聞栄冠賞(S3)」。
「浦和」⇒「大井」とコース形態は大きく異なるが、距離的には上記の参考レースの中で最も近くなっている。

過去10年の「埼玉新聞栄冠賞」優勝馬は2頭が参戦して1勝。
同2着馬は6頭が参戦し、1勝、2着1回、3着1回の成績を残しているように、「埼玉新聞栄冠賞」連対馬の好走率は高くなっている。

2020年埼玉新聞栄冠賞の結果

中長距離が得意な馬が好成績?

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,600m未満 0 0 0 15 0.0% 0.0%
1,600m 3 3 2 40 6.3% 12.5%
1,601m~1,800m未満 0 1 0 8 0.0% 11.1%
1,800m以上 7 6 8 60 8.6% 16.0%

最後に「前走の距離別の成績」をまとめてみよう。

好走馬が最も出ているのは、前走が「1,800m以上」の馬。
過去10年で7勝、2着6回、3着8回の成績を残しているように、中長距離指向の馬が活躍しているのが分かる。

続いて、前走が「1,600m」の馬が3勝、2着3回、3着2回。
マイルグランプリをはじめ、マイル戦の番組が比較的多いということもあるが、前走マイル組も注目したい。

一方、成績が芳しくないのは、前走が「1,601m~1,800m未満」と「1,600m未満」。
特に「1,600m未満」は3着内の実績がなく、データ上では短距離からの距離延長はプラスに働いていないようだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は12月23日(水)に浦和競馬場で行われる「ゴールドカップ(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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