~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2020年9月16日(水) 
サラ系3歳 川崎2,100m
戸塚記念(S1)

レース紹介

夏の3歳重賞「戸塚記念(S1)」
2018年から南関東最高グレードの「S1(旧S2)」に昇格。
春のクラシック出走組と黒潮盃組、さらには夏の上がり馬が激突する注目の一戦だ。

戸塚記念が行われる川崎2,100mは「川崎記念(Jpn1)」や「関東オークス(Jpn2)」が行われるコースで、
スタミナはもちろんのこと、コーナーを6回通過する器用さ、川崎競馬場でのコース経験などが求められる。

川崎経験馬が強いのか?勢いある上がり馬が強いのか?過去10年の傾向を探ってみよう。

▼データ分析のポイント
・川崎リーディング上位「山崎騎手」と「森騎手」
・黒潮盃組と関東オークス上位馬
・川崎コースに実績のある馬

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2019年 ヒカリオーソ 川崎 フリオーソ 1人気
2018年 チャイヤプーン 船橋 フェデラリスト 5人気
2017年 カンムル 浦和 サマーバード 4人気
2016年 ベルゼブブ 浦和 アグネスデジタル 3人気
2015年 ミスアバンセ 船橋 パイロ 5人気
2014年 キットピーク 大井 マーベラスサンデー 7人気
2013年 トラバージョ 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2012年 アスカリーブル 船橋 ブラックタキシード 1人気
2011年 ナターレ 川崎 クロフネ 2人気
2010年 ハーミア 大井 フィガロ 1人気

2019年は東京ダービー馬ヒカリオーソが貫録勝ち。

戸塚記念は「別定戦」として実施されていたが、2018年から「定量戦」となったことで実績馬も参戦しやすくなった。
過去10年で東京ダービー馬が参戦した例は「2016年バルダッサーレ」のみだったが、今後は戸塚記念を目標とする馬も増えてくることだろう。

※バルダッサーレが出走した戸塚記念の成績は2着(斤量58kg)

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

地元の山崎誠士騎手!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2019年 山崎 誠士 森 泰斗 笹川 翼
2018年 森 泰斗 町田 直希 御神本 訓史
2017年 左海 誠二 石崎 駿 中野 省吾
2016年 山崎 誠士 吉原 寛人 真島 大輔
2015年 矢野 貴之 澤田 龍哉 吉原 寛人
2014年 岡部 誠 御神本 訓史 繁田 健一
2013年 石崎 駿 真島 大輔 今野 忠成
2012年 今野 忠成 御神本 訓史 繁田 健一
2011年 的場 文男 今野 忠成 石崎 駿
2010年 戸崎 圭太 町田 直希 山崎 誠士

川崎所属の「山崎誠士騎手」が直近4年で2勝の活躍。
地元を代表するジョッキーの一人で、9/2終了時点の川崎リーディング(勝利数)では2位につけている。

その他では、川崎リーディング1位の「森泰斗騎手」が2年連続連対中だ。

2020年川崎リーディングはこちら

地元勢が上昇中!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 0 0 13 13.3% 13.3%
船橋 4 3 5 43 7.3% 12.7%
大井 2 3 3 18 7.7% 19.2%
川崎 2 4 2 32 5.0% 15.0%

「船橋所属馬」が4勝、2着3回、3着5回と好成績。
連対率12.7%は他の3場と比較すると低く感じるが、これは出走頭数が南関4場で最も多いからだ。

地元の「川崎所属馬」は2勝、2着4回、3着2回。
近年は少し苦戦していたものの、2019年はヒカリオーソが勝利し、2018年はトキノパイレーツが2着に好走している。
(地元勢の連対はトキノパイレーツが5年ぶり)

5番人気馬に注目!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 2 0 4 40.0% 60.0%
2人気 1 3 1 5 10.0% 40.0%
3人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
4人気 1 1 3 5 10.0% 20.0%
5人気 2 3 0 5 20.0% 50.0%
6人気以下 1 1 5 79 1.2% 2.3%

「1番人気馬」が過去10年で4勝、2着2回。
2013年トラバージョ以降は「1番人気馬」が勝利していなかったが、昨年は「1番人気」に支持されたヒカリオーソが勝利している。

また、大活躍と言えるのが「5番人気馬」。
過去10年では2勝、2着3回の成績を残しており、連対率50.0%は「1番人気馬」に次ぐ高連対率となっている。

近年は荒れる傾向?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2019年 230 270 1,440
2018年 1,430 1,010 28,630
2017年 1,280 3,310 201,440
2016年 1,520 1,470 68,340
2015年 590 19,640 402,040
2014年 1,870 1,910 19,590
2013年 180 1,070 5,310
2012年 130 670 7,800
2011年 570 2,770 33,480
2010年 200 1,040 27,640
平均 800 3,316 79,571

近年は高配当が続いていたが、昨年は三連単「1,440円」という配当に。
前述した通り、定量戦となったことで実績馬が力を出しやすくなった結果だろうか。

高配当の傾向が続くのか?それとも堅い決着に落ち着いていくのか?

ちなみに、同じ夏場の3歳重賞「黒潮盃(S2)」の平均配当(※)は「単勝356円」、「馬複2,294円」、「三連単31,504円」。
黒潮盃は1番人気馬の3着内率が100.0%という特徴がある。
※2010年~2019年

黄色い枠が好成績!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 1 2 6 10.0% 20.0%
2枠 0 2 0 8 0.0% 20.0%
3枠 1 1 1 16 5.3% 10.5%
4枠 3 0 0 16 15.8% 15.8%
5枠 4 1 3 11 21.1% 26.3%
6枠 0 1 2 16 0.0% 5.3%
7枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%
8枠 0 4 1 15 0.0% 20.0%

1着の回数が多いのは「5枠」の4回。
さらに、2着が1回、3着が3回もあり、過去10年では8回も馬券に絡んでいることになる。

また、勝利実績こそないものの、「8枠」は2着4回、3着1回と好成績。
現在、4年連続で3着内(2着3回、3着1回)に好走している点も見逃せないところだ。

強い女が台頭!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 6 9 7 88 5.5% 13.6%
牝馬 4 1 3 18 15.4% 19.2%
セン馬 0 0 0 0 - -

「牡馬6勝」に対して「牝馬4勝」と互角の戦いを繰り広げている。

「3歳牝馬」にとって、秋の目標の1つは11月に行われる「ロジータ記念(S1)」。
ロジータ記念は「川崎2,100m」で行われることもあり、同舞台の戸塚記念には有力牝馬が参戦する傾向にある。
“夏は牝馬”という格言もある通り、暑い時期に行われる3歳重賞では見逃せない存在だ!

今年の芙蓉賞はハイレベル!?

【芙蓉賞の着順別の成績(過去6回)】

芙蓉賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
芙蓉賞1着 1 1 0 4 16.7% 33.3%
芙蓉賞2着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
芙蓉賞3着 0 0 1 4 0.0% 0.0%
芙蓉賞4着以下 0 0 1 7 0.0% 0.0%

※2011年~2014年は未実施のため、過去6回分の成績

川崎2,000mで行われる戸塚記念TR「芙蓉賞」。
2017年までは出走条件が「B3以下」だったが、2018年からは「A1以下」の馬にも門戸が開かれている。

「芙蓉賞」優勝馬は過去6回で1勝のみ。
あまり戸塚記念に直結していないトライアルだが、「A1以下」に出走条件が変わった2018年はトキノパイレーツが2着に好走。
2019年は「芙蓉賞」の上位5頭が出走して4着が最高だったものの、レースレベルは確実に向上していることだろう。

2020年芙蓉賞の結果

黒潮盃からの巻き返し!

【黒潮盃の着順別の成績】

黒潮盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
黒潮盃1着 2 0 0 3 40.0% 40.0%
黒潮盃2着 1 0 1 3 20.0% 20.0%
黒潮盃3着 1 0 0 4 20.0% 20.0%
黒潮盃4着以下 1 3 4 32 2.5% 10.0%

戸塚記念の約1か月前に大井競馬場で行われる3歳重賞「黒潮盃」。
条件が「大井1,800m」⇒「川崎2,100m」に替わるが、その関連性はどうだろう。

過去10年の「黒潮盃」優勝馬は5頭が戸塚記念に出走し、2勝、4着以下3回。
いずれも戸塚記念では「2番人気以内」に支持されていたので、やや物足りない成績かもしれない。

「黒潮盃」2、3着からは、それぞれ1頭の戸塚記念優勝馬を輩出。
さらに、「黒潮盃」で4着以下に敗れた馬からは1頭の優勝馬が出ており、2着、3着に好走する馬も多い。
大井 ⇒ 川崎の条件替わりで一変する馬を見つけるのも馬券検討の一つと言ってよさそうだ。

2020年黒潮盃の結果

関東オークス上位馬には大注目!

【関東オークスの着順別の成績】

関東オークス着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
関東オークス1着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
関東オークス2着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
関東オークス3着 0 1 1 0 0.0% 50.0%
関東オークス4着以下 0 0 1 5 0.0% 0.0%

南関東牝馬クラシック第3戦「関東オークス(Jpn2)」。
戸塚記念と同舞台で行われるだけに、当然ながら注目のレースとなる。

関東オークスはJRA勢とのレースとなるだけに、「上位争い=実力馬」がそのまま当てはまる。
過去10年で「関東オークス」1~3着馬は戸塚記念に6頭参戦しているが、そのうちの2頭が優勝し、2着、3着も1回ずつある。
また、「関東オークス4着以下」からは、2011年のハルサンサン(関東オークス4着!)が3着に食い込んでいる。

2020年関東オークスの結果

連勝馬には注目!

【戸塚記念1~3着馬の前走成績】

前走着順 1着 2着 3着
前走1着 4 4 1
前走2着 1 0 1
前走3着 1 1 2
前走4着以下 4 5 6

黒潮盃の「南関データ分析」と同様に、過去10年の「1~3着馬」の「前走成績」を調べてみた。

過去10年の優勝馬のうち、「前走1着馬」は4頭、うち3頭は前々走も制している“上がり馬”だ。
さらに、そのうちの2頭は3走前も勝利しており、戸塚記念で4連勝を達成している。

「前走4着以下」から戸塚記念を制したのは2011年ナターレ、2014年キットピーク、2018年チャイヤプーン、2019年ヒカリオーソ。
うち、キットピークのみ「黒潮盃4着以下」からの戴冠となっている。

川崎巧者は見逃せない!

【川崎コースの経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 7 8 7 81 6.8% 14.6%
経験なし 3 2 3 25 9.1% 15.2%

1周1,200mと小回りなコースは経験がものをいう!?
過去10年の優勝馬のうち、実に7頭が川崎コースの経験があり、2着、3着も「経験あり」が大勢を占めている。

さらに細かく見てみると、「経験あり」のうち、「川崎コース無敗馬」の成績は以下のとおり。

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
無敗馬 5 2 1 11 26.3% 36.8%

「経験あり」の7頭中、5頭までが「川崎コース無敗」を誇る“川崎巧者”。
「1~3着馬の前走成績」で示した「前走4着以下」から戴冠したナターレは「川崎コース無敗馬」に該当する。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は新設2歳重賞!9月21日(月祝)に大井競馬場で行われる「ゴールドジュニア(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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