~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2021年11月17日(水) 
サラ系2歳 大井1,600m
ハイセイコー記念(S1)

レース紹介

南関東所属馬による2歳重賞「ハイセイコー記念(S1)」
大井が生んだ国民的アイドルホース“ハイセイコー”を冠した2歳重賞!
将来のスターホース候補生の誕生が期待される大注目の一戦だ。

▼データ分析のポイント
・リーディング上位三傑が熱い
・ゴールドジュニア優勝馬が3年連続連対中
・レース経験が浅いマイル未経験馬でも大丈夫

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2020年 アランバローズ 船橋 ヘニーヒューズ 3人気
2019年 ゴールドビルダー 船橋 パイロ 2人気
2018年 ラプラス 大井 カジノドライヴ 2人気
2017年 ハセノパイロ 船橋 パイロ 3人気
2016年 ミサイルマン 大井 カネヒキリ 1人気
2015年 トロヴァオ 大井 カネヒキリ 3人気
2014年 ストゥディウム 船橋 ルースリンド 5人気
2013年 ブラックヘブン 大井 パイロ 2人気
2012年 ソルテ 大井 タイムパラドックス 9人気
2011年 ドラゴンシップ 船橋 クロフネ 4人気

S1昇格初年度から東京ダービー馬アランバローズを輩出。
ただし、2019年以前からレースレベルは高く、過去10年でも合計3頭の南関クラシックホースを送り出している。

12月には「全日本2歳優駿(Jpn1)」が控えているものの、南関東の2歳馬にとっては非常に重要なレースと言ってもいいだろう。

また、種牡馬では「パイロ」産駒が直近4年で2勝、2着1回と好調。
今年の南関東リーディングサイアーでは2位(※)につけているが、次代のリーディング候補としてその活躍は目覚ましい。
※11月9日現在

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら
2021年リーディングサイアーはこちら

リーディング三傑の争い

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2020年 左海 誠二 本橋 孝太 森 泰斗
2019年 森 泰斗 笹川 翼 的場 文男
2018年 矢野 貴之 笹川 翼 今野 忠成
2017年 本田 正重 矢野 貴之 中野 省吾
2016年 笹川 翼 矢野 貴之 今野 忠成
2015年 本田 正重 笹川 翼 石崎 駿
2014年 石崎 駿 繁田 健一 吉原 寛人
2013年 有年 淳 今野 忠成 御神本 訓史
2012年 金子 正彦 今野 忠成 酒井 忍
2011年 御神本 訓史 的場 文男 坂井 英光

リピーターが活躍しているハイセイコー記念だが、そこにはある傾向が…

それは、3着内に好走している騎手の多く(太字)が、「2年連続」ないし「3年連続」で3着以内に来ているということだ。
昨年もこの傾向は継続され、「森泰斗騎手」が2019年、2020年と2年連続で3着内に好走している。

となると、今年は「左海誠二騎手」「本橋孝太騎手」「森泰斗騎手」に注目となるが…
“今年(2021年)と来年”というパターン、傾向が崩れるパターンも当然ながらありえる。

直近5年に限ると「笹川翼騎手」「矢野貴之騎手」「森泰斗騎手」の3名が抜群の成績!
さすがは南関東リーディングの上位三傑といったところだろう。
※2019年から上記3名で南関東リーディング上位3位を独占中

2021年リーディングジョッキーはこちら

大井&船橋の2強!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 3 12 0.0% 6.3%
船橋 5 1 1 13 25.0% 30.0%
大井 5 7 5 71 5.7% 13.6%
川崎 0 1 1 11 0.0% 7.7%

地元の「大井所属馬」と「船橋所属馬」が他を圧倒!
ともに5勝ずつを挙げているが、特に「船橋所属馬」は「勝率25.0%」「連対率30.0%」と質の高さがうかがえる。

ちなみに、「過去10年の優勝馬」で取り上げた「南関クラシックホース3頭」は全て「船橋所属馬」から。

南関デビュー馬が意地を見せる!

【デビューした地区別の成績】

デビュー地区 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
南関東 9 9 9 93 7.5% 15.0%
ホッカイドウ競馬 1 1 1 13 6.3% 12.5%
その他 0 0 0 1 0.0% 0.0%

続いて、デビューした競馬場別の成績。

過去10年で「南関東デビュー馬」が9勝、2着9回、3着9回に対して、「ホッカイドウ競馬デビュー馬」は1勝、2着1回、3着1回。
同じ2歳重賞「鎌倉記念(S2)」「平和賞(S3)」の分析ではほぼ互角の成績だったが、ハイセイコー記念では「南関東デビュー馬」が優勢だ。

ハイセイコー記念は「南関所属馬限定」のレースでもあり、南関東の生え抜きが結果を残す傾向にあるのだろう。

1番人気馬は過信禁物!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 1 2 1 6 10.0% 30.0%
2人気 3 2 1 4 30.0% 50.0%
3人気 3 3 0 4 30.0% 60.0%
4人気 1 1 2 6 10.0% 20.0%
5人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
6人気以下 1 1 5 80 1.1% 2.3%

「1番人気馬」は1勝、2着2回と信頼度では疑問符がつく。
対して、「2番人気馬」は3勝、2着2回、「3番人気馬」は3勝、2着3回と安定感ではこちらに分があるようだ。

「6番人気以下」の連対数は2回のみ。
連対馬は「5番人気以内」となる傾向にはあるが、若馬だけに確固たる軸は不在と言ったところだろう。

大荒れはないが、堅くもない

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2020年 380 590 5,320
2019年 430 1,190 22,710
2018年 400 840 8,080
2017年 780 910 18,800
2016年 310 1,790 58,570
2015年 520 1,160 178,720
2014年 1,110 2,360 83,840
2013年 490 1,830 11,130
2012年 2,280 9,170 102,600
2011年 530 1,140 17,380
平均 723 2,098 50,715

過去10年の「単勝配当」は3桁が8回で、平均723円。
「馬複」は平均2,098円、「三連単」は平均50,715円となっており、堅くもなく大きく荒れることもない。

これは、前述の「人気別成績」の通り、5番人気以内の馬が上位に来ている結果だろう。

ちなみに、過去10年の単勝最高配当は2012年の2,280円。
のちに10個の重賞タイトルを獲得することになる優勝馬は、当時9番人気の伏兵評価だったソルテだ。

最内と大外

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 3 0 8 8.3% 33.3%
2枠 0 0 1 13 0.0% 0.0%
3枠 1 0 2 14 5.9% 5.9%
4枠 1 2 1 15 5.3% 15.8%
5枠 1 0 3 14 5.6% 5.6%
6枠 1 1 1 15 5.6% 11.1%
7枠 3 1 2 13 15.8% 21.1%
8枠 2 3 0 15 10.0% 25.0%

「1枠」が連対率33.3%、これに続くのが「8枠」の連対率25.0%だ。
やや「2枠」が凹んでいるデータではあるが、全体的には内~外までチャンスありだろう。

牡馬が強さを見せる!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 9 10 100 7.0% 14.1%
牝馬 1 1 0 7 11.1% 22.2%
セン馬 0 0 0 0 - -

「牡馬」が9勝、2着9回、3着10回と強さを見せている。
一方、「牝馬」は出走数自体が9頭と少なく、2011年にドラゴンシップ、アイキャンデイのワンツーが1回あるのみ。

ハイセイコー記念を占う前哨戦

【ゴールドジュニア(GJ)の着順別の成績】

GJ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
GJ1着 1 3 0 4 12.5% 50.0%
GJ2着 1 0 1 6 12.5% 12.5%
GJ3着 1 0 1 4 16.7% 16.7%
GJ4着以下 2 1 0 15 11.1% 16.7%

ハイセイコー記念の前哨戦に位置付けられる「ゴールドジュニア(S3)」。
昨年までは「大井1,400m(外回り)」で行われていたが、2021年より「大井1,200m(外回り)」に改めて実施されている。
いずれにしても「大井1,600m(内回り)」のハイセイコー記念とは条件が大きく異なると言えるだろう。

とは言え、近年は「ゴールドジュニア」優勝馬の成績が急上昇中。
該当馬は目下のところ3年連続で連対しており、昨年のアランバローズは「ゴールドジュニア」&「ハイセイコー記念」を連勝している。

また、「ゴールドジュニア」は2020年から「S3重賞」に昇格(旧準重賞)。
重賞初年度から東京ダービー馬アランバローズを輩出したのは偶然ではないだろう。

レースレベルが格段に向上したゴールドジュニア、今年も要チェックとなりそうだ。

2021年ゴールドジュニアの結果

【鎌倉記念の着順別の成績】

川崎1,500mで行われる2歳重賞。
年度によってハイセイコー記念との間隔が異なるため、今年のレース結果のみご紹介する。

2021年鎌倉記念の結果

【平和賞の着順別の成績】

船橋1,600mで行われる2歳重賞。
こちらもレース結果のみとするが、2019年は平和賞3着のチョウライリン、2020年は同2着のジョーロノがハイセイコー記念で3着に好走している。

2021年平和賞の結果

素質馬に距離は関係ない!?

【マイル戦の経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 3 5 5 57 4.3% 11.4%
経験なし 7 5 5 50 10.4% 17.9%

2歳馬にとって克服すべき課題の1つは「距離の壁」。
ハイセイコー記念が行われる「1,600m」の「経験あり/なし」別の成績は上記の通りだ。

これを見ると、「経験あり」の3勝、2着5回、3着5回に対して、「経験なし」は7勝、2着5回、3着5回。
初めて経験する距離は課題でもあるが、重賞を勝つような素質馬は「克服している」という結果になっている。
ちなみに、直近3年は「経験なし」の馬が上位2着を独占。

経験値か?それとも…!?

【レース経験数別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3戦以内 8 1 3 37 16.3% 18.4%
4戦以上 2 9 7 70 2.3% 12.5%

こちらのデータはハイセイコー記念までの「レース経験数」を「3戦以内」と「4戦以上」に分けた成績だ。

「3戦以内」の成績は8勝、2着1回、3着3回、「4戦以上」は2勝、2着9回、3着7回。
1着は「3戦以内」から、2着は「4戦以上」からと明確な結果が出ている。
昨年は…「キャリア3戦」のアランバローズが優勝し、「キャリア5戦」のランリョウオーが2着だった。

全体的には「マイル戦の経験有無」と同様、経験の浅さを素質・能力で補っていると言えそうだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は12月8日(水)に大井競馬場で行われる「勝島王冠(S2)」です!

南関データ分析とは

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