~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2021年12月8日(水) 
サラ系3歳以上 大井1,800m
勝島王冠(S2)

レース紹介

東京大賞典トライアル!「勝島王冠(S2)」!
南関東の中長距離ランナーはもちろん、短~マイルが得意な馬も参戦する1,800m戦。
「東京大賞典(G1)」トライアルとしての役割も担い、1着馬には同レースへの優先出走権が付与される。

▼データ分析のポイント
・前年覇者はカジノフォンテン
・若い馬が活躍
・中長距離をステップにした馬が好成績

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2020年 カジノフォンテン 船橋 カジノドライヴ 4人気
2019年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 1人気
2018年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 3人気
2017年 ディアドムス 大井 ジャングルポケット 1人気
2016年 セイスコーピオン 川崎 デュランダル 1人気
2015年 ムサシキングオー 大井 キングヘイロー 2人気
2014年 ハブアストロール 大井 エイシンサンディ 11人気
2013年 ガンマーバースト 船橋 スペシャルウィーク 1人気
2012年 プーラヴィーダ 大井 フィガロ 1人気
2011年 スマートインパルス 大井 スパイキュール 3人気

今年で13回目を迎える勝島王冠。
以前はオープン競走、準重賞競走として実施されており、歴代優勝馬にはボンネビルレコード、オリオンザサンクスなどの名前もある。

近年は東京大賞典への重要なステップレースの1つとして注目度もアップ!
2019年は勝島王冠1着モジアナフレイバー、同2着ノンコノユメ、2020年は勝島王冠1着カジノフォンテンが東京大賞典でも好走している。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

大井リーディングを狙う笹川騎手!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2020年 張田 昂 笹川 翼 繁田 健一
2019年 繁田 健一 真島 大輔 吉原 寛人
2018年 繁田 健一 森 泰斗 笹川 翼
2017年 岡部 誠 笹川 翼 瀧川 寿希也
2016年 森 泰斗 的場 文男 和田 譲治
2015年 笹川 翼 達城 龍次 矢野 貴之
2014年 左海 誠二 矢野 貴之 張田 昂
2013年 森 泰斗 真島 大輔 吉原 寛人
2012年 戸崎 圭太 石崎 駿 御神本 訓史
2011年 A.ムンロ 町田 直希 石崎 駿

直近3年は「繁田健一騎手」がモジアナフレイバーとのコンビで2勝、3着1回。
2021年からは「繁田健一調教師」として活躍しており、いずれは勝島王冠をはじめ、多くの重賞に挑戦してくることだろう。

また、初の大井リーディングを目指して最後の追い込みをかけている「笹川翼騎手」も好相性の一人。
自身初のタイトルはムサシキングオーで制した2015年の「勝島王冠」で、2016年以降の5年間でも2着2回、3着1回の成績だ。

2021年大井リーディングはこちら

地元勢強し!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 1 9 0.0% 9.1%
船橋 2 4 2 27 5.7% 17.1%
大井 7 5 7 82 6.9% 11.9%
川崎 1 0 0 6 14.3% 14.3%

地元の「大井所属馬」が7勝、2着5回、3着7回と大活躍。
出走頭数が多いので連対率は他場と変わりないが、大井競馬を代表する馬たちが上位争いを繰り広げている。

これに勝るとも劣らないのが「船橋所属馬」。
直近3年で1勝、2着1回、3着1回の成績ではあるものの、好走した3頭(※)はいずれもG1/Jpn1優勝馬という質の高さだ。
※カジノフォンテン(1着)、サウンドトゥルー(3着)、ヒガシウィルウィン(2着)の3頭
※カジノフォンテンは翌年の「川崎記念(Jpn1)」「かしわ記念(Jpn1)」優勝

人気馬が堅調

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 5 1 2 2 50.0% 60.0%
2人気 1 4 0 5 10.0% 50.0%
3人気 2 2 0 6 20.0% 40.0%
4人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
5人気 0 0 3 7 0.0% 0.0%
6人気以下 1 2 5 96 1.0% 2.9%

過去10年で「1番人気馬」は5勝、2着1回、3着2回と信頼度は抜群!
これを「1~3番人気」に幅を広げると、8勝(2着7回、3着2回)を占めるまでになる。

一方で、「6番人気以下」は1勝、2着2回、3着5回。
優勝した1頭は「11番人気」のハブアストロールとなっている。
なお、ハブアストロールが勝利した2014年は「11番人気⇒6番人気⇒7番人気」の決着で、三連単は100万円オーバーの超ビッグ配当だった。

堅い、ときどき大荒れ?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2020年 990 2,150 12,210
2019年 190 250 5,320
2018年 480 640 9,220
2017年 350 3,140 63,720
2016年 160 370 9,780
2015年 390 1,510 30,110
2014年 12,800 58,750 1,448,340
2013年 240 1,380 84,620
2012年 180 390 3,700
2011年 950 1,960 10,530
平均 1,673 7,054 167,755

前項の「人気別成績」の通りだが、2014年は大荒れの決着。
この年を除いた平均配当は「単勝437円」「馬複1,310円」「三連単25,468円」と平穏な配当なのが分かる。

「4枠」「7枠」が好調

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 2 2 13 0.0% 11.8%
2枠 2 2 1 13 11.1% 22.2%
3枠 0 1 0 19 0.0% 5.0%
4枠 4 0 1 15 20.0% 20.0%
5枠 1 1 3 15 5.0% 10.0%
6枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%
7枠 2 3 1 13 10.5% 26.3%
8枠 0 1 1 18 0.0% 5.0%

全ての「枠」で連対実績があるように、「内枠」~「外枠」までほぼ均等の成績。

大井1,800m(※)は内回りコースの直線入り口からスタートするコースで、直線を一杯に使った先行争いが見どころ。
フルゲートは16頭で、多頭数となることも多い勝島王冠だが、データ上では有利不利は少ないようだ。

それでも、近年は「4枠」と「7枠」が好成績。
「4枠」は直近4年で3勝、「7枠」は直近5年で1勝、2着3回となっている。

※大井1,800m(右)は外回りコースで実施(同じ場所からスタートする1,600mは内回りコース)

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 7 8 114 7.2% 12.2%
牝馬 0 0 0 0 - -
セン馬 0 3 2 10 0.0% 20.0%

過去10年で「牝馬」の出走は0頭。
牡馬牝馬の混合重賞で「牝馬0頭」はレアケースだ。

若さと勢い!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 2 0 2 9 15.4% 15.4%
4歳 4 2 0 13 21.1% 31.6%
5歳 1 0 3 20 4.2% 4.2%
6歳 3 3 1 26 9.1% 18.2%
7歳以上 0 5 4 56 0.0% 7.7%

歴戦の古馬に混じる「3歳馬」だが、過去10年で2勝、3着2回と上々の成績を残している。

この時期の「3歳馬」といえば、負担重量の恩恵が検討材料の1つとなる。
勝島王冠の負担重量は「A1級57kg・A2級55kg・B1級以下54kg・3歳馬2kg減・牝馬2kg減」(※)。
2018年には斤量53kgのモジアナフレイバー(A2級)が優勝し、同53kgのリコーワルサーが3着に好走している。

また、「4歳馬」の活躍も見逃せない。
2019年には4歳となったモジアナフレイバーが2馬身差で連覇を達成し、2020年にはカジノフォンテンが同じく2馬身差で勝利。
この2頭は勝島王冠での勝利をステップに、同年暮れの「東京大賞典」でも3着内に好走している。

若さと勢いはもとより、成長曲線がここで一気に振れ上がる馬も少なくなさそうだ。

※2021年の場合は、基準の重量に以下が加増される
  2020.12.7から2021.12.3までのダートグレード競走及びJRA重賞勝ち馬2kg、南関S1/S2重賞勝ち馬1kg加増
  (2歳・3歳限定競走の成績を除く)

大注目の3歳準重賞!

【スターバーストカップ(スターBC)の着順別の成績】

スターBC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
スターBC1着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
スターBC2着 0 0 2 2 0.0% 0.0%
スターBC3着 0 0 0 0 - -
スターBC4着以下 0 0 0 0 - -

2013年から行われている3歳馬限定の準重賞「スターバーストカップ」。

1、2着馬には勝島王冠の優先出走権が付与されており、該当馬は2013年以降、のべ7頭が参戦。
うち勝島王冠では1勝、3着2回なので、前項「年齢別の成績」の「3歳馬」に関しては「スターバーストカップ組」が大勢を占めている。

2021年スターバーストカップの結果

条件替わりで一変する馬は!?

【マイルグランプリ&サンタアニタトロフィー(M&S)の着順別の成績】

M&S着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
M&S1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
M&S2着 1 1 0 3 20.0% 40.0%
M&S3着 0 2 0 2 0.0% 50.0%
M&S4着以下 0 0 1 32 0.0% 0.0%

勝島王冠の約1か月前には大井でマイル重賞が組まれている。
2011年~2019年は「マイルグランプリ(S2)」、2020年以降は「サンタアニタトロフィー(S3)」が該当する。
※本項目の過去10年データも上記に準じるものとする

過去10年の1~3着馬はのべ11頭が勝島王冠に出走して2勝、2着3回。
一方、対照的なのが4着以下からの出走馬で、のべ33頭が出走したものの3着が1回あるのみだ。
「内回り1,600m」⇒「外回り1,800m」への条件替わり(※)で一変した馬は少なかったということだろう。
ちなみに、4着以下から3着に好走した1頭は、前年の勝島王冠を勝利していたムサシキングオーとなる。

※「マイルグランプリ&サンタアニタトロフィー」⇒「勝島王冠」に直行しているとは限らない

2021年サンタアニタトロフィーの結果
2021年マイルグランプリの結果

優勝馬の過信は禁物?

【東京記念の着順別の成績】

東京記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念1着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
東京記念2着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
東京記念3着 0 2 0 3 0.0% 40.0%
東京記念4着以下 1 0 1 32 2.9% 2.9%

続いては距離が短縮するパターン。
勝島王冠の約2か月前に行われている2,400mの長距離重賞「東京記念(S1)」。

過去10年で「東京記念」優勝馬は4頭が参戦しているものの、3着内に好走した例は1度も無い。
いずれも勝島王冠では2番人気以内に支持されているので、データ上は“危ない人気馬”ということになる。

「東京記念4着以下」からは、のべ34頭が出走して1勝、3着1回。
こちらも目立った数字ではないが、該当の2頭(2015年3着アウトジェネラル・2017年1着ディアドムス)は、ともに1,800mの重賞ウイナーだった。

2021年東京記念の結果

連対馬は信頼度が高い!

【埼玉新聞栄冠賞の着順別の成績】

埼玉新聞栄冠賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
埼玉新聞栄冠賞1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
埼玉新聞栄冠賞2着 1 1 1 4 14.3% 28.6%
埼玉新聞栄冠賞3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
埼玉新聞栄冠賞4着以下 0 1 0 18 0.0% 5.3%

浦和2,000m(※)で行われている「埼玉新聞栄冠賞(S3)」。
「浦和」⇒「大井」とコース形態は大きく異なるが、距離的には上記の参考レースの中で最も近くなっている。
※2020年以前は「浦和1,900m」で実施

過去10年の「埼玉新聞栄冠賞」優勝馬は2頭が参戦して1勝。
同2着馬は7頭が参戦し、1勝、2着1回、3着1回、4着1回の成績を残しているように、「埼玉新聞栄冠賞」連対馬の好走率は高くなっている。

2021年埼玉新聞栄冠賞の結果

中長距離が得意な馬が好成績?

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,600m未満 0 0 0 15 0.0% 0.0%
1,600m 3 3 2 40 6.3% 12.5%
1,601m~1,800m未満 0 1 0 6 0.0% 14.3%
1,800m以上 7 6 8 63 8.3% 15.5%

最後に「前走の距離別の成績」をまとめてみよう。

好走馬が最も出ているのは、前走が「1,800m以上」の馬。
過去10年で7勝、2着6回、3着8回の成績を残しているように、中長距離指向の馬が活躍しているのが分かる。

続いて、前走が「1,600m」の馬が3勝、2着3回、3着2回。
サンタアニタトロフィーをはじめ、マイル戦の番組が比較的多いということもあるが、前走マイル組も注目したい。

一方、成績が芳しくないのは、前走が「1,601m~1,800m未満」と「1,600m未満」。
特に「1,600m未満」は3着内の実績がなく、データ上では短距離からの距離延長はプラスに働いていないようだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は祝S1昇格!12月21日(火)に浦和競馬場で行われる「ゴールドカップ(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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