
ステイヤーの血が騒ぐ「東京記念(S1)」
大井2,400mで争われる伝統の一戦。
長距離が得意なステイヤーをはじめ、秋のビッグレースを見据える有力馬が参戦してくる。
▼データ分析のポイント
・大井&船橋所属馬が16連対
・東京記念に好走実績がある馬に注目
・特に、息の長いステイヤーを狙いたい
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2020年 | サウンドトゥルー | 船橋 | フレンチデピュティ | 3人気 |
2019年 | ストライクイーグル | 大井 | キンシャサノキセキ | 3人気 |
2018年 | シュテルングランツ | 浦和 | ステイゴールド | 2人気 |
2017年 | サブノクロヒョウ | 大井 | ロージズインメイ | 12人気 |
2016年 | ユーロビート | 大井 | スズカマンボ | 1人気 |
2015年 | プレティオラス | 大井 | フィガロ | 3人気 |
2014年 | ユーロビート | 大井 | スズカマンボ | 2人気 |
2013年 | プレティオラス | 大井 | フィガロ | 3人気 |
2012年 | スマートインパルス | 大井 | スパイキュール | 3人気 |
2011年 | テラザクラウド | 大井 | ゴールドアリュール | 3人気 |
リピーターの活躍が目立つ重賞。
同一馬による複数回の優勝も多く、2014年&2016年はユーロビート、2013年&2015年はプレティオラスが優勝している。
さらに、2、3着馬もリピーターが活躍する傾向にあるが、詳細は後述の「東京記念の1着~3着馬」にてご紹介しよう。
石崎駿騎手に注目!
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2020年 | 森 泰斗 | 西 啓太 | 繁田 健一 |
2019年 | 吉原 寛人 | 矢野 貴之 | 真島 大輔 |
2018年 | 的場 文男 | 大畑 雅章 | 吉原 寛人 |
2017年 | 和田 譲治 | 大畑 雅章 | 石崎 駿 |
2016年 | 吉原 寛人 | 石崎 駿 | 的場 文男 |
2015年 | 本橋 孝太 | 森 泰斗 | 中野 省吾 |
2014年 | 真島 大輔 | 石崎 駿 | 達城 龍次 |
2013年 | 本橋 孝太 | 石崎 駿 | 坂井 英光 |
2012年 | 御神本 訓史 | 石崎 駿 | 石崎 隆之 |
2011年 | 今野 忠成 | 戸崎 圭太 | 山崎 誠士 |
長距離戦は騎手の捌きにも注目!
過去10年で好走率が高いのは2着4回、3着1回の「石崎駿騎手」だ。
この期間に勝ち星はないものの、2010年にはセレン(ブラヴールの父)で勝利を手にしている。
その他では、8/19に地方通算1,000勝を達成した「和田譲治騎手」をピックアップ。
今年は既に100勝の大台をクリアしており、9/1時点の南関東リーディングでは4位と大躍進している。
そんな「和田譲治騎手」にとっての初タイトルは2017年の東京記念。
怪我による休養期間もありデビューから15年目でのタイトルとなったが、いよいよ今年は大器開花といったところだろう。
大井所属馬が8勝!大井&船橋で16連対!
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 1 | 1 | 0 | 13 | 6.7% | 13.3% |
船橋 | 1 | 5 | 4 | 28 | 2.6% | 15.8% |
大井 | 8 | 2 | 4 | 49 | 12.7% | 15.9% |
川崎 | 0 | 0 | 2 | 11 | 0.0% | 0.0% |
南関以外 | 0 | 2 | 0 | 9 | 0.0% | 18.2% |
「大井所属馬」と「船橋所属馬」が過去10年で16連対!
地元の「大井所属馬」は過去10年で8勝、2着2回。
2011年から2017年まで7連覇を達成するなど、地の利を存分に生かしている形だ。
対する「船橋所属馬」は1勝、2着5回。
近年はやや成績を落とす傾向にあったものの、昨年はサウンドトゥルーが7馬身差の独走劇を演じている。
また、東京記念は「全国交流」となっており、全国からスタミナ自慢が参戦してくる。
過去10年では、2017年と2018年に愛知所属のカツゲキキトキトが2着したのみだが、今年も実力ある遠征馬には注目だろう。
人気馬がきっちりと!?
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 1 | 5 | 0 | 4 | 10.0% | 60.0% |
2人気 | 2 | 2 | 2 | 4 | 20.0% | 40.0% |
3人気 | 6 | 0 | 1 | 3 | 60.0% | 60.0% |
4人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% |
5人気 | 0 | 1 | 3 | 6 | 0.0% | 10.0% |
6人気以下 | 1 | 2 | 3 | 84 | 1.1% | 3.3% |
「1~3番人気馬」が9勝を挙げているように、上位人気馬がしっかりと期待に応えている。
特徴的なのは「3番人気馬」の6勝と「1番人気馬」の2着5回。
2019年は傾向通り「1着:3番人気」「2着:1番人気」となり、昨年の優勝は「3番人気」だった。
比較的堅めの決着!?
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2020年 | 510 | 7,660 | 160,480 |
2019年 | 560 | 880 | 22,660 |
2018年 | 480 | 960 | 34,390 |
2017年 | 12,320 | 32,180 | 687,250 |
2016年 | 210 | 1,770 | 5,830 |
2015年 | 510 | 590 | 7,550 |
2014年 | 280 | 180 | 2,090 |
2013年 | 690 | 4,500 | 440,110 |
2012年 | 1,060 | 4,160 | 84,260 |
2011年 | 350 | 610 | 4,510 |
平均 | 1,697 | 5,349 | 144,913 |
3番人気以内の馬が9勝しているだけに、「単勝」は3ケタ配当が8回と堅めの決着。
「馬複」は3桁配当が5回、4桁配当が4回、万馬券が1回。
さらに、「三連単」は4桁配当が4回、万馬券が6回となっている。
上位人気馬が結果を出している重賞ではあるが、連勝式は高配当となるケースも少なくないようだ。
枠順による大きな偏りはない!
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 1 | 2 | 0 | 11 | 7.1% | 21.4% |
2枠 | 1 | 1 | 0 | 13 | 6.7% | 13.3% |
3枠 | 0 | 2 | 2 | 14 | 0.0% | 11.1% |
4枠 | 3 | 1 | 3 | 11 | 16.7% | 22.2% |
5枠 | 1 | 1 | 1 | 15 | 5.6% | 11.1% |
6枠 | 3 | 1 | 1 | 12 | 17.6% | 23.5% |
7枠 | 0 | 1 | 3 | 16 | 0.0% | 5.0% |
8枠 | 1 | 1 | 0 | 18 | 5.0% | 10.0% |
「4枠」と「6枠」が3勝ずつを挙げている。
ただし、全ての枠番で連対があるように、内枠から外枠までそれほど大きな差は出ていないようだ。
過去10年の東京記念はフルゲート16頭が3回(※)のみで、少頭数となることもしばしば。
大井2,400mは外回りコースで行われるだけに、枠番による有利/不利はそれほど大きくないのかもしれない。
※取消があった2017年を除く
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 7 | 9 | 9 | 100 | 5.6% | 12.8% |
牝馬 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
セン馬 | 3 | 1 | 1 | 7 | 25.0% | 33.3% |
タフな条件ということもあり、「牝馬」の出走は過去10年で3頭のみ。
「セン馬」の3勝、2着1回、3着1回のうち、1勝はサウンドトゥルー、その他は全てユーロビートだ。
経験に勝るものは無し!?
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
3歳 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
4歳 | 3 | 2 | 2 | 12 | 15.8% | 26.3% |
5歳 | 2 | 1 | 0 | 20 | 8.7% | 13.0% |
6歳 | 2 | 2 | 3 | 25 | 6.3% | 12.5% |
7歳以上 | 3 | 5 | 5 | 50 | 4.8% | 12.7% |
世代の壁を超えたステイヤー対決。
好走率では「4歳馬」が高く、好走回数では「7歳以上馬」が多くなっている。
ここでは「7歳以上馬」に焦点を当ててみよう。
過去10年の「7歳以上馬」の成績を見ると、2017年以外は全て「1頭以上」の「7歳以上馬」が3着内に好走している。
さらに、「7歳以上馬」を細分化してみると…
▽7歳:2勝、2着2回、3着3回
▽8歳:0勝、2着1回、3着0回
▽9歳:0勝、2着2回、3着2回
▽10歳:1勝、2着0回、3着0回
年齢の若い「7歳馬」の成績が最も良いが、9歳/10歳馬の頑張りにも注目したいところだ。
リピーターが活躍する東京記念!
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2020年 | サウンドトゥルー | サブノクロヒョウ | リンゾウチャネル |
2019年 | ストライクイーグル | センチュリオン | スギノグローアップ |
2018年 | シュテルングランツ | カツゲキキトキト | ユーロビート |
2017年 | サブノクロヒョウ | カツゲキキトキト | キングニミッツ |
2016年 | ユーロビート | ストゥディウム | ケイアイレオーネ |
2015年 | プレティオラス | ユーロビート | カキツバタロイヤル |
2014年 | ユーロビート | サミットストーン | ツルオカオウジ |
2013年 | プレティオラス | スターシップ | ウインペンタゴン |
2012年 | スマートインパルス | スターシップ | カキツバタロイヤル |
2011年 | テラザクラウド | マズルブラスト | ボランタス |
東京記念の「1~3着馬」はご覧のとおり。
太字(※)は複数回3着内に好走している馬だが、2019年以外は全て該当馬が1頭以上いることになる。
※対象期間外の好走例含む
また、長期に渡って活躍する馬が多いのも特徴。
2014年&2016年を連覇したユーロビートは、2015年2着、さらに2018年に3着がある。
カキツバタロイヤルは2010年、2012年、2015年に3着、マズルブラストは2006年に優勝後、2008年、2011年に2着。
2017年の優勝馬サブノクロヒョウは2020年の2着馬だ。
南関東の長距離重賞は貴重な条件だけに、息の長い活躍を見せるステイヤーには一目置く必要があるだろう。
前年の1,2着馬は信頼度が高い?
前年着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
前年1着 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0.0% | 20.0% |
前年2着 | 1 | 2 | 0 | 2 | 20.0% | 60.0% |
前年3着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
前年4着以下 | 0 | 1 | 4 | 17 | 0.0% | 4.5% |
こちらは、「前年の東京記念」における着順別の成績。
前項の「東京記念1~3着馬」にあるように、複数年にまたがっての活躍も目立つが、前年の東京記念好走馬も好成績を残している。
特に「前年の東京記念2着馬」の成績が良く、5頭が出走して1勝、2着2回。
一方、「前年の東京記念1着馬」は案外な成績となっており、現在、4年連続で4着以下に敗れているのは気になるところだ。
2020年東京記念の結果
同条件のトライアル
東京記念TR着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
東京記念TR1着 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% |
東京記念TR2着 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% |
東京記念TR3着 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0.0% | 33.3% |
東京記念TR4着以下 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% |
2018年から実施されているトライアル競走。
サンプル数こそ少ないが、3年連続で上位馬から連対馬(2勝、2着1回)を輩出している。
東京記念と同じ「2,400m」で争われる一戦だけに、ぜひとも注目したいレースだ。
2021年東京記念トライアル競走の結果
大井記念上位馬は要チェック!
大井記念着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
大井記念1着 | 1 | 2 | 1 | 4 | 12.5% | 37.5% |
大井記念2着 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0.0% | 50.0% |
大井記念3着 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% |
大井記念4着以下 | 1 | 2 | 4 | 30 | 2.7% | 8.1% |
同年5月に大井2,000mで行われる「大井記念(S1)」。
「帝王賞(Jpn1)」のステップレースの1つではあるが、例年、南関東の中長距離路線の有力馬が多く参戦している。
「大井記念」覇者は過去10年で8頭が参戦。
成績は1勝、2着2回、3着1回となっており、3着内に好走する確率は50.0%と信頼度は低くない。
大井記念は2011年~2013年が2,600m、2014年からは2,000mで施行(※)されている。
2014年以降の7年間を見てみると、「大井記念1~3着馬」はのべ10頭が参戦して2勝、2着3回、3着1回。
こちらの3着内率も60.0%と上々の成績だ。
※本分析の対象期間のみ記載
2021年大井記念の結果
ダイオライト記念組は好成績!
D記念着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
D記念1着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
D記念2着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
D記念3着 | 2 | 1 | 0 | 2 | 40.0% | 60.0% |
D記念4着以下 | 1 | 2 | 0 | 13 | 6.3% | 18.8% |
同年3月に船橋2,400mで行われるダートグレード競走「ダイオライト記念(Jpn2)」。
南関東からはタイトルホルダーが参戦することも多く、東京記念にも出走してくるようであれば、当然注目度は高くなる。
同年の「ダイオライト記念」3着内の馬は6頭出走して2勝、2着1回。
「ダイオライト記念」4着以下からは16頭が出走し、1勝、2着2回の成績を残している。
JRA勢相手に好走した馬はもちろんのこと、ダイオライト記念に挑戦した実力馬なら、
地方馬限定の東京記念では実力上位といったところだろう。
2021年ダイオライト記念の結果
金盃覇者は大不振…!?
金盃着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
金盃1着 | 1 | 0 | 0 | 7 | 12.5% | 12.5% |
金盃2着 | 1 | 0 | 0 | 4 | 20.0% | 20.0% |
金盃3着 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% |
金盃4着以下 | 2 | 2 | 4 | 16 | 8.3% | 16.7% |
同年2月に大井2,600mで行われる長距離重賞「金盃(S2)」。
南関東では2,400m以上の重賞が「東京記念」「金盃」「ダイオライト記念」の3競走のみとなっていることから、
東京記念と同様、「金盃」にも長距離が得意なステイヤーが出走してくる。
と、なると関係性は強いように思うが、「金盃」上位馬の成績は芳しくない。
過去10年の「金盃優勝馬」は8頭が参戦しているものの、東京記念で3着内に好走した馬は2020年の優勝馬サウンドトゥルーのみ。
逆に「金盃」で敗れた馬たちが巻き返す傾向にあり、特に「金盃4着以下」は2勝、2着2回、3着4回だ。
金盃は2014年まで2,000m、2015年からは2,600mで施行(※)されている。
2015年以降、「金盃」1、2着馬は8頭が参戦し、東京記念を制している馬は2016年ユーロビートと前述のサウンドトゥルー。
「金盃2,600m」と「東京記念2,400m」の距離関係を考えると、データ傾向の過渡期なのかもしれない。
※本分析の対象期間のみ記載
2021年金盃の結果
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は9月15日(水)に川崎競馬場で行われる「戸塚記念(S1)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
データ満載!南関東4競馬場の情報は「nankankeiba.com」をチェック!