~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2022年2月10日(木) 
サラ系3歳 大井1,800m
雲取賞(S3)

レース紹介

3歳重賞「雲取賞(S3)」!
南関東クラシックを占う重要な一戦。
2019年の重賞昇格以降(旧準重賞)、過去3年の優勝馬から2頭の南関東クラシックホースを輩出している。

※2018年までの準重賞を含めた過去10年分のデータとする

▼データ分析のポイント
・外枠が好成績
・非重賞を勝ち上がってきた馬に注目
・前走距離はマイルが良さそう

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2021年 ランリョウオー 浦和 パイロ 1人気
2020年 ゴールドホイヤー 川崎 トランセンド 4人気
2019年 ヒカリオーソ 川崎 フリオーソ 4人気
2018年 ワグナーコーヴ 大井 マンハッタンカフェ 6人気
2017年 カンムル 浦和 サマーバード 1人気
2016年 ハタノリヴィール 船橋 フレンチデピュティ 4人気
2015年 ノースノース 船橋 カネヒキリ 1人気
2014年 ドバイエキスプレス 船橋 デュランダル 5人気
2013年 アウトジェネラル 船橋 アドマイヤドン 1人気
2012年 ゴールドキャヴィア 船橋 ゴールドアリュール 1人気

2019年から施行条件が「内回り1,600m」から「外回り1,800m」へ。
スタート位置こそ「1,600m」と「1,800m」は同じだが、外回りコースとなり、最後の直線が100m長くなった。
さらには、「準重賞」から「重賞」へと昇格したため、必然的にレースレベルが上昇している。

2012年~2018年(準重賞時)の優勝馬で南関東クラシックを制した馬は、2013年の「羽田盃(S1)」を勝ったアウトジェネラルのみ。
一方、重賞に昇格して以降、2019年には優勝馬ヒカリオーソが「東京ダービー(S1)」、同2着ミューチャリーが「羽田盃」を制覇。
翌2020年は優勝馬ゴールドホイヤー、2021年には2着のトランセンデンスが「羽田盃」を制している。

雲取賞は羽田盃と同舞台、そして大井2,000mの東京ダービーと同じ外回りコースを使用。
まだまだ過渡期ではあるものの、条件が大きく変わったことで注目度はより一層高くなったと言えるだろう。

大井コース

過去の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

混戦模様

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2021年 本橋 孝太 森 泰斗 真島 大輔
2020年 吉原 寛人 左海 誠二 笹川 翼
2019年 瀧川 寿希也 御神本 訓史 本田 正重
2018年 今野 忠成 左海 誠二 坂井 英光
2017年 吉原 寛人 山崎 誠士 石崎 駿
2016年 中野 省吾 繁田 健一 石崎 駿
2015年 左海 誠二 森 泰斗 的場 文男
2014年 川島 正太郎 張田 京 石崎 駿
2013年 戸崎 圭太 森 泰斗 柏木 健宏
2012年 戸崎 圭太 町田 直希 石崎 駿

目立つところでは「左海誠二騎手」の1勝、2着2回、「森泰斗騎手」の2着3回、「石崎駿騎手」の3着4回。
騎手は大混戦と言えそうだ。

船橋以外もチャンスあり

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 3 0 12 11.8% 29.4%
船橋 5 3 5 25 13.2% 21.1%
大井 1 2 4 42 2.0% 6.1%
川崎 2 2 1 20 8.0% 16.0%

2012年~2016年の期間は「船橋所属馬」が勝利を収めている。
ただし、2017年以降の5年間は優勝馬が出ておらず、2着2回、3着1回とやや苦戦気味だ。

なお、重賞昇格以降の3年は以下の通り。

▽浦和所属馬:1勝、2着2回、3着0回
▽船橋所属馬:0勝、2着1回、3着1回
▽大井所属馬:0勝、2着0回、3着2回
▽川崎所属馬:2勝、2着0回、3着0回

1番人気が連対率70.0%

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 5 2 0 3 50.0% 70.0%
2人気 0 1 3 6 0.0% 10.0%
3人気 0 2 3 5 0.0% 20.0%
4人気 3 2 0 5 30.0% 50.0%
5人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
6人気以下 1 2 4 72 1.3% 3.8%

「1番人気馬」が5勝、2着2回と信頼度は高い。
重賞昇格以降も1勝、2着1回、5着1回と一定の成績を残している。

次いで、「4番人気馬」の3勝、2着2回。
こちらは重賞昇格以降に2勝を挙げる活躍だ。

堅い決着も多い

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2021年 160 290 1,170
2020年 830 6,760 69,970
2019年 1,150 660 46,240
2018年 1,690 5,640 511,470
2017年 220 810 4,880
2016年 1,560 1,450 29,500
2015年 260 770 3,390
2014年 1,430 4,750 162,300
2013年 120 480 7,940
2012年 200 3,710 18,480
平均 762 2,532 85,534

1番人気馬の好走が多いため、配当も低めの傾向にある。
昨年も全ての賭式で1番人気の組み合わせとなり、三連単は1,170円という配当だった。

※複勝式、ワイドも1~3番人気

なお、1番人気馬が3着内に好走しなかった年は「2014年」「2018年」「2020年」の3回。
いずれも「馬複」と「三連単」は高配当となっている。

外枠有利!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 1 10 8.3% 8.3%
2枠 0 0 1 13 0.0% 0.0%
3枠 1 1 1 11 7.1% 14.3%
4枠 2 1 0 12 13.3% 20.0%
5枠 2 2 1 12 11.8% 23.5%
6枠 0 1 1 16 0.0% 5.6%
7枠 1 4 3 11 5.3% 26.3%
8枠 3 1 2 14 15.0% 20.0%

「外枠勢(※)」の成績が抜群に良い。
連対率は「7枠」の26.3%、「5枠」の23.5%、3着内率は「7枠」の42.1%、「8枠」の30.0%が上位となっている。

一方、「内枠勢」は真ん中寄りの「4枠」こそ2勝(2着1回)を挙げているが、「1~3枠」を合わせても2勝、2着1回、3着3回。
データ的には「内枠」が苦戦していると言えるだろう。

2019年以降、舞台は「大井1,600m(内)」から「大井1,800m(外)」に変わっている。
まだ3回のみだが、傾向的には外枠有利に変わりはなさそうだ。

▽2019年:1着「3枠」⇒2着「6枠」⇒3着「8枠」
▽2020年:1着「8枠」⇒2着「7枠」⇒3着「1枠」
▽2021年:1着「7枠」⇒2着「4枠」⇒3着「3枠」

参考までに、2020年10月1日~2021年9月30日の期間中に行われた「大井1,600m」と「大井1,800m」の「枠番別」の成績をご紹介しよう。
「大井1,800m」の連対率は「7枠」の22.1%が頭一つ以上抜けている印象だ。

「大井1,600m」の「枠番別」の成績
「大井1,800m」の「枠番別」の成績

※「1~4枠」を内枠、「5~8枠」を外枠とする

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 10 10 95 7.3% 15.3%
牝馬 1 0 0 4 20.0% 20.0%
セン馬 0 0 0 0 - -

2012年に「牝馬」のゴールドキャヴィアが優勝。
とはいえ、時期的に「牝馬」の出走はのべ5頭と少ないので、「牡馬」が優勢のレースではある。

前走のグレードは関係ない!

【前走のレース別の成績】

前走 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
重賞 5 7 3 33 10.4% 25.0%
非重賞 5 3 7 66 6.2% 9.9%

こちらのデータは、雲取賞の前走が「重賞」か否かで分類した成績。

前走が「重賞組」の馬は5勝、2着7回、3着3回、前走が「非重賞組」は5勝、2着3回、3着7回。
「非重賞組」の方が出走頭数は多いものの、成績的には概ね五分と言えるだろう。

では、「非重賞組」をさらに“着順別”で集計した結果はどうか。

勝った馬に注目!

【非重賞組の前走着順別の成績】

前走着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
前走1着 4 1 4 24 12.1% 15.2%
前走2着 1 0 1 13 6.7% 6.7%
前走3着 0 1 0 7 0.0% 12.5%
前走4着以下 0 1 2 22 0.0% 4.0%

前走が「非重賞組」の81頭を“前走の着順別”に細分化したデータ。

これを見ると明らかなように、「前走1着」の馬が4勝、2着1回、3着4回と好成績を残している。
2020年の優勝馬ゴールドホイヤー、2021年の3着馬タブラオも「非重賞」のレースを勝利しての参戦だった。

距離経験は大きなアドバンテージに!

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,600m未満 1 1 0 24 3.8% 7.7%
1,600m 9 9 7 64 10.1% 20.2%
1,601m以上 0 0 3 11 0.0% 0.0%

最後に「前走の距離別の成績」を抽出してみよう。

前走が「1,600m」の馬が9勝、2着9回、3着7回。
「1,600m未満」は1勝、2着1回と奮わないだけに、“距離の経験”は大きなアドバンテージとなっている。

また、この時期は「1,601m以上」のレース自体が少ないので、「1,601m以上」をステップにしてきた馬も総じて少ない。
該当馬はのべ14頭が雲取賞に出走して3着が3回だ。

ちなみに、2019年の優勝馬ヒカリオーソは「1,600m」。
2020年ゴールドホイヤーは「1,500m」、2021年ランリョウオーは「1,600m」をステップにしている。

3回中2回は「1,600m」をステップにしており、「1,500m」をステップにしたゴールドホイヤーは珍しいパターンではあった。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2月16日(水)に船橋競馬場で行われる「報知グランプリカップ(S3)」です!

南関データ分析とは

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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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