~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2022年3月17日(木) 
サラ系3歳牝馬 浦和1,600m
桜花賞(S1)

レース紹介

南関東牝馬クラシック第1戦「桜花賞(S1)」
南関東牝馬クラシックは以下の3競走で構成されている。

▽3/17「桜花賞(浦和1,600m・S1)」
▽5/11「東京プリンセス賞(★大井1,800m・S1)」
▽6/15「関東オークス(★川崎2,100m・Jpn2)」

距離、コース、開催時間と全て異なるタフなクラシックロードだが、今回は“第1関門”「桜花賞」の傾向を見てみよう。

※★:ナイター開催
※桜花賞:2023年は浦和1,500mで実施予定

▼データ分析のポイント
・上位人気馬が連対
・難コースの浦和1,600mは「内枠」に注目
・ユングフラウ賞2着馬と2歳女王が好成績

【過去10回の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2021年 ケラススヴィア 浦和 サウスヴィグラス 1人気
2020年 アクアリーブル 船橋 パイロ 3人気
2019年 トーセンガーネット 浦和 アグネスデジタル 1人気
2018年 プロミストリープ 大井 ヘニーヒューズ 1人気
2017年 スターインパルス 浦和 サウスヴィグラス 3人気
2016年 モダンウーマン 川崎 サウスヴィグラス 1人気
2015年 ララベル 大井 ゴールドアリュール 3人気
2014年 シャークファング 大井 パイロ 5人気
2013年 イチリュウ 川崎 キングヘイロー 2人気
2012年 コテキタイ 川崎 サウスヴィグラス 3人気

南関東牝馬クラシック第1戦「桜花賞」はサウスヴィグラス産駒が4勝。
2021年優勝のケラススヴィア世代がラストクロップではあるが、サウスヴィグラスの遺伝子は後世にも受け継がれていくことだろう。

サウスヴィグラス産駒不在で迎える2022年のクラシック戦線。
昨年はヘニーヒューズ産駒の活躍も目立った南関東クラシックだが、新時代のダート路線を勝ち抜いていくのはどの種牡馬となるか!?

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

リーディング上位が活躍

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2021年 森 泰斗 矢野 貴之 伊藤 裕人
2020年 山本 聡哉 森 泰斗 笹川 翼
2019年 左海 誠二 山崎 誠士 瀧川 寿希也
2018年 御神本 訓史 笹川 翼 今野 忠成
2017年 石崎 駿 今野 忠成 矢野 貴之
2016年 山崎 誠士 真島 大輔 笹川 翼
2015年 真島 大輔 田中 学 森 泰斗
2014年 矢野 貴之 森 泰斗 真島 大輔
2013年 的場 文男 石崎 隆之 今野 忠成
2012年 張田 京 本橋 孝太 森 泰斗

2021年の桜花賞は「森泰斗騎手」が制覇。
過去10年で2着2回、3着2回と惜しい競馬が続いていたが、ケラススヴィアとコンビを組み待望の桜花賞ジョッキーに輝いた。

また、2021年2着の「矢野貴之騎手」は、2014年にシャークファングで勝利している。
この時の勝利が「矢野貴之騎手」にとっては南関東での初タイトルだった。

地元の小久保厩舎が凄い

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 3 1 0 10 21.4% 28.6%
船橋 1 2 3 19 4.0% 12.0%
大井 3 3 4 21 9.7% 19.4%
川崎 3 3 3 20 10.3% 20.7%
南関以外 0 1 0 7 0.0% 12.5%

勝利数では「浦和」「大井」「川崎」の各所属馬が3勝ずつ。
その中でも地元の「浦和所属馬」は勝率、連対率ともに頭一つ抜けている存在だ(連対した4頭は全て小久保厩舎)。

やや劣勢の「船橋所属馬」だが、3着内率まで広げると24.0%まで上昇。
また、桜花賞は2010年から地方交流となり、2015年には兵庫のトーコーヴィーナスが2着に好走している。

上位人気馬が好成績!

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 0 3 3 40.0% 40.0%
2人気 1 3 2 4 10.0% 40.0%
3人気 4 1 0 5 40.0% 50.0%
4人気 0 2 1 7 0.0% 20.0%
5人気 1 2 0 7 10.0% 30.0%
6人気以下 0 2 4 51 0.0% 3.5%

「1番人気馬」と「3番人気馬」が4勝ずつ。
優勝馬は全て「5番人気以内」の馬で占められているように、上位人気に推された馬が勝利する傾向にある。

また、「5番人気以内」の馬が18連対、さらに3着内には24頭が好走。
「6番人気以下」の馬が同時に2頭以上、3着内に好走した例は過去10年で1度もない。

流すなボックス!?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2021年 130 270 4,040
2020年 1,080 6,880 115,730
2019年 170 1,450 7,250
2018年 130 1,430 6,170
2017年 530 3,270 37,410
2016年 110 260 3,410
2015年 410 940 19,570
2014年 1,110 1,400 11,380
2013年 830 5,360 25,550
2012年 820 4,010 29,520
平均 532 2,527 26,003

前項の「人気別成績」のとおり、上位人気馬が順当に勝利を手にしている。
それゆえ、「単勝配当」は4桁配当が2度あるのみで、その他は全て3桁配当での決着となっている。

「馬複」は組み合わせで妙味有。
連対馬18頭が「1~5番人気」ではあるものの、「馬複平均配当」は2,527円と低くない。
平均配当で見れば「5頭BOX(組み合わせ数10通り)」でもプラスになる計算だ。

来年の桜花賞は1,500m!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 3 1 1 4 33.3% 44.4%
2枠 1 3 2 4 10.0% 40.0%
3枠 4 1 1 4 40.0% 50.0%
4枠 0 1 1 8 0.0% 10.0%
5枠 2 3 1 4 20.0% 50.0%
6枠 0 1 3 15 0.0% 5.3%
7枠 0 0 0 20 0.0% 0.0%
8枠 0 0 1 18 0.0% 0.0%

「浦和1,600m」は南関東で最も特殊なコース形態の1つで、下図のとおり3、4コーナーの中間からスタートする。
コース図

過去10回の桜花賞は「1~3枠」の馬が合計8勝している。
その他の2勝は「5枠」が挙げているように、内目の枠が明らかに好成績と言える。

好成績を残している枠の中から「1枠」にフォーカスを当ててみよう。

「1枠」は過去10年で3勝、2着1回、3着1回。
馬券に絡まなかった年は4回あるのだが、その4回は「4着」「4着」「5着」「11着」なので掲示板率は非常に高い。

なお、2021年は「1枠」が出走取消となっているので、2着に好走した「2枠」が実質的には最内枠だ。

そして、とても重要なことだが、来年(2023年)の桜花賞は「浦和1,500m」で実施予定。
浦和競馬の現コースとしては最後のマイル戦となる可能性がある。

浦和1,600mの人気&枠番別の成績(直近1年)はこちら(要ログイン)

大注目のユングフラウ賞組!

【ユングフラウ賞の着順別の成績】

ユングフラウ賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ユングフラウ賞1着 1 0 1 5 14.3% 14.3%
ユングフラウ賞2着 5 0 1 3 55.6% 55.6%
ユングフラウ賞3着 0 5 0 4 0.0% 55.6%
ユングフラウ賞4着以下 2 2 4 28 5.6% 11.1%
合計 8 7 6 40 13.1% 24.6%

桜花賞トライアルの「ユングフラウ賞(S2)」。
過去10年の「ユングフラウ賞」出走組から8頭の桜花賞馬を輩出している最重要トライアルだ。

トライアル優勝馬は7頭が桜花賞に参戦して1勝、3着1回。
“最有力馬の1頭”としてはやや物足りない成績だが、4着以下に敗れた5頭全てが「6枠」より外側のゲートだった。

逆に、注目したいのは“敗れた馬”。
「ユングフラウ賞2着」からは5頭、「4着以下」からは2頭(ともに4着)の桜花賞馬が誕生。
この7頭中、6頭は「桜花賞での枠順」が「3枠以内」だったことを付け加えておこう

2022年ユングフラウ賞の結果

それでは、「ユングフラウ賞」に“未出走”だった馬の成績はどうだろう。

【ユングフラウ賞未出走組の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ユングフラウ賞未出走組 2 3 4 37 4.3% 10.9%

※ユングフラウ賞除外馬を含む

「ユングフラウ賞」には有力馬が多く参戦していることもあり、「未出走組」の勝率、連対率は「出走組」に劣る結果となっている。

ただし、「未出走組の優勝馬2頭」のうち、ララベルは「東京2歳優駿牝馬(S1)」を制した2歳女王。
2018年のプロミストリープはJRA2戦全勝の素質馬だった。

桜花賞には直結しない!?

【桃花賞の着順別の成績】

桃花賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
桃花賞1着 0 1 2 4 0.0% 14.3%
桃花賞2着 0 1 0 4 0.0% 20.0%
桃花賞3着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
桃花賞4着以下 1 0 0 7 12.5% 12.5%

※2018年は走路コンディション不良の為、競走取止

大井1,600mで行われる「桃花賞(とうかしょう)」。
3歳牝馬限定の準重賞競走で、1着馬には桜花賞への優先出走権が付与されている。

過去9回で桃花賞優勝馬は7頭が参戦して2着1回、3着2回。
なかなか「桃花賞」と「桜花賞」はリンクしてこないのが現状だ。

2022年桃花賞の結果

2歳女王の貫禄!

【東京2歳優駿牝馬の着順別の成績】

東京2歳優駿牝馬着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京2歳優駿牝馬1着 3 1 4 1 33.3% 44.4%
東京2歳優駿牝馬2着 0 2 0 6 0.0% 25.0%
東京2歳優駿牝馬3着 0 0 0 5 0.0% 0.0%
東京2歳優駿牝馬4着以下 2 2 2 25 6.5% 12.9%

前年末に行われる2歳女王決戦「東京2歳優駿牝馬(S1)」。

過去10年で9頭の2歳女王が桜花賞に出走して3勝、2着1回、3着4回。
2020年のレイチェルウーズが5着に敗れた以外は、全て馬券圏内に入っているのだ。
「桜花賞」と「東京2歳優駿牝馬」ではコース設定が全く異なるものの、2歳女王がその実力を遺憾なく発揮している。

「東京2歳優駿牝馬」で4着以下に敗れた馬も2勝、2着2回、3着2回と侮れない。
優勝した2頭は2014年シャークファング&2017年スターインパルスだが、桜花賞ではともに3枠3番からの逃げ切りVだった。

2021年東京2歳優駿牝馬の結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は3月24日(木)に船橋競馬場で行われる「京成盃グランドマイラーズ(S2)」です♪

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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