~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2022年5月12日(木) 
サラ系3歳 大井1,800m
羽田盃(S1)

レース紹介

南関東クラシック開幕「羽田盃(S1)」!
南関東クラシックは牝馬と同様、春シーズンに三冠競走全てが行われる。
今年の日程は以下の通りだ。
▽5/12(木)「羽田盃(大井1,800m・S1)」
▽6/8(水)「東京ダービー(大井2,000m・S1)」
▽7/13(水)「ジャパンダートダービー(大井2,000m・Jpn1)」

▼データ分析のポイント
・1~3番人気馬で7勝、2着9回
・京浜盃or雲取賞優勝馬が主役
・ハイセイコー記念優勝馬に注目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2021年 トランセンデンス 浦和 トランセンド 5人気
2020年 ゴールドホイヤー 川崎 トランセンド 4人気
2019年 ミューチャリー 船橋 パイロ 1人気
2018年 ヤマノファイト 船橋 エスポワールシチー 1人気
2017年 キャプテンキング 大井 ファスリエフ 1人気
2016年 タービランス 浦和 パイロ 1人気
2015年 ストゥディウム 船橋 ルースリンド 2人気
2014年 ハッピースプリント 大井 アッミラーレ 1人気
2013年 アウトジェネラル 船橋 アドマイヤドン 2人気
2012年 アートサハラ 大井 マンハッタンカフェ 8人気

ダートを主戦場とする種牡馬がひしめく中、トランセンド産駒が2連覇中。
南関東におけるトランセンドのサイアーランキングは以下の通りだ(収得賞金順)。

▽2020年:19位
▽2021年:14位
▽2022年:41位(4/27現在)

際立つ成績を残しているわけではないが、年を追うごとに出走頭数は増加傾向。
南関東の定番種牡馬としての地位は確立しつつあると言えるだろう。

2022年南関東リーディングサイアーはこちら

ちなみに、2021年の3歳世代がラストクロップだったサウスヴィグラス。
南関東クラシック(牡牝)では、この「羽田盃」のみ勝利を手にすることができなかった。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

リーディングジョッキーの手綱

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2021年 森 泰斗 左海 誠二 的場 文男
2020年 山崎 誠士 本橋 孝太 左海 誠二
2019年 御神本 訓史 森 泰斗 矢野 貴之
2018年 本橋 孝太 森 泰斗 矢野 貴之
2017年 矢野 貴之 森 泰斗 赤岡 修次
2016年 森 泰斗 本田 正重 赤岡 修次
2015年 石崎 駿 左海 誠二 今野 忠成
2014年 吉原 寛人 川島 正太郎 今野 忠成
2013年 御神本 訓史 真島 大輔 張田 京
2012年 今野 忠成 戸崎 圭太 本橋 孝太
真島 大輔

※2012年はジャルディーノ、プレティオラスが3着同着

「森泰斗騎手」が過去6年で2勝、2着3回と大車輪の活躍!
南関東のリーディングジョッキーが手綱を握るクラシック候補生には是非とも注目したい。

その他では「矢野貴之騎手」「本橋孝太騎手」「左海誠二騎手」の相性が良さそうだ。

1~3番人気が7勝、2着9回

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 5 1 0 4 50.0% 60.0%
2人気 2 4 1 3 20.0% 60.0%
3人気 0 4 1 5 0.0% 40.0%
4人気 1 0 3 6 10.0% 10.0%
5人気 1 0 0 9 10.0% 10.0%
6人気以下 1 1 6 79 1.1% 2.3%

勝率では「1番人気馬」の50.0%が最も信頼度が高い。
さらに、「2番人気馬」は連対率60.0%、「3番人気馬」は同40.0%と上位人気馬が活躍する傾向にある。

ただし、3着馬となると「6番人気以下」の馬たちも侮れない。
過去10年では1勝、2着1回、3着6回となっており、3連勝式の3着欄には忘れずにマークしたいところだろう。

※2012年は9番人気ジャルディーノ、11番人気プレティオラスが3着同着

堅い重賞!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2021年 830 2,520 30,580
2020年 690 1,470 106,930
2019年 260 290 1,680
2018年 180 2,090 19,500
2017年 220 330 9,720
2016年 240 660 9,520
2015年 640 490 61,170
2014年 110 450 1,180
2013年 390 1,400 9,340
2012年 2,610 7,190 307,890
321,880
平均 617 1,689 79,945

※2012年は3着同着のため、2通りの配当金額の合算を2012年の配当として平均配当を算出

上位人気馬同士でのワンツー決着が多いため「単勝」「馬複」は比較的堅い配当。
一方、「三連単」は人気薄が3着に台頭しているため、万馬券となるケースも少なくない。

船橋&大井が17連対!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 0 3 15 10.0% 10.0%
船橋 4 7 4 21 11.1% 30.6%
大井 3 3 2 59 4.5% 9.0%
川崎 1 0 2 11 7.1% 7.1%

「船橋所属馬」と「大井所属馬」が2強を形成。
過去10年の連対馬20頭中、17頭を両所属馬で占めている状況だ。

両所属馬の成績は「船橋所属馬」の4勝、2着7回、「大井所属馬」の3勝、2着3回。
厩舎別では、ミューチャリーでも羽田盃を制している「矢野義幸厩舎(船橋)」が3勝を挙げる活躍ぶりだ。

これに続くのが「浦和所属馬」の2勝、3着3回。
うち、1勝、3着2回は浦和・小久保智厩舎が直近2年で達成している。

枠番による有利不利は少ない

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 2 0 0 10 16.7% 16.7%
2枠 0 2 1 10 0.0% 15.4%
3枠 0 4 2 11 0.0% 23.5%
4枠 1 0 0 16 5.9% 5.9%
5枠 2 0 1 15 11.1% 11.1%
6枠 2 2 3 13 10.0% 20.0%
7枠 3 1 2 14 15.0% 20.0%
8枠 0 1 2 17 0.0% 5.0%

2014年からの優勝枠番を並べてみると…
「7枠」⇒「7枠」⇒「1枠」⇒「1枠」⇒「5枠」⇒「5枠」⇒「6枠」⇒「6枠」と綺麗に2つずつ並んでいる。
となると、今年は「6枠以外」となりそうだが果たして!?

特定の枠番が勝利してはいるものの、全ての枠に連対実績があるように大きな偏りはない。
過去10年の羽田盃平均出走頭数は13.7頭(フルゲート16頭)。
南関東で最も広い「大井外回りコース(1周1,600m)」、そして長い直線を使っての先行争いとなるため、どの枠からでも力を発揮できるようだ。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 9 11 102 7.6% 14.4%
牝馬 0 1 0 3 0.0% 25.0%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

牡馬クラシック第1戦ということもあり、牝馬の出走は過去10年で4頭と少ない。

「牝馬」で唯一2着に好走しているのは2012年エミーズパラダイス。
2022年3月に「UAEダービー(UAE・G2)」を制したクラウンプライドの母エミーズプライドはエミーズパラダイスの半妹にあたる。

京浜盃優勝馬が主役!

【京浜盃の着順別の成績】

京浜盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
京浜盃1着 3 3 1 3 30.0% 60.0%
京浜盃2着 1 1 1 6 11.1% 22.2%
京浜盃3着 0 0 1 7 0.0% 0.0%
京浜盃4着以下 2 3 5 33 4.7% 11.6%

羽田盃トライアル「京浜盃」との関連性が非常に興味深い。

過去10年の「京浜盃」優勝馬は全て羽田盃に出走して3勝、2着3回、3着1回、4着2回、9着1回。
3着内率70.0%、4着内率90.0%という数字から「京浜盃覇者 = 羽田盃の主役」という図式が成り立つ。

さらに、「京浜盃」2着馬の成績は1勝、2着1回、3着1回。
「京浜盃」の1、2着馬が羽田盃でどちらも連対しなかったケースは2012年と2021年の2回しかない。

ちなみに、「京浜盃」以外のレースをステップに羽田盃を制した馬は、
2012年アートサハラ、2017年キャプテンキング、2019年ミューチャリー、2020年ゴールドホイヤーの4頭。

アートサハラは羽田盃と同舞台の「チューリップ特別(大井1,800m)」を制しての戴冠。
キャプテンキングは南関東移籍初戦ではあったものの、JRAオープンの「ヒヤシンスS」で5着に好走。
ミューチャリーは同年に重賞へと昇格した「雲取賞(S3)」で2着、ゴールドホイヤーは「雲取賞」を勝利していた。

2022年京浜盃の結果

頑張れクラウンカップ組!

【クラウンカップの着順別の成績】

クラウンC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
クラウンC1着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
クラウンC2着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
クラウンC3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
クラウンC4着以下 0 0 2 9 0.0% 0.0%

羽田盃トライアルの「クラウンカップ(S3)」。

クラウンカップは施行時期によって「羽田盃トライアル」or「東京ダービートライアル」として実施されており、
過去10年では、2013年・2014年・2021年が東京ダービートライアルとして行われている。
※東京ダービートライアル時は「クラウンカップ」⇒「羽田盃」が連闘だった(参戦実績なし)

「クラウンカップ」出走馬のうち、羽田盃で3着内に好走した馬は2頭。
2015年10着のラッキープリンス(羽田盃3着)と2020年13着のファルコンウィング(羽田盃3着)が該当する。

南関東クラシックの有力馬が一堂に会す京浜盃と比較すると、データ上では劣勢と言わざるを得ない。

2022年クラウンカップの結果

王道ローテに!

【雲取賞の着順別の成績】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 2 1 1 3 28.6% 42.9%
雲取賞2着 2 0 1 3 33.3% 33.3%
雲取賞3着 0 0 0 5 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 0 1 13 0.0% 0.0%

2019年から「S3重賞」に昇格した「雲取賞(S3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、羽田盃との関連性は非常に高くなっている。

2018年までの準重賞の成績を含むデータは上表の通り。
では、重賞昇格以降のデータを以下に抽出してみよう。

【雲取賞の着順別の成績(重賞昇格以降)】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 1 0 1 0 50.0% 50.0%
雲取賞2着 2 0 1 0 66.7% 66.7%
雲取賞3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 0 0 3 0.0% 0.0%

2019年以降の「雲取賞」連対馬はのべ5頭が参戦。
この5頭で3勝、3着2回なので、連対馬が出走すれば必ず3着内に好走していることになる。

また、優勝した3頭中、2頭は「雲取賞」から羽田盃に直行したように、羽田盃と同じコース設定の雲取賞は新たな“王道路線”と言えるだろう。

2022年雲取賞の結果

好走馬は少ない…

【クラシックトライアル(TR)の着順別の成績】

クラシックTR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
クラシックTR1着 0 1 0 2 0.0% 33.3%
クラシックTR2着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
クラシックTR3着 0 0 0 0 - -
クラシックTR4着以下 0 0 0 6 0.0% 0.0%

2017年から行われている「クラシックトライアル競走」。
1着馬には東京ダービー、1、2着馬には羽田盃への優先出走権が付与される。

早い時期にクラシック出走を確定できる夢のようなトライアル。
ただし、羽田盃との関連性は低く、3着内に好走した馬は2020年の優勝馬ブラヴール(京浜盃1着、羽田盃2着)のみ。

2022年クラシックトライアル競走の結果

ハイセイコー記念覇者に注目!

【南関2歳重賞ウイナーの成績】

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドジュニア優勝馬 0 1 0 0 0.0% 100.0%
鎌倉記念優勝馬 1 2 1 0 25.0% 75.0%
平和賞優勝馬 1 0 1 3 20.0% 20.0%
ハイセイコー記念優勝馬 1 3 1 2 14.3% 57.1%
全日本2歳優駿優勝馬 1 1 0 1 33.3% 66.7%

※ゴールドジュニアは2020年以降のデータ(重賞昇格後)

南関東では例年、9月~12月にかけて2歳重賞が行われる。

各重賞馬の成長力は気になるところだが、データ的には悪くない数字と言えるだろう。
これと同様のデータは、今年の京浜盃(南関データ分析)でも抽出しているが、その時の数字は下表の通り。

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドジュニア優勝馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%
鎌倉記念優勝馬 1 0 1 2 25.0% 25.0%
平和賞優勝馬 0 0 2 5 0.0% 0.0%
ハイセイコー記念優勝馬 0 0 0 5 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿優勝馬 1 0 0 2 33.3% 33.3%

出走頭数こそ「京浜盃」と「羽田盃」では異なるものの、各2歳重賞の連対率は羽田盃の方が明らかに良い。
特に、「ハイセイコー記念」の優勝馬は、京浜盃時の連対率0.0%から、羽田盃では57.1%にまで上昇しているのだ。

“本番で一変”する2歳重賞ウイナーの存在を忘れてはいけない。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は5月18日(水)に川崎競馬場で行われる「川崎マイラーズ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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