
若駒たちが駆け抜ける「鎌倉記念(S2)」
“地方交流”として行われる2歳重賞。
南関東、さらには全国各地から有力馬が参戦する一戦を分析してみよう。
▼データ分析のポイント
・来年のクラシックホースが!?
・地元の今野騎手が好相性
・経験豊富なホッカイドウ競馬 vs 素質高い南関東
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2021年 | シルトプレ | 北海道 | ワールドエース | 4人気 |
2020年 | リーチ | 北海道 | グランプリボス | 3人気 |
2019年 | インペリシャブル | 川崎 | エスポワールシチー | 1人気 |
2018年 | ミューチャリー | 船橋 | パイロ | 1人気 |
2017年 | リコーワルサー | 大井 | ブラックタイド | 7人気 |
2016年 | ストーンリバー | 北海道 | ホワイトマズル | 2人気 |
2015年 | ポッドガイ | 川崎 | パイロ | 1人気 |
2014年 | オウマタイム | 船橋 | タイムパラドックス | 7人気 |
2013年 | ニシノデンジャラス | 北海道 | スペシャルウィーク | 2人気 |
2012年 | インサイドザパーク | 船橋 | タイムパラドックス | 2人気 |
「南関東」と「ホッカイドウ競馬」の馬たちがハイレベルな戦いを繰り広げている。
過去10年の優勝馬からは、インサイドザパーク、ミューチャリーの南関東クラシックホース2頭。
さらに、2021年覇者シルトプレは「北斗盃(H2)」「北海優駿(H1)」を制してホッカイドウ競馬の二冠馬に輝くことになる。
ちなみに、鎌倉記念の優勝馬は南関東クラシック第1戦「羽田盃(S1)」と相性が良い。
過去10年で羽田盃まで駒を進めた馬は4頭いるが、その全てが羽田盃で3着内に好走している(1勝、2着2回、3着1回)。
今野騎手は人気薄でもマークが必要
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2021年 | 笹川 翼 | 矢野 貴之 | 森 泰斗 |
2020年 | 本田 正重 | 今野 忠成 | 森 泰斗 |
2019年 | 矢野 貴之 | 赤岡 修次 | 今野 忠成 |
2018年 | 御神本 訓史 | 五十嵐 冬樹 | 今野 忠成 |
2017年 | 森 泰斗 | 真島 大輔 | 山崎 誠士 |
2016年 | 井上 幹太 | 真島 大輔 | 石崎 駿 |
2015年 | 矢野 貴之 | 的場 文男 | 真島 大輔 |
2014年 | 繁田 健一 | 石崎 駿 | 左海 誠二 |
2013年 | 今野 忠成 | 張田 京 | 山崎 誠士 |
2012年 | 左海 誠二 | 今野 忠成 | 服部 茂史 |
地元川崎所属の「今野忠成騎手」が1勝、2着2回、3着2回と好相性。
直近4年で3着内に3回来ているが、その時の人気は「7番人気3着」「8番人気:3着」「6番人気:2着」だ。
地元コースを熟知した手綱捌きには今年も注目だろう。
なお、2021年は南関東リーディング上位3傑の「笹川翼騎手」「矢野貴之騎手」「森泰斗騎手」が3着内を独占。
この組み合わせはレアケースではないかと調べてみたところ…2021年の重賞は鎌倉記念1回(※)のみだった。
※2020年11月の「サンタアニタトロフィー(S3)」以来
南関東vsホッカイドウ競馬
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 0 | 1 | 3 | 12 | 0.0% | 6.3% |
船橋 | 3 | 3 | 1 | 13 | 15.0% | 30.0% |
大井 | 1 | 2 | 0 | 7 | 10.0% | 30.0% |
川崎 | 2 | 0 | 5 | 36 | 4.7% | 4.7% |
南関以外 | 4 | 4 | 1 | 22 | 12.9% | 25.8% |
「南関東4場」の計6勝、2着6回に対して、「南関以外」の所属馬は4勝、2着4回。
「南関以外」で3着内に好走しているのは「ホッカイドウ競馬」所属馬のみなので、実質的には「南関東vsホッカイドウ競馬」となる。
近年はその傾向が顕著となっており、直近5年では「南関東4場」の計3勝、2着2回。
対する「ホッカイドウ競馬」は2勝、2着3回と互角の成績を残しているが、長距離遠征を考えると互角以上の成績ではないだろうか。
(直近5年は同じ地区同士でのワンツーはなし)
なお、2018年2着リンゾウチャネル、2019年2着アベニンドリーム、2021年1着シルトプレは翌年の「北海優駿(門別・H1)」制覇。
2020年1着リーチは北海優駿で2着に好走しているように、例年、ホッカイドウ競馬の一流馬が参戦してくる傾向にある。
南関生え抜きvsホッカイドウ競馬デビュー馬!
デビュー地区 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
南関東 | 5 | 5 | 9 | 66 | 5.9% | 11.8% |
ホッカイドウ競馬 | 5 | 5 | 1 | 21 | 15.6% | 31.3% |
その他 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
続いて、「デビューした地区別」の成績。
前項の「所属競馬場別の成績」と同様、「南関東デビュー馬」と「ホッカイドウ競馬デビュー馬」が互角の成績となった。
近年はホッカイドウ競馬でデビューして、翌年の南関東クラシックへと歩みを進める馬も多いが、
鎌倉記念の時点では、“南関東生え抜き馬”も結果を出していると言えそうだ。
ちなみに、ホッカイドウ競馬から南関東移籍後に鎌倉記念を勝利した馬は2014年のオウマタイムのみ。
初経験でも問題なし!?
左回り | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
経験あり | 5 | 5 | 9 | 67 | 5.8% | 11.6% |
経験なし | 5 | 5 | 1 | 23 | 14.7% | 29.4% |
こちらは「左回りの経験有無」による成績だが、「経験なし」は概ねホッカイドウ競馬所属馬が該当するので、ご参考までに。
南関東のコース設定は、浦和・船橋・川崎が「左回り」、大井が「右回り(※)」。
南関東以外の地方競馬は盛岡のみ「左回り」で、その他は全て「右回り」で行われている。
※大井競馬は2021年より「左回り」も実施(2022.9.23時点で2歳戦の施行はなし)
となると、鎌倉記念で注目したいのは「左回りの経験」だ。
鎌倉記念が「初の左回り」となった馬はのべ34頭出走し、5勝、2着5回、3着1回。
個々の馬の資質にもよるが、初の左回りでも対応している馬が多いということだろう。
ちなみに、直近2年は「右回りコース」のホッカイドウ競馬所属馬と大井所属馬がワンツーとなっている。
1,2番人気と6番人気以下の組み合わせ
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 3 | 3 | 2 | 2 | 30.0% | 60.0% |
2人気 | 3 | 3 | 1 | 3 | 30.0% | 60.0% |
3人気 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% |
4人気 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% |
5人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% |
6人気以下 | 2 | 3 | 3 | 62 | 2.9% | 7.1% |
「1番人気馬」&「2番人気馬」の信頼度が高い。
過去10年では3勝ずつを挙げ、連対率も「1番人気馬」「2番人気馬」ともに60.0%となっている。
また、見逃せないのが「6番人気以下」の2勝、2着3回、3着3回。
堅実な上位人気馬との組み合わせに妙味がありそうだ。
堅い配当も多い!
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2021年 | 1,430 | 680 | 8,500 |
2020年 | 580 | 3,690 | 38,920 |
2019年 | 140 | 870 | 25,300 |
2018年 | 190 | 560 | 7,780 |
2017年 | 1,300 | 3,160 | 58,530 |
2016年 | 340 | 590 | 7,950 |
2015年 | 200 | 230 | 1,610 |
2014年 | 1,510 | 4,300 | 31,070 |
2013年 | 350 | 1,480 | 6,620 |
2012年 | 490 | 400 | 6,690 |
平均 | 653 | 1,596 | 19,297 |
6番人気以下の馬で3着内に好走したのは過去10年で8頭のみ。
うち、優勝した2014年、2017年は各賭式で高配当だが、それ以外は比較的平穏な決着と言えるだろう。
(2020年は1、2番人気が4着以下に敗れて高めの配当)
外枠勢が圧倒的に有利!?
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 1 | 0 | 9 | 0.0% | 10.0% |
2枠 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% |
3枠 | 2 | 2 | 0 | 8 | 16.7% | 33.3% |
4枠 | 0 | 0 | 1 | 15 | 0.0% | 0.0% |
5枠 | 0 | 3 | 5 | 8 | 0.0% | 18.8% |
6枠 | 2 | 2 | 1 | 14 | 10.5% | 21.1% |
7枠 | 2 | 0 | 2 | 13 | 11.8% | 11.8% |
8枠 | 3 | 1 | 1 | 15 | 15.0% | 20.0% |
「1枠~4枠」の成績を合計すると3勝、2着4回、3着1回。
同様に「5枠~8枠」は7勝、2着6回、3着9回となっている。
3着内の回数は「1枠~4枠:8回」に対して、「5枠~8枠:22回」となり、データ上では「外枠有利」の傾向にあるようだ。
牡馬が優勢!
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 10 | 8 | 8 | 65 | 11.0% | 19.8% |
牝馬 | 0 | 2 | 2 | 25 | 0.0% | 6.9% |
セン馬 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
過去10年で「牡馬」が10勝、2着8回、3着8回。
「牝馬」は負担重量(※)で1kgのアドバンテージはあるが、「牡馬有利」のデータとなっている。
なお、1~3着の「牝馬」には、同じく川崎で行われる2歳牝馬重賞「ローレル賞(S2)」への優先出走権が付与される。
鎌倉記念で上位争いした牝馬には要注目となるだろう。
※負担重量:「牡馬55kg」「牝馬54kg」
トライアルレースの成績は?
若武者賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
若武者賞1着 | 1 | 1 | 2 | 3 | 14.3% | 28.6% |
若武者賞2着 | 0 | 1 | 0 | 6 | 0.0% | 14.3% |
若武者賞3着 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0.0% | 0.0% |
若武者賞4着以下 | 0 | 0 | 0 | 12 | 0.0% | 0.0% |
鎌倉記念と同じ「川崎1,500m」で行われるトライアル競走「若武者賞(準重賞)」。
トライアル優勝馬はのべ7頭が出走し、1勝、2着1回、3着2回。
鎌倉記念を制した馬は2019年インペリシャブルのみだが、3着内率は57.1%と安定感は抜群と言えそう。
2022年若武者賞の結果
競走馬は経験が大切?
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
3戦以内 | 3 | 7 | 5 | 36 | 5.9% | 19.6% |
4戦以上 | 7 | 3 | 5 | 54 | 10.1% | 14.5% |
こちらは「レース経験数」を「3戦以内」と「4戦以上」に分けたデータとなる。
「レース経験数」が「3戦以内」の馬は3勝。
対して、「4戦以上」は7勝を挙げており、「3戦以内」を大きく上回る結果となった。
直近3年を詳しく見ると「3戦以内」が1勝、2着2回、3着2回。
対する「4戦以上」は2勝、2着1回、3着1回となっているが、「4戦以上」の好走馬4頭中、3頭はホッカイドウ競馬所属馬が該当する。
経験値の高い「ホッカイドウ競馬」 vs 素質溢れる「南関東」という図式になりそうだ。
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は10月19日(水)に浦和競馬場で行われる「埼玉新聞栄冠賞(S3)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
データ満載!南関東4競馬場の情報は「nankankeiba.com」をチェック!