~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2022年10月12日(水) 
サラ系2歳 川崎1,500m
鎌倉記念(S2)

レース紹介

若駒たちが駆け抜ける「鎌倉記念(S2)」
“地方交流”として行われる2歳重賞。
南関東、さらには全国各地から有力馬が参戦する一戦を分析してみよう。

▼データ分析のポイント
・来年のクラシックホースが!?
・地元の今野騎手が好相性
・経験豊富なホッカイドウ競馬 vs 素質高い南関東

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2021年 シルトプレ 北海道 ワールドエース 4人気
2020年 リーチ 北海道 グランプリボス 3人気
2019年 インペリシャブル 川崎 エスポワールシチー 1人気
2018年 ミューチャリー 船橋 パイロ 1人気
2017年 リコーワルサー 大井 ブラックタイド 7人気
2016年 ストーンリバー 北海道 ホワイトマズル 2人気
2015年 ポッドガイ 川崎 パイロ 1人気
2014年 オウマタイム 船橋 タイムパラドックス 7人気
2013年 ニシノデンジャラス 北海道 スペシャルウィーク 2人気
2012年 インサイドザパーク 船橋 タイムパラドックス 2人気

「南関東」と「ホッカイドウ競馬」の馬たちがハイレベルな戦いを繰り広げている。

過去10年の優勝馬からは、インサイドザパーク、ミューチャリーの南関東クラシックホース2頭。
さらに、2021年覇者シルトプレは「北斗盃(H2)」「北海優駿(H1)」を制してホッカイドウ競馬の二冠馬に輝くことになる。

ちなみに、鎌倉記念の優勝馬は南関東クラシック第1戦「羽田盃(S1)」と相性が良い。
過去10年で羽田盃まで駒を進めた馬は4頭いるが、その全てが羽田盃で3着内に好走している(1勝、2着2回、3着1回)。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

今野騎手は人気薄でもマークが必要

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2021年 笹川 翼 矢野 貴之 森 泰斗
2020年 本田 正重 今野 忠成 森 泰斗
2019年 矢野 貴之 赤岡 修次 今野 忠成
2018年 御神本 訓史 五十嵐 冬樹 今野 忠成
2017年 森 泰斗 真島 大輔 山崎 誠士
2016年 井上 幹太 真島 大輔 石崎 駿
2015年 矢野 貴之 的場 文男 真島 大輔
2014年 繁田 健一 石崎 駿 左海 誠二
2013年 今野 忠成 張田 京 山崎 誠士
2012年 左海 誠二 今野 忠成 服部 茂史

地元川崎所属の「今野忠成騎手」が1勝、2着2回、3着2回と好相性。
直近4年で3着内に3回来ているが、その時の人気は「7番人気3着」「8番人気:3着」「6番人気:2着」だ。
地元コースを熟知した手綱捌きには今年も注目だろう。

なお、2021年は南関東リーディング上位3傑の「笹川翼騎手」「矢野貴之騎手」「森泰斗騎手」が3着内を独占。
この組み合わせはレアケースではないかと調べてみたところ…2021年の重賞は鎌倉記念1回(※)のみだった。
※2020年11月の「サンタアニタトロフィー(S3)」以来

南関東vsホッカイドウ競馬

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 3 12 0.0% 6.3%
船橋 3 3 1 13 15.0% 30.0%
大井 1 2 0 7 10.0% 30.0%
川崎 2 0 5 36 4.7% 4.7%
南関以外 4 4 1 22 12.9% 25.8%

「南関東4場」の計6勝、2着6回に対して、「南関以外」の所属馬は4勝、2着4回。
「南関以外」で3着内に好走しているのは「ホッカイドウ競馬」所属馬のみなので、実質的には「南関東vsホッカイドウ競馬」となる。

近年はその傾向が顕著となっており、直近5年では「南関東4場」の計3勝、2着2回。
対する「ホッカイドウ競馬」は2勝、2着3回と互角の成績を残しているが、長距離遠征を考えると互角以上の成績ではないだろうか。
(直近5年は同じ地区同士でのワンツーはなし)

なお、2018年2着リンゾウチャネル、2019年2着アベニンドリーム、2021年1着シルトプレは翌年の「北海優駿(門別・H1)」制覇。
2020年1着リーチは北海優駿で2着に好走しているように、例年、ホッカイドウ競馬の一流馬が参戦してくる傾向にある。

南関生え抜きvsホッカイドウ競馬デビュー馬!

【デビューした地区別の成績】

デビュー地区 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
南関東 5 5 9 66 5.9% 11.8%
ホッカイドウ競馬 5 5 1 21 15.6% 31.3%
その他 0 0 0 3 0.0% 0.0%

続いて、「デビューした地区別」の成績。

前項の「所属競馬場別の成績」と同様、「南関東デビュー馬」と「ホッカイドウ競馬デビュー馬」が互角の成績となった。
近年はホッカイドウ競馬でデビューして、翌年の南関東クラシックへと歩みを進める馬も多いが、
鎌倉記念の時点では、“南関東生え抜き馬”も結果を出していると言えそうだ。

ちなみに、ホッカイドウ競馬から南関東移籍後に鎌倉記念を勝利した馬は2014年のオウマタイムのみ。

初経験でも問題なし!?

【左回りの経験有無別の成績】

左回り 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 5 5 9 67 5.8% 11.6%
経験なし 5 5 1 23 14.7% 29.4%

こちらは「左回りの経験有無」による成績だが、「経験なし」は概ねホッカイドウ競馬所属馬が該当するので、ご参考までに。

南関東のコース設定は、浦和・船橋・川崎が「左回り」、大井が「右回り(※)」。
南関東以外の地方競馬は盛岡のみ「左回り」で、その他は全て「右回り」で行われている。
※大井競馬は2021年より「左回り」も実施(2022.9.23時点で2歳戦の施行はなし)

となると、鎌倉記念で注目したいのは「左回りの経験」だ。

鎌倉記念が「初の左回り」となった馬はのべ34頭出走し、5勝、2着5回、3着1回。
個々の馬の資質にもよるが、初の左回りでも対応している馬が多いということだろう。

ちなみに、直近2年は「右回りコース」のホッカイドウ競馬所属馬と大井所属馬がワンツーとなっている。

1,2番人気と6番人気以下の組み合わせ

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 3 2 2 30.0% 60.0%
2人気 3 3 1 3 30.0% 60.0%
3人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
4人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
5人気 0 1 2 7 0.0% 10.0%
6人気以下 2 3 3 62 2.9% 7.1%

「1番人気馬」&「2番人気馬」の信頼度が高い。
過去10年では3勝ずつを挙げ、連対率も「1番人気馬」「2番人気馬」ともに60.0%となっている。

また、見逃せないのが「6番人気以下」の2勝、2着3回、3着3回。
堅実な上位人気馬との組み合わせに妙味がありそうだ。

堅い配当も多い!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2021年 1,430 680 8,500
2020年 580 3,690 38,920
2019年 140 870 25,300
2018年 190 560 7,780
2017年 1,300 3,160 58,530
2016年 340 590 7,950
2015年 200 230 1,610
2014年 1,510 4,300 31,070
2013年 350 1,480 6,620
2012年 490 400 6,690
平均 653 1,596 19,297

6番人気以下の馬で3着内に好走したのは過去10年で8頭のみ。
うち、優勝した2014年、2017年は各賭式で高配当だが、それ以外は比較的平穏な決着と言えるだろう。
(2020年は1、2番人気が4着以下に敗れて高めの配当)

外枠勢が圧倒的に有利!?

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 1 0 9 0.0% 10.0%
2枠 1 1 0 8 10.0% 20.0%
3枠 2 2 0 8 16.7% 33.3%
4枠 0 0 1 15 0.0% 0.0%
5枠 0 3 5 8 0.0% 18.8%
6枠 2 2 1 14 10.5% 21.1%
7枠 2 0 2 13 11.8% 11.8%
8枠 3 1 1 15 15.0% 20.0%

「1枠~4枠」の成績を合計すると3勝、2着4回、3着1回。
同様に「5枠~8枠」は7勝、2着6回、3着9回となっている。

3着内の回数は「1枠~4枠:8回」に対して、「5枠~8枠:22回」となり、データ上では「外枠有利」の傾向にあるようだ。

牡馬が優勢!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 8 8 65 11.0% 19.8%
牝馬 0 2 2 25 0.0% 6.9%
セン馬 0 0 0 0 - -

過去10年で「牡馬」が10勝、2着8回、3着8回。
「牝馬」は負担重量(※)で1kgのアドバンテージはあるが、「牡馬有利」のデータとなっている。

なお、1~3着の「牝馬」には、同じく川崎で行われる2歳牝馬重賞「ローレル賞(S2)」への優先出走権が付与される。
鎌倉記念で上位争いした牝馬には要注目となるだろう。

※負担重量:「牡馬55kg」「牝馬54kg」

トライアルレースの成績は?

【若武者賞の着順別の成績】

若武者賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
若武者賞1着 1 1 2 3 14.3% 28.6%
若武者賞2着 0 1 0 6 0.0% 14.3%
若武者賞3着 0 0 1 4 0.0% 0.0%
若武者賞4着以下 0 0 0 12 0.0% 0.0%

鎌倉記念と同じ「川崎1,500m」で行われるトライアル競走「若武者賞(準重賞)」。

トライアル優勝馬はのべ7頭が出走し、1勝、2着1回、3着2回。
鎌倉記念を制した馬は2019年インペリシャブルのみだが、3着内率は57.1%と安定感は抜群と言えそう。

2022年若武者賞の結果

競走馬は経験が大切?

【レース経験数別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3戦以内 3 7 5 36 5.9% 19.6%
4戦以上 7 3 5 54 10.1% 14.5%

こちらは「レース経験数」を「3戦以内」と「4戦以上」に分けたデータとなる。

「レース経験数」が「3戦以内」の馬は3勝。
対して、「4戦以上」は7勝を挙げており、「3戦以内」を大きく上回る結果となった。

直近3年を詳しく見ると「3戦以内」が1勝、2着2回、3着2回。
対する「4戦以上」は2勝、2着1回、3着1回となっているが、「4戦以上」の好走馬4頭中、3頭はホッカイドウ競馬所属馬が該当する。

経験値の高い「ホッカイドウ競馬」 vs 素質溢れる「南関東」という図式になりそうだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は10月19日(水)に浦和競馬場で行われる「埼玉新聞栄冠賞(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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