~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2022年12月8日(木) 
サラ系3歳以上 大井1,800m
勝島王冠(S2)

レース紹介

東京大賞典トライアル!「勝島王冠(S2)」!
南関東の中長距離ランナーはもちろん、短~マイルが得意な馬も参戦する1,800m戦。
「東京大賞典(G1)」トライアルとしての役割も担い、1着馬には同レースへの優先出走権が付与される。

▼データ分析のポイント
・地元の大井所属馬が好成績
・若い馬が活躍
・中長距離をステップにした馬を狙いたい

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2021年 コズミックフォース 大井 キングカメハメハ 2人気
2020年 カジノフォンテン 船橋 カジノドライヴ 4人気
2019年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 1人気
2018年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 3人気
2017年 ディアドムス 大井 ジャングルポケット 1人気
2016年 セイスコーピオン 川崎 デュランダル 1人気
2015年 ムサシキングオー 大井 キングヘイロー 2人気
2014年 ハブアストロール 大井 エイシンサンディ 11人気
2013年 ガンマーバースト 船橋 スペシャルウィーク 1人気
2012年 プーラヴィーダ 大井 フィガロ 1人気

今年で14回目を迎える勝島王冠。
以前はオープン競走、準重賞競走として実施されており、歴代優勝馬にはボンネビルレコード、オリオンザサンクスなどの名前もある。

近年は東京大賞典への重要なステップレースの1つとして注目度もアップ!
2019年は勝島王冠1着モジアナフレイバー、同2着ノンコノユメ、2020年は勝島王冠1着カジノフォンテンが東京大賞典でも好走している。

ちなみに、馬名2文字目が「濁音」の馬が4連覇中。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

笹川騎手の初タイトル!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2021年 御神本 訓史 真島 大輔 松崎 正泰
2020年 張田 昂 笹川 翼 繁田 健一
2019年 繁田 健一 真島 大輔 吉原 寛人
2018年 繁田 健一 森 泰斗 笹川 翼
2017年 岡部 誠 笹川 翼 瀧川 寿希也
2016年 森 泰斗 的場 文男 和田 譲治
2015年 笹川 翼 達城 龍次 矢野 貴之
2014年 左海 誠二 矢野 貴之 張田 昂
2013年 森 泰斗 真島 大輔 吉原 寛人
2012年 戸崎 圭太 石崎 駿 御神本 訓史

「笹川翼騎手」が過去7年で1勝、2着2回、3着1回の成績。
自身初の重賞タイトルはムサシキングオーで制した2015年の「勝島王冠」で、この年を境に大井リーディング上位5傑の常連となった。
なお、2021年には初の大井リーディングを獲得、今年も11/18終了時点で2位につけている。

また、2021年は「松崎正泰(まさひろ)騎手」が鮮やかな捌きで12番人気のアングライフェンを3着に導いた。
「松崎正泰騎手」は大井競馬の騎手会副会長を務めており、愛称は“魚も馬もさばけるジョッキー”だ!

2022年大井リーディングはこちら

地元勢強し!一角を崩すのは船橋所属馬!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 1 10 0.0% 8.3%
船橋 2 4 1 27 5.9% 17.6%
大井 7 5 8 83 6.8% 11.7%
川崎 1 0 0 6 14.3% 14.3%

地元の「大井所属馬」が7勝、2着5回、3着8回と大活躍。
直近5年に限定しても、4勝、2着3回、3着4回とほぼほぼ上位を独占状態だ。

これに対抗しているのが「船橋所属馬」。
直近5年で1勝、2着2回、3着1回と成績的には「大井所属馬」に分があるものの、一角を崩せているのは「船橋所属馬」のみとなる。

人気馬が堅調!紐は6番人気以下?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 5 1 1 3 50.0% 60.0%
2人気 2 3 0 5 20.0% 50.0%
3人気 1 2 0 7 10.0% 30.0%
4人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
5人気 0 0 3 7 0.0% 0.0%
6人気以下 1 3 6 96 0.9% 3.8%

過去10年で「1番人気馬」は5勝、2着1回、3着1回と信頼度は高い。
これを「1~3番人気」に広げると、8勝(2着6回、3着1回)を占めるまでになる。

一方、「6番人気以下」は1勝、2着3回、3着6回と3着数が多くなっている。
三連勝式の馬券的には「1番人気」⇒「2、3番人気」⇒「6番人気以下」だろう。

堅い、ときどき大荒れ?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2021年 470 3,460 356,530
2020年 990 2,150 12,210
2019年 190 250 5,320
2018年 480 640 9,220
2017年 350 3,140 63,720
2016年 160 370 9,780
2015年 390 1,510 30,110
2014年 12,800 58,750 1,448,340
2013年 240 1,380 84,620
2012年 180 390 3,700
平均 1,625 7,204 202,355

「単勝式」は2014年に万馬券があるものの、その他の9年を平均すると「383円」と堅い決着。
同様に、「馬複」「三連単」も落ち着いた配当が多くなっている。

有利不利は少ない

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 1 2 14 0.0% 5.9%
2枠 2 2 1 14 10.5% 21.1%
3枠 1 1 1 17 5.0% 10.0%
4枠 3 0 1 16 15.0% 15.0%
5枠 1 2 2 15 5.0% 15.0%
6枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%
7枠 2 3 1 14 10.0% 25.0%
8枠 0 1 1 18 0.0% 5.0%

全ての「枠」で連対実績があるように、「内枠」~「外枠」までほぼ均等の成績。

大井1,800m(※)は直線中ほどからスタートし、外回りコースをグルっと1周する。
フルゲートは16頭で、多頭数となることも多い勝島王冠だが、データ上では有利不利は少ないようだ。

※同じ場所からスタートする1,600mは内回りコース

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 7 8 114 7.2% 12.2%
牝馬 0 0 0 0 - -
セン馬 0 3 2 12 0.0% 17.6%

過去10年で「牝馬」の出走は0頭。
牡馬牝馬の混合重賞で「牝馬0頭」はレアケースだ。

若さと勢い!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 2 0 2 11 13.3% 13.3%
4歳 3 1 0 14 16.7% 22.2%
5歳 1 0 2 17 5.0% 5.0%
6歳 4 4 1 25 11.8% 23.5%
7歳以上 0 5 5 59 0.0% 7.2%

歴戦の古馬に混じる「3歳馬」だが、過去10年で2勝、3着2回と上々の成績を残している。

この時期の「3歳馬」といえば、負担重量の恩恵が検討材料の1つとなる。
勝島王冠の負担重量は「A1級57kg・A2級55kg・B1級以下54kg・3歳馬2kg減・牝馬2kg減」(※)。
2018年には斤量53kgのモジアナフレイバー(A2級)が優勝し、同53kgのリコーワルサーが3着に好走している。

また、「4歳馬」の活躍も見逃せない。
2019年には4歳となったモジアナフレイバーが2馬身差で連覇を達成し、2020年にはカジノフォンテンが同じく2馬身差で勝利。
この2頭は勝島王冠での勝利をステップに、同年暮れの「東京大賞典」でも3着内に好走している。

ちなみに、2021年は2頭の3歳馬が参戦。
結果は4着セイカメテオポリス、5着トランセンデンスと馬券には絡めなかったものの、掲示板を確保する頑張りを見せた。

若さと勢いはもとより、成長曲線がここで一気に振れ上がる馬も少なくなさそうだ。

※2022年の場合は、基準の重量に以下が加増される
2021.12.6から2022.12.2までのダートグレード競走及びJRA重賞勝ち馬2kg、南関S1/S2重賞勝ち馬1kg加増
(2歳・3歳限定競走の成績を除く)

大注目の3歳準重賞!

【スターバーストカップ(スターBC)の着順別の成績】

スターBC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
スターBC1着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
スターBC2着 0 0 2 2 0.0% 0.0%
スターBC3着 0 0 0 0 - -
スターBC4着以下 0 0 0 0 - -

2013年から行われている3歳馬限定の準重賞「スターバーストカップ」。
11月ともなると「3歳限定」の上級条件は貴重なため、必然的に「スターバーストカップ」は好メンバーが揃うことになる。

1、2着馬には勝島王冠の優先出走権が付与されており、2013年以降、優先出走権を獲得した馬は7頭が参戦。
うち勝島王冠では1勝、3着2回なので、前項「年齢別の成績」の「3歳馬」に関しては「スターバーストカップ組」が大勢を占める。

2022年スターバーストカップの結果

条件替わりで一変する馬は?

【マイルグランプリ&サンタアニタトロフィー(M&S)の着順別の成績】

M&S着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
M&S1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
M&S2着 1 1 0 4 16.7% 33.3%
M&S3着 0 1 0 2 0.0% 33.3%
M&S4着以下 0 0 1 31 0.0% 0.0%

勝島王冠の約1か月前には大井でマイル重賞が組まれている。
2012年~2019年は「マイルグランプリ(S2)」、2020年以降は「サンタアニタトロフィー(S3)」が該当する。
※本項目の過去10年データも上記に準じるものとする

過去10年のマイル重賞1~3着馬はのべ11頭が勝島王冠に出走して2勝、2着2回。
一方、対照的なのが4着以下からの出走馬で、のべ32頭が出走したものの3着が1回あるのみだ。
「内回り1,600m」⇒「外回り1,800m」への条件替わり(※)で一変した馬は少なかったということだろう。
ちなみに、4着以下から3着に好走した1頭は、前年の勝島王冠を勝利していたムサシキングオーとなる。

※「マイルグランプリ&サンタアニタトロフィー」⇒「勝島王冠」に直行しているとは限らない

2022年サンタアニタトロフィーの結果
2022年マイルグランプリの結果

優勝馬の過信は禁物?

【東京記念の着順別の成績】

東京記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念1着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
東京記念2着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
東京記念3着 0 2 0 4 0.0% 33.3%
東京記念4着以下 1 0 1 31 3.0% 3.0%

続いては距離が短縮するパターン。
勝島王冠の約3か月前に行われている2,400mの長距離重賞「東京記念(S1)」。

過去10年で「東京記念」優勝馬は4頭が参戦しているものの、3着内に好走した例は1度も無い。
いずれも勝島王冠では2番人気以内に支持されているので、データ上は“危ない人気馬”ということになる。

「東京記念4着以下」からは、のべ33頭が出走して1勝、3着1回。
こちらも目立った数字ではないが、該当の2頭(2015年3着アウトジェネラル・2017年1着ディアドムス)は、ともに1,800mの重賞ウイナーだった。

2022年東京記念の結果

連対馬は信頼度が高い!

【埼玉新聞栄冠賞の着順別の成績】

埼玉新聞栄冠賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
埼玉新聞栄冠賞1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
埼玉新聞栄冠賞2着 1 1 0 4 16.7% 33.3%
埼玉新聞栄冠賞3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
埼玉新聞栄冠賞4着以下 0 1 0 20 0.0% 4.8%

浦和2,000m(※)で行われている「埼玉新聞栄冠賞(S3)」。
「浦和」⇒「大井」とコース形態は大きく異なるが、カテゴリー的には上記の参考レースの中で最も近くなっている。
※2020年以前は「浦和1,900m」で実施

過去10年の「埼玉新聞栄冠賞」優勝馬は2頭が参戦して1勝。
同2着馬は6頭が参戦し、1勝、2着1回、4着1回の成績を残しているように、「埼玉新聞栄冠賞」連対馬の好走率は高くなっている。

2022年埼玉新聞栄冠賞の結果

中長距離が得意な馬が好成績?

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,600m未満 0 0 0 15 0.0% 0.0%
1,600m 4 2 2 38 8.7% 13.0%
1,601m~1,800m未満 0 1 0 5 0.0% 16.7%
1,800m以上 6 7 8 68 6.7% 14.6%

最後に「前走の距離別の成績」をまとめてみよう。

好走馬が最も出ているのは、前走が「1,800m以上」の馬。
過去10年で6勝、2着7回、3着8回の成績を残しているように、中長距離指向の馬が活躍しているのが分かる。

続いて、前走が「1,600m」の馬が4勝、2着2回、3着2回。
サンタアニタトロフィーをはじめ、マイル戦の番組が比較的多いということもあるが、前走マイル組も注目したい。

一方、成績が芳しくないのは、前走が「1,601m~1,800m未満」と「1,600m未満」。
特に「1,600m未満」は3着内の実績がなく、データ上では短距離からの距離延長はプラスに働いていないようだ。

なお、2021年の上位3頭の“前走”は、1着から順に「1,600m」⇒「2,000m」⇒「2,000m」だった。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は12月22日(木)に浦和競馬場で行われる「ゴールドカップ(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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