~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2022年6月14日(火) 
サラ系4歳以上 川崎900m
川崎スパーキングスプリント(S3)

レース紹介

南関東では最も距離の短い重賞「川崎スパーキングスプリント(S3)」!
今年で2回目を迎える究極のスピード決戦!
地方競馬スーパースプリントシリーズの南関東地区トライアルとして実施されている。

▼データ分析のポイント
・1番人気に支持された船橋所属馬が強い
・斤量の軽い牝馬に注目
・コース経験は関係なさそう

【過去の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2021年 カプリフレイバー 船橋 サウスヴィグラス 1人気
2020年 ポッドギル 大井 フリオーソ 8人気
2019年 ラディヴィナ 川崎 サウスヴィグラス 1人気
2018年 ラディヴィナ 川崎 サウスヴィグラス 2人気
2017年 フラットライナーズ 船橋 シニスターミニスター 1人気
2016年 フラットライナーズ 船橋 シニスターミニスター 1人気
2015年 カベルネフラン 船橋 アサクサデンエン 1人気
2014年 ユーリカ 船橋 クロフネ 1人気
2013年 スターボード
アイディンパワー
船橋
船橋
スウェプトオーヴァーボード
ニューイングランド
1人気
3人気
2012年 トーセンクロス 浦和 Broad Brush 5人気

※2013年は1着同着

2020年まではオープン特別として実施されていた一戦。
オープンクラス(A1)による900m戦は年数回という貴重な条件だけに、歴代優勝馬には多彩な面々が並んでいる。

歴代優勝馬の中で、南関東の重賞を勝利している馬はフラットライナーズ、ポッドギル、カプリフレイバーの3頭。
また、後述もするが、牝馬が5頭優勝しているのも特徴的だろう。

牝馬の中では2014年のユーリカに注目。
この時に叩き出した「51.5秒」というタイムは、現在も破られていない「川崎900m」のレコードだ。

ちなみに、2022年に行われた川崎900mの最高タイムは、本競走のトライアルで計測した ファントムバレットの52.9秒。

過去の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

川崎900mが得意な騎手は!?

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2021年 真島 大輔 町田 直希 矢野 貴之
2020年 今野 忠成 笹川 翼 水野 翔
2019年 笹川 翼 御神本 訓史 橋本 直哉
2018年 瀧川 寿希也 左海 誠二 本田 正重
2017年 左海 誠二 江川 伸幸 山崎 誠士
2016年 左海 誠二 増田 充宏 真島 大輔
2015年 瀧川 寿希也 山崎 誠士 矢野 貴之
2014年 脇田 創 真島 大輔 増田 充宏
2013年 戸崎 圭太
的場 文男
1着同着 見澤 譲治
2012年 坂井 英光 真島 大輔 加藤 和博

「川崎900m」という条件に焦点を当ててみよう。

2021年の川崎900mリーディングは「森泰斗騎手」。
騎乗数は51回と際立って多くはないが、17勝(勝率33.3%)、2着10回(連対率52.9%)、3着11回の成績を残している。
ちなみに、騎乗数トップは「古岡勇樹騎手」の96回で、11勝、2着14回、3着15回(川崎900mリーディング3位)。

さて、2022年は…「1位:矢野貴之騎手」「2位:山崎誠士騎手」「3位:森泰斗騎手&神尾香澄騎手」。
リーディング常連に割って入る「神尾香澄騎手」をピックアップだ。
※5月開催終了時点の成績

「神尾香澄騎手」は2021年デビューの若手ジョッキー。
南関東では「女性騎手の減量」が適用されており、下表の通り、通算50勝までは「★4kg減」で騎乗できる。
スプリント戦での成績が良く、軽量を生かした騎乗には要注目だろう。

なお、減量騎手でも「S2/S3重賞」は騎乗可能、「S1重賞」は勝利度数31回以上が条件。
ただし、重賞及び準重賞では負担重量の軽減は行わない。

【減量騎手の条件】

騎手免許取得後5年未満の騎手 騎手免許取得後5年以上
または101勝以上の騎手着以下
30勝以下 31勝以上50勝以下 51勝以上100勝以下
男性騎手 ▲3kg減量 △2kg減量 ☆1kg減量 減量なし
女性騎手 ★4kg減量 ▲3kg減量 ◇2kg減量

2021年川崎900mリーディングはこちら
2022年川崎900mリーディングはこちら

船橋所属馬が圧倒

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 0 2 18 4.8% 4.8%
船橋 7 2 2 12 30.4% 39.1%
大井 1 3 2 12 5.6% 22.2%
川崎 2 4 4 38 4.2% 12.5%

「船橋所属馬」が7勝、2着2回、3着2回と抜群の成績。
特に1番人気に支持された際の成績が良く、該当馬は8頭で6勝、4着2回となっている。

重賞初年度の2022年も1番人気に支持されたカプリフレイバーがキッチリと勝利を手にした。

究極のスピード勝負には紛れなし

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 7 0 0 3 70.0% 70.0%
2人気 1 1 3 5 10.0% 20.0%
3人気 1 4 0 5 10.0% 50.0%
4人気 0 1 1 8 0.0% 10.0%
5人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
6人気以下 1 2 5 52 1.7% 5.0%

スピードの絶対値を競うような条件。
ということが関係しているのかは分からないが、「1番人気」に支持された馬は勝率70.0%と圧倒している。
「1番人気馬」は2着、3着こそ0回ではあるものの、掲示板を外したことは1度も無いということは付け加えておこう。

配当も低めの傾向

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2021年 270 760 3,890
2020年 1,330 5,960 196,360
2019年 230 320 2,330
2018年 280 840 27,830
2017年 170 1,100 5,380
2016年 290 1,010 7,140
2015年 350 620 14,100
2014年 190 400 1,280
2013年 140
210
540 2,870
4,350
2012年 940 7,310 743,840
平均 400 1,886 91,761

※2013年は1着同着のため、2通りの配当金額の合算を2013年の配当として平均配当を算出

「単勝」の平均は400円。
1番人気馬が結果を残すレースだけに堅い決着が多い。

「馬複」「三連単」も同様の傾向。
1番人気馬が3着内に好走しなかった年は2012年、2018年、2020年の3回だ。

内~真ん中が好成績

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 0 1 9 0.0% 0.0%
2枠 1 3 1 5 10.0% 40.0%
3枠 2 2 1 5 20.0% 40.0%
4枠 2 0 2 6 20.0% 20.0%
5枠 3 1 3 10 17.6% 23.5%
6枠 0 1 0 16 0.0% 5.9%
7枠 3 0 2 13 16.7% 16.7%
8枠 0 2 0 16 0.0% 11.1%

向こう正面入り口からスタートして、3、4コーナーから直線へ。
コーナーがきついと言われる川崎コースだが、先行争いと最後の勝負は直線を目一杯使って行われる。

全体的にはやや「内枠」が有利な傾向。
特に「2枠」「3枠」の連対率40.0%は際立っているが、勝率となると真ん中の「3~5枠」及び「7枠」が良いようだ。

牡牝互角

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 6 5 6 58 8.0% 14.7%
牝馬 5 3 4 17 17.2% 27.6%
セン馬 0 1 0 5 0.0% 16.7%

「牡馬」の6勝に対して、「牝馬」は5勝。
スピード勝負では牡牝互角の数字となっており、重賞に昇格した2021年も「牝馬」のポッドギルが3着に好走している。

4歳~6歳が活躍!リピーターも!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 0 0 0 1 0.0% 0.0%
4歳 4 1 2 7 28.6% 35.7%
5歳 2 2 2 16 9.1% 18.2%
6歳 3 5 3 16 11.1% 29.6%
7歳以上 2 1 3 40 4.3% 6.5%

勝率、連対率は「4歳馬」がトップの成績。
昨年も「4歳馬」同士のワンツーとなり、数字的には頭一つ抜け出した形だ。

なお、2020年までは「3歳馬」の出走が可能だったが、重賞昇格とともに出走条件が「4歳以上」となっている。

ちなみに、2016年&2017年を連覇したフラットライナーズは「4歳~6歳」に連対、2018年&2019年を連覇したラディヴィナは「5歳~6歳」。
ポッドギルは「4歳」の2020年に優勝し、翌2021年に3着、コアレスピューマは「7歳」の2011年に勝利して「11歳」時に3着している。

オープンクラスでは貴重な条件なので、本競走を目標としたリピーターの活躍も目立つようだ。

斤量の軽い牝馬!

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
51kg以下 4 1 2 13 20.0% 25.0%
52kg~55kg 3 6 5 42 5.4% 16.1%
56kg以上 4 2 3 25 11.8% 17.6%

本競走の出走条件は以下の通り(重賞昇格後)。
▼A1級57kg A2級55kg B1級以下53kg 牝馬2kg減

2020年までは3歳馬が出走可能だったため「3歳馬2kg減」、加えて重賞ではなかったため減量騎手も適用されていた。
過去最低斤量は「48.0kg」、2020年は3歳ダンディーヴォーグが「☆中越琉世騎手(-1kg)」を起用して「50.0kg」だった。

という前提条件を踏まえて…
斤量「51kg以下」は4勝を挙げ、勝率20.0%はトップの成績。
いずれも牝馬が該当し、減量騎手は起用していないため、「格上挑戦の牝馬」が結果を残していることになる。

最重量で勝利した馬は2017年のフラットライナーズで「斤量58.0kg」。
当時は「重賞勝ち馬は加増」という条件があったため58.0kgを背負っているが、軽量馬相手に貫録を示した形だ。

なお、重賞昇格後の出走条件を当てはめてみると、「B1級以下の牝馬」の51kgが最軽量の条件。

コース経験は関係ない?

【川崎900mの経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 5 5 5 38 9.4% 18.9%
経験なし 6 4 5 42 10.5% 17.5%

川崎900mを経験しているか否かの成績。
「経験あり」が5勝、2着5回、3着5回に対し、「経験なし」は6勝、2着4回、3着5回となる。
勝率、連対率も互角となっており、数値上ではコース経験による結果の差は出ていないようだ。

ということで、生粋のスプリンターたちによる究極のスピード勝負が存分に楽しめるだろう。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は6月28日(火)に大井競馬場で行われる3歳スプリント王決定戦「優駿スプリント(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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