~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2022年4月27日(水) 
サラ系4歳以上牝馬 浦和1,400m
しらさぎ賞(S3)

レース紹介

牝馬重賞「しらさぎ賞(S3)」!
古馬の牝馬重賞が充実している南関東競馬。
2022年度は全部で8レース行われるが“地方馬限定”となると、
「しらさぎ賞」のほか、暮れの「東京シンデレラマイル(S3)」があるのみだ。

▼データ分析のポイント
・近年は大井&川崎所属馬が活躍
・1、2番人気馬が9勝
・ティアラカップ組に注目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2021年 ダノンレジーナ 浦和 ダノンバラード 1人気
2020年 ストロングハート 川崎 サウスヴィグラス 3人気
2019年 タイセイラナキラ 大井 カネヒキリ 2人気
2018年 ラーゴブルー 川崎 ハーツクライ 2人気
2017年 ニシノラピート 大井 サウスヴィグラス 2人気
2016年 ララベル 大井 ゴールドアリュール 1人気
2015年 ノットオーソリティ 船橋 スウェプトオーヴァーボード 1人気
2014年 レッドクラウディア 大井 アグネスタキオン 2人気
2013年 ナターレ 川崎 クロフネ 2人気
2012年 クラーベセクレタ 船橋 ワイルドラッシュ 1人気

名だたる名牝が優勝馬に名を連ねている。
冒頭にも記載したが、地方限定の牝馬重賞ということで、しらさぎ賞を目標にする牝馬も多いのだろう。

また、JRA所属の有力馬が牝馬重賞を求めて南関東に移籍するケースも多くなった。
過去10年の優勝馬では2014年レッドクラウディアがその筆頭で、JRA所属時に「クイーン賞(Jpn3)」を制した実績がある。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

黄色に注目!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2021年 本橋 孝太 町田 直希 今野 忠成
2020年 町田 直希 笹川 翼 森 泰斗
2019年 吉原 寛人 和田 譲治 森 泰斗
2018年 吉原 寛人 山崎 誠士 的場 文男
2017年 柏木 健宏 矢野 貴之 瀧川 寿希也
2016年 吉原 寛人 矢野 貴之 左海 誠二
2015年 吉原 寛人 森 泰斗 的場 文男
2014年 森 泰斗 的場 文男 張田 京
2013年 的場 文男 吉原 寛人 御神本 訓史
2012年 戸崎 圭太 石崎 駿 吉原 寛人

黄色一色の勝負服を身にまとう「町田直希騎手」が直近2年で1勝、2着1回の活躍。
2021年は重賞タイトルこそ獲得できなかったものの、年間102勝をマークする活躍を見せている。

また、「森泰斗騎手」は直近3年で3着2回。
過去10年では1勝、2着1回、3着2回と相性の良い重賞と言えそうだ。

その他では金沢所属の「吉原寛人騎手」が過去10年で4勝、2着1回、3着1回。
南関東での騎乗機会は昨今の社会情勢の影響で激減しているが、もし騎乗するようであれば注目となるだろう。

近年は大井&川崎が上位独占!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
浦和 1 2 2 17 4.5% 13.6% 22.7%
船橋 2 1 3 21 7.4% 11.1% 22.2%
大井 4 4 2 28 10.5% 21.1% 26.3%
川崎 3 3 3 13 13.6% 27.3% 40.9%
南関以外 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%

直近5年に限ると「大井所属馬」&「川崎所属馬」が上位をほぼ独占している状態。
前者の「大井所属馬」が2勝、2着2回、3着2回、後者の「川崎所属馬」も2勝、2着2回、3着2回だ。

ただし、2021年は「浦和所属」のダノンレジーナが勝利。
地元馬の優勝は2010年ジョーイロンデル以来、実に11年ぶりの出来事だった。

1番人気 or 2番人気?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 1 1 4 40.0% 50.0%
2人気 5 0 1 4 50.0% 50.0%
3人気 1 1 2 6 10.0% 20.0%
4人気 0 3 2 5 0.0% 30.0%
5人気 0 0 3 7 0.0% 0.0%
6人気以下 0 5 1 63 0.0% 7.2%

過去10年の優勝馬は「1~3番人気馬」のみ!
特に「1、2番人気馬」が大活躍しており、「1番人気馬」は4勝、2着1回、3着1回、「2番人気馬」が5勝、3着1回となる。
ただし、4着以下に敗れた回数もそれぞれ4回ずつあるので両極端な結果とも言えるだろう。
(直近5年で「1、2番人気馬」が揃って3着内に好走した回数は2回)

となると、馬券的には「頭固定の2、3着流し」。
2021年は1着から順に「1番人気」⇒「8番人気」⇒「5番人気」だったように、2着5回の「6番人気以下」も見逃せないところだ。

単勝式は堅いが、連勝式は妙味あり!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2021年 140 1,630 20,320
2020年 450 550 5,170
2019年 400 2,280 18,200
2018年 320 1,730 13,130
2017年 360 2,730 25,150
2016年 160 3,300 37,060
2015年 180 820 10,610
2014年 510 1,990 16,880
2013年 860 9,470 145,910
2012年 100 520 5,600
平均 348 2,502 29,803

前項の通り、優勝馬は「1~3番人気」なので、「単勝」の配当は非常に低い。
クラーベセクレタが勝った2012年には“単勝元返し”という配当もある。

逆に、妙味があるのは「馬複」と「三連単」。
「馬複」は平均2,502円、「三連単」は平均29,803円となっており、手広く流してみても良さそうだ。

真ん中の枠が良さそう

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 0 1 8 0.0% 0.0%
2枠 1 1 1 7 10.0% 20.0%
3枠 3 0 1 6 30.0% 30.0%
4枠 2 2 1 5 20.0% 40.0%
5枠 2 4 2 12 10.0% 30.0%
6枠 1 3 1 15 5.0% 20.0%
7枠 0 0 2 18 0.0% 0.0%
8枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%

しらさぎ賞が行われる「浦和1,400m」はフルゲート12頭。
過去10年で1頭だけ除外(2012年)が出ているが、その他の年は全てフルゲートで行われている。

最も優勝馬が出ている枠は「3枠」の3頭。
次いで「4枠」「5枠」が2勝ずつで続き、連対率も「3枠」~「5枠」が総じて高い。

ちなみに、2016年~2020年の連対馬は全て「3枠」~「5枠」。
昨年も1着から順に「6枠」⇒「5枠」⇒「5枠」だったように、真ん中寄りの枠が好成績を挙げる傾向だ。

浦和といえば「1枠」も気になるのだが、しらさぎ賞に限っては勝率、連対率ともに0.0%と相性は良くない。

4歳~6歳馬が中心のレース!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 0 0 0 0 - -
4歳 4 2 3 28 10.8% 16.2%
5歳 4 3 3 24 11.8% 20.6%
6歳 2 3 3 22 6.7% 16.7%
7歳以上 0 2 1 15 0.0% 11.1%

しらさぎ賞の出走条件は、2014年までは「3歳以上牝馬」で、2015年からは「4歳以上牝馬」(※)で行われている。
とはいえ、「3歳馬」の出走はゼロで、中心は「4歳~6歳馬」だ。

過去10年では「4歳馬」と「5歳馬」がともに4勝、「6歳馬」が2勝。
さらに、2着、3着も「4歳~6歳馬」が好成績を残している。
しらさぎ賞は「牝馬限定」ということもあり、牡馬重賞と比較すると年齢の若い馬が活躍する傾向にあるようだ。

※本分析の対象期間のみ記載

牝馬は格より勢い!?

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
52~53kg 1 2 3 42 2.1% 6.3%
54~55kg 2 5 2 24 6.1% 21.2%
56kg以上 7 3 5 23 18.4% 26.3%

しらさぎ賞は格付別(クラス別)で斤量が異なる“別定戦(※1)”。
格付別の斤量は「A1級56kg」、「A2級54kg」、「B1級以下52kg」となり、今年の場合は、
2020年4月1日~2022年4月15日の期間中(※2)にダートグレード競走を勝っていれば「2kg」、地方重賞を勝っていれば「1kg」加増される。

2018年しらさぎ賞を例に、少し具体的に書くと…
優勝馬ラーゴブルーは「B1級以下」だったので「52kg」、2着ファイトユアソングは「A2級」なので「54kg」。
3着ニシノラピートは地方重賞2勝の実績があったため、A1級の「56kg」に加え、地方重賞勝ちの「1kg」が加増され、合計「57kg」となる。
また、「東京スプリント(Jpn3)」覇者コーリンベリーは、ダートグレード競走勝ちの「2kg」が加増されて「58kg」だった。

2018年しらさぎ賞 馬名 クラス別斤量 地方重賞 ダートグレード競走 合計斤量
1着 ラーゴブルー 52kg (B1級以下) - - 52kg
2着 ファイトユアソング 54kg (A2級) - - 54kg
3着 ニシノラピート 56kg (A1級) 1kg - 57kg
4着 コーリンベリー 56kg (A1級) - 2kg 58kg

少し前置きが長くなったが、過去10年のしらさぎ賞で好成績を残しているのは「56kg以上」の馬。
該当馬は7勝、2着3回、3着5回となっており、格付が高い馬が順当に成績を残している。
また、「52kg~53kg」「54kg~55kg」も勝利を挙げているが、こちらは「格付が下の馬」、すなわち「格上挑戦馬」が該当する。

「牝馬は格より勢い」という格言も聞かれるが、上記の結果だけを見れば、「格」を重視した方がいいのかもしれない。

※1.南関東以外の馬は南関東格付基準表に当てはめて決定
※2.2歳時の成績は除く

トライアル制覇の勢いは!?

【ティアラカップの着順別の成績】

ティアラカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ティアラカップ1着 1 3 0 4 12.5% 50.0%
ティアラカップ2着 1 0 1 4 16.7% 16.7%
ティアラカップ3着 0 1 0 3 0.0% 25.0%
ティアラカップ4着以下 1 1 0 17 5.3% 10.5%

しらさぎ賞と同舞台で行われるトライアルレース。
2014年(※)からトライアルとして実施されているため、データ分析も2014年以降とする。

トライアル出走組からは、3頭の優勝馬と5頭の2着馬を輩出。
「ティアラカップ」は“A2以下の格付馬によるレース”ということを考慮すると、悪くない成績ではないだろうか。

ちなみに、2016年~2020年の5年間はトライアル出走組からしらさぎ賞連対馬が出ていた。

※2014年はプリムラ賞

2022年ティアラカップの結果

【マリーンカップの着順別の成績】

マリーンカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
マリーンカップ1着 0 0 0 0 - -
マリーンカップ2着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
マリーンカップ3着 0 0 0 0 - -
マリーンカップ4着以下 1 4 2 11 5.6% 27.8%

JRA勢が出走できるダートグレード競走。

マリーンカップの上位馬はあまり出走してこないが、4着以下からはのべ18頭が参戦して1勝、2着4回、3着2回。
JRA勢相手に苦戦した馬でも、地方馬同士となれば力量上位といったところだろう。

2022年マリーンカップの結果

上位馬には要注目!

【東京シンデレラマイルの着順別の成績】

東京シンデレラマイル着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京シンデレラマイル1着 2 0 1 2 40.0% 40.0%
東京シンデレラマイル2着 2 1 0 1 50.0% 75.0%
東京シンデレラマイル3着 0 0 1 3 0.0% 0.0%
東京シンデレラマイル4着以下 1 5 1 22 3.4% 20.7%

前年末に行われるマイル重賞「東京シンデレラマイル(S3)」。
冒頭にも記載したように、南関東では貴重な地方馬限定(※)の牝馬重賞だ。

過去10年で東京シンデレラマイル優勝馬は5頭がしらさぎ賞に出走して2勝、3着1回。
同様に2着馬も4頭が出走し、2勝、2着1回の成績を残している。
東京シンデレラマイルとしらさぎ賞とではコース設定が大きく異なるが、やはり重賞上位馬には注目が必要だろう。

※東京シンデレラマイルは南関東所属馬のみ

2021年東京シンデレラマイルの結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は5月3日(火祝)に船橋競馬場で行われる「若潮スプリント(S3)」です!

南関データ分析とは

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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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