~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2022年9月15日(木) 
サラ系3歳 川崎2,100m
戸塚記念(S1)

レース紹介

夏の3歳重賞「戸塚記念(S1)」
2018年から南関東最高グレードの「S1(旧S2)」に昇格。
春のクラシック出走組と黒潮盃組、さらには夏の上がり馬が激突する注目の一戦だ。

戸塚記念が行われる川崎2,100mは「川崎記念(Jpn1)」や「関東オークス(Jpn2)」が行われるコースで、
スタミナはもちろんのこと、コーナーを6回通過する器用さ、川崎競馬場でのコース経験などが求められる。

川崎経験馬が強いのか?勢いある上がり馬が強いのか?過去10年の傾向を探ってみよう。

▼データ分析のポイント
・8枠の成績が結構良い
・黒潮盃優勝馬は信頼度?
・コース無敗の川崎巧者に注目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2021年 セイカメテオポリス 大井 マジェスティックウォリアー 7人気
2020年 ティーズダンク 浦和 スマートファルコン 3人気
2019年 ヒカリオーソ 川崎 フリオーソ 1人気
2018年 チャイヤプーン 船橋 フェデラリスト 5人気
2017年 カンムル 浦和 サマーバード 4人気
2016年 ベルゼブブ 浦和 アグネスデジタル 3人気
2015年 ミスアバンセ 船橋 パイロ 5人気
2014年 キットピーク 大井 マーベラスサンデー 7人気
2013年 トラバージョ 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2012年 アスカリーブル 船橋 ブラックタキシード 1人気

2017年以前は「別定戦」として実施されていたが、S1昇格とともに「定量戦」へと変更。
実績馬が出走しやすくなったこともあり、レースレベルは格段に向上していると言えるだろう。

2018年以降で実績馬が勝利したケースといえば2019年のヒカリオーソ(東京ダービー馬)。
その他に東京ダービー馬が参戦した例は「2016年バルダッサーレ」のみだが、秋の大目標として参戦してくる実績馬も少なくない。

※バルダッサーレが出走した戸塚記念の成績は2着(斤量58kg)

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

今年は町田騎手の成績が良い!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2021年 矢野 貴之 森 泰斗 張田 昂
2020年 笹川 翼 左海 誠二 西村 栄喜
2019年 山崎 誠士 森 泰斗 笹川 翼
2018年 森 泰斗 町田 直希 御神本 訓史
2017年 左海 誠二 石崎 駿 中野 省吾
2016年 山崎 誠士 吉原 寛人 真島 大輔
2015年 矢野 貴之 澤田 龍哉 吉原 寛人
2014年 岡部 誠 御神本 訓史 繁田 健一
2013年 石崎 駿 真島 大輔 今野 忠成
2012年 今野 忠成 御神本 訓史 繁田 健一

川崎所属の「山崎誠士騎手」が過去10年で2勝の活躍。
地元を代表するジョッキーの一人で、8/29終了時点の川崎リーディング(勝利数)では3位につけている。

その他では、川崎リーディング1位の「森泰斗騎手」が1勝、2着2回。
さらに、同4位「矢野貴之騎手」は2勝、同5位「笹川翼騎手」は1勝と川崎巧者が勝利を手にしている。

2022年川崎リーディングはこちら

今年の川崎リーディング2位は地元の「町田直希騎手」。
毎年のように上位争いを演じるジョッキーではあるが、例年以上に好成績を残している今年は要注目となりそうだ。

浦和所属馬が好調

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 3 2 0 14 15.8% 26.3%
船橋 4 3 6 40 7.5% 13.2%
大井 2 3 3 20 7.1% 17.9%
川崎 1 2 1 29 3.0% 9.1%

「船橋所属馬」が4勝、2着3回、3着6回と安定した成績。
直近5年でも1勝、2着2回、3着4回と好調だが、やや勝ち切れていない印象だ。

一方、「浦和所属馬」は直近5年で2勝、2着2回(直近6年だと3勝、2着2回)。
連対数では「船橋所属馬」と互角の成績ではあるが、出走数が少ないので勝率、連対率は「浦和所属馬」の方が高くなっている。

地元の「川崎所属馬」はやや劣勢の数字となっているが、2018年2着トキノパイレーツ、2019年1着ヒカリオーソが直近での好走例。

上位拮抗

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 2 0 5 30.0% 50.0%
2人気 0 3 3 4 0.0% 30.0%
3人気 2 0 1 7 20.0% 20.0%
4人気 1 2 2 5 10.0% 30.0%
5人気 2 2 0 6 20.0% 40.0%
6人気以下 2 1 4 76 2.4% 3.6%

「1番人気馬」が過去10年で3勝、2着2回。
2019年はヒカリオーソがダービー馬の貫録を見せたものの、全体としてはやや信頼度が低いと言えるだろう。

ただし、「1~5番人気馬」が8勝、2着9回、3着6回を占めているように上位人気馬は拮抗状態。
これに伴い、いわゆる人気薄の激走は少なく、直近5年を見てみても「6番人気以下」が好走したケースは1勝、3着1回のみだ。

S1昇格後は低めの配当?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2021年 2,420 6,270 67,800
2020年 410 1,590 13,980
2019年 230 270 1,440
2018年 1,430 1,010 28,630
2017年 1,280 3,310 201,440
2016年 1,520 1,470 68,340
2015年 590 19,640 402,040
2014年 1,870 1,910 19,590
2013年 180 1,070 5,310
2012年 130 670 7,800
平均 1,006 3,721 81,637

2018年から「S1重賞」に昇格し、定量戦として行われている。
これに伴い実績馬も出走しやすく、2018年~2020年は重賞ウイナーが勝利し、配当的にも落ち着いたものであった。

2021年もクラシックホースをはじめ、実力馬たちが出走してきたが、これを制したのはセイカメテオポリス。
同馬のその後の活躍を見れば納得の成績だが、当時は7番人気で単勝2,420円と波乱を演出している。

S1昇格以降、2021年こそ高配当となったが、総じてみれば低めの配当と言えるだろう。

ピンクの枠が抜群の安定感

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 1 1 7 10.0% 20.0%
2枠 1 1 0 8 10.0% 20.0%
3枠 1 2 1 14 5.6% 16.7%
4枠 1 0 0 17 5.6% 5.6%
5枠 4 1 2 11 22.2% 27.8%
6枠 0 1 2 16 0.0% 5.3%
7枠 2 0 1 17 10.0% 10.0%
8枠 0 4 3 13 0.0% 20.0%

1着の回数が多いのは「5枠」の4回。
さらに、2着1回、3着2回と3着内率(38.9%)も高く、過去10年では7回も馬券に絡んでいる。

また、勝利実績こそないものの、「8枠」は2着4回、3着3回で3着内率は35.0%。
近年の成績が特に素晴らしく、目下のところ6年連続で「8枠」が3着内に好走しているのだ。

ちなみに、「5枠」は直近5年で1勝、2着1回なので、勢いでは「8枠」に分がある。

強い女が台頭!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 8 9 8 83 7.4% 15.7%
牝馬 2 1 2 20 8.0% 12.0%
セン馬 0 0 0 0 - -

「牡馬8勝」に対して「牝馬2勝」と「牝馬」の成績は悪くない。

「3歳牝馬」にとって、秋の目標の1つは11月に行われる「ロジータ記念(S1)」。
ロジータ記念は「川崎2,100m」で行われることもあり、同舞台の戸塚記念には有力牝馬が参戦する傾向にある。
“夏は牝馬”という格言もある通り、暑い時期に行われる3歳重賞では見逃せない存在だ!

今年の芙蓉賞はハイレベル!?

【芙蓉賞の着順別の成績(過去7回)】

芙蓉賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
芙蓉賞1着 1 1 1 3 16.7% 33.3%
芙蓉賞2着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
芙蓉賞3着 0 0 1 5 0.0% 0.0%
芙蓉賞4着以下 0 0 0 9 0.0% 0.0%

※2012年~2014年は未実施のため、過去7回分の成績

川崎2,000mで行われる戸塚記念TR「芙蓉賞」。
2017年までは出走条件が「B3以下」だったが、2018年からは「A1以下」の馬にも門戸が開かれている。

「芙蓉賞」優勝馬は過去7年で6頭が参戦。
結果1勝とあまり戸塚記念に直結していないトライアルだが、「A1以下」に出走条件が変わってレースレベルは確実に向上。
2018年はトキノパイレーツが2着、さらに2020年はウタマロが3着に好走している。

2022年芙蓉賞の結果

黒潮盃からの巻き返し!

【黒潮盃の着順別の成績】

黒潮盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
黒潮盃1着 2 0 1 4 28.6% 28.6%
黒潮盃2着 1 0 1 2 25.0% 25.0%
黒潮盃3着 0 1 0 4 0.0% 20.0%
黒潮盃4着以下 1 3 3 30 2.7% 10.8%

戸塚記念の約1か月前に大井競馬場で行われる3歳重賞「黒潮盃(S2)」。
条件が「大井1,800m」⇒「川崎2,100m」に替わるが、その関連性はどうだろう。

過去10年の「黒潮盃」優勝馬は7頭が戸塚記念に出走し、2勝、3着1回、4着以下4回。
いずれも戸塚記念では「2番人気以内」に支持されていたので、やや物足りない成績かもしれない。

逆に「黒潮盃」で敗れた馬たち、特に「黒潮盃」4着以下から巻き返す馬は少なくない。
大井 ⇒ 川崎の条件替わりで一変する馬を見つけるのも馬券検討の一つと言ってよさそうだ。

2022年黒潮盃の結果

関東オークス上位馬には大注目!

【関東オークスの着順別の成績】

関東オークス着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
関東オークス1着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
関東オークス2着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
関東オークス3着 0 1 1 0 0.0% 50.0%
関東オークス4着以下 0 0 0 8 0.0% 0.0%

南関東牝馬クラシック第3戦「関東オークス(Jpn2)」。
戸塚記念と同舞台で行われるだけに、当然ながら注目のレースとなる。

関東オークスはJRA勢とのレースとなるだけに「上位争い = 実力馬」がそのまま当てはまる。
過去10年で「関東オークス」1~3着馬は戸塚記念に5頭参戦して1勝、2着1回、3着1回。

力のある牝馬であれば好走が期待できそうだ。

2022年関東オークスの結果

上がり馬vs重賞組

【戸塚記念1~3着馬の前走成績】

前走着順 1着 2着 3着
前走1着 4 3 3
前走2着 1 0 1
前走3着 1 1 2
前走4着以下 4 6 4

黒潮盃の「南関データ分析」と同様に、過去10年の「1~3着馬」の「前走成績」を調べてみた。

「前走1着」からは4頭の優勝馬が出ており、うち2頭は重賞以外のレースを勝ち上がってきている。
また「前走4着以下」も同じく4頭の優勝馬が出ているが、こちらは4頭中3頭が重賞を走ってきた馬だ。

なお、「前走が重賞以外」で3着内に好走した馬はのべ9頭いるが、うち7頭は前走を勝利していた上がり馬。
図式的には「前走勝利の上がり馬」 vs「重賞組」となるだろう。

川崎巧者は見逃せない!

【川崎コースの経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 7 8 7 73 7.4% 15.8%
経験なし 3 2 3 30 7.9% 13.2%

1周1,200mと小回りなコースは経験がものをいう!?
過去10年の優勝馬のうち、実に7頭が川崎コースの経験があり、2着&3着も「経験あり」が大勢を占めている。

さらに細かく見てみると、「経験あり」のうち、「川崎コース無敗馬」の成績は以下のとおり。

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
無敗馬 4 2 2 8 25.0% 37.5%

「経験あり」で戸塚記念を勝利した7頭中、4頭までが「川崎コース無敗」を誇る“川崎巧者”だ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は南関東最初の2歳重賞!9月22日(木)に大井競馬場で行われる「ゴールドジュニア(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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