~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2023年3月9日(木) 
サラ系4歳以上 大井1,400m
フジノウェーブ記念(S3)

レース紹介

レース名は芦毛の名馬!「フジノウェーブ記念(S3)」!
地方馬初のJBCスプリント覇者フジノウェーブ号を冠した競走。
自身、4連覇した「東京スプリング盃」が2014年より「フジノウェーブ記念」として行われている。

▼データ分析のポイント
・地元の大井所属馬が好成績
・重い斤量でも実績馬が結果を残す
・距離延長のトライアル組より距離短縮組

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2022年 ルーチェドーロ 川崎 マクフィ 1人気
2021年 キャプテンキング 大井 ファスリエフ 6人気
2020年 トロヴァオ 大井 カネヒキリ 6人気
2019年 キャプテンキング 大井 ファスリエフ 1人気
2018年 リッカルド 船橋 フサイチリシャール 1人気
2017年 ケイアイレオーネ 大井 Henny Hughes 3人気
2016年 ソルテ 大井 タイムパラドックス 1人気
2015年 セイントメモリー 大井 アフリート 5人気
2014年 ジェネラルグラント 船橋 ロージズインメイ 4人気
2013年 フジノウェーブ 大井 ブラックタイアフェアー 3人気

自身の名前がレース名となっている「フジノウェーブ」が2010年の第1回から4連覇を達成!
同一重賞4連覇(南関東)の記録は南関東史上初の快挙(※)だった。

フジノウェーブは笠松競馬場でデビューし、3歳秋から大井所属として南関東で活躍。
大井では「JBCスプリント(Jpn1)」など、重賞9勝を挙げており、8歳~11歳の時に「フジノウェーブ記念(旧東京スプリング盃)」を制している。

※他に南関東重賞で4連覇を達成した馬は以下の2頭
▼ナイキマドリード:2012年~2015年「船橋記念(S3)」
▼オメガパフューム:2018年~2021年「東京大賞典(G1)」

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら
フジノウェーブの生涯成績はこちら

名馬の主戦が好調

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2022年 御神本 訓史 森 泰斗 西 啓太
2021年 和田 譲治 森 泰斗 御神本 訓史
2020年 藤田 凌 中島 龍也 本橋 孝太
2019年 坂井 英光 御神本 訓史 矢野 貴之
2018年 矢野 貴之 真島 大輔 繁田 健一
2017年 的場 文男 笹川 翼 山崎 誠士
2016年 吉原 寛人 中野 省吾 柏木 健宏
2015年 本橋 孝太 今野 忠成 左海 誠二
2014年 石崎 駿 和田 譲治 川島 正太郎
2013年 御神本 訓史 和田 譲治 真島 大輔

フジノウェーブ号の主戦を務めてきたのは「御神本訓史騎手」。
「JBCスプリント(Jpn1)」をはじめ、同馬とのコンビでは7つのタイトルを手にしている。

その「御神本訓史騎手」が過去10年で2勝、2着1回、3着1回の活躍。
1勝は2013年にフジノウェーブ号で制した「東京スプリング盃(※)」、もう1勝は2022年の「フジノウェーブ記念」だ。
※フジノウェーブ記念の前身

大井所属馬が圧倒

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 0 2 16 0.0% 0.0%
船橋 2 3 2 22 6.9% 17.2%
大井 7 6 6 81 7.0% 13.0%
川崎 1 1 0 5 14.3% 28.6%

地元の「大井所属馬」が7勝、2着6回、3着6回。
優勝した7頭のうち、4頭はダートグレード競走ウイナーという豪華なラインナップだ。

ただし、「大井所属馬」が上位3着内を独占した回数は2回のみ。
また、昨年のルーチェドーロは「川崎所属馬」として初めての勝利だった。

伏兵の台頭も!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 1 1 4 40.0% 50.0%
2人気 0 2 2 6 0.0% 20.0%
3人気 2 2 1 5 20.0% 40.0%
4人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
5人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
6人気以下 2 5 4 93 1.9% 6.7%

「1番人気馬」が勝率40.0%、連対率50.0%と一定の成績を収めている。
次いで、「3番人気馬」の勝率20.0%、連対率40.0%が続く。

また、目立つところでは「6番人気以下」の2勝、2着5回、3着4回だろう。
昨年はデータ傾向通り、1着から順に「1番人気」⇒「2番人気」⇒「8番人気」での決着だった。

高配当を提供中!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2022年 230 420 16,060
2021年 1,690 2,350 32,580
2020年 1,680 28,430 1,729,830
2019年 360 1,030 8,450
2018年 230 2,970 14,070
2017年 850 9,530 117,620
2016年 120 690 6,970
2015年 1,490 8,160 86,420
2014年 670 1,470 38,240
2013年 480 3,750 62,760
平均 780 5,880 211,300

「馬複」と「三連単」は高配当が続出。
2022年は比較的落ち着いた配当となったが、人気薄の台頭も少なくないので配当も総じて高めに推移している。

1枠はやはり有利

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 4 0 14 5.3% 26.3%
2枠 1 2 0 16 5.3% 15.8%
3枠 2 1 1 16 10.0% 15.0%
4枠 0 1 1 16 0.0% 5.6%
5枠 0 1 4 14 0.0% 5.3%
6枠 1 1 1 17 5.0% 10.0%
7枠 4 0 0 15 21.1% 21.1%
8枠 1 0 3 16 5.0% 5.0%

「大井1,400m」の重賞は「フジノウェーブ記念」のみ。
2コーナーのポケットからスタートするコースで、外側の馬はややコースロスがあると言われるが…

内外大きな差はないが、「1枠」「5枠」「7枠」が成績を残す傾向。
とりわけ、直近5年はその傾向が強いと言えるだろう。

2022年「1枠」⇒「2枠」⇒「8枠」
2021年「7枠」⇒「1枠」⇒「5枠」
2020年「2枠」⇒「1枠」⇒「5枠」
2019年「7枠」⇒「1枠」⇒「6枠」
2018年「7枠」⇒「1枠」⇒「5枠」

参考までにこちらは2021年10月1日~2022年9月30日に行われた「大井1,400m」のデータ。
全体的に「内枠有利」の傾向はあるものの、フジノウェーブ記念に限ると上表の通り「7枠」「8枠」の好走率も低くはない。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 7 10 109 6.7% 11.9%
牝馬 0 0 0 9 0.0% 0.0%
セン馬 1 3 0 6 10.0% 40.0%

「牡馬」と「セン馬」が3着内を独占。
「牝馬」には厳しいレースとなっている。

年長馬が強い!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
4歳 2 1 1 11 13.3% 20.0%
5歳 1 1 2 12 6.3% 12.5%
6歳 1 0 0 22 4.3% 4.3%
7歳以上 6 8 7 79 6.0% 14.0%

「7歳以上」の馬が6勝、2着8回、3着7回と好成績。
出走頭数が飛び抜けて多いので致し方ないところだが、ベテラン勢強しの傾向となっている。
(過去5年で「7歳以上」の馬が3着内を独占した回数は3回)

なお、2022年は「4歳馬」のルーチェドーロが一矢報いたが、2着・3着は「7歳馬」だった。

実績馬の独壇場!

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
58kg以上 7 4 5 38 13.0% 20.4%
57kg 3 5 5 63 3.9% 10.5%
56kg 0 0 0 7 0.0% 0.0%
55kg以下 0 1 0 16 0.0% 5.9%

フジノウェーブ記念の斤量は以下の通り。
2018年までは「※」が“2歳戦を除いた成績”だったので、2019年以降は加増条件が緩和されたことになる。

----------------------------
A1級57kg A2級55kg B1級以下53kg 牝馬2kg減
※2022.3.7から2023.3.3までのダートグレード競走及びJRA重賞勝ち馬は2kg、南関重賞勝ち馬は1kg加増
(2歳・3歳限定競走の成績を除く)
----------------------------

斤量「58kg以上」の馬、すなわち“A1級の重賞ウイナー”が7勝、2着4回、3着5回。
圧倒的な存在感で、格上挑戦馬、初タイトルを狙う馬達などを制している。

ちなみに、加増条件が変わった2019年以降を見てみると…
斤量「58kg以上」が1勝、2着1回、3着2回、「57kg」が3勝、2着3回、3着2回だが、「57kg」の3勝のうち、2勝は重賞ウイナーによるものだ。

大不振だったが…!?

【船橋記念の着順別の成績】

船橋記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
船橋記念1着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
船橋記念2着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
船橋記念3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
船橋記念4着以下 1 0 1 8 10.0% 10.0%

船橋1,000mで行われる「船橋記念(S3)」。
1,2着馬にはフジノウェーブ記念への優先出走権が付与されるトライアルレースだ。

「船橋記念」出走組はのべ20頭が参戦して1勝、3着1回。
なかなか「船橋記念」上位馬は好走できないが、2022年は船橋記念4着のルーチェドーロが勝利し、同10着のクルセイズスピリツが3着に好走した。

なお、2013年以降の10年間で「船橋記念1~5着馬」はのべ15頭出走し、好走したのはルーチェドーロのみだ。

2023年船橋記念の結果

こちらも苦戦中…

【ウインタースプリント(ウインターS)の着順別の成績】

ウインターS着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ウインターS1着 0 1 1 7 0.0% 11.1%
ウインターS2着 0 0 3 5 0.0% 0.0%
ウインターS3着 0 1 0 4 0.0% 20.0%
ウインターS4着以下 0 2 0 34 0.0% 5.6%

大井1,200mで行われる「ウインタースプリント(準重賞)」。
本競走もフジノウェーブ記念のトライアルレースとなっており、1,2着馬に優先出走権が付与されている。

「ウインタースプリント」出走組でフジノウェーブ記念を制した馬は0頭。
上位馬も多数出走しているが、前項の「船橋記念」と同様に苦戦を強いられている。

2023年ウインタースプリントの結果

敗れた馬にもチャンスあり!

【ゴールドカップの着順別の成績】

ゴールドカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドカップ1着 2 0 1 1 50.0% 50.0%
ゴールドカップ2着 0 0 1 1 0.0% 0.0%
ゴールドカップ3着 0 1 2 2 0.0% 20.0%
ゴールドカップ4着以下 2 1 0 14 11.8% 17.6%

※2016年までは「浦和1,500m」で実施

前年12月に浦和1,400mで行われている重賞。

過去10年で「ゴールドカップ」優勝馬は4頭出走して2勝、3着1回。
また、4着以下からも2頭の勝ち馬を輩出しているように相性は抜群だ。

浦和コースは1周1,200mの左回り、大井コースは1周1,600m(外)の右回り。
コース形態こそ異なるものの、2017年以降は同じ「1,400m」で争われるだけに要注目となるだろう。

2022年ゴールドカップの結果

距離短縮組が好結果!

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着
1,400m未満 1 3 4
1,400m 2 2 0
1,401m以上 7 5 6

こちらのデータは、フジノウェーブ記念で3着内に好走した馬の「前走距離」を示している。

データを見ると明らかなように、前走が「1,401m以上」、いわゆる“距離短縮”の馬が好成績を残している。
逆に「船橋記念」「ウインタースプリント」が該当する「1,400m未満」の“距離延長組”はルーチェドーロの1勝のみで2着・3着が多い。
ここでも名前が出てくるルーチェドーロは特異なケースと言っても良さそうだ。

データ的には、スピード戦で好走してきた馬より、スタミナがあるタイプの方が好結果を残していると言えそう。

芦毛伝説!

【毛色別の成績】

毛色別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
栗毛 2 4 4 32 4.8% 14.3%
栃栗毛 0 0 0 0 - -
鹿毛 4 4 3 45 7.1% 14.3%
黒鹿毛 1 2 0 28 3.2% 9.7%
青鹿毛 0 0 1 8 0.0% 0.0%
青毛 0 0 0 0 - -
芦毛 3 0 2 11 18.8% 18.8%
白毛 0 0 0 0 - -

芦毛の名馬フジノウェーブにちなみ、「毛色別」の成績を抽出。
フジノウェーブの1勝が含まれるものの、「芦毛」は3勝を挙げている。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は3月16日(木)に船橋競馬場で行われる「京成盃グランドマイラーズ(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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