
羽田盃トライアル「京浜盃(S2)」
3歳クラシックへの登竜門となる京浜盃。
JRAでは「弥生賞(G2)」に位置する競走となり、南関東クラシックへ向け有力馬が顔を合わせる。
優勝馬の多くが南関東クラシックで大活躍している出世レースだが、ここに至るまでの傾向を分析してみよう。
▼データ分析のポイント
・高配当となる傾向
・「8枠」の3着内率は55.0%
・2歳重賞ウイナーは意外と苦戦
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2022年 | シャルフジン | 船橋 | ヘニーヒューズ | 1人気 |
2021年 | チサット | 大井 | スマートファルコン | 3人気 |
2020年 | ブラヴール | 船橋 | セレン | 8人気 |
2019年 | ステッペンウルフ | 船橋 | サウスヴィグラス | 3人気 |
2018年 | ヤマノファイト | 船橋 | エスポワールシチー | 1人気 |
2017年 | ヒガシウィルウィン | 船橋 | サウスヴィグラス | 3人気 |
2016年 | タービランス | 浦和 | パイロ | 2人気 |
2015年 | オウマタイム | 船橋 | タイムパラドックス | 3人気 |
2014年 | ハッピースプリント | 大井 | アッミラーレ | 1人気 |
2013年 | ジェネラルグラント | 船橋 | ロージズインメイ | 2人気 |
南関東クラシックで活躍する馬がズラリ。
過去10年の優勝馬のうち、後の南関クラシックホースは4頭(うち、二冠馬2頭)、3着内にまで広げると計9頭にもなる。
つまり、「京浜盃」での勝利は南関東クラシック戦線の“主役”になることを意味するのである。
とりわけ、南関東クラシック第1戦「羽田盃(S1)」との相性が良く、過去10年で3勝、2着3回、3着2回。
なんと10頭中、8頭の京浜盃覇者が羽田盃でも好走しているのだ。
特定の騎手が上位独占
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2022年 | 御神本 訓史 | 本橋 孝太 | 矢野 貴之 |
2021年 | 笹川 翼 | 矢野 貴之 | 真島 大輔 |
2020年 | 本橋 孝太 | 矢野 貴之 | 赤岡 修次 |
2019年 | 御神本 訓史 | 森 泰斗 | 本橋 孝太 |
2018年 | 本橋 孝太 | 御神本 訓史 | 柏木 健宏 |
2017年 | 森 泰斗 | 赤岡 修次 | 矢野 貴之 |
2016年 | 森 泰斗 | 笹川 翼 | 和田 譲治 |
2015年 | 左海 誠二 | 張田 京 | 吉原 寛人 |
2014年 | 吉原 寛人 | 真島 大輔 | 山崎 誠士 |
2013年 | 石崎 駿 | 佐藤 裕太 | 左海 誠二 |
「御神本訓史騎手」「本橋孝太騎手」「森泰斗騎手」が2勝ずつ。
この3名だけで6勝、2着3回、3着1回、さらに際立たせると、この成績は直近7年でのものだ。
また、「矢野貴之騎手」は勝ち星こそないものの、2着2回、3着2回。
2020年から3年連続で3着内に好走している。
ちなみに、こちらで挙げた4名の直近7年での合計成績は…6勝、2着5回、3着3回となる。
船橋所属馬が圧倒!
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 1 | 1 | 1 | 22 | 4.0% | 8.0% |
船橋 | 7 | 5 | 4 | 30 | 15.2% | 26.1% |
大井 | 2 | 3 | 5 | 38 | 4.2% | 10.4% |
川崎 | 0 | 1 | 0 | 15 | 0.0% | 6.3% |
「船橋所属馬」が過去10年で7勝、2着5回、3着4回。
うち、同所属馬によるワンツー決着は5回もある。
地元の「大井所属馬」は2勝、2着3回、3着5回。
2021年は「大井所属」のチサットが勝利したものの、全体的にはやや勝ち切れていない印象だ。
1~3番人気馬が合計9勝!でも揃い踏みは!?
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 3 | 2 | 0 | 5 | 30.0% | 50.0% |
2人気 | 2 | 1 | 1 | 6 | 20.0% | 30.0% |
3人気 | 4 | 1 | 1 | 4 | 40.0% | 50.0% |
4人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% |
5人気 | 0 | 0 | 3 | 7 | 0.0% | 0.0% |
6人気以下 | 1 | 5 | 4 | 75 | 1.2% | 7.1% |
「1~3番人気馬」が合計9勝を挙げている。
ただし、3強揃い踏みとなった年はなく、「4番人気以下」の馬が割って入るケースが多い。
割って入るのは…1勝、2着5回、3着4回の「6番人気以下」。
直近5年で「1~3番人気馬」のうち2頭、「6番人気以下」のうち1頭が3着内となった回数は3回ある。
昨年も、後の東京ダービー馬カイルが8番人気で2着だった。
単勝は堅く、馬複、三連単は高配当!
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2022年 | 290 | 6,050 | 28,740 |
2021年 | 1,010 | 5,330 | 158,990 |
2020年 | 2,670 | 4,800 | 101,190 |
2019年 | 710 | 1,420 | 181,460 |
2018年 | 210 | 520 | 3,960 |
2017年 | 420 | 2,360 | 29,050 |
2016年 | 300 | 3,370 | 173,480 |
2015年 | 490 | 19,530 | 286,030 |
2014年 | 110 | 880 | 6,550 |
2013年 | 330 | 540 | 7,170 |
平均 | 654 | 4,480 | 97,662 |
「単勝」は全体的に堅く収まっている。
一方、「馬複」「三連単」は高配当の香りが…
上位人気馬が揃って好走するケースが少ないため、“紐荒れ”の傾向にある。
特に「三連単」は高配当が多く、過去10年で10万円オーバーのビッグ配当は5回だ。
ピンク祭り!
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 0 | 1 | 11 | 0.0% | 0.0% |
2枠 | 0 | 2 | 1 | 9 | 0.0% | 16.7% |
3枠 | 1 | 1 | 0 | 15 | 5.9% | 11.8% |
4枠 | 3 | 1 | 1 | 13 | 16.7% | 22.2% |
5枠 | 1 | 0 | 2 | 15 | 5.6% | 5.6% |
6枠 | 0 | 0 | 1 | 18 | 0.0% | 0.0% |
7枠 | 3 | 1 | 0 | 15 | 15.8% | 21.1% |
8枠 | 2 | 5 | 4 | 9 | 10.0% | 35.0% |
連対率20.0%超えは「4枠」「7枠」「8枠」の3つ。
傾向としては外枠が好走しており、「7枠」「8枠」が揃って4着以下となった年は一度もない。
以下は過去10年の枠番別の着順となる。
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2022年 | 7枠 | 3枠 | 6枠 |
2021年 | 5枠 | 7枠 | 8枠 |
2020年 | 3枠 | 4枠 | 8枠 | 2019年 | 4枠 | 8枠 | 4枠 |
2018年 | 4枠 | 2枠 | 8枠 |
2017年 | 7枠 | 8枠 | 1枠 |
2016年 | 8枠 | 8枠 | 5枠 |
2015年 | 7枠 | 8枠 | 2枠 |
2014年 | 8枠 | 8枠 | 5枠 |
2013年 | 4枠 | 2枠 | 8枠 |
上表の太字の通り、「7枠」「8枠」の好走回数が多い。
特に「8枠」の好走率が高く、過去10年の3着内率は55.0%にもなる。
クラシックを狙う牡馬が優勢
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 10 | 9 | 10 | 101 | 7.7% | 14.6% |
牝馬 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0.0% | 20.0% |
セン馬 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
牡馬クラシックを狙う素質馬が参戦していることもあり「牡馬」が圧倒的に優勢だ。
「牝馬」の2着1回は「東京2歳優駿牝馬(S1)」を勝利していたピンクドッグウッド。
近年の出世レース!
ニューイヤーカップ着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ニューイヤーカップ1着 | 2 | 0 | 0 | 4 | 33.3% | 33.3% |
ニューイヤーカップ2着 | 1 | 0 | 2 | 4 | 14.3% | 14.3% |
ニューイヤーカップ3着 | 1 | 1 | 0 | 5 | 14.3% | 28.6% |
ニューイヤーカップ4着以下 | 0 | 1 | 0 | 23 | 0.0% | 4.2% |
「浦和1,500m」で行われる年明け恒例の3歳重賞。
※2021年まで「浦和1,600m」
「ニューイヤーカップ(S3)」で特に注目したいのが1~3着馬。
該当馬は過去10年でのべ20頭が出走し、4勝、2着1回、3着2回の成績を残している。
「ニューイヤーカップ」上位馬の力量は素直に評価したいところだ。
2023年ニューイヤーカップの結果
大注目の重賞
雲取賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
雲取賞1着 | 1 | 2 | 0 | 3 | 16.7% | 50.0% |
雲取賞2着 | 0 | 0 | 1 | 7 | 0.0% | 0.0% |
雲取賞3着 | 0 | 0 | 0 | 9 | 0.0% | 0.0% |
雲取賞4着以下 | 0 | 1 | 1 | 25 | 0.0% | 3.7% |
2019年から「S3重賞」に昇格した「雲取賞(S3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、実施初年度から3年連続で南関クラシックホースを輩出している。
なお、「雲取賞」の1~3着馬には「京浜盃」、1・2着馬には「羽田盃」の優先出走権が付与されている。
2018年までの「準重賞」のデータを含むが、「雲取賞」出走組は1勝、2着3回、3着2回。
重賞昇格以降の4年間に限定すると、のべ20頭が出走して1勝、3着1回とデータ上ではあまり相性が良くない。
(好走例は2022年1着シャルフジンと3着ナッジ)
ただし、「雲取賞」は本項目の冒頭に記したように、重賞昇格以降、レースレベルは格段に向上。
一方で、「京浜盃との相性」となると、やや割引が必要なのかもしれない。
※重賞昇格以降、雲取賞1~3着馬から羽田盃馬3頭、東京ダービー馬1頭を輩出
2023年雲取賞の結果
JRA勢相手の好走歴は信頼の証!?
全日本2歳優駿着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
全日本2歳優駿1着 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% |
全日本2歳優駿2着 | 1 | 0 | 0 | 1 | 50.0% | 50.0% |
全日本2歳優駿3着 | 0 | 0 | 2 | 4 | 0.0% | 0.0% |
全日本2歳優駿4着以下 | 1 | 2 | 2 | 16 | 4.8% | 14.3% |
前年12月に行われる2歳ダート王決定戦「全日本2歳優駿(Jpn1)」。
強豪JRA勢をはじめ、全国から有力馬が参戦しており、レベルの高い争いが展開されている。
JRA勢相手に好走=能力の証ではあるが、次は「全日本2歳優駿」の“好走馬”にフォーカスを当ててみよう。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
全日本2歳優駿[5着以内] | 3 | 2 | 3 | 9 | 17.6% | 29.4% |
上表は「全日本2歳優駿」で5着以内に好走した馬の京浜盃での成績。
該当馬の3着内率は47.1%となるが、5着内率に広げてみると88.2%にまでなる。
掲示板に載る可能性は高い、あとは3着圏内に入るか否かといったところだろう。
2022年全日本2歳優駿の結果
成長曲線の差?
2歳重賞 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ゴールドジュニア優勝馬 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
鎌倉記念優勝馬 | 1 | 0 | 1 | 3 | 20.0% | 20.0% |
平和賞優勝馬 | 0 | 0 | 2 | 5 | 0.0% | 0.0% |
ハイセイコー記念優勝馬 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
全日本2歳優駿優勝馬 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% |
南関東では、例年9月~12月にかけて2歳重賞が行われる。
京浜盃出走馬の成長曲線は各馬それぞれだが、果たして「2歳重賞ウイナー」が京浜盃でも通用しているのだろうか?
「2歳重賞ウイナー」はのべ22頭が参戦。
もちろん、クラシックへの“一叩き”として走る馬もいるが、京浜盃に限ってはあまり結果が出ていないようだ。
2022年度の「南関データ分析」はここまで!
新年度最初は4月5日(水)に川崎競馬場で行われる羽田盃TR「クラウンカップ(S3)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
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