~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2023年3月29日(水) 
サラ系3歳 大井1,700m
京浜盃(S2)

レース紹介

羽田盃トライアル「京浜盃(S2)」
3歳クラシックへの登竜門となる京浜盃。
JRAでは「弥生賞(G2)」に位置する競走となり、南関東クラシックへ向け有力馬が顔を合わせる。
優勝馬の多くが南関東クラシックで大活躍している出世レースだが、ここに至るまでの傾向を分析してみよう。

▼データ分析のポイント
・高配当となる傾向
・「8枠」の3着内率は55.0%
・2歳重賞ウイナーは意外と苦戦

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2022年 シャルフジン 船橋 ヘニーヒューズ 1人気
2021年 チサット 大井 スマートファルコン 3人気
2020年 ブラヴール 船橋 セレン 8人気
2019年 ステッペンウルフ 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2018年 ヤマノファイト 船橋 エスポワールシチー 1人気
2017年 ヒガシウィルウィン 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2016年 タービランス 浦和 パイロ 2人気
2015年 オウマタイム 船橋 タイムパラドックス 3人気
2014年 ハッピースプリント 大井 アッミラーレ 1人気
2013年 ジェネラルグラント 船橋 ロージズインメイ 2人気

南関東クラシックで活躍する馬がズラリ。
過去10年の優勝馬のうち、後の南関クラシックホースは4頭(うち、二冠馬2頭)、3着内にまで広げると計9頭にもなる。
つまり、「京浜盃」での勝利は南関東クラシック戦線の“主役”になることを意味するのである。

とりわけ、南関東クラシック第1戦「羽田盃(S1)」との相性が良く、過去10年で3勝、2着3回、3着2回。
なんと10頭中、8頭の京浜盃覇者が羽田盃でも好走しているのだ。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

特定の騎手が上位独占

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2022年 御神本 訓史 本橋 孝太 矢野 貴之
2021年 笹川 翼 矢野 貴之 真島 大輔
2020年 本橋 孝太 矢野 貴之 赤岡 修次
2019年 御神本 訓史 森 泰斗 本橋 孝太
2018年 本橋 孝太 御神本 訓史 柏木 健宏
2017年 森 泰斗 赤岡 修次 矢野 貴之
2016年 森 泰斗 笹川 翼 和田 譲治
2015年 左海 誠二 張田 京 吉原 寛人
2014年 吉原 寛人 真島 大輔 山崎 誠士
2013年 石崎 駿 佐藤 裕太 左海 誠二

「御神本訓史騎手」「本橋孝太騎手」「森泰斗騎手」が2勝ずつ。
この3名だけで6勝、2着3回、3着1回、さらに際立たせると、この成績は直近7年でのものだ。

また、「矢野貴之騎手」は勝ち星こそないものの、2着2回、3着2回。
2020年から3年連続で3着内に好走している。

ちなみに、こちらで挙げた4名の直近7年での合計成績は…6勝、2着5回、3着3回となる。

船橋所属馬が圧倒!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 1 1 22 4.0% 8.0%
船橋 7 5 4 30 15.2% 26.1%
大井 2 3 5 38 4.2% 10.4%
川崎 0 1 0 15 0.0% 6.3%

「船橋所属馬」が過去10年で7勝、2着5回、3着4回。
うち、同所属馬によるワンツー決着は5回もある。

地元の「大井所属馬」は2勝、2着3回、3着5回。
2021年は「大井所属」のチサットが勝利したものの、全体的にはやや勝ち切れていない印象だ。

1~3番人気馬が合計9勝!でも揃い踏みは!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 2 0 5 30.0% 50.0%
2人気 2 1 1 6 20.0% 30.0%
3人気 4 1 1 4 40.0% 50.0%
4人気 0 1 1 8 0.0% 10.0%
5人気 0 0 3 7 0.0% 0.0%
6人気以下 1 5 4 75 1.2% 7.1%

「1~3番人気馬」が合計9勝を挙げている。
ただし、3強揃い踏みとなった年はなく、「4番人気以下」の馬が割って入るケースが多い。

割って入るのは…1勝、2着5回、3着4回の「6番人気以下」。
直近5年で「1~3番人気馬」のうち2頭、「6番人気以下」のうち1頭が3着内となった回数は3回ある。

昨年も、後の東京ダービー馬カイルが8番人気で2着だった。

単勝は堅く、馬複、三連単は高配当!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2022年 290 6,050 28,740
2021年 1,010 5,330 158,990
2020年 2,670 4,800 101,190
2019年 710 1,420 181,460
2018年 210 520 3,960
2017年 420 2,360 29,050
2016年 300 3,370 173,480
2015年 490 19,530 286,030
2014年 110 880 6,550
2013年 330 540 7,170
平均 654 4,480 97,662

「単勝」は全体的に堅く収まっている。

一方、「馬複」「三連単」は高配当の香りが…
上位人気馬が揃って好走するケースが少ないため、“紐荒れ”の傾向にある。
特に「三連単」は高配当が多く、過去10年で10万円オーバーのビッグ配当は5回だ。

ピンク祭り!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 0 1 11 0.0% 0.0%
2枠 0 2 1 9 0.0% 16.7%
3枠 1 1 0 15 5.9% 11.8%
4枠 3 1 1 13 16.7% 22.2%
5枠 1 0 2 15 5.6% 5.6%
6枠 0 0 1 18 0.0% 0.0%
7枠 3 1 0 15 15.8% 21.1%
8枠 2 5 4 9 10.0% 35.0%

連対率20.0%超えは「4枠」「7枠」「8枠」の3つ。
傾向としては外枠が好走しており、「7枠」「8枠」が揃って4着以下となった年は一度もない。

以下は過去10年の枠番別の着順となる。

1着 2着 3着
2022年 7枠 3枠 6枠
2021年 5枠 7枠 8枠
2020年 3枠 4枠 8枠
2019年 4枠 8枠 4枠
2018年 4枠 2枠 8枠
2017年 7枠 8枠 1枠
2016年 8枠 8枠 5枠
2015年 7枠 8枠 2枠
2014年 8枠 8枠 5枠
2013年 4枠 2枠 8枠

上表の太字の通り、「7枠」「8枠」の好走回数が多い。
特に「8枠」の好走率が高く、過去10年の3着内率は55.0%にもなる。

クラシックを狙う牡馬が優勢

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 9 10 101 7.7% 14.6%
牝馬 0 1 0 4 0.0% 20.0%
セン馬 0 0 0 0 - -

牡馬クラシックを狙う素質馬が参戦していることもあり「牡馬」が圧倒的に優勢だ。
「牝馬」の2着1回は「東京2歳優駿牝馬(S1)」を勝利していたピンクドッグウッド。

近年の出世レース!

【ニューイヤーカップの着順別の成績】

ニューイヤーカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ニューイヤーカップ1着 2 0 0 4 33.3% 33.3%
ニューイヤーカップ2着 1 0 2 4 14.3% 14.3%
ニューイヤーカップ3着 1 1 0 5 14.3% 28.6%
ニューイヤーカップ4着以下 0 1 0 23 0.0% 4.2%

「浦和1,500m」で行われる年明け恒例の3歳重賞。
※2021年まで「浦和1,600m」

「ニューイヤーカップ(S3)」で特に注目したいのが1~3着馬。
該当馬は過去10年でのべ20頭が出走し、4勝、2着1回、3着2回の成績を残している。

「ニューイヤーカップ」上位馬の力量は素直に評価したいところだ。

2023年ニューイヤーカップの結果

大注目の重賞

【雲取賞の着順別の成績】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 1 2 0 3 16.7% 50.0%
雲取賞2着 0 0 1 7 0.0% 0.0%
雲取賞3着 0 0 0 9 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 0 1 1 25 0.0% 3.7%

2019年から「S3重賞」に昇格した「雲取賞(S3)」。
施行条件も「大井1,600m(内)」 ⇒ 「大井1,800m(外)」に替わり、実施初年度から3年連続で南関クラシックホースを輩出している。
なお、「雲取賞」の1~3着馬には「京浜盃」、1・2着馬には「羽田盃」の優先出走権が付与されている。

2018年までの「準重賞」のデータを含むが、「雲取賞」出走組は1勝、2着3回、3着2回。
重賞昇格以降の4年間に限定すると、のべ20頭が出走して1勝、3着1回とデータ上ではあまり相性が良くない。
(好走例は2022年1着シャルフジンと3着ナッジ)

ただし、「雲取賞」は本項目の冒頭に記したように、重賞昇格以降、レースレベルは格段に向上。
一方で、「京浜盃との相性」となると、やや割引が必要なのかもしれない。
※重賞昇格以降、雲取賞1~3着馬から羽田盃馬3頭、東京ダービー馬1頭を輩出

2023年雲取賞の結果

JRA勢相手の好走歴は信頼の証!?

【全日本2歳優駿の着順別の成績】

全日本2歳優駿着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿1着 1 0 0 2 33.3% 33.3%
全日本2歳優駿2着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
全日本2歳優駿3着 0 0 2 4 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿4着以下 1 2 2 16 4.8% 14.3%

前年12月に行われる2歳ダート王決定戦「全日本2歳優駿(Jpn1)」。
強豪JRA勢をはじめ、全国から有力馬が参戦しており、レベルの高い争いが展開されている。

JRA勢相手に好走=能力の証ではあるが、次は「全日本2歳優駿」の“好走馬”にフォーカスを当ててみよう。

【全日本2歳優駿「5着内馬」の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿[5着以内] 3 2 3 9 17.6% 29.4%

上表は「全日本2歳優駿」で5着以内に好走した馬の京浜盃での成績。
該当馬の3着内率は47.1%となるが、5着内率に広げてみると88.2%にまでなる。

掲示板に載る可能性は高い、あとは3着圏内に入るか否かといったところだろう。

2022年全日本2歳優駿の結果

成長曲線の差?

【南関2歳重賞ウイナーの成績】

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドジュニア優勝馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%
鎌倉記念優勝馬 1 0 1 3 20.0% 20.0%
平和賞優勝馬 0 0 2 5 0.0% 0.0%
ハイセイコー記念優勝馬 0 0 0 6 0.0% 0.0%
全日本2歳優駿優勝馬 1 0 0 2 33.3% 33.3%

南関東では、例年9月~12月にかけて2歳重賞が行われる。
京浜盃出走馬の成長曲線は各馬それぞれだが、果たして「2歳重賞ウイナー」が京浜盃でも通用しているのだろうか?

「2歳重賞ウイナー」はのべ22頭が参戦。
もちろん、クラシックへの“一叩き”として走る馬もいるが、京浜盃に限ってはあまり結果が出ていないようだ。


2022年度の「南関データ分析」はここまで!
新年度最初は4月5日(水)に川崎競馬場で行われる羽田盃TR「クラウンカップ(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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