~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2023年2月23日(木祝) 
サラ系3歳 大井1,800m
雲取賞(S3)

レース紹介

3歳重賞「雲取賞(S3)」!
南関東クラシックを占う重要な一戦。
2019年の重賞昇格以降(旧準重賞)、過去4年の優勝馬から2頭の南関東クラシックホースを輩出している。

※2018年までの準重賞を含めた過去10年分のデータとする

▼データ分析のポイント
・重賞昇格以降はハイレベル
・配当は低く、7枠が好成績
・全日本2歳優駿組が強さを見せる

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2022年 シャルフジン 船橋 ヘニーヒューズ 2人気
2021年 ランリョウオー 浦和 パイロ 1人気
2020年 ゴールドホイヤー 川崎 トランセンド 4人気
2019年 ヒカリオーソ 川崎 フリオーソ 4人気
2018年 ワグナーコーヴ 大井 マンハッタンカフェ 6人気
2017年 カンムル 浦和 サマーバード 1人気
2016年 ハタノリヴィール 船橋 フレンチデピュティ 4人気
2015年 ノースノース 船橋 カネヒキリ 1人気
2014年 ドバイエキスプレス 船橋 デュランダル 5人気
2013年 アウトジェネラル 船橋 アドマイヤドン 1人気

2019年から施行条件が「内回り1,600m」から「外回り1,800m」へ。
スタート位置こそ「1,600m」と「1,800m」は同じだが、外回りコースとなり、最後の直線が100m長くなった。
さらには、「準重賞」から「重賞」へと昇格したため、必然的にレースレベルが上昇している。

2013年~2018年(準重賞時)の優勝馬で南関東クラシックを制した馬は、2013年の「羽田盃(S1)」を勝ったアウトジェネラルのみ。
一方、重賞に昇格して以降、2019年には優勝馬ヒカリオーソが「東京ダービー(S1)」、同2着ミューチャリーが「羽田盃」を制覇。
翌2020年は優勝馬ゴールドホイヤー、2021年には2着のトランセンデンスが「羽田盃」を制している。

2022年はクラシックホースを輩出できなかったが、勝ったシャルフジンをはじめ、クライオジェニック、ライアンがクラシックで活躍。
また、雲取賞3着のシルトプレはホッカイドウ競馬二冠を達成し、秋には「ダービーグランプリ(盛岡)」を制している。

雲取賞は羽田盃と同舞台、そして大井2,000mの東京ダービーと同じ外回りコースを使用。
まだまだ過渡期ではあるものの、条件が大きく変わったことで注目度はより一層高くなったと言えるだろう。

大井コース

過去の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

混戦模様

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2022年 御神本 訓史 矢野 貴之 本橋 孝太
2021年 本橋 孝太 森 泰斗 真島 大輔
2020年 吉原 寛人 左海 誠二 笹川 翼
2019年 瀧川 寿希也 御神本 訓史 本田 正重
2018年 今野 忠成 左海 誠二 坂井 英光
2017年 吉原 寛人 山崎 誠士 石崎 駿
2016年 中野 省吾 繁田 健一 石崎 駿
2015年 左海 誠二 森 泰斗 的場 文男
2014年 川島 正太郎 張田 京 石崎 駿
2013年 戸崎 圭太 森 泰斗 柏木 健宏

重賞に昇格して以降は「御神本訓史騎手」が1勝、2着1回。
「本橋孝太騎手」が1勝、3着1回の成績を残している。

ちなみに、昨年は「金盃(S2)」「雲取賞」が2日連続で行われたが、両レース共に「御神本訓史騎手」が勝利している。

船橋以外もチャンスあり

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 3 0 11 12.5% 31.3%
船橋 5 3 5 29 11.9% 19.0%
大井 1 2 4 37 2.3% 6.8%
川崎 2 2 1 20 8.0% 16.0%

「船橋所属馬」が5勝、2着3回、3着5回の活躍。
重賞昇格以降は勝ち星を手にできていなかったが、昨年は「船橋所属」のシャルフジンが勝利している。

なお、重賞昇格以降の4年は以下の通り。
船橋1強ではなく、南関東4場が互角の争いを展開しているようだ。

▽浦和所属馬:1勝、2着2回、3着0回
▽船橋所属馬:1勝、2着1回、3着2回
▽大井所属馬:0勝、2着1回、3着2回
▽川崎所属馬:2勝、2着0回、3着0回

1番人気が連対率70.0%

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 3 0 3 40.0% 70.0%
2人気 1 1 2 6 10.0% 20.0%
3人気 0 2 4 4 0.0% 20.0%
4人気 3 2 0 5 30.0% 50.0%
5人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
6人気以下 1 1 4 71 1.3% 2.6%

2021年、2022年と上位3番人気以内の馬が上位を独占。
準重賞当時から「1番人気馬」の信頼度は高いが、重賞昇格以降も1勝、2着2回、5着1回と安定している。

また、「4番人気馬」の成績も良く、重賞昇格元年から2連勝だ。

堅い決着も多い

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2022年 360 520 3,680
2021年 160 290 1,170
2020年 830 6,760 69,970
2019年 1,150 660 46,240
2018年 1,690 5,640 511,470
2017年 220 810 4,880
2016年 1,560 1,450 29,500
2015年 260 770 3,390
2014年 1,430 4,750 162,300
2013年 120 480 7,940
平均 778 2,213 84,054

1番人気馬の好走が多いため、配当も低めの傾向にある。
特に直近2年はその傾向が強く、2021年は全ての賭式で1番人気の組み合わせだった。

「7枠」有利!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 1 10 8.3% 8.3%
2枠 0 0 1 13 0.0% 0.0%
3枠 1 2 1 10 7.1% 21.4%
4枠 2 1 0 12 13.3% 20.0%
5枠 2 1 1 11 13.3% 20.0%
6枠 0 1 1 16 0.0% 5.6%
7枠 1 4 3 11 5.3% 26.3%
8枠 3 1 2 14 15.0% 20.0%

真ん中から外側の枠の成績が良い。
特に「7枠」は連対率26.3%、3着内率42.1%と相性抜群だ。

一方、「1枠」は連対率8.3%、「2枠」は同0.0%と苦戦を強いられている傾向にある。

2019年以降、舞台は「大井1,600m(内)」から「大井1,800m(外)」に。
まだ4回のみだが、傾向的には外枠有利に変わりはなさそうだ。

▽2019年:1着「3枠」⇒2着「6枠」⇒3着「8枠」
▽2020年:1着「8枠」⇒2着「7枠」⇒3着「1枠」
▽2021年:1着「7枠」⇒2着「4枠」⇒3着「3枠」
▽2022年:1着「8枠」⇒2着「3枠」⇒3着「7枠」

参考までに、2021年10月1日~2022年9月30日の期間中に行われた「大井1,600m」と「大井1,800m」の「枠番別」の成績をご紹介しよう。
連対率、3着内率は他に譲るが、「大井1,800m」での「7枠」の勝率11.9%は全体No.1の数字だ。

「大井1,600m」の「枠番別」の成績
「大井1,800m」の「枠番別」の成績

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 10 10 94 8.1% 16.1%
牝馬 0 0 0 3 0.0% 0.0%
セン馬 0 0 0 0 - -

「牝馬」の出走はのべ3頭と少ないので、「牡馬」が優勢のレースではある。

強敵相手に揉まれた成果

【全日本2歳優駿の着順別の成績】

全日本2歳優駿着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿1着 0 0 0 0 - -
全日本2歳優駿2着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
全日本2歳優駿3着 0 0 0 0 - -
全日本2歳優駿4着以下 1 3 1 5 10.0% 40.0%

※雲取賞が重賞に昇格して以降、4年間のデータ

前年末に行われる2歳ダート王決定戦。
全国の地方馬はもとより、JRAからも有力馬が参戦するレベルの高い一戦だ。

2021年は「全日本2歳優駿(Jpn1)」で2着に好走したランリョウオーが貫禄勝ち。
さらに、「全日本2歳優駿」で4着以下に敗れた馬も成績が良く、のべ10頭が参戦して1勝、2着3回、3着1回だ。

ビッグタイトルを狙った素質馬たちだけに、南関馬同士のレースとなれば格上的な存在なのだろう。

2022年全日本2歳優駿の結果

上位馬は要チェック

【ニューイヤーカップの着順別の成績】

ニューイヤーカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ニューイヤーカップ1着 0 1 0 0 0.0% 100.0%
ニューイヤーカップ2着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
ニューイヤーカップ3着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
ニューイヤーカップ4着以下 0 0 0 6 0.0% 0.0%

※雲取賞が重賞に昇格して以降、4年間のデータ

明け3歳馬によって争われる浦和重賞。
2021年までは「1,600m」、2022年以降は「1,500m」で実施されている。

「ニューイヤーカップ」組は上位3着内の馬に注目。
該当馬はのべ5頭と出走頭数は多くないものの、そのうちの3頭で1勝、2着2回の成績を残している。

ちなみに、好走した3頭のうち、ヒカリオーソとトランセンデンスは「全日本2歳優駿」→「ニューイヤーカップ」のローテーション。
後にクラシックを制する2頭は同じようなステップを踏んでいたのだ。

2023年ニューイヤーカップの結果

前走・重賞組が活躍

【前走のレース別の成績】

前走 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
重賞 3 4 2 19 10.7% 25.0%
非重賞 1 0 2 23 3.8% 3.8%

※雲取賞が重賞に昇格して以降、4年間のデータ

こちらのデータは、雲取賞の前走が「重賞」か否かで分類した成績。

前走が「重賞組」の馬は3勝、2着4回、3着2回、前走が「非重賞組」は1勝、3着2回。
準重賞当時は「非重賞組」も結果を残していたが、重賞に昇格してからは「重賞組」が圧倒している傾向だ。

では、「非重賞組」をさらに“着順別”で集計した結果はどうか。

勝った馬に注目!

【非重賞組の前走着順別の成績】

前走着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
前走1着 1 0 1 10 8.3% 8.3%
前走2着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
前走3着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
前走4着以下 0 0 1 8 0.0% 0.0%

※雲取賞が重賞に昇格して以降、4年間のデータ

前走が「非重賞組」の26頭を“前走の着順別”に細分化したデータ。

狙いは「前走1着」の馬だろう。
なお、「前走4着以下」から3着に好走した馬は、後にJpn1のタイトルを獲得することになるカジノフォンテンだ(13番人気)。

距離経験は大きなアドバンテージに!

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,600m未満 1 0 0 8 11.1% 11.1%
1,600m 2 4 2 27 5.7% 17.1%
1,601m以上 1 0 2 7 10.0% 10.0%

※雲取賞が重賞に昇格して以降、4年間のデータ

最後に「前走の距離別の成績」を抽出してみよう。

前項の「全日本2歳優駿」と「ニューイヤーカップ」が1,600mということもあり、前走が「1,600m」の馬が好成績を残している。
一方、前走が「1,600m未満」の距離延長組はあまり奮わず、逆に「1,601m以上」からの参戦は1勝、3着2回とまずまずの成績だ。

なお、「ニューイヤーカップ」は2022年から「1,500m」に距離変更となったため、
「1,600m未満」からの距離延長組が成績を上げる可能性は十分にありそう。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は3月9日(木)に大井競馬場で行われる「フジノウェーブ記念(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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