~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2023年12月7日(木) 
サラ系3歳以上 大井1,800m
勝島王冠(S2)

レース紹介

東京大賞典トライアル!「勝島王冠(S2)」!
南関東の中長距離ランナーはもちろん、短~マイルが得意な馬も参戦する1,800m戦。
「東京大賞典(G1)」トライアルとしての役割も担い、1着馬には同レースへの優先出走権が付与される。

▼データ分析のポイント
・若い馬が活躍
・人気薄が台頭
・マイル重賞好走馬と中距離をステップにした馬が狙い目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2022年 ライトウォーリア 川崎 マジェスティックウォリアー 8人気
2021年 コズミックフォース 大井 キングカメハメハ 2人気
2020年 カジノフォンテン 船橋 カジノドライヴ 4人気
2019年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 1人気
2018年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 3人気
2017年 ディアドムス 大井 ジャングルポケット 1人気
2016年 セイスコーピオン 川崎 デュランダル 1人気
2015年 ムサシキングオー 大井 キングヘイロー 2人気
2014年 ハブアストロール 大井 エイシンサンディ 11人気
2013年 ガンマーバースト 船橋 スペシャルウィーク 1人気

今年で15回目を迎える勝島王冠。
以前はオープン競走、準重賞競走として実施されており、歴代優勝馬にはボンネビルレコード、オリオンザサンクスなどの名前もある。

近年は東京大賞典への重要なステップレースの1つとして注目度もアップ!
2019年は勝島王冠1着モジアナフレイバー、同2着ノンコノユメ、2020年は勝島王冠1着カジノフォンテンが東京大賞典でも好走している。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

笹川騎手の初タイトル!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2022年 矢野 貴之 安藤 洋一 御神本 訓史
2021年 御神本 訓史 真島 大輔 松崎 正泰
2020年 張田 昂 笹川 翼 繁田 健一
2019年 繁田 健一 真島 大輔 吉原 寛人
2018年 繁田 健一 森 泰斗 笹川 翼
2017年 岡部 誠 笹川 翼 瀧川 寿希也
2016年 森 泰斗 的場 文男 和田 譲治
2015年 笹川 翼 達城 龍次 矢野 貴之
2014年 左海 誠二 矢野 貴之 張田 昂
2013年 森 泰斗 真島 大輔 吉原 寛人

「笹川翼騎手」が過去8年で1勝、2着2回、3着1回の成績。
自身初の重賞タイトルはムサシキングオーで制した2015年の「勝島王冠」で、この年を境に大井リーディング上位5傑の常連となった。
2021年には初の大井リーディングを獲得、そして今年は南関東リーディングの獲得が期待される。
※11/24現在で276勝を挙げ、リーディング1位を独走中

また、2022年は「安藤洋一騎手」が12番人気のリンゾウチャネルを2着に導いた。
愛称は“ジョッキー界のサラブレッド”!
父はシーイズトウショウやタイムパラドックスに初タイトルをプレゼントした安藤光彰元騎手、
ダイワスカーレット、アドマイヤドンの主戦として活躍した安藤勝己元騎手は叔父にあたるというまさにサラブレッドだ。

2023年南関東リーディングはこちら

地元勢強し!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 1 10 0.0% 8.3%
船橋 2 3 2 29 5.6% 13.9%
大井 6 6 7 82 5.9% 11.9%
川崎 2 0 0 5 28.6% 28.6%

地元の「大井所属馬」が6勝、2着6回、3着7回と活躍。
直近5年に限定しても、3勝、2着4回、3着3回と地の利を存分に生かしている。

その他では「船橋所属馬」が2勝、2着3回、3着2回で相手の筆頭、少数精鋭の「川崎所属馬」は勝率No.1だ。

人気馬が堅調!紐は6番人気以下?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 1 2 3 40.0% 50.0%
2人気 2 3 0 5 20.0% 50.0%
3人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
4人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
5人気 0 0 3 7 0.0% 0.0%
6人気以下 2 4 5 95 1.9% 5.7%

過去10年で「1番人気馬」は4勝、2着1回、3着2回と安定。
次いで「2番人気馬」は2勝、2着3回となり、「1・2番人気」だけで10頭の連対馬を送り出している。

一方、人気薄の「6番人気以下」は2勝、2着4回、3着5回。
2021年は「9番人気馬」が2着、「12番人気馬」が3着、2022年は「8番人気馬」が勝利し、「12番人気馬」が2着している。

組み合わせとしては「1番人気 or 2番人気」に「6番人気以下」を絡ませたいところだ。

堅い、ときどき大荒れ?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2022年 1,400 35,530 571,750
2021年 470 3,460 356,530
2020年 990 2,150 12,210
2019年 190 250 5,320
2018年 480 640 9,220
2017年 350 3,140 63,720
2016年 160 370 9,780
2015年 390 1,510 30,110
2014年 12,800 58,750 1,448,340
2013年 240 1,380 84,620
平均 1,747 10,718 259,160

1・2番人気馬が活躍しているレース。
「三連単」で4桁配当は3回、1万円~3万円台の配当が2回と堅い決着の年は少なくない。

一方で“超高額配当”の夢も。
2014年の「三連単」は約145万円となり、直近2年もそれぞれ30万円オーバー、50万円オーバーと高配当の決着だった。

さて、今年は堅い?それとも大荒れ!?

有利不利は少ない

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 1 2 14 0.0% 5.9%
2枠 2 2 2 13 10.5% 21.1%
3枠 1 1 1 17 5.0% 10.0%
4枠 3 1 1 15 15.0% 20.0%
5枠 0 2 2 16 0.0% 10.0%
6枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%
7枠 2 3 0 15 10.0% 25.0%
8枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%

全ての「枠」で連対実績があるように、「内枠」~「外枠」までほぼ均等の成績。

大井1,800m(※)は直線中ほどからスタートし、外回りコースをグルっと1周する。
フルゲートは16頭で、多頭数となることも多い勝島王冠だが、データ上では有利不利は少ないようだ。

※同じ場所からスタートする1,600mは内回りコース

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 7 8 114 7.2% 12.2%
牝馬 0 0 0 0 - -
セン馬 0 3 2 12 0.0% 17.6%

過去10年で「牝馬」の出走は0頭。
牡馬牝馬の混合重賞で「牝馬0頭」はレアケースだ。

若さと勢い!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 1 0 2 13 6.3% 6.3%
4歳 3 1 0 17 14.3% 19.0%
5歳 2 0 2 16 10.0% 10.0%
6歳 4 4 2 22 12.5% 25.0%
7歳以上 0 5 4 58 0.0% 7.5%

歴戦の古馬に混じる「3歳馬」だが、過去10年で1勝、3着2回とまずまずの成績を残している。

この時期の「3歳馬」といえば、負担重量の恩恵が検討材料の1つとなる。
勝島王冠の負担重量は「A1級57kg・A2級55kg・B1級以下54kg・3歳馬2kg減・牝馬2kg減」(※)。
2018年には斤量53kgのモジアナフレイバー(A2級)が優勝し、同53kgのリコーワルサーが3着に好走している。

また、「4歳馬」の活躍も見逃せない。
2019年には4歳となったモジアナフレイバーが2馬身差で連覇を達成し、2020年にはカジノフォンテンが同じく2馬身差で勝利。
この2頭は勝島王冠での勝利をステップに、同年暮れの「東京大賞典」でも3着内に好走している。

経験豊富な馬で特徴的なのは「7歳以上馬」の未勝利。
南関東の重賞は「7歳以上馬」の活躍も珍しくないが、勝島王冠に限っては若さと勢いが勝っていると言えるだろう。

※2023年の場合は、基準の重量に以下が加増される
2022.12.5から2023.12.1までのダートグレード競走及びJRA重賞勝ち馬2kg、南関S1/S2重賞勝ち馬1kg加増
(2歳・3歳限定競走の成績を除く)

条件替わりで一変する馬は?

【大井マイル重賞の着順別の成績】

大井マイル重賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
大井マイル重賞1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
大井マイル重賞2着 1 1 0 5 14.3% 28.6%
大井マイル重賞3着 0 2 0 2 0.0% 50.0%
大井マイル重賞4着以下 0 0 1 28 0.0% 0.0%

勝島王冠の約1か月前には大井でマイル重賞が組まれている。
2013年~2019年は「マイルグランプリ(S2)」、2020年~2022年は「サンタアニタトロフィー(S3)」が該当する。
※本項目の過去10年データも上記に準じるものとする

過去10年のマイル重賞1~3着馬はのべ13頭が勝島王冠に出走して2勝、2着3回。
一方、対照的なのが4着以下からの出走馬で、のべ29頭が出走したものの3着が1回あるのみだ。

「内回り1,600m」から「外回り1,800m」への条件替わり(※)で一変した馬は少なかったということだろう。
ちなみに、4着以下から3着に好走した1頭は、前年の勝島王冠を勝利していたムサシキングオーとなる。
※「マイルグランプリ&サンタアニタトロフィー」⇒「勝島王冠」に直行しているとは限らない

なお、2023年からは「マイルグランプリ」が勝島王冠の約1か月前に実施されることになる。

2023年サンタアニタトロフィーの結果
2023年マイルグランプリの結果

優勝馬の過信は禁物?

【東京記念の着順別の成績】

東京記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念1着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
東京記念2着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
東京記念3着 0 1 0 4 0.0% 20.0%
東京記念4着以下 1 0 1 30 3.1% 3.1%

続いては距離が短縮するパターン。
勝島王冠の約3か月前に行われている2,400mの長距離重賞「東京記念(S1)」。

過去10年で「東京記念」優勝馬は4頭が参戦しているものの、3着内に好走した例は1度も無い。
いずれも勝島王冠では2番人気以内に支持されているので、データ上は“危ない人気馬”ということになる。

「東京記念4着以下」からは、のべ32頭が出走して1勝、3着1回。
こちらも目立った数字ではないが、該当の2頭(2015年3着アウトジェネラル・2017年1着ディアドムス)は、ともに1,800mの重賞ウイナーだった。

2023年東京記念の結果

連対馬は信頼度が高い!

【埼玉新聞栄冠賞の着順別の成績】

埼玉新聞栄冠賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
埼玉新聞栄冠賞1着 2 0 0 1 66.7% 66.7%
埼玉新聞栄冠賞2着 1 0 0 4 20.0% 20.0%
埼玉新聞栄冠賞3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
埼玉新聞栄冠賞4着以下 0 1 0 18 0.0% 5.3%

浦和2,000m(※)で行われている「埼玉新聞栄冠賞(S3)」。
「浦和」⇒「大井」とコース形態は大きく異なるが、カテゴリー的には上記の参考レースの中で最も近くなっている。
※2020年以前は「浦和1,900m」で実施

過去10年の「埼玉新聞栄冠賞」優勝馬は3頭が参戦して2勝。
2022年はライトウォーリアが「埼玉新聞栄冠賞」⇒「勝島王冠」を連勝している。

2023年埼玉新聞栄冠賞の結果

中長距離が得意な馬が好成績?

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,600m未満 0 0 0 8 0.0% 0.0%
1,600m 4 3 3 40 8.0% 14.0%
1,601m~1,800m未満 0 1 0 6 0.0% 14.3%
1,800m以上 6 6 7 72 6.6% 13.2%

最後に「前走の距離別の成績」をまとめてみよう。

好走馬が最も出ているのは、前走が「1,800m以上」の馬。
過去10年で6勝、2着6回、3着7回の成績を残しているように、中長距離指向の馬が活躍しているのが分かる。

続いて、前走が「1,600m」の馬が4勝、2着3回、3着3回。
サンタアニタトロフィーをはじめ、マイル戦の番組が比較的多いということもあるが、前走マイル組も注目したい。

ちなみに、前走「1,600m」組のうち、3勝、2着3回、3着2回の「前走」は「南関重賞3着以内」、もしくは「Jpn1競走3・4着」だ。

一方、成績が芳しくないのは、前走が「1,601m~1,800m未満」と「1,600m未満」。
特に「1,600m未満」は3着内の実績がなく、データ上では短距離からの距離延長はプラスに働いていないようだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は12月21日(木)に浦和競馬場で行われる「ゴールドカップ(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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