~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2023年11月8日(水) 
サラ系3歳牝馬 川崎2,100m
ロジータ記念(S1)

レース紹介

秋の3歳女王決戦「ロジータ記念(S1)」
川崎が誇る名牝ロジータ号を冠したレース。
春の南関牝馬クラシック組とトライアルレースを勝ち上がってきた馬との争いが見どころだ。

▼データ分析のポイント
・1番人気は3着内率90%
・サルビアカップ出走組が上昇中
・クラシックホースは振るわない?

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2022年 スピーディキック 浦和 タイセイレジェンド 1人気
2021年 カイカセンゲン 大井 ネオユニヴァース 2人気
2020年 ルイドフィーネ 川崎 サウスヴィグラス 2人気
2019年 グランモナハート 大井 フリオーソ 6人気
2018年 クロスウィンド 船橋 ヴァーミリアン 4人気
2017年 ステップオブダンス 大井 ゴールドアリュール 1人気
2016年 ミスミランダー 船橋 アッミラーレ 2人気
2015年 ララベル 大井 ゴールドアリュール 1人気
2014年 ノットオーソリティ 船橋 スウェプトオーヴァーボード 4人気
2013年 カイカヨソウ 船橋 ティンバーカントリー 1人気

南関東グレード最高格付の「S1重賞」、そしてロジータを冠したレースとあって、名牝級が優勝馬に名を連ねている。
過去10年の優勝馬を見渡してみても、実に7頭が複数のタイトル(※)を獲得している実力馬だ。

また、優勝馬が母として活躍するケースも増えてきた。

その代表は2013年の優勝馬カイカヨソウで、愛娘のカイカセンゲンが2021年のロジータ記念を勝利し“母子制覇”を達成。
さらに、2014年覇者ノットオーソリティからは重賞連対実績のあるノットリグレット&プラチナプライドを送り出している。

その他にもララベルやミスミランダーの子供たちが南関東で活躍中だ。

南関東で活躍した女傑の血脈を受け継ぐ馬たち。
5年後、10年後の活躍を心待ちにできるのも競馬の面白さの1つだろう。

※南関東クラシック優勝馬は3頭
※南関東地区以外の重賞を含む

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

名手の捌き

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2022年 御神本 訓史 達城 龍次 和田 譲治
2021年 張田 昂 和田 譲治 岡村 健司
2020年 森 泰斗 矢野 貴之 伊藤 裕人
2019年 本田 正重 吉原 寛人 森 泰斗
2018年 矢野 貴之 御神本 訓史 山崎 誠士
2017年 森 泰斗 和田 譲治 今野 忠成
2016年 森 泰斗 真島 大輔 瀧川 寿希也
2015年 真島 大輔 大山 真吾 笹川 翼
2014年 御神本 訓史 今野 忠成 山崎 誠士
2013年 今野 忠成 森 泰斗 見澤 譲治

「森泰斗騎手」が3勝、2着1回、3着1回。
次いで「御神本訓史騎手」が2勝、2着1回の成績だ。

コーナーを6回通過するトリッキーなコース設定でもあり、名手の巧みな手綱捌きは一際輝くところだろう。

大井所属馬が優勢?

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 1 0 14 6.3% 12.5%
船橋 4 3 1 24 12.5% 21.9%
大井 4 3 3 19 13.8% 24.1%
川崎 1 2 6 32 2.4% 7.3%
南関以外 0 1 0 16 0.0% 5.9%

「大井所属馬」が4勝、2着3回、3着3回と好相性。
2022年のデータ分析時は「船橋所属馬」がトップの成績だったが、わずかに「大井所属馬」が優勢という形に。
ただし、2022年は「船橋所属馬」が2着、「大井所属馬」が3着だったので、五分五分といったところだろう。

ちなみに、2022年は「浦和所属」のスピーディキックが勝利したが、「浦和所属馬」の優勝は2006年マキノチーフ以来だった。

また、地元の「川崎所属馬」は過去10年で1勝、2着2回、3着6回。
2020年に待望の勝利を掴んでいるが、傾向としては「川崎所属馬の3着付け」だろう。

1番人気馬が主役!

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 3 2 1 40.0% 70.0%
2人気 3 1 0 6 30.0% 40.0%
3人気 0 0 1 9 0.0% 0.0%
4人気 2 1 1 6 20.0% 30.0%
5人気 0 1 0 9 0.0% 10.0%
6人気以下 1 4 6 74 1.2% 5.9%

「1番人気馬」が存在感を見せている。
過去10年の成績は4勝、2着3回、3着2回となり、連対率70.0%、3着内率90.0%とほぼほぼ隙がない。
2022年は単勝120円、不動の1番人気スピーディキックが人気に応えている。

また、「2番人気馬」も3勝、2着1回と相性が良い。
「1番人気」と「2番人気」を合わせると7勝、2着4回、3着2回となり、「1、2番人気」でのワンツー決着は2回だ。

堅めの決着が多い!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2022年 120 670 4,190
2021年 490 1,680 103,970
2020年 300 260 4,950
2019年 2,110 9,050 109,710
2018年 670 1,170 5,660
2017年 260 2,080 47,270
2016年 310 440 7,960
2015年 200 2,080 23,390
2014年 860 1,040 58,500
2013年 120 740 8,110
平均 544 1,921 37,371

各賭式を通して配当金は低め。
「過去10年の優勝馬」でも触れたが、名だたる名牝が実力を遺憾なく発揮している結果と言えそうだ。

ちなみに、2019年は南関重賞ウイナーの出走が無く、同重賞連対馬も1頭のみというレアケースだった。

枠番による有利不利は少ない

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 1 0 8 10.0% 20.0%
2枠 1 1 1 7 10.0% 20.0%
3枠 1 0 1 16 5.6% 5.6%
4枠 2 0 1 15 11.1% 11.1%
5枠 1 4 0 14 5.3% 26.3%
6枠 0 1 1 18 0.0% 5.0%
7枠 1 3 4 12 5.0% 20.0%
8枠 3 0 2 15 15.0% 15.0%

ロジータ記念が行われる「川崎2,100m」は向こう正面からスタートしてぐるっと1周半。
1周1,200mの小回りコースなので、外を走る馬は必然的に距離のロスが多くなる。

と、なると「内枠勢」有利?
過去10年のデータを見てみると「6枠」を除く「全ての枠番」で勝利実績があるように、必ずしも内枠有利とはなっていないようだ。

こちらのデータ(要ログイン)は直近1年間に行われた「川崎2,100m」の成績。
主に「川崎記念(Jpn1)」「関東オークス(Jpn2)」等が行われる希少な条件なのでバラつきこそあるが、各枠番でしっかりと結果が出ている。
また、「人気別成績」の項目でもご紹介しているが、1番人気馬が確実に結果を残せるコースでもあるようだ。

レースレベルが向上!

【サルビアカップ(サルビアC)の着順別の成績】

サルビアC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
サルビアC1着 0 1 1 8 0.0% 10.0%
サルビアC2着 0 1 1 4 0.0% 16.7%
サルビアC3着 0 2 1 2 0.0% 40.0%
サルビアC4着以下 1 1 0 20 4.5% 9.1%

ロジータ記念トライアル「サルビアカップ(準重賞)」。

過去10年の「サルビアカップ」優勝馬は全てロジータ記念に出走しているが、2014年モフモフの2着が最高成績。
一方、近年は「サルビアカップ」2、3着馬が好走する傾向にあり、直近5年だけでのべ8頭が参戦して2着3回、3着2回の成績を残している。

2018年より「サルビアカップ」は「準重賞」に昇格し、出走条件も「B3以下」から「A1以下(オープン)」に拡大。
上記の傾向も2018年以降となるので、レースレベルは明らかに向上したと言えるだろう。

なお、直近5年の「サルビアカップ組」の成績を合計すると…1勝、2着4回、3着3回。
ロジータ記念の最重要トライアルの位置付けとなってきている。

2023年サルビアカップの結果

戸塚記念組は好成績

【戸塚記念の着順別の成績】

戸塚記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
戸塚記念1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
戸塚記念2着 0 0 0 0 - -
戸塚記念3着 1 1 0 0 50.0% 100.0%
戸塚記念4着以下 3 2 4 7 18.8% 31.3%

ロジータ記念と同じ「川崎2,100m」で行われている3歳重賞。

過去10年の「戸塚記念組」からは5頭の優勝馬を輩出し、2着は3回、3着は4回ある。
出走頭数はのべ20頭なので、3着内率は60.0%、これを「戸塚記念の1桁着順馬14頭」の3着内率に絞ると71.4%にまで上昇する。

2022年のロジータ記念1~3着馬は全て「戸塚記念組」から。
戸塚記念を制したスピーディキックがきっちりとロジータ記念のタイトルを手にしている。

2023年戸塚記念の結果

JRA勢相手に好走した馬は強い!

【関東オークスの着順別の成績】

関東オークス着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
関東オークス1着 0 0 0 0 - -
関東オークス2着 1 1 1 2 20.0% 40.0%
関東オークス3着 2 1 0 1 50.0% 75.0%
関東オークス4着以下 1 5 2 23 3.2% 19.4%

南関東牝馬クラシック第3戦「関東オークス」。
こちらもロジータ記念と同舞台で行われる一戦だ。

「1~3着馬」はのべ9頭が参戦して3勝、2着2回、3着1回。
ここでもスピーディキックが該当するが、総じてJRA勢相手に好走した実力は評価したいところ。

また、「4着以下」からも1勝、2着5回、3着2回の好成績を残しているように、「関東オークス組」には今年も注目となりそうだ。

2023年関東オークスの結果

【クラシック(C)3着内馬の着順別の成績】

クラシック成績 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牝馬C3着内 7 7 3 19 19.4% 38.9%
牡馬C3着内 0 0 0 0 - -
合計 7 7 3 19 19.4% 38.9%

最後に南関東クラシック(※)で3着内に好走していた馬たちの成績。

「牝馬クラシック」で3着以内に好走した馬は、のべ36頭がロジータ記念に参戦して7勝、2着7回、3着3回。
当然ながら中心的な存在とはなるものの、約半数が4着以下に敗れているので信頼度は決して高くない。

ちなみに、のべ12頭のクラシックホースが参戦しているが、結果は3勝、2着2回となっている。

※牝馬クラシック:「桜花賞(S1)」「東京プリンセス賞(S1)」「関東オークス(Jpn2)」
※牡馬クラシック:「羽田盃(S1)」「東京ダービー(S1)」「ジャパンダートダービー(Jpn1)」


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は11月15日(水)に大井競馬場で行われる「マイルグランプリ(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

データ満載!南関東4競馬場の情報は「nankankeiba.com」をチェック!

南関東4競馬場公式ウェブサイト nankankeiba.com

>重賞一覧