
秋の3歳女王決戦「ロジータ記念(S1)」
川崎が誇る名牝ロジータ号を冠したレース。
春の南関牝馬クラシック組とトライアルレースを勝ち上がってきた馬との争いが見どころだ。
▼データ分析のポイント
・1番人気は3着内率90%
・サルビアカップ出走組が上昇中
・クラシックホースは振るわない?
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2022年 | スピーディキック | 浦和 | タイセイレジェンド | 1人気 |
2021年 | カイカセンゲン | 大井 | ネオユニヴァース | 2人気 |
2020年 | ルイドフィーネ | 川崎 | サウスヴィグラス | 2人気 |
2019年 | グランモナハート | 大井 | フリオーソ | 6人気 |
2018年 | クロスウィンド | 船橋 | ヴァーミリアン | 4人気 |
2017年 | ステップオブダンス | 大井 | ゴールドアリュール | 1人気 |
2016年 | ミスミランダー | 船橋 | アッミラーレ | 2人気 |
2015年 | ララベル | 大井 | ゴールドアリュール | 1人気 |
2014年 | ノットオーソリティ | 船橋 | スウェプトオーヴァーボード | 4人気 |
2013年 | カイカヨソウ | 船橋 | ティンバーカントリー | 1人気 |
南関東グレード最高格付の「S1重賞」、そしてロジータを冠したレースとあって、名牝級が優勝馬に名を連ねている。
過去10年の優勝馬を見渡してみても、実に7頭が複数のタイトル(※)を獲得している実力馬だ。
また、優勝馬が母として活躍するケースも増えてきた。
その代表は2013年の優勝馬カイカヨソウで、愛娘のカイカセンゲンが2021年のロジータ記念を勝利し“母子制覇”を達成。
さらに、2014年覇者ノットオーソリティからは重賞連対実績のあるノットリグレット&プラチナプライドを送り出している。
その他にもララベルやミスミランダーの子供たちが南関東で活躍中だ。
南関東で活躍した女傑の血脈を受け継ぐ馬たち。
5年後、10年後の活躍を心待ちにできるのも競馬の面白さの1つだろう。
※南関東クラシック優勝馬は3頭
※南関東地区以外の重賞を含む
名手の捌き
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2022年 | 御神本 訓史 | 達城 龍次 | 和田 譲治 |
2021年 | 張田 昂 | 和田 譲治 | 岡村 健司 |
2020年 | 森 泰斗 | 矢野 貴之 | 伊藤 裕人 |
2019年 | 本田 正重 | 吉原 寛人 | 森 泰斗 |
2018年 | 矢野 貴之 | 御神本 訓史 | 山崎 誠士 |
2017年 | 森 泰斗 | 和田 譲治 | 今野 忠成 |
2016年 | 森 泰斗 | 真島 大輔 | 瀧川 寿希也 |
2015年 | 真島 大輔 | 大山 真吾 | 笹川 翼 |
2014年 | 御神本 訓史 | 今野 忠成 | 山崎 誠士 |
2013年 | 今野 忠成 | 森 泰斗 | 見澤 譲治 |
「森泰斗騎手」が3勝、2着1回、3着1回。
次いで「御神本訓史騎手」が2勝、2着1回の成績だ。
コーナーを6回通過するトリッキーなコース設定でもあり、名手の巧みな手綱捌きは一際輝くところだろう。
大井所属馬が優勢?
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 1 | 1 | 0 | 14 | 6.3% | 12.5% |
船橋 | 4 | 3 | 1 | 24 | 12.5% | 21.9% |
大井 | 4 | 3 | 3 | 19 | 13.8% | 24.1% |
川崎 | 1 | 2 | 6 | 32 | 2.4% | 7.3% |
南関以外 | 0 | 1 | 0 | 16 | 0.0% | 5.9% |
「大井所属馬」が4勝、2着3回、3着3回と好相性。
2022年のデータ分析時は「船橋所属馬」がトップの成績だったが、わずかに「大井所属馬」が優勢という形に。
ただし、2022年は「船橋所属馬」が2着、「大井所属馬」が3着だったので、五分五分といったところだろう。
ちなみに、2022年は「浦和所属」のスピーディキックが勝利したが、「浦和所属馬」の優勝は2006年マキノチーフ以来だった。
また、地元の「川崎所属馬」は過去10年で1勝、2着2回、3着6回。
2020年に待望の勝利を掴んでいるが、傾向としては「川崎所属馬の3着付け」だろう。
1番人気馬が主役!
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 4 | 3 | 2 | 1 | 40.0% | 70.0% |
2人気 | 3 | 1 | 0 | 6 | 30.0% | 40.0% |
3人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% |
4人気 | 2 | 1 | 1 | 6 | 20.0% | 30.0% |
5人気 | 0 | 1 | 0 | 9 | 0.0% | 10.0% |
6人気以下 | 1 | 4 | 6 | 74 | 1.2% | 5.9% |
「1番人気馬」が存在感を見せている。
過去10年の成績は4勝、2着3回、3着2回となり、連対率70.0%、3着内率90.0%とほぼほぼ隙がない。
2022年は単勝120円、不動の1番人気スピーディキックが人気に応えている。
また、「2番人気馬」も3勝、2着1回と相性が良い。
「1番人気」と「2番人気」を合わせると7勝、2着4回、3着2回となり、「1、2番人気」でのワンツー決着は2回だ。
堅めの決着が多い!
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2022年 | 120 | 670 | 4,190 |
2021年 | 490 | 1,680 | 103,970 |
2020年 | 300 | 260 | 4,950 |
2019年 | 2,110 | 9,050 | 109,710 |
2018年 | 670 | 1,170 | 5,660 |
2017年 | 260 | 2,080 | 47,270 |
2016年 | 310 | 440 | 7,960 |
2015年 | 200 | 2,080 | 23,390 |
2014年 | 860 | 1,040 | 58,500 |
2013年 | 120 | 740 | 8,110 |
平均 | 544 | 1,921 | 37,371 |
各賭式を通して配当金は低め。
「過去10年の優勝馬」でも触れたが、名だたる名牝が実力を遺憾なく発揮している結果と言えそうだ。
ちなみに、2019年は南関重賞ウイナーの出走が無く、同重賞連対馬も1頭のみというレアケースだった。
枠番による有利不利は少ない
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% |
2枠 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% |
3枠 | 1 | 0 | 1 | 16 | 5.6% | 5.6% |
4枠 | 2 | 0 | 1 | 15 | 11.1% | 11.1% |
5枠 | 1 | 4 | 0 | 14 | 5.3% | 26.3% |
6枠 | 0 | 1 | 1 | 18 | 0.0% | 5.0% |
7枠 | 1 | 3 | 4 | 12 | 5.0% | 20.0% |
8枠 | 3 | 0 | 2 | 15 | 15.0% | 15.0% |
ロジータ記念が行われる「川崎2,100m」は向こう正面からスタートしてぐるっと1周半。
1周1,200mの小回りコースなので、外を走る馬は必然的に距離のロスが多くなる。
と、なると「内枠勢」有利?
過去10年のデータを見てみると「6枠」を除く「全ての枠番」で勝利実績があるように、必ずしも内枠有利とはなっていないようだ。
こちらのデータ(要ログイン)は直近1年間に行われた「川崎2,100m」の成績。
主に「川崎記念(Jpn1)」「関東オークス(Jpn2)」等が行われる希少な条件なのでバラつきこそあるが、各枠番でしっかりと結果が出ている。
また、「人気別成績」の項目でもご紹介しているが、1番人気馬が確実に結果を残せるコースでもあるようだ。
レースレベルが向上!
サルビアC着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
サルビアC1着 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% |
サルビアC2着 | 0 | 1 | 1 | 4 | 0.0% | 16.7% |
サルビアC3着 | 0 | 2 | 1 | 2 | 0.0% | 40.0% |
サルビアC4着以下 | 1 | 1 | 0 | 20 | 4.5% | 9.1% |
ロジータ記念トライアル「サルビアカップ(準重賞)」。
過去10年の「サルビアカップ」優勝馬は全てロジータ記念に出走しているが、2014年モフモフの2着が最高成績。
一方、近年は「サルビアカップ」2、3着馬が好走する傾向にあり、直近5年だけでのべ8頭が参戦して2着3回、3着2回の成績を残している。
2018年より「サルビアカップ」は「準重賞」に昇格し、出走条件も「B3以下」から「A1以下(オープン)」に拡大。
上記の傾向も2018年以降となるので、レースレベルは明らかに向上したと言えるだろう。
なお、直近5年の「サルビアカップ組」の成績を合計すると…1勝、2着4回、3着3回。
ロジータ記念の最重要トライアルの位置付けとなってきている。
2023年サルビアカップの結果
戸塚記念組は好成績
戸塚記念着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
戸塚記念1着 | 1 | 0 | 0 | 1 | 50.0% | 50.0% |
戸塚記念2着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
戸塚記念3着 | 1 | 1 | 0 | 0 | 50.0% | 100.0% |
戸塚記念4着以下 | 3 | 2 | 4 | 7 | 18.8% | 31.3% |
ロジータ記念と同じ「川崎2,100m」で行われている3歳重賞。
過去10年の「戸塚記念組」からは5頭の優勝馬を輩出し、2着は3回、3着は4回ある。
出走頭数はのべ20頭なので、3着内率は60.0%、これを「戸塚記念の1桁着順馬14頭」の3着内率に絞ると71.4%にまで上昇する。
2022年のロジータ記念1~3着馬は全て「戸塚記念組」から。
戸塚記念を制したスピーディキックがきっちりとロジータ記念のタイトルを手にしている。
2023年戸塚記念の結果
JRA勢相手に好走した馬は強い!
関東オークス着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
関東オークス1着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
関東オークス2着 | 1 | 1 | 1 | 2 | 20.0% | 40.0% |
関東オークス3着 | 2 | 1 | 0 | 1 | 50.0% | 75.0% |
関東オークス4着以下 | 1 | 5 | 2 | 23 | 3.2% | 19.4% |
南関東牝馬クラシック第3戦「関東オークス」。
こちらもロジータ記念と同舞台で行われる一戦だ。
「1~3着馬」はのべ9頭が参戦して3勝、2着2回、3着1回。
ここでもスピーディキックが該当するが、総じてJRA勢相手に好走した実力は評価したいところ。
また、「4着以下」からも1勝、2着5回、3着2回の好成績を残しているように、「関東オークス組」には今年も注目となりそうだ。
2023年関東オークスの結果
クラシック成績 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牝馬C3着内 | 7 | 7 | 3 | 19 | 19.4% | 38.9% |
牡馬C3着内 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
合計 | 7 | 7 | 3 | 19 | 19.4% | 38.9% |
最後に南関東クラシック(※)で3着内に好走していた馬たちの成績。
「牝馬クラシック」で3着以内に好走した馬は、のべ36頭がロジータ記念に参戦して7勝、2着7回、3着3回。
当然ながら中心的な存在とはなるものの、約半数が4着以下に敗れているので信頼度は決して高くない。
ちなみに、のべ12頭のクラシックホースが参戦しているが、結果は3勝、2着2回となっている。
※牝馬クラシック:「桜花賞(S1)」「東京プリンセス賞(S1)」「関東オークス(Jpn2)」
※牡馬クラシック:「羽田盃(S1)」「東京ダービー(S1)」「ジャパンダートダービー(Jpn1)」
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は11月15日(水)に大井競馬場で行われる「マイルグランプリ(S2)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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