~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2023年9月6日(水) 
サラ系3歳以上 大井2,400m
東京記念(S1)

レース紹介

ステイヤーの血が騒ぐ「東京記念(S1)」
大井2,400mで争われる伝統の一戦。
長距離が得意なステイヤーをはじめ、秋のビッグレースを見据える有力馬が参戦してくる。

▼データ分析のポイント
・名手の手綱捌き
・東京記念で好走実績がある馬に注目
・トライアル連対馬も好成績

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2022年 ランリョウオー 浦和 パイロ 1人気
2021年 フレッチャビアンカ 船橋 キンシャサノキセキ 4人気
2020年 サウンドトゥルー 船橋 フレンチデピュティ 3人気
2019年 ストライクイーグル 大井 キンシャサノキセキ 3人気
2018年 シュテルングランツ 浦和 ステイゴールド 2人気
2017年 サブノクロヒョウ 大井 ロージズインメイ 12人気
2016年 ユーロビート 大井 スズカマンボ 1人気
2015年 プレティオラス 大井 フィガロ 3人気
2014年 ユーロビート 大井 スズカマンボ 2人気
2013年 プレティオラス 大井 フィガロ 3人気

南関東4場で行われた2,000m以上のレース数は以下の通り。

▼2020年:117レース
▼2021年:146レース
▼2022年:163レース
▼2023年:103レース(8/22終了時点)

年を追うごとにレース数が増加しているように、南関東における長距離需要は高まってると言えそう。
その中から“重賞”という条件は合計16レース(2022年)、さらに、東京記念が行われる2,400m以上の重賞となると年間3レースしかない。

ステイヤーにとっての大目標が限られることもあり、東京記念はリピーターの活躍が目立つ。
同一馬による複数回の優勝も多く、2014年&2016年はユーロビート、2013年&2015年はプレティオラスが優勝している。

その他、2、3着馬もリピーターが活躍する傾向にあるが、詳細は後述の「東京記念の1着~3着馬」にてご紹介しよう。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

名手の捌きに酔いしれろ!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2022年 本橋 孝太 本田 正重 今野 忠成
2021年 御神本 訓史 山口 達弥 本橋 孝太
2020年 森 泰斗 西 啓太 繁田 健一
2019年 吉原 寛人 矢野 貴之 真島 大輔
2018年 的場 文男 大畑 雅章 吉原 寛人
2017年 和田 譲治 大畑 雅章 石崎 駿
2016年 吉原 寛人 石崎 駿 的場 文男
2015年 本橋 孝太 森 泰斗 中野 省吾
2014年 真島 大輔 石崎 駿 達城 龍次
2013年 本橋 孝太 石崎 駿 坂井 英光

長距離戦は騎手の捌きにも注目!

過去10年で好走率が高いのは「本橋孝太騎手」の3勝、3着1回。
思い切りの良い騎乗が持ち味の「本橋孝太騎手」は「東京ダービー(S1)」2勝をはじめ、通算で37個のタイトルを獲得している名手だ。
※8月23日時点

続いて好走数が多いのは2着3回、3着1回の「石崎駿騎手」。
この期間に勝ち星はないものの、2010年にはセレンで勝利を手にしている。

その他では、「御神本訓史騎手」「森泰斗騎手」「和田譲治騎手」といった南関東を代表する名手が流石の捌きを披露。
2021年から大ブレイク中の「和田譲治騎手」の初タイトルは2017年の東京記念だ。

大井所属馬が6勝!大井&船橋で15連対!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 1 0 14 11.8% 17.6%
船橋 2 4 4 30 5.0% 15.0%
大井 6 3 5 50 9.4% 14.1%
川崎 0 0 1 10 0.0% 0.0%
南関以外 0 2 0 9 0.0% 18.2%

「大井所属馬」と「船橋所属馬」が過去10年で15連対、3着内は合計24回!

地元の「大井所属馬」は過去10年で6勝、2着3回、3着5回。
データ抽出期間では、2013年から2017年まで5連覇を達成するなど、地の利を存分に生かしている形だ。

対する「船橋所属馬」は2勝、2着4回、3着4回。
近年はやや成績を落とす傾向にあったものの、2020年サウンドトゥルー、2021年フレッチャビアンカと連覇している。

また、東京記念は2020年まで全国交流として行われていたため、データ上は南関東以外の馬が含まれる。
ちなみに、2013年~2020年までの期間では愛知所属のカツゲキキトキトが2017年と2018年に2着した実績がある。

人気馬がきっちりと!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 2 4 0 4 20.0% 60.0%
2人気 2 1 2 5 20.0% 30.0%
3人気 4 0 2 4 40.0% 40.0%
4人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
5人気 0 1 2 7 0.0% 10.0%
6人気以下 1 3 3 86 1.1% 4.3%

「1~3番人気馬」が計8勝。
また、「1~3番人気馬」同士のワンツーも4回あるように、上位人気馬がしっかりと期待に応えている。

ただし、内訳は「1番人気馬:2勝」「2番人気馬:2勝」「3番人気馬:4勝」と人気通りの信頼度ではない。
このあたりが次項で紹介する「配当傾向」に影響しているのだろう。

高配当も期待できる

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2022年 310 1,080 8,020
2021年 620 6,410 56,160
2020年 510 7,660 160,480
2019年 560 880 22,660
2018年 480 960 34,390
2017年 12,320 32,180 687,250
2016年 210 1,770 5,830
2015年 510 590 7,550
2014年 280 180 2,090
2013年 690 4,500 440,110
平均 1,649 5,621 142,454

3番人気以内の馬が8勝しているので「単勝」は落ち着いた配当が多い。

一方、「馬複」は4桁配当が5回、万馬券が1回。
さらに、「三連単」は万馬券が6回あり、うち3回は10万円オーバーの高額配当だ。

前項の通り、3番人気以内同士のワンツーは4回を数えるものの、高配当を狙って上位人気馬から手広く流しても面白いかもしれない。

「6枠」が突出して良い!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 2 0 11 7.1% 21.4%
2枠 1 1 1 13 6.3% 12.5%
3枠 0 2 3 13 0.0% 11.1%
4枠 2 1 3 12 11.1% 16.7%
5枠 0 1 1 16 0.0% 5.6%
6枠 4 2 0 13 21.1% 31.6%
7枠 1 1 2 16 5.0% 10.0%
8枠 1 0 0 19 5.0% 5.0%

「6枠」の成績が突出して良い。
2021年は「6枠」の2頭で上位2着内を独占するなど、過去10年で4勝、2着2回の成績を残している。
勝率21.1%、連対率31.6%も頭一つ以上抜けている数字だ。

ただし、「6枠」に偏りがある一方、全ての枠で連対実績がある。
大井2,400mは外回りコースで行われるだけに、枠番による有利/不利はそれほど大きくないのかもしれない。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 7 9 9 101 5.6% 12.7%
牝馬 0 0 0 3 0.0% 0.0%
セン馬 3 1 1 9 21.4% 28.6%

タフな条件ということもあり、「牝馬」の出走は過去10年で3頭のみ。
「セン馬」の3勝、2着1回、3着1回のうち、1勝はサウンドトゥルー、その他は全てユーロビートだ。

世代を超えたステイヤー対決

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 0 0 0 3 0.0% 0.0%
4歳 4 4 2 12 18.2% 36.4%
5歳 1 1 1 22 4.0% 8.0%
6歳 2 2 3 23 6.7% 13.3%
7歳以上 3 3 4 53 4.8% 9.5%

「4歳馬」の成績がすこぶる良い。
2021年、2022年と「4歳馬」によるワンツーが続いており、通算4勝、2着4回、3着2回は好走数、好走率ともにNo.1だ。

若馬の勢いか?それとも経験豊富な年長馬か?
世代を超えたステイヤー対決は競馬の醍醐味と言ってもいいだろう。

リピーターが活躍する東京記念!

【東京記念の1~3着馬】

1着 2着 3着
2022年 ランリョウオー セイカメテオポリス フレッチャビアンカ
2021年 フレッチャビアンカ エメリミット フィアットルクス
2020年 サウンドトゥルー サブノクロヒョウ リンゾウチャネル
2019年 ストライクイーグル センチュリオン スギノグローアップ
2018年 シュテルングランツ カツゲキキトキト ユーロビート
2017年 サブノクロヒョウ カツゲキキトキト キングニミッツ
2016年 ユーロビート ストゥディウム ケイアイレオーネ
2015年 プレティオラス ユーロビート カキツバタロイヤル
2014年 ユーロビート サミットストーン ツルオカオウジ
2013年 プレティオラス スターシップ ウインペンタゴン

東京記念の「1~3着馬」はご覧のとおり。
太字(※)は複数回3着内に好走している馬だが、2019年以外は全て該当馬が1頭以上いることになる。
※対象期間外(2012年以前)の好走例含む

また、長期に渡って活躍する馬が多いのも特徴。
2014年&2016年を勝利したユーロビートは、2015年に2着したほか、2018年にも3着がある。
さらに、カキツバタロイヤルは2010年、2012年、2015年に3着、2017年の優勝馬サブノクロヒョウは2020年の2着馬だ。

南関東の長距離重賞は貴重な条件だけに、息の長い活躍を見せるステイヤーには一目置く必要があるだろう。

前年の1,2着馬に明暗?

【前年の東京記念の着順別の成績】

前年着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
前年1着 0 1 1 4 0.0% 16.7%
前年2着 1 2 0 3 16.7% 50.0%
前年3着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
前年4着以下 0 1 3 20 0.0% 4.2%

こちらは、「前年の東京記念」における着順別の成績。
前項の「東京記念1~3着馬」にあるように、複数年にまたがっての活躍も目立つが、前年の東京記念好走馬も好成績を残している。

特に「前年の東京記念2着馬」の成績が良く、計6頭が出走して1勝、2着2回。
一方、「前年の東京記念1着馬」の成績が案外な結果となっているのは気になるところだ。

2022年東京記念の結果

同条件のトライアル

【東京記念トライアル(東京記念TR)の着順別の成績】

東京記念TR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念TR1着 1 0 0 4 20.0% 20.0%
東京記念TR2着 2 0 0 3 40.0% 40.0%
東京記念TR3着 0 1 1 3 0.0% 20.0%
東京記念TR4着以下 0 0 2 12 0.0% 0.0%

2018年から実施されているトライアル競走。

サンプル数こそ少ないが、2018年からの5年間で3頭の東京記念ウイナーを輩出。
トライアル連対馬は「優勝」or「4着以下」と極端ではあるが、東京記念と同じ「2,400m」という条件だけに見逃せないレースだ。

2023年東京記念トライアル競走の結果

大井記念上位馬は要チェック!

【大井記念の着順別の成績】

大井記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
大井記念1着 2 1 1 3 28.6% 42.9%
大井記念2着 0 2 1 2 0.0% 40.0%
大井記念3着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
大井記念4着以下 1 3 4 27 2.9% 11.4%

同年5月に大井2,000mで行われる「大井記念(S1)」。
「帝王賞(Jpn1)」のステップレースの1つではあるが、例年、南関東の中長距離路線の有力馬が多く参戦している。

「大井記念」覇者は過去10年で7頭が参戦。
近年は信頼度が下がっていたものの、2022年には優勝馬ランリョウオーが勝利するなど、通算で2勝、2着1回、3着1回の成績だ。

大井記念は2013年が2,600m、2014年からは2,000mで施行(※)されている。
求められる資質も距離変更とともに変化してきているということだろう。
※本分析の対象期間のみ記載

2023年大井記念の結果

ダイオライト記念組は好成績!

【ダイオライト記念(D記念)の着順別の成績】

D記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
D記念1着 0 0 0 0 - -
D記念2着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
D記念3着 2 1 0 1 50.0% 75.0%
D記念4着以下 1 1 1 13 6.3% 12.5%

同年3月に船橋2,400mで行われるダートグレード競走「ダイオライト記念(Jpn2)」。
南関東からはタイトルホルダーが参戦することも多く、東京記念にも出走してくるようであれば、当然注目度は高くなる。

同年の「ダイオライト記念」3着内の馬は5頭出走して2勝、2着1回。
「ダイオライト記念」4着以下からは16頭が出走し、1勝、2着1回、3着1回の成績を残している。

JRA勢相手に好走した馬はもちろん、ダイオライト記念に挑戦した馬となれば実力上位といったところだ。

2023年ダイオライト記念の結果

金盃覇者は大不振…!?

【金盃の着順別の成績】

金盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
金盃1着 1 0 1 6 12.5% 12.5%
金盃2着 1 1 0 5 14.3% 28.6%
金盃3着 0 1 0 4 0.0% 20.0%
金盃4着以下 2 1 3 18 8.3% 12.5%

同年2月に大井2,600mで行われる長距離重賞「金盃(S2)」。
南関東では2,400m以上の重賞が「東京記念」「金盃」「ダイオライト記念」の3競走のみとなっていることから、
東京記念と同様、「金盃」にも長距離が得意なステイヤーが出走してくる。

と、なると関係性は高いように思うが、「金盃」上位馬の成績は芳しくない。

過去10年の「金盃」1~3着馬は計20頭が参戦して2勝、2着2回、3着1回。
優勝馬は2016年ユーロビート、2020年サウンドトゥルーの2頭のみとなっている。

2023年金盃の結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は東京記念の翌日!9月7日(木)に大井競馬場で行われる「アフター5スター賞(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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