2024年12月30日(月)　
サラ系3歳以上牝馬　大井1,600m東京シンデレラマイル(S3)

今年もガラスの蹄鉄は脱ぎません！？「東京シンデレラマイル(S3)」！
南関東所属馬のみで争われる唯一の牝馬重賞！
“南関東No.1牝馬”の座をかけた争いは、年末の風物詩にもなっている。

▼データ分析のポイント
・名字に「本」がある騎手が6連覇中
・オープン馬(A1格付)が好成績
・トライアル優勝馬を狙いたい

【過去10年の優勝馬】

過去10年でフルゲート16頭立ては8回(競走除外で15頭立てとなったレースはフルゲートとはカウントせず)。
出走メンバーもバラエティに富んでおり、本競走が初タイトルの馬、ダートグレード競走の上位馬、さらには連覇が2頭いる。

今年は2022年＆23年を連覇中のスピーディキックが引退レースで“3連覇”を狙う予定だ。

種牡馬では、一時代を築いたゴールドアリュール、サウスヴィグラス、芝実績のあるディープインパクト、ハーツクライ…
そして、スピーディキックの父タイセイレジェンドは「JBCスプリント(Jpn1)」の優勝馬である。

母系に目を向けてみると、トーセンセラヴィの母トーセンジョウオーは、南関東のダートグレード競走を6勝している名牝。
ラーゴブルーも牝系をさかのぼると名馬が多く、母はトゥザヴィクトリーの半妹、自身はデニムアンドルビーの半妹だ。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

「本」！「本」！「本」！「本」！「本」！「本」！

【騎手の傾向(敬称略)】

船橋所属の「本橋孝太騎手」が2020年＆2021年を連覇。
2021年の大みそかには「東京2歳優駿牝馬(S1)」を勝利し、2日連続の重賞タイトル奪取となった。

また、2022年の「東京シンデレラマイル」は3連覇の夢こそ叶わなかったが、翌日の「東京2歳優駿牝馬」を勝利して連覇を達成。
「本橋孝太騎手」は2020年～2022年の3年間、年末の大井で必ず重賞を勝利している“年末男”なのである。

ちなみに、過去に「東京シンデレラマイル」＆「東京2歳優駿牝馬」を連勝した騎手は「本田正重騎手(2019年)」のみ。
「東京大賞典(G1)」を含めた3日連続優勝者はおらず、「東京大賞典」＆「東京2歳優駿牝馬」を勝利した騎手は「内田博幸(2005年)」のみだ。

そして、2022年の「東京シンデレラマイル」から連覇中の「御神本訓史騎手」。
過去10年で4勝と抜群の相性を誇るが、今年は“チーム益田”としてスピーディキックの引退に花を添えることが出来るだろうか。

最後に、余談ではあるが「本」が名字に入っている騎手が6連覇中で、7年連続連対中だ。

今年最後の大井開催！

【所属競馬場別の成績】

地元の「大井所属馬」は3勝、2着7回、3着5回の成績。
これを上回る勝利数を誇るのが5勝、3着1回で、現在4連覇中の「浦和所属馬」だ。

さて、今開催は2024年最後の大井開催となるので、リーディング争いに注目してみよう。
2024年12月6日大井終了時点のリーディングトレーナーは…

1位：荒山勝徳厩舎[61勝]
2位：的場直之厩舎[55勝]
3位：坂井英光厩舎[53勝]
3位：藤田輝信厩舎[53勝]
5位：橋本和馬厩舎[33勝]

トップは2年連続の大井リーディングを目指す荒山勝徳厩舎(2023年は66勝)。
今年も現時点では同水準の勝ち星数で推移しているが、勝率・連対率は前年を大幅に上回るハイアベレージとなっている。
重賞も2023年の1勝に対し、2024年は3勝を挙げ、看板ホースでもあるサントノーレがダートグレード競走「京浜盃(Jpn2)」を勝利した。

また、「橋本和馬厩舎」の躍進も目立つところ。
2024年12月6日終了時点で前年の28勝を上回る33勝を挙げており、2017年以来の「大井リーディング5位以内」も視野に入るところだ。

2024年大井リーディングトレーナーはこちら

ちなみに、大井以外のリーディングは以下の通り(12/20時点)。
▽浦和：小久保智厩舎(2008年から17年連続　※1開催を残して確定)
▽船橋：新井清重厩舎(2022年以来、6回目)
▽川崎：高月賢一厩舎(2016年から9年連続)

勝ち切る1番人気、安定の2番人気

【人気別成績】

「1番人気馬」が5勝、2着1回の成績。
激戦必至の重賞にあって「1番人気馬」が強さを見せている一方、4頭の馬は馬券圏外となっているのもまた事実だ。

また、安定感では「2番人気馬」が3勝、2着2回、3着2回でトップ。
上位3頭に「1番＆2番人気馬」が好走したケースは5回…
ということは「1番人気馬」が好走した6回中、5回は「2番人気馬」も一緒だったことになる。

一方、人気薄の激走にも注意したいところ。
「6番人気以下」は1勝にとどまるものの、2着が4回、3着が3回あるように高配当を呼び込むシーンも少なくない。

年末最後にビッグ配当？

【配当傾向】

前項の通り1、2番人気が8勝、2着3回、3着2回の成績を残しているが…
「馬複」の平均配当は5,288円、「三連単」は平均263,094円と一筋縄ではいかない結果に。

平均値を押し上げている2017年のビッグ配当を除いてみると、「馬複」の平均は2,799円、「三連単」は25,037円。
上位人気馬の3着内率が高いので「三連単」は小荒れだが、2着数の多い6番人気以下の活躍で「馬複」は高配当といって良さそう。

多頭数で行われる牝馬重賞。
堅い決着となるケースも少なくはないが、年末最後に夢を見るのも悪くないかもしれない。

内枠有利の傾向

【枠番別の成績】

「東京シンデレラマイル」のレース名通り、「大井1,600m」で争われる。
フルゲートは16頭、過去10年では2022年を除く全てのレースが15頭以上の多頭数でレースが実施されている。

過去10年で最も優勝馬を輩出している枠番は「1枠」「6枠」「7枠」の2勝。
3着内に好走した回数を比較すると「1～4枠」が計18回、「5枠～8枠」が計12回となる。

勝利数では「5枠～8枠」が6勝と一歩リードだが、好走率では「1～4枠」の内枠勢に分があるようだ。

ちなみに、「7枠」と「8枠」は計3勝しているわけだが、うち2回は「馬複」「三連単」ともにビッグ配当。
高配当のカギは「7枠」と「8枠」の人気薄が握っているのかもしれない。

各世代が活躍！

【年齢別の成績】

牝馬なので「7歳以上馬」の出走数は少なくなっているが、各世代が満遍なく連対している。
2022年のスピーディキックにも該当するが、初の古馬戦となるケースが多い「3歳馬」も“斤量1kg減”の恩恵を生かせているようだ。

格の違いを見せつける！

【斤量別の成績】

東京シンデレラマイルの負担重量はクラス別定で以下の通りとなる。

▼A1級56kg　A2級55kg　B1級以下53kg　3歳馬1kg減
2022.12.26から2024.12.20までのダートグレード競走/JRA重賞勝ち馬2kg、南関重賞勝ち馬1kg加増
(2歳･3歳限定競走の成績を除く)

A1馬、いわゆるオープン馬は「56kg以上(※)」を背負うことになるが、「56kg以上」の成績は7勝、2着6回、3着5回。
実績馬の貫禄というべきもので、勝率、連対率は「54～55kg」及び「53kg以下」を大きくリードしている。

なお、「53kg以下」での好走例は、2017年3着グラスサファイヤ(斤量52kg)、2022年2着トップザビル(斤量53kg)の2頭となる。

※3歳馬は1kg減なので、3歳馬のA1級は「55kg以上」
(2014年優勝ノットオーソリティ、2020年3着アクアリーブル、2021年3着ケラススヴィア、2022年優勝スピーディキックが「55kg」に該当)

上位馬は要注目！

【ロジータ記念の着順別の成績】

秋の3歳女王決定戦「ロジータ記念(S1)」。
3歳牝馬のトップクラスが集結するレースで、上位馬が東京シンデレラマイルに転戦してくることも多い。

「ロジータ記念」の1～3着馬はのべ14頭が参戦して2勝、2着2回、3着2回。
3着内率は42.9%と高く、上位馬が出走してくるようなら是非とも注目したいところだろう。

2024年ロジータ記念の結果

2018年から実施のトライアル

【東京シンデレラマイルトライアル(トライアル)の着順別の成績】

2024年で7回目となる「東京シンデレラマイルトライアル競走」。
本番と同条件「大井1,600m」で行われているので、重要な参考レースと言っていいだろう。

それは結果を見ても明らか。
過去6回のトライアル3着内の馬はのべ14頭が出走して3勝、2着2回、3着2回。
特にトライアル優勝馬は相性が良く、該当馬は過去6回全てに出走して2勝、3着2回、4着1回、7着1回だ。

2023年は8頭が東京シンデレラマイルに転戦してきており、是非とも注目したトライアルとなっている。

2024年東京シンデレラマイルトライアルの結果

【JBCレディスクラシック(JBC)の着順別の成績】

ダート女王決定戦「JBCレディスクラシック(Jpn1)」。

ここは上位馬の参戦が少なく、「JBCレディスクラシック4着以下」からの巻き返しに期待となる。
該当馬はのべ25頭出走して4勝、2着2回、3着1回となっており、2023年はJBCレディスクラシック組が3着内を独占した。

2024年JBCレディスクラシックの結果

今回の「南関データ分析」はここまで！
次回は2歳女王決定戦！12月31日(火)大晦日に大井競馬場で行われる「東京2歳優駿牝馬(S1)」です！

南関データ分析とは

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