~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年2月21日(水) 
サラ系3歳牝馬 浦和1,400m
ユングフラウ賞(S2)

レース紹介

桜花賞トライアル「ユングフラウ賞(S2)」
南関東牝馬クラシック戦線の幕開けを告げる一戦!
1~3着馬には南関東牝馬クラシック第1戦「桜花賞(S1)」への優先出走権が付与される。

▼データ分析のポイント
・高配当となる傾向
・東京2歳優駿牝馬の勝ち馬が好成績
・浦和初コースの馬が過去10年で7勝

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 サーフズアップ 船橋 ドレフォン 1人気
2022年 スティールルージュ 船橋 マジェスティックウォリアー 6人気
2021年 ウワサノシブコ 浦和 アイルハヴアナザー 8人気
2020年 レイチェルウーズ 船橋 ヘニーヒューズ 1人気
2019年 ポッドギル 大井 フリオーソ 7人気
2018年 エターナルモール 大井 エスポワールシチー 4人気
2017年 ステップオブダンス 大井 ゴールドアリュール 4人気
2016年 モダンウーマン 川崎 サウスヴィグラス 1人気
2015年 スターローズ 船橋 スマートボーイ 2人気
2014年 ノットオーソリティ 船橋 スウェプトオーヴァーボード 1人気

ユングフラウ賞をステップにクラシックへ!

過去10年の優勝馬からは「モダンウーマン」「サーフズアップ」の2頭が南関東牝馬クラシック(※)を制覇!
その他、ノットオーソリティ、スターローズは同クラシックで連対を果たしている。

また、敗れた馬の中にもキラリと光る原石が多数。
2018年~2021年のユングフラウ賞2着馬は全て「東京プリンセス賞(S1)」を制しており、うち3頭は牝馬クラシック二冠に輝いている。

※南関東牝馬クラシック
・桜花賞(浦和1,500m)
・東京プリンセス賞(大井1,800m)
・関東オークス(川崎2,100m)

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

今年こそは地元騎手!?

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 御神本 訓史 和田 譲治 見越 彬央
2022年 張田 昂 本橋 孝太
本田 正重(同着)
-
2021年 和田 譲治 森 泰斗 吉原 寛人
2020年 本田 正重 山本 聡哉 笹川 翼
2019年 矢野 貴之 笹川 翼 森 泰斗
2018年 吉原 寛人 今野 忠成 森 泰斗
2017年 森 泰斗 真島 大輔 今野 忠成
2016年 山崎 誠士 中野 省吾 真島 大輔
2015年 山崎 誠士 佐藤 博紀 左海 誠二
2014年 石崎 駿 矢野 貴之 森 泰斗

浦和リーディング獲得歴のある騎手(太字)が好走する傾向。
近年のリーディングは森泰斗騎手の独壇場ではあるが、ユングフラウ賞でも過去10年で1勝、2着1回、3着3回と大活躍だ。

なお、1月開催終了時点での浦和リーディングは
「1位:福原杏騎手7勝」「2位:張田昂騎手5勝」「3位:笹川翼騎手・及川烈騎手・森泰斗騎手3勝」。
地元浦和の福原杏騎手が開催リーディングを獲得し、上々の滑り出しを切っている。

2024年浦和リーディングはこちら

過去10年で浦和リーディングを獲得している騎手は以下の通り。

浦和リーディング1位
2023年 森 泰斗
2022年 森 泰斗
2021年 森 泰斗
2020年 森 泰斗
2019年 森 泰斗
2018年 森 泰斗
2017年 山崎 誠士
2016年 森 泰斗
2015年 森 泰斗
2014年 左海 誠二

船橋勢が好調!地元の浦和所属馬も好走率高い

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 4 2 18 4.0% 20.0%
船橋 5 2 1 20 17.9% 25.0%
大井 3 1 2 28 8.8% 11.8%
川崎 1 4 4 23 3.1% 15.6%

「船橋所属馬」が5勝を挙げる活躍。
勝率17.9%も頭一つ抜けており、2022年スティールルージュ、2023年サーフズアップと連勝中だ。

少数精鋭で好走率の高い地元「浦和所属馬」は1勝、2着4回、3着2回。
ユングフラウ賞は2009年から重賞に昇格したが、2021年に優勝したウワサノシブコが「浦和所属馬」としては初の戴冠だった。

なお、2023年は1着サーフズアップ(船橋)、2着アトカラツイテクル(浦和)、3着デザートウインド(浦和)とデータ通りの決着となっている。

6番人気以下にご注意

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1人気 4 1 1 4 40.0% 50.0% 60.0%
2人気 1 2 3 4 10.0% 30.0% 60.0%
3人気 0 4 0 6 0.0% 40.0% 40.0%
4人気 2 1 0 7 20.0% 30.0% 30.0%
5人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
6人気以下 3 3 4 59 4.3% 8.7% 14.5%

「1番人気馬」が勝率40.0%、連対率50.0%で最も信頼度が高い。
ただし、若き3歳牝馬のレースでもあり、4着以下に敗れてしまうケースも少なくないようだ。

注目は「6番人気以下」の3勝、2着3回、3着4回。
特に近年は「6番人気以下」が活躍する傾向にあり、直近5年だけで3勝、2着1回、3着3回の成績を残している。

2023年も1着から順に「1番人気馬」⇒「4番人気馬」⇒「11番人気馬」での決着だった。

人気馬と人気薄の組み合わせ

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 250 870 41,620
2022年(2着同着) 1,460 1,640
2,170
22,390
26,660
2021年 2,900 1,030 32,680
2020年 150 1,740 103,520
2019年 4,750 5,580 317,610
2018年 860 2,070 13,720
2017年 1,150 2,250 170,820
2016年 140 1,480 4,900
2015年 340 1,190 21,120
2014年 160 17,360 105,340
平均 1,216 3,398 78,216

※2022年は2着同着のため、「馬複」「三連単」は11で割った数値を採用

「単勝」の配当は1倍台が3回。
圧倒的な支持を集めた牝馬が結果を出しているものの、単勝平均「1,216円」が示すように高配当となることもしばしば。

また、「馬複」は2023年のみ3桁配当で、その他の年は4桁配当以上。
上位3番人気以内の馬によるワンツーは1回しかないという波乱の重賞なのである(2015年)。
ただし、上位3番人気以内の馬が1頭も連に絡まなかったことは1度もないという特殊なケースでもあるのだ。

「三連単」も平均78,216円と高配当。
10万円オーバーの高額配当も4回あるので、配当金からは“3歳牝馬のレースは難解だ”というデータ傾向になる。

内枠勢は苦戦気味…!?

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 2 2 5 0.0% 22.2%
2枠 1 1 0 8 10.0% 20.0%
3枠 2 0 1 7 20.0% 20.0%
4枠 2 0 1 7 20.0% 20.0%
5枠 4 2 1 13 20.0% 30.0%
6枠 0 2 2 16 0.0% 10.0%
7枠 1 1 1 17 5.0% 10.0%
8枠 0 3 1 16 0.0% 15.0%

一見すると真ん中の枠が有利に見えるが…
浦和1,400mのフルゲートは12頭、5枠以降に2頭が収まるので、連対率ではそれほど大きな差は出ていない(※)。
※2014年のみ1頭除外で11頭立て(その他の年はフルゲート)

それでも、「1枠」から優勝馬が出ていないのは気になるところ。
「1枠」に人気馬が入っていないのでは?という疑問もあるので、参考までに、枠番別の人気を以下の通りまとめてみた。

ちなみに、2023年は「2枠」が優勝したが、過去15回のユングフラウ賞史の中で初の出来事だったのだ。

【枠番別の人気】

1枠 2枠 3枠 4枠 5枠 6枠 7枠 8枠
2023年 2 1 10 12 5 11 7 4 9 6 8 3
2022年 4 12 11 8 6 3 2 7 9 1 10 5
2021年 2 1 10 5 4 8 11 7 3 6 12 9
2020年 7 8 1 6 2 12 3 5 4 11 10 9
2019年 3 5 4 1 12 7 8 11 2 6 9 10
2018年 9 6 7 4 3 10 1 8 11 12 2 5
2017年 10 5 4 12 8 7 6 1 2 11 3 9
2016年 6 7 9 2 1 12 4 8 10 11 5 3
2015年 4 9 10 1 6 7 11 5 2 8 3 12
2014年 除外 5 2 1 4 6 10 7 3 9 11 8
平均 5.2 5.9 6.8 5.2 6.7 6.3 6.8 7.3

※表内数字は「人気」、5枠~8枠の「平均」は各枠番に収まった頭数での平均

枠番を人気順に並べると、「1枠」の平均「5.2番人気」は1番目タイ。
「2枠」は平均「5.9番人気」で3番目となり、「1枠」「2枠」は比較的人気サイドの馬が収まっている(内枠だから人気となる場合も)。

昨年は「1枠」の馬が2番人気で8着。
内枠の利はありそうではあるが、データ上では「勝ち切れない」という結果と合致している。

ちなみに、こちらは「2022年10月1日~2023年9月30日」に行われた「浦和1,400m」の枠番別の成績。

「1枠」は勝率、連対率、3着内率と極端に低く、「8枠」は逆に全ての項目でNo.1の成績を残しているのだ。

桃花賞の連対馬は苦戦中…

【桃花賞の着順別の成績】

桃花賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
桃花賞1着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
桃花賞2着 0 0 0 7 0.0% 0.0%
桃花賞3着 1 1 0 1 33.3% 66.7%
桃花賞4着以下 0 2 0 9 0.0% 18.2%

大井1,600mで行われる準重賞「桃花賞(とうかしょう)」。
1着馬に桜花賞、1・2着馬にユングフラウ賞の優先出走権がそれぞれ付与される。

過去10年で4頭の「桃花賞」優勝馬が参戦しているが、いずれも4着以下。
さらに、2着馬も苦戦しており、7頭全てが4着以下に敗れている。

一方、3着馬からは2017年ステップオブダンスが優勝。
また、2020年のユングフラウ賞2着馬アクアリーブルは、母(※)と同じ桃花賞3着をステップに好走している。
※2012年アスカリーブル(アクアリーブルの母)は、桃花賞3着からユングフラウ賞を制覇

「大井1,600m」から「浦和1,400m」と大きく条件が変わるだけに、適性の有無なども気にかけた方が良いだろう。

※2018年の「桃花賞」は走路コンディション不良のため競走取止

2024年桃花賞の結果

2歳女王決戦の上位馬は買い!?

【東京2歳優駿牝馬の着順別の成績】

東京2歳優駿牝馬着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京2歳優駿牝馬1着 2 2 1 1 33.3% 66.7%
東京2歳優駿牝馬2着 0 1 2 5 0.0% 12.5%
東京2歳優駿牝馬3着 1 1 0 3 20.0% 40.0%
東京2歳優駿牝馬4着以下 3 2 2 30 8.1% 13.5%

大井1,600mを舞台に行われる大晦日2歳女王決戦。

「東京2歳優駿牝馬(S1)」の優勝馬は過去10年で6頭が参戦し、2勝、2着2回、3着1回。
優勝した2頭に共通するのは地方馬限定レースでは「連対を外していない」ということだ。

「東京2歳優駿牝馬」の2、3着馬はのべ13頭が出走して1勝、2着2回、3着2回。
こちらは2歳女王と比べると率こそ悪いものの、一定の成績は残していると言えそう。

前項の桃花賞と舞台設定は同じだが、やはり「東京2歳優駿牝馬」の上位馬は力が違うということだろう。

そして、注目は「東京2歳優駿牝馬」で4着以下に敗れた馬たち。
該当馬はのべ37頭が出走し、3勝、2着2回、3着2回と好成績を収めているが、「4着以下」をもう少し細分化してみよう。

東京2歳優駿牝馬着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京2歳優駿牝馬4着 0 0 1 3 0.0% 0.0%
東京2歳優駿牝馬5着 1 0 0 3 25.0% 25.0%
東京2歳優駿牝馬6着 0 0 0 6 0.0% 0.0%
東京2歳優駿牝馬7着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
東京2歳優駿牝馬8着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
東京2歳優駿牝馬9着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
東京2歳優駿牝馬10着以下 2 1 1 12 12.5% 18.8%

上記の通り、二桁着順から巻き返した馬が多い。
2022年は東京2歳優駿牝馬16着のスティールルージュがユングフラウ賞を勝利、2023年は同15着のアトカラツイテクルが2着に好走している。

2023年東京2歳優駿牝馬の結果

浦和経験がなくても大丈夫!?

【浦和コースの経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 3 4 4 23 8.8% 20.6%
経験なし 7 7 5 66 8.2% 16.5%

3歳牝馬ということで“経験”は重要なファクター。
特に1周1,200mと小回りな浦和コースは経験の差が明暗を分けるはず…

と、データを抽出してみたのだが、浦和コース「経験なし」の成績が良い。
「経験あり」の3勝、2着4回、3着4回に対して、「経験なし」は7勝、2着7回、3着5回にもなる。

では、「経験あり」の馬を、さらに「3着内経験あり/なし」の条件で抽出してみよう。

【浦和コース3着内有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3着内経験あり 3 4 2 16 12.0% 28.0%
3着内経験なし 0 0 2 7 0.0% 0.0%

「浦和経験あり」の優勝馬3頭は、いずれも浦和コースで「3着内経験あり」の馬。
うち、2頭は浦和コースで1月に行われる「若水特別(3歳・1,500m)」を勝利し、もう1頭は同レースで2着の実績があった。

東京2歳優駿牝馬からの直行組が好成績!

【年明け初戦か否か別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
初戦 6 4 3 33 13.0% 21.7%
2戦目以降 4 7 6 56 5.5% 15.1%

ユングフラウ賞が「年明け初戦」or「年明け2戦目以降」で抽出したデータ。

勝率、連対率は「年明け初戦」が優位ではあるものの、約1か月半前の「東京2歳優駿牝馬」直行組が大半である。
ちなみに、「東京2歳優駿牝馬」から直行した馬で5勝、2着3回、3着3回を占めている。

ユングフラウ賞は南関東牝馬クラシック第1戦「桜花賞」の最重要トライアル。
過去10年のうち、2015年・2018年・2022年以外は全て、ユングフラウ賞出走組から桜花賞連対馬が出ている(※)。
今年の出走馬の中にも“未来の桜花賞馬”がいるかもしれない!

※2015年と2018年の桜花賞3着馬は、ユングフラウ賞に出走していた


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2月28日(水)に大井競馬場で行われる「フジノウェーブ記念(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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