南関東では最も距離の短い重賞「川崎スパーキングスプリント(S3)」!
川崎900m戦は年間150レースほど組まれる。
その最高峰に位置する本競走は究極のスピード決戦と言ってもいいだろう。
▼データ分析のポイント
・1番人気に支持された船橋所属馬が強い
・牝馬が過去10年で7勝
・コース経験は関係なさそう
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2023年 | キモンルビー | 船橋 | コパノリチャード | 1人気 |
2022年 | コパノフィーリング | 船橋 | ヘニーヒューズ | 3人気 |
2021年 | カプリフレイバー | 船橋 | サウスヴィグラス | 1人気 |
2020年 | ポッドギル | 大井 | フリオーソ | 8人気 |
2019年 | ラディヴィナ | 川崎 | サウスヴィグラス | 1人気 |
2018年 | ラディヴィナ | 川崎 | サウスヴィグラス | 2人気 |
2017年 | フラットライナーズ | 船橋 | シニスターミニスター | 1人気 |
2016年 | フラットライナーズ | 船橋 | シニスターミニスター | 1人気 |
2015年 | カベルネフラン | 船橋 | アサクサデンエン | 1人気 |
2014年 | ユーリカ | 船橋 | クロフネ | 1人気 |
2020年まではオープン特別として実施されていた一戦。
オープンクラス(A1)による900m戦は年数回という貴重な条件だけに、歴代優勝馬には多彩な面々が並んでいる。
歴代優勝馬の中で、南関東の重賞を勝利している馬はフラットライナーズ、ポッドギル、カプリフレイバー、コパノフィーリング、キモンルビーの5頭。
また、後述もするが、牝馬が7頭優勝しているのも他の重賞にはない特徴だろう。
牝馬の中では2014年のユーリカに注目。
この時に叩き出した「51.5秒」というタイムは、現在も破られていない「川崎900m」のレコードだ。
ちなみに、2024年に行われた川崎900mの最高タイムは、「スパーキングスプリントチャレンジ」でサンダーゼウスが走破した53.7秒だ。
川崎900mが得意な騎手は!?
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2023年 | 御神本 訓史 | 吉原 寛人 | 笹川 翼 |
2022年 | 森 泰斗 | 池谷 匠翔 | 御神本 訓史 |
2021年 | 真島 大輔 | 町田 直希 | 矢野 貴之 |
2020年 | 今野 忠成 | 笹川 翼 | 水野 翔 |
2019年 | 笹川 翼 | 御神本 訓史 | 橋本 直哉 |
2018年 | 瀧川 寿希也 | 左海 誠二 | 本田 正重 |
2017年 | 左海 誠二 | 江川 伸幸 | 山崎 誠士 |
2016年 | 左海 誠二 | 増田 充宏 | 真島 大輔 |
2015年 | 瀧川 寿希也 | 山崎 誠士 | 矢野 貴之 |
2014年 | 脇田 創 | 真島 大輔 | 増田 充宏 |
「川崎900m」という条件に焦点を当ててみよう。
2023年の川崎900mリーディングは「山崎誠士騎手」。
騎乗回数は92回で、16勝(勝率17.4%)、2着15回(連対率33.7%)、3着15回(3着内率50.0%)となっている。
「山崎誠士騎手」は2022年もリーディングを獲得しているが、その時は勝率36.4%、連対率48.5%、3着内率60.6%。
他の騎手の躍進があり2022年よりも成績を落としてしまったが、長年にわたり地元川崎でリーディング上位に食い込んできた手腕に衰えはない。
ちなみに、2023年に川崎900mで躍進している地元騎手は「町田直希騎手」「野畑凌騎手」「古岡勇樹騎手」の3名。
「山崎誠士騎手」を含めた4名の川崎900mでの成績は互角と見て良さそうだ。
2023年川崎900mリーディングはこちら
2024年川崎900mリーディングはこちら
船橋所属馬が圧倒
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 0 | 0 | 2 | 19 | 0.0% | 0.0% |
船橋 | 7 | 2 | 3 | 9 | 33.3% | 42.9% |
大井 | 1 | 2 | 1 | 11 | 6.7% | 20.0% |
川崎 | 2 | 6 | 4 | 40 | 3.8% | 15.4% |
「船橋所属馬」が7勝、2着2回、3着3回と抜群の成績。
特に1番人気に支持された際の成績が良く、該当馬は8頭で6勝、4着1回、5着1回となっている。
重賞昇格以降でも2021年カプリフレイバー、2023年キモンルビーが1番人気に応えて勝利を手にした。
究極のスピード勝負には紛れなし
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 7 | 0 | 0 | 3 | 70.0% | 70.0% |
2人気 | 1 | 1 | 4 | 4 | 10.0% | 20.0% |
3人気 | 1 | 5 | 0 | 4 | 10.0% | 60.0% |
4人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% |
5人気 | 0 | 2 | 1 | 7 | 0.0% | 20.0% |
6人気以下 | 1 | 1 | 4 | 53 | 1.7% | 3.4% |
スピードの絶対値を競うような条件。
ということが関係しているのかは分からないが、「1番人気」に支持された馬は勝率70.0%と圧倒している。
「1番人気馬」は2着、3着こそ0回ではあるものの、掲示板を外したことは1度も無いということは付け加えておこう。
配当も低めの傾向
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2023年 | 310 | 1,000 | 17,450 |
2022年 | 390 | 2,750 | 13,020 |
2021年 | 270 | 760 | 3,890 |
2020年 | 1,330 | 5,960 | 196,360 |
2019年 | 230 | 320 | 2,330 |
2018年 | 280 | 840 | 27,830 |
2017年 | 170 | 1,100 | 5,380 |
2016年 | 290 | 1,010 | 7,140 |
2015年 | 350 | 620 | 14,100 |
2014年 | 190 | 400 | 1,280 |
平均 | 381 | 1,476 | 28,878 |
「単勝」の平均は381円。
1番人気馬が結果を残すレースだけに堅い決着が多い。
「馬複」「三連単」も同様の傾向。
1番人気馬が3着内に好走しなかった年は2018年、2020年、2022年の3回だ。
内~真ん中が好成績
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0.0% | 0.0% |
2枠 | 1 | 4 | 1 | 4 | 10.0% | 50.0% |
3枠 | 3 | 2 | 0 | 5 | 30.0% | 50.0% |
4枠 | 2 | 0 | 3 | 5 | 20.0% | 20.0% |
5枠 | 0 | 1 | 3 | 12 | 0.0% | 6.3% |
6枠 | 0 | 1 | 0 | 16 | 0.0% | 5.9% |
7枠 | 3 | 0 | 1 | 14 | 16.7% | 16.7% |
8枠 | 1 | 2 | 0 | 15 | 5.6% | 16.7% |
向こう正面入り口からスタートして、3、4コーナーから直線へ。
コーナーがきついと言われる川崎コースだが、先行争いと最後の勝負は直線を目一杯使って行われる。
全体的にはやや「内枠」が有利な傾向。
特に「2枠」「3枠」の連対率50.0%は際立っており、過去10年で「2枠」「3枠」がどちらも連対しなかった回数は僅かに1回だ。
牝馬が強い
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 3 | 5 | 5 | 55 | 4.4% | 11.8% |
牝馬 | 7 | 3 | 5 | 17 | 21.9% | 31.3% |
セン馬 | 0 | 2 | 0 | 7 | 0.0% | 22.2% |
「牝馬」が7勝を挙げる活躍。
南関東の牡牝混合重賞は「牡馬優勢」の傾向にあるが、川崎スパーキングスプリントに限ると圧倒的に「牝馬優勢」となる。
重賞昇格以降もこの傾向に変わりはなく、2022年コパノフィーリング、2023年キモンルビーが牡馬勢を圧倒した。
4歳~6歳が活躍!リピーターも!
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
3歳 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
4歳 | 4 | 1 | 2 | 9 | 25.0% | 31.3% |
5歳 | 3 | 3 | 4 | 17 | 11.1% | 22.2% |
6歳 | 3 | 5 | 2 | 19 | 10.3% | 27.6% |
7歳以上 | 0 | 1 | 2 | 33 | 0.0% | 2.8% |
「4~6歳馬」の成績が良い。
南関東では7歳以上の経験馬が活躍する重賞も少なくないが、“スピード勝負”では若い馬たちに分がありだ。
なお、2020年までは「3歳馬」の出走が可能だったが、重賞昇格とともに出走条件が「4歳以上」となっている。
ちなみに、2016年&2017年を連覇したフラットライナーズは「4歳~6歳」時に連対、2018年&2019年を連覇したラディヴィナは「5歳~6歳」。
ポッドギルは「4歳」の2020年に優勝し、翌2021年に3着、コアレスピューマは「7歳」の2011年に勝利して「11歳」時に3着。
そして、2023年の覇者キモンルビーは前年の「5歳時」に3着だった。
オープンクラスでは貴重な条件なので、本競走を目標としたリピーターの活躍も目立つようだ。
斤量の軽い牝馬!
斤量 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
51kg以下 | 4 | 1 | 2 | 11 | 22.2% | 27.8% |
52kg~55kg | 4 | 7 | 6 | 46 | 6.3% | 17.5% |
56kg以上 | 2 | 2 | 2 | 22 | 7.1% | 14.3% |
本競走の出走条件は以下の通り(重賞昇格後)。
▼A1級57kg A2級55kg B1級以下53kg 牝馬2kg減
2020年までは3歳馬が出走可能だったため「3歳馬2kg減」、加えて重賞ではなかったため減量騎手も適用されていた。
過去最低斤量は「48.0kg」、2020年は3歳ダンディーヴォーグが「☆中越琉世騎手(-1kg)」を起用して「50.0kg」だった。
という前提条件を踏まえて…
斤量「51kg以下」は4勝を挙げ、勝率22.2%はトップの成績。
いずれも牝馬が該当し、減量騎手は起用していないため、「格上挑戦の牝馬」が結果を残していることになる。
最重量で勝利した馬は2017年のフラットライナーズで「斤量58.0kg」。
当時は「重賞勝ち馬は加増」という条件があったため58.0kgを背負っているが、軽量馬相手に貫録を示した形だ。
なお、重賞昇格後の出走条件下における最軽量は「B1級以下の牝馬:51kg」となる。
コース経験は関係ない?
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | |
---|---|---|---|---|---|---|
経験あり | 6 | 7 | 7 | 41 | 9.8% | 21.3% |
経験なし | 4 | 3 | 3 | 38 | 8.3% | 14.6% |
川崎900mを経験しているか否かの成績。
「経験あり」が6勝、2着7回、3着7回に対し、「経験なし」は4勝、2着3回、3着3回となる。
重賞昇格以降の3年間では「経験あり」が1勝、2着3回、3着3回。
勝ち切る馬はコース経験を問わない一方、好走数では「経験あり」がやや優勢となる。
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は1か月後!7月10日(水)に大井競馬場で行われる3歳スプリント王決定戦「優駿スプリント(S2)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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