~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年3月7日(木) 
サラ系4歳以上 船橋1,600m
京成盃グランドマイラーズ(S2)

レース紹介

かしわ記念トライアル「京成盃グランドマイラーズ(S2)」
1,2着馬に「かしわ記念(Jpn1)」の優先出走権が付与されるトライアル。
2025年からは南関東最高グレード「S1重賞」に昇格する大注目のレースだ。

▼データ分析のポイント
・人気サイドでの決着多し
・円熟味を増したリピーターが活躍
・川崎マイラーズ組に注目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 ゴールドホイヤー 川崎 トランセンド 3人気
2022年 スマイルウィ 船橋 エスポワールシチー 4人気
2021年 カジノフォンテン 船橋 カジノドライヴ 1人気
2020年 カジノフォンテン 船橋 カジノドライヴ 1人気
2019年 ベンテンコゾウ 船橋 サウスヴィグラス 1人気
2018年 キングガンズラング 船橋 ストリートセンス 2人気
2017年 リアライズリンクス 浦和 ダイタクリーヴァ 3人気
2016年 レガルスイ 船橋 エイシンサンディ 3人気
2015年 ソルテ 大井 タイムパラドックス 1人気
2014年 トーセンアドミラル 船橋 キングカメハメハ 1人気

歴代優勝馬にはダートグレード競走優勝歴のある「ソルテ」「カジノフォンテン」が名を連ねる。
2013年以前にも「マグニフィカ」「ナイキアディライト」「エスプリシーズ」「ネームヴァリュー」「サプライズパワー」などの名馬が並ぶ。

今年で27回目を迎えるが、船橋の四半世紀の歴史が詰まったレースと言えるだろう。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

張田昂騎手が飛躍したレース

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 山崎 誠士 矢野 貴之 和田 譲治
2022年 矢野 貴之 張田 昂 和田 譲治
2021年 張田 昂 笹川 翼 内田 利雄
2020年 張田 昂 山崎 誠士 森 泰斗
2019年 御神本 訓史 真島 大輔 左海 誠二
2018年 石崎 駿 左海 誠二 真島 大輔
2017年 的場 文男 和田 譲治 柏木 健宏
2016年 石崎 駿 酒井 忍 山崎 誠士
2015年 吉原 寛人 本田 正重 森 泰斗
2014年 川島 正太郎 和田 譲治 本橋 孝太

カジノフォンテンとのコンビで2020年~2022年まで、3年連続で連対(2勝)した「張田昂(アキラ)騎手」。
人馬ともに初タイトルを獲得したのが2020年の京成盃グランドマイラーズだ。

「張田昂騎手」は2024年2月21日現在で重賞13勝の活躍。
初タイトル奪取から僅か4年弱で13個ものタイトルを積み上げたことになる。

直近2年では「矢野貴之騎手」が1勝、2着1回、「和田譲治騎手」が3着2回。
特に「矢野貴之騎手」は現役最強マイラーの呼び声も高いスマイルウィとのコンビで2年連続連対中だ。

近年は人気馬が活躍

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1人気 5 2 0 3 50.0% 70.0% 70.0%
2人気 1 1 2 6 10.0% 20.0% 40.0%
3人気 3 1 4 2 30.0% 40.0% 80.0%
4人気 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
5人気 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
6人気以下 0 4 2 63 0.0% 5.8% 8.7%

「1番人気馬」が5勝、2着2回と好成績。
さらに、「2~4番人気馬」も好走するケースが多く、「1~4番人気馬」だけで10勝、2着6回、3着8回を占めている。
3着内率は1番人気から順に「70.0%」「40.0%」「80.0%」「50.0%」だ。

「6番人気以下」は2着4回、3着2回とまずまずの成績を残しているが、直近5年に限ると3着1回のみ。
データ傾向的には「人気馬強し」と言えるだろう。

低めの配当で推移

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 730 300 2,470
2022年 820 1,410 15,000
2021年 140 220 6,090
2020年 340 1,560 12,700
2019年 320 1,020 7,860
2018年 310 5,850 42,450
2017年 660 4,090 58,530
2016年 580 9,670 202,480
2015年 260 1,920 14,360
2014年 360 570 3,880
平均 452 2,661 36,582

「馬複」は4桁配当が7回あり、平均は2,661円、「三連単」は万馬券が6回あり、平均は36,582円。
2016年の高配当が平均を押し上げているが、全体的には低めの配当で推移している。

それでは、直近5年に限定してみよう。
「馬複」の平均は902円、「三連単」の平均は8,824円。
過去10年の平均と比較しても大幅に配当金は下がっているので、近年の流れとしては「人気馬に逆らうな」だろう。

1着は船橋、2着は大井 or 浦和の組み合わせ

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 2 3 16 4.5% 13.6%
船橋 7 3 2 47 11.9% 16.9%
大井 1 5 5 19 3.3% 20.0%
川崎 1 0 0 7 12.5% 12.5%

頭は「船橋」、連下は「大井」&「浦和」

地元の「船橋所属馬」が7勝、2着3回、3着2回と好成績。
「過去10年の優勝馬」でも触れたが、船橋競馬史に残る名馬たちが勝利してきた歴史がある。

一方、2着は「大井所属馬」と「浦和所属馬」で合計7回、3着も同所属馬たちで合計8回。
「川崎所属馬」は大苦戦という成績だが、2023年はゴールドホイヤーが一矢報いた形だ。

外枠が良い傾向?

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1枠 2 2 0 6 20.0% 40.0% 40.0%
2枠 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
3枠 0 0 2 13 0.0% 0.0% 13.3%
4枠 2 1 0 13 12.5% 18.8% 18.8%
5枠 1 1 0 15 5.9% 11.8% 11.8%
6枠 4 1 2 10 23.5% 29.4% 41.2%
7枠 1 2 1 13 5.9% 17.6% 23.5%
8枠 0 2 3 12 0.0% 11.8% 29.4%

枠番による有利不利が少ないと言われる船橋コース。
京成盃グランドマイラーズは「2枠」「3枠」の成績が芳しくない一方、「1枠」と「外枠」は良いので内外の差は少なそう。

参考までに、こちらは「2022年10月1日~2023年9月30日」の「船橋1,600m」の枠番別成績。
京成盃グランドマイラーズと同様、「3枠」の成績が良くなく、「連対率」「3着内率」は外枠の方が良いと言う傾向となっている。

さらに、こちらは直近3か月の「船橋1,600m」の枠番別の成績だ。(要ログイン)
船橋コースは2022年末よりオーストラリア産の白砂に変わっているが、直近の馬場傾向には是非とも注目したいところ。

牝馬には要注意!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 8 8 76 9.8% 17.6%
牝馬 0 2 1 4 0.0% 28.6%
セン馬 0 0 1 9 0.0% 0.0%

「牡馬」が全10勝。
一方、「牝馬」は出走数が7頭と少ないものの、2着2回、3着1回と好走率は高い。

若手の勢い!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 0 0 0 0 - -
4歳 2 2 1 13 11.1% 22.2%
5歳 5 0 2 7 35.7% 35.7%
6歳 1 4 2 14 4.8% 23.8%
7歳以上 2 4 5 55 3.0% 9.1%

※2021年より出走条件が「3歳以上」から「4歳以上」に変更

「5歳馬」が5勝を挙げる活躍。
南関東の重賞は年齢を重ねた馬が活躍する傾向にあるが、京成盃グランドマイラーズでは若い馬にもチャンスがある。
直近5年では「5歳馬」が3勝、「4歳馬」「6歳馬」がそれぞれ1勝だ。

また、その他の特徴として“リピーター”の活躍がある。
以下が複数回、3着内に好走した馬となるが、こちらは年齢を重ねた馬がリピーターとなるケースも多い。

馬名 京成盃グランドマイラーズ好走歴
スマイルウィ 2022年1着(5歳) ⇒ 2023年2着(6歳)
カジノフォンテン 2020年1着(4歳) ⇒ 2021年1着(5歳) ⇒ 2022年2着(6歳)
リアライズリンクス 2017年1着(7歳) ⇒ 2018年2着(8歳)
グランディオーソ 2015年3着(6歳) ⇒ 2016年3着(7歳)
ソルテ 2014年2着(4歳) ⇒ 2015年1着(5歳)
トーセンアドミラル 2014年1着(7歳) ⇒ 2015年2着(8歳)
セイントメモリー 2013年1着(6歳) ⇒ 2014年3着(7歳)

ソルテ、カジノフォンテン、スマイルウィはまさに充実期といった活躍。
その他の馬たちは「6歳以降」に連続で連対しているので、「前年好走の6歳以上馬」はマークしておきたい。

実績馬が力を出しやすい条件だったが…!?

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
55kg以下 1 2 1 15 5.3% 15.8%
56kg以上 9 8 9 74 9.0% 17.0%

「56kg以上」の斤量を背負った馬が、9勝、2着8回、3着9回とほぼほぼ3着内を占めている。
一方、「55kg以下」の馬は、出走数が19頭と少ない中で、1勝、2着2回、3着1回の成績だ。

京成盃グランドマイラーズは、格付別(クラス別)に斤量が異なる別定戦。
格付別の斤量は「A1級56kg」「A2級54kg」「B1級以下53kg」で、牝馬は「2kg」減量される。

と、ここまでは2020年以前と出走条件は同じだが、+αの加増条件が2021年から変更となった。

【★2020年以前】
番組賞金額ごとに「1kg」加増。

□3歳:6,000万円
□4歳:9,000万円
□5歳:12,000万円
□6歳以上:15,000万円

【★2021年以降】
直近1年(2024年は2023.3.6以降)の重賞実績ごとに加増。

□ダートグレード競走/JRA重賞勝ち馬は「2kg」
□南関東重賞勝ち馬は「1kg」(2021年&2022年は南関東S1/S2重賞の勝ち馬)
 (3歳限定競走の成績を除く)

2020年以前は加増条件を満たしていた馬があまり多くはない。
これは本競走の1着賞金「2,100万円(2020年は1,200万円)」からも“相当な実績が必要”ということがお分かり頂けるだろう。

一方、2021年以降は直近1年の重賞成績によって加増される。
3歳限定競走の成績は除かれるので、4歳馬にとっては比較的有利ではあるが、5歳以上の実績馬はやや出走条件が厳しくなったと言えそうだ。

重要なステップレース

【川崎マイラーズの着順別の成績】

川崎M着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
川崎M1着 2 0 1 2 40.0% 40.0%
川崎M2着 1 1 1 2 20.0% 40.0%
川崎M3着 0 1 0 4 0.0% 20.0%
川崎M4着以下 2 1 0 14 11.8% 17.6%

2024年より春開催からお正月開催に移行。
年によって京成盃グランドマイラーズとは開催時期が前後するが、2024年は京成盃グランドマイラーズの約2か月前に実施される。

データとしては京成盃グランドマイラーズの前に実施していた2014年~2020年の7年間を採用。
同じマイル重賞ということで親和性は高く、川崎マイラーズを走っていた馬は、7年間で5勝、2着3回、3着2回の成績を残している。

上位馬の参戦も多くなるので、当然ながら注目度の高いレースと言えるだろう。

2024年川崎マイラーズの結果

上位勢は苦戦気味

【報知グランプリカップ(報知GPC)の着順別の成績】

報知GPC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
報知GPC1着 0 1 1 2 0.0% 25.0%
報知GPC2着 0 1 0 2 0.0% 33.3%
報知GPC3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
報知GPC4着以下 1 1 2 13 5.9% 11.8%

同年2月(2024年は1月)に船橋1,800mで行われる「報知グランプリカップ(S3)」。
船橋1,600mと条件的には近いため、上位馬の参戦も少なくない。

しかしながら、上位馬は苦戦気味。
「報知グランプリカップ」1~3着馬はのべ10頭参戦しているが、勝ち星は無く、2着2回、3着1回となっている。

2024年報知グランプリカップの結果

【ゴールドカップの着順別の成績】

ゴールドC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ゴールドC1着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
ゴールドC2着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
ゴールドC3着 0 0 1 0 0.0% 0.0%
ゴールドC4着以下 0 0 0 1 0.0% 0.0%

前年12月に「浦和1,400m」で争われる短距離総決算。
こちらは京成盃グランドマイラーズが3月(4月)開催に移行して以降、3年間のデータとなる。

「ゴールドカップ」の1~3着馬はのべ5頭、4着馬が1頭参戦して2着1回、3着1回。
転戦してきた6頭中、4頭が2番人気以内となかなかの実績馬たちだが、意外なほどに京成盃グランドマイラーズとは相性が良くない。

人気を集める馬たちが参戦してくるので注目となるが、データ的にはやや苦戦気味と言えるだろう。

2023年ゴールドカップの結果

今回の「南関データ分析」はここまで!
次回はダート三冠路線!3月20日(水祝)に大井競馬場で行われる「京浜盃(Jpn2)」を特別公開します!
※3月14日(木)「ネクストスター東日本(S3)」は持ち回り重賞のため割愛

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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