牝馬重賞「しらさぎ賞(S3)」!
南関東の牝馬重賞もレース体系が整備された。
主たるところでは以下となるが、「しらさぎ賞」に限ると時期・条件ともに前年から大きな変更はない。
・「エンプレス杯」:冬 ⇒ 春に移行
・「TCK女王盃」:園田競馬場に場所を移し、レース名を「兵庫女王盃」に改称
・「マリーンカップ」:春 ⇒ 秋に移行し、出走条件を「3歳以上」 ⇒ 「3歳」に変更
なお、2024年度の南関東における古馬が出走できる牝馬重賞は「6レース(※)」となる。
※地方所属馬のみで争われるのは「しらさぎ賞」と「東京シンデレラマイル(南関東所属馬限定)」の2レース
▼データ分析のポイント
・町田騎手と吉原騎手が好成績
・1~3番人気馬が9勝
・ティアラカップ組に注目
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2023年 | スティールルージュ | 船橋 | マジェスティックウォリアー | 5人気 |
2022年 | アールロッソ | 船橋 | サウスヴィグラス | 2人気 |
2021年 | ダノンレジーナ | 浦和 | ダノンバラード | 1人気 |
2020年 | ストロングハート | 川崎 | サウスヴィグラス | 3人気 |
2019年 | タイセイラナキラ | 大井 | カネヒキリ | 2人気 |
2018年 | ラーゴブルー | 川崎 | ハーツクライ | 2人気 |
2017年 | ニシノラピート | 大井 | サウスヴィグラス | 2人気 |
2016年 | ララベル | 大井 | ゴールドアリュール | 1人気 |
2015年 | ノットオーソリティ | 船橋 | スウェプトオーヴァーボード | 1人気 |
2014年 | レッドクラウディア | 大井 | アグネスタキオン | 2人気 |
名だたる名牝が優勝馬に名を連ねている。
冒頭にも記載したが、地方限定の牝馬重賞ということで、しらさぎ賞を目標にする牝馬も多いのだろう。
また、JRA所属の有力馬が牝馬重賞を求めて南関東に移籍するケースも多い。
過去10年の優勝馬では6頭が元JRA所属馬となるが、その筆頭はJRA所属時に重賞勝利歴のあるレッドクラウディアだ。
黄色に注目!
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2023年 | 張田 昂 | 菅原 涼太 | 本田 正重 |
2022年 | 町田 直希 | 本橋 孝太 | 矢野 貴之 |
2021年 | 本橋 孝太 | 町田 直希 | 今野 忠成 |
2020年 | 町田 直希 | 笹川 翼 | 森 泰斗 |
2019年 | 吉原 寛人 | 和田 譲治 | 森 泰斗 |
2018年 | 吉原 寛人 | 山崎 誠士 | 的場 文男 |
2017年 | 柏木 健宏 | 矢野 貴之 | 瀧川 寿希也 |
2016年 | 吉原 寛人 | 矢野 貴之 | 左海 誠二 |
2015年 | 吉原 寛人 | 森 泰斗 | 的場 文男 |
2014年 | 森 泰斗 | 的場 文男 | 張田 京 |
黄色一色の勝負服を身にまとう「町田直希騎手」が直近5年で2勝、2着1回の活躍。
近年は重賞タイトルから遠ざかっているものの、相性の良い「しらさぎ賞」でチャンスを掴みたいところだろう。
また、日本全国で大活躍する金沢の名手「吉原寛人騎手」の存在も忘れてはいけない。
いわゆるコロナ禍の影響により南関東での騎乗は出来なかったが、2015年~2019年の5年間で4勝を挙げている。
今では南関東でのスポット参戦も以前のように活発となり、今年4月の「川崎記念(Jpn1)」制覇は記憶に新しい。
しらさぎ賞に限ったことではないが、「吉原寛人騎手」の活躍は見逃せない。
地元馬がやや劣勢
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 1 | 2 | 2 | 16 | 4.8% | 14.3% | 23.8% |
船橋 | 3 | 1 | 2 | 17 | 13.0% | 17.4% | 26.1% |
大井 | 4 | 5 | 4 | 27 | 10.0% | 22.5% | 32.5% |
川崎 | 2 | 2 | 2 | 17 | 8.7% | 17.4% | 26.1% |
南関以外 | 0 | 0 | 0 | 13 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
勝率1位は「船橋所属馬」、連対率1位は「大井所属馬」となる。
ただし、「川崎所属馬」を含めた3場は横一線の成績と言って良いだろう。
地元の「浦和所属馬」は少し分が悪く、勝率・連対率ともに4位。
2021年にダノンレジーナが勝利しているが、これは2010年ジョーイロンデル以来、実に11年ぶりの出来事だった。
1番人気 or 2番人気?
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 3 | 2 | 2 | 3 | 30.0% | 50.0% |
2人気 | 5 | 0 | 1 | 4 | 50.0% | 50.0% |
3人気 | 1 | 1 | 2 | 6 | 10.0% | 20.0% |
4人気 | 0 | 3 | 1 | 6 | 0.0% | 30.0% |
5人気 | 1 | 0 | 4 | 5 | 10.0% | 10.0% |
6人気以下 | 0 | 4 | 0 | 66 | 0.0% | 5.7% |
過去10年で「1~3番人気馬」が9勝を挙げる活躍。
特に「1、2番人気馬」が大活躍しており、「1番人気馬」は3勝、2着2回、3着2回、「2番人気馬」が5勝、3着1回となる。
(直近5年で「1、2番人気馬」が揃って3着内に好走した回数は3回)
2023年は1着から「5番人気」⇒「4番人気」⇒「1番人気」の順だったが、4着にはしっかりと「2番人気」が入着。
馬券的には「軸を固定して流す」が良さそうだ。
単勝式は堅いが、連勝式は妙味あり!
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2023年 | 1,110 | 2,770 | 22,410 |
2022年 | 360 | 400 | 4,610 |
2021年 | 140 | 1,630 | 20,320 |
2020年 | 450 | 550 | 5,170 |
2019年 | 400 | 2,280 | 18,200 |
2018年 | 320 | 1,730 | 13,130 |
2017年 | 360 | 2,730 | 25,150 |
2016年 | 160 | 3,300 | 37,060 |
2015年 | 180 | 820 | 10,610 |
2014年 | 510 | 1,990 | 16,880 |
平均 | 399 | 1,820 | 17,354 |
前項の通り、優勝馬は「1~3番人気」が9頭なので、「単勝」の配当は非常に低い。
過去10年の「単勝」平均配当399円は南関重賞屈指の低配当となっている。
逆に、妙味があるのは「馬複」と「三連単」。
「馬複」は平均1,820円、「三連単」は平均17,354円となっており、手広く流してみても良さそうだ。
真ん中の枠が良さそう
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% |
2枠 | 2 | 1 | 1 | 6 | 20.0% | 30.0% |
3枠 | 3 | 0 | 1 | 6 | 30.0% | 30.0% |
4枠 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% |
5枠 | 2 | 4 | 2 | 12 | 10.0% | 30.0% |
6枠 | 1 | 2 | 2 | 15 | 5.0% | 15.0% |
7枠 | 1 | 1 | 1 | 17 | 5.0% | 10.0% |
8枠 | 0 | 0 | 1 | 19 | 0.0% | 0.0% |
しらさぎ賞が行われる「浦和1,400m」はフルゲート12頭。
(過去10年、全てフルゲート12頭立て)
最も優勝馬が出ている枠は「3枠」の3頭。
次いで「2枠」と「5枠」が2勝で続き、連対率は「2枠」~「5枠」の真ん中の枠が30.0%で並んでいる。
浦和といえば「1枠」も気になるのだが、しらさぎ賞に限っては勝率、連対率ともに0.0%と相性は良くない。
これは直近3か月の浦和1,400mの枠番別の成績を見ても同じ傾向だ。
4歳~6歳馬が中心のレース!
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
3歳 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
4歳 | 4 | 3 | 3 | 32 | 9.5% | 16.7% |
5歳 | 3 | 3 | 3 | 22 | 9.7% | 19.4% |
6歳 | 3 | 2 | 3 | 22 | 10.0% | 16.7% |
7歳以上 | 0 | 2 | 1 | 14 | 0.0% | 11.8% |
しらさぎ賞の出走条件は、2014年のみ「3歳以上牝馬」で、2015年からは「4歳以上牝馬」(※)で行われている。
とはいえ、「3歳馬」の出走はゼロで、中心は「4歳~6歳馬」だ。
過去10年では「4歳馬」が4勝、「5歳馬」と「6歳馬」がともに3勝。
さらに、2着・3着も「4歳~6歳馬」が好成績を残している。
しらさぎ賞は「牝馬限定」ということもあり、牡馬重賞と比較すると年齢の若い馬が活躍する傾向にあるようだ。
※本分析の対象期間のみ記載
牝馬は格より勢い!?
斤量 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
52~53kg | 1 | 1 | 2 | 46 | 2.0% | 4.0% |
54~55kg | 4 | 5 | 3 | 24 | 11.1% | 25.0% |
56kg以上 | 5 | 4 | 5 | 20 | 14.7% | 26.5% |
しらさぎ賞は格付別(クラス別)で斤量が異なる“別定戦(※1)”。
格付別の斤量は「A1級56kg」、「A2級54kg」、「B級以下52kg」となる。
また今年の場合、2022年4月18日~2024年4月5日の期間中(※2)の指定交流競走勝ち馬は「2kg」、地方重賞勝ち馬は「1kg」が加増される。
2018年しらさぎ賞を例に、少し具体的に書くと…
優勝馬ラーゴブルーは「B級以下」だったので「52kg」、2着ファイトユアソングは「A2級」なので「54kg」。
3着ニシノラピートは地方重賞2勝の実績があったため、A1級の「56kg」に加え、地方重賞勝ちの「1kg」が加増され、合計「57kg」となる。
また、「東京スプリント(Jpn3)」覇者コーリンベリーは、ダートグレード競走勝ちの「2kg」が加増されて「58kg」だった。
2018年しらさぎ賞 | 馬名 | クラス別斤量 | 地方重賞 | ダートグレード競走 | 合計斤量 |
---|---|---|---|---|---|
1着 | ラーゴブルー | 52kg (B1級以下) | - | - | 52kg |
2着 | ファイトユアソング | 54kg (A2級) | - | - | 54kg |
3着 | ニシノラピート | 56kg (A1級) | 1kg | - | 57kg |
4着 | コーリンベリー | 56kg (A1級) | - | 2kg | 58kg |
少し前置きが長くなったが、過去10年のしらさぎ賞で最も好成績を残しているのは「56kg以上」の馬。
該当馬は5勝、2着4回、3着5回となっており、格付が高い馬が実力通りの成績を残している。
これに続くのが「54kg~55kg」の4勝、2着5回、3着3回。
こちらは格上挑戦馬が該当するが、「A1級」と比較してもそん色ない成績を残している。
また、「B級以下」の「52kg~53kg」は分が悪くなっており、格上挑戦馬を狙うなら「A2級」となるだろう。
「牝馬は格より勢い」という格言も聞かれるが、上記の結果だけを見れば互角と言えるかもしれない。
※1.南関東以外の馬は南関東格付基準表に当てはめて決定
※2.2・3歳時の成績は除く
トライアル制覇の勢いは!?
ティアラカップ着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ティアラカップ1着 | 2 | 3 | 1 | 4 | 20.0% | 50.0% |
ティアラカップ2着 | 1 | 0 | 1 | 5 | 14.3% | 14.3% |
ティアラカップ3着 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% |
ティアラカップ4着以下 | 1 | 1 | 0 | 21 | 4.3% | 8.7% |
しらさぎ賞と同舞台で行われるトライアルレース。
トライアル出走組は合計5勝、2着5回、3着2回。
「ティアラカップ」は“A2以下の格付馬によるレース”ということを考えると抜群の成績といえるだろう。
なお、前項「斤量別の成績」にて示した「52~53kg」「54~55kg」の計5勝、2着6回のうち、5勝、2着5回を「ティアラカップ」出走組が占める。
※2014年はプリムラ賞
2024年ティアラカップの結果
上位馬には要注目!
東京シンデレラマイル着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
東京シンデレラマイル1着 | 2 | 1 | 1 | 1 | 40.0% | 60.0% |
東京シンデレラマイル2着 | 2 | 1 | 0 | 0 | 66.7% | 100.0% |
東京シンデレラマイル3着 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% |
東京シンデレラマイル4着以下 | 1 | 4 | 1 | 24 | 3.3% | 16.7% |
前年末に行われるマイル重賞「東京シンデレラマイル(S3)」。
冒頭にも記載したように、南関東では貴重な地方馬限定(※)の牝馬重賞だ。
過去10年で東京シンデレラマイル連対馬はのべ8頭が出走して4勝、2着2回、3着1回。
なんと87.5%の確率で3着内に好走している。
東京シンデレラマイルとしらさぎ賞とではコース設定が大きく異なるが、やはり重賞上位馬には注目が必要だろう。
※東京シンデレラマイルは南関東所属馬のみ
2023年東京シンデレラマイルの結果
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は4月24日(水)に大井競馬場で行われる「羽田盃(Jpn1)」を特別公開します!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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