~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年4月18日(木) 
サラ系4歳以上牝馬 浦和1,400m
しらさぎ賞(S3)

レース紹介

牝馬重賞「しらさぎ賞(S3)」!
南関東の牝馬重賞もレース体系が整備された。
主たるところでは以下となるが、「しらさぎ賞」に限ると時期・条件ともに前年から大きな変更はない。

・「エンプレス杯」:冬 ⇒ 春に移行
・「TCK女王盃」:園田競馬場に場所を移し、レース名を「兵庫女王盃」に改称
・「マリーンカップ」:春 ⇒ 秋に移行し、出走条件を「3歳以上」 ⇒ 「3歳」に変更

なお、2024年度の南関東における古馬が出走できる牝馬重賞は「6レース(※)」となる。
※地方所属馬のみで争われるのは「しらさぎ賞」と「東京シンデレラマイル(南関東所属馬限定)」の2レース

▼データ分析のポイント
・町田騎手と吉原騎手が好成績
・1~3番人気馬が9勝
・ティアラカップ組に注目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 スティールルージュ 船橋 マジェスティックウォリアー 5人気
2022年 アールロッソ 船橋 サウスヴィグラス 2人気
2021年 ダノンレジーナ 浦和 ダノンバラード 1人気
2020年 ストロングハート 川崎 サウスヴィグラス 3人気
2019年 タイセイラナキラ 大井 カネヒキリ 2人気
2018年 ラーゴブルー 川崎 ハーツクライ 2人気
2017年 ニシノラピート 大井 サウスヴィグラス 2人気
2016年 ララベル 大井 ゴールドアリュール 1人気
2015年 ノットオーソリティ 船橋 スウェプトオーヴァーボード 1人気
2014年 レッドクラウディア 大井 アグネスタキオン 2人気

名だたる名牝が優勝馬に名を連ねている。
冒頭にも記載したが、地方限定の牝馬重賞ということで、しらさぎ賞を目標にする牝馬も多いのだろう。

また、JRA所属の有力馬が牝馬重賞を求めて南関東に移籍するケースも多い。
過去10年の優勝馬では6頭が元JRA所属馬となるが、その筆頭はJRA所属時に重賞勝利歴のあるレッドクラウディアだ。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

黄色に注目!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 張田 昂 菅原 涼太 本田 正重
2022年 町田 直希 本橋 孝太 矢野 貴之
2021年 本橋 孝太 町田 直希 今野 忠成
2020年 町田 直希 笹川 翼 森 泰斗
2019年 吉原 寛人 和田 譲治 森 泰斗
2018年 吉原 寛人 山崎 誠士 的場 文男
2017年 柏木 健宏 矢野 貴之 瀧川 寿希也
2016年 吉原 寛人 矢野 貴之 左海 誠二
2015年 吉原 寛人 森 泰斗 的場 文男
2014年 森 泰斗 的場 文男 張田 京

黄色一色の勝負服を身にまとう「町田直希騎手」が直近5年で2勝、2着1回の活躍。
近年は重賞タイトルから遠ざかっているものの、相性の良い「しらさぎ賞」でチャンスを掴みたいところだろう。

また、日本全国で大活躍する金沢の名手「吉原寛人騎手」の存在も忘れてはいけない。
いわゆるコロナ禍の影響により南関東での騎乗は出来なかったが、2015年~2019年の5年間で4勝を挙げている。

今では南関東でのスポット参戦も以前のように活発となり、今年4月の「川崎記念(Jpn1)」制覇は記憶に新しい。
しらさぎ賞に限ったことではないが、「吉原寛人騎手」の活躍は見逃せない。

地元馬がやや劣勢

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
浦和 1 2 2 16 4.8% 14.3% 23.8%
船橋 3 1 2 17 13.0% 17.4% 26.1%
大井 4 5 4 27 10.0% 22.5% 32.5%
川崎 2 2 2 17 8.7% 17.4% 26.1%
南関以外 0 0 0 13 0.0% 0.0% 0.0%

勝率1位は「船橋所属馬」、連対率1位は「大井所属馬」となる。
ただし、「川崎所属馬」を含めた3場は横一線の成績と言って良いだろう。

地元の「浦和所属馬」は少し分が悪く、勝率・連対率ともに4位。
2021年にダノンレジーナが勝利しているが、これは2010年ジョーイロンデル以来、実に11年ぶりの出来事だった。

1番人気 or 2番人気?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 2 2 3 30.0% 50.0%
2人気 5 0 1 4 50.0% 50.0%
3人気 1 1 2 6 10.0% 20.0%
4人気 0 3 1 6 0.0% 30.0%
5人気 1 0 4 5 10.0% 10.0%
6人気以下 0 4 0 66 0.0% 5.7%

過去10年で「1~3番人気馬」が9勝を挙げる活躍。
特に「1、2番人気馬」が大活躍しており、「1番人気馬」は3勝、2着2回、3着2回、「2番人気馬」が5勝、3着1回となる。
(直近5年で「1、2番人気馬」が揃って3着内に好走した回数は3回)

2023年は1着から「5番人気」⇒「4番人気」⇒「1番人気」の順だったが、4着にはしっかりと「2番人気」が入着。
馬券的には「軸を固定して流す」が良さそうだ。

単勝式は堅いが、連勝式は妙味あり!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 1,110 2,770 22,410
2022年 360 400 4,610
2021年 140 1,630 20,320
2020年 450 550 5,170
2019年 400 2,280 18,200
2018年 320 1,730 13,130
2017年 360 2,730 25,150
2016年 160 3,300 37,060
2015年 180 820 10,610
2014年 510 1,990 16,880
平均 399 1,820 17,354

前項の通り、優勝馬は「1~3番人気」が9頭なので、「単勝」の配当は非常に低い。
過去10年の「単勝」平均配当399円は南関重賞屈指の低配当となっている。

逆に、妙味があるのは「馬複」と「三連単」。
「馬複」は平均1,820円、「三連単」は平均17,354円となっており、手広く流してみても良さそうだ。

真ん中の枠が良さそう

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 0 1 9 0.0% 0.0%
2枠 2 1 1 6 20.0% 30.0%
3枠 3 0 1 6 30.0% 30.0%
4枠 1 2 1 6 10.0% 30.0%
5枠 2 4 2 12 10.0% 30.0%
6枠 1 2 2 15 5.0% 15.0%
7枠 1 1 1 17 5.0% 10.0%
8枠 0 0 1 19 0.0% 0.0%

しらさぎ賞が行われる「浦和1,400m」はフルゲート12頭。
(過去10年、全てフルゲート12頭立て)

最も優勝馬が出ている枠は「3枠」の3頭。
次いで「2枠」と「5枠」が2勝で続き、連対率は「2枠」~「5枠」の真ん中の枠が30.0%で並んでいる。

浦和といえば「1枠」も気になるのだが、しらさぎ賞に限っては勝率、連対率ともに0.0%と相性は良くない。
これは直近3か月の浦和1,400mの枠番別の成績を見ても同じ傾向だ。

4歳~6歳馬が中心のレース!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 0 0 0 0 - -
4歳 4 3 3 32 9.5% 16.7%
5歳 3 3 3 22 9.7% 19.4%
6歳 3 2 3 22 10.0% 16.7%
7歳以上 0 2 1 14 0.0% 11.8%

しらさぎ賞の出走条件は、2014年のみ「3歳以上牝馬」で、2015年からは「4歳以上牝馬」(※)で行われている。
とはいえ、「3歳馬」の出走はゼロで、中心は「4歳~6歳馬」だ。

過去10年では「4歳馬」が4勝、「5歳馬」と「6歳馬」がともに3勝。
さらに、2着・3着も「4歳~6歳馬」が好成績を残している。

しらさぎ賞は「牝馬限定」ということもあり、牡馬重賞と比較すると年齢の若い馬が活躍する傾向にあるようだ。

※本分析の対象期間のみ記載

牝馬は格より勢い!?

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
52~53kg 1 1 2 46 2.0% 4.0%
54~55kg 4 5 3 24 11.1% 25.0%
56kg以上 5 4 5 20 14.7% 26.5%

しらさぎ賞は格付別(クラス別)で斤量が異なる“別定戦(※1)”。
格付別の斤量は「A1級56kg」、「A2級54kg」、「B級以下52kg」となる。
また今年の場合、2022年4月18日~2024年4月5日の期間中(※2)の指定交流競走勝ち馬は「2kg」、地方重賞勝ち馬は「1kg」が加増される。

2018年しらさぎ賞を例に、少し具体的に書くと…
優勝馬ラーゴブルーは「B級以下」だったので「52kg」、2着ファイトユアソングは「A2級」なので「54kg」。
3着ニシノラピートは地方重賞2勝の実績があったため、A1級の「56kg」に加え、地方重賞勝ちの「1kg」が加増され、合計「57kg」となる。
また、「東京スプリント(Jpn3)」覇者コーリンベリーは、ダートグレード競走勝ちの「2kg」が加増されて「58kg」だった。

2018年しらさぎ賞 馬名 クラス別斤量 地方重賞 ダートグレード競走 合計斤量
1着 ラーゴブルー 52kg (B1級以下) - - 52kg
2着 ファイトユアソング 54kg (A2級) - - 54kg
3着 ニシノラピート 56kg (A1級) 1kg - 57kg
4着 コーリンベリー 56kg (A1級) - 2kg 58kg

少し前置きが長くなったが、過去10年のしらさぎ賞で最も好成績を残しているのは「56kg以上」の馬。
該当馬は5勝、2着4回、3着5回となっており、格付が高い馬が実力通りの成績を残している。

これに続くのが「54kg~55kg」の4勝、2着5回、3着3回。
こちらは格上挑戦馬が該当するが、「A1級」と比較してもそん色ない成績を残している。

また、「B級以下」の「52kg~53kg」は分が悪くなっており、格上挑戦馬を狙うなら「A2級」となるだろう。

「牝馬は格より勢い」という格言も聞かれるが、上記の結果だけを見れば互角と言えるかもしれない。

※1.南関東以外の馬は南関東格付基準表に当てはめて決定
※2.2・3歳時の成績は除く

トライアル制覇の勢いは!?

【ティアラカップの着順別の成績】

ティアラカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ティアラカップ1着 2 3 1 4 20.0% 50.0%
ティアラカップ2着 1 0 1 5 14.3% 14.3%
ティアラカップ3着 1 1 0 3 20.0% 40.0%
ティアラカップ4着以下 1 1 0 21 4.3% 8.7%

しらさぎ賞と同舞台で行われるトライアルレース。

トライアル出走組は合計5勝、2着5回、3着2回。
「ティアラカップ」は“A2以下の格付馬によるレース”ということを考えると抜群の成績といえるだろう。

なお、前項「斤量別の成績」にて示した「52~53kg」「54~55kg」の計5勝、2着6回のうち、5勝、2着5回を「ティアラカップ」出走組が占める。

※2014年はプリムラ賞

2024年ティアラカップの結果

上位馬には要注目!

【東京シンデレラマイルの着順別の成績】

東京シンデレラマイル着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京シンデレラマイル1着 2 1 1 1 40.0% 60.0%
東京シンデレラマイル2着 2 1 0 0 66.7% 100.0%
東京シンデレラマイル3着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
東京シンデレラマイル4着以下 1 4 1 24 3.3% 16.7%

前年末に行われるマイル重賞「東京シンデレラマイル(S3)」。
冒頭にも記載したように、南関東では貴重な地方馬限定(※)の牝馬重賞だ。

過去10年で東京シンデレラマイル連対馬はのべ8頭が出走して4勝、2着2回、3着1回。
なんと87.5%の確率で3着内に好走している。

東京シンデレラマイルとしらさぎ賞とではコース設定が大きく異なるが、やはり重賞上位馬には注目が必要だろう。

※東京シンデレラマイルは南関東所属馬のみ

2023年東京シンデレラマイルの結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は4月24日(水)に大井競馬場で行われる「羽田盃(Jpn1)」を特別公開します!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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