~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2024年7月10日(水) 
サラ系3歳 大井1,200m
優駿スプリント(S2)

レース紹介

3歳スプリント王決定戦「優駿スプリント(S2)」!
南関東の3歳スプリンターにとって大目標となる重賞。
生粋のスプリンター vs クラシックからの路線変更組に注目だ。

▼データ分析のポイント
・10番人気以下の激走が多い
・優駿スプリントTRの優勝馬に注目
・1着は逃げ/先行、2着は先行、3着は追い込み

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2023年 フジコチャン 大井 エスポワールシチー 3人気
2022年 プライルード 大井 ラブリーデイ 2人気
2021年 ワールドリング 船橋 トゥザワールド 5人気
2020年 カプリフレイバー 船橋 サウスヴィグラス 1人気
2019年 ナガタブラック 川崎 クロフネ 6人気
2018年 クルセイズスピリツ 大井 サウスヴィグラス 11人気
2017年 バンドオンザラン 川崎 スズカコーズウェイ 8人気
2016年 エイシンヒート 大井 Street Sense 2人気
2015年 ルックスザットキル 大井 Wildcat Heir 1人気
2014年 アピア 大井 ファスリエフ 1人気

プライルード、ワールドリング、カプリフレイバー、ルックスザットキル、アピア…
歴代優勝馬からは南関東の短距離重賞を複数回勝利している“スピードスター”が誕生している。

スピードの指標の1つとなるのが「タイム」。
過去10年の平均勝ちタイムは「1:12.49」となっており、最速タイムは2023年にフジコチャンが走破した「1:11.7」だ。
このタイムは2011年にミヤサンキューティが叩き出したレースレコード「1:11.6」に迫る好タイムだった。

大井競馬場は2023年10月末の開催よりオーストラリア産の砂を採用。
“重い砂”と評されており、2024年6月までの開催で1分12秒台を計測したのは4回、最速タイムは「JBCスプリント(Jpn1)」の1:12.0となる。
近年の優駿スプリントは1分11秒台の高速決着が続いていたが、力のいる馬場となったことで底力も求められることだろう。

なお、3歳の1,200m戦に限定すると、最速タイムはカヌレフレイバーの1:13.2。
砂が入れ替わって以降、1分13秒台は3回計測されているが、その内の2回はカヌレフレイバーだ。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

若手騎手が活躍!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2023年 森 泰斗 藤本 現暉 澤田 龍哉
2022年 本田 正重 岡村 健司 笹川 翼
2021年 張田 昂 今野 忠成 左海 誠二
2020年 繁田 健一 御神本 訓史 本橋 孝太
2019年 伊藤 裕人 森 泰斗 川島 正太郎
2018年 西 啓太 赤岡 修次 本田 正重
2017年 赤岡 修次 的場 文男 左海 誠二
2016年 矢野 貴之 上田 健人 笹川 翼
2015年 早田 功駿 赤嶺 亮 的場 文男
2014年 御神本 訓史 本橋 孝太 瀧川 寿希也

若手騎手の活躍に注目!

1990年生まれの「早田功駿元騎手」は、2015年の優駿スプリントが初の重賞タイトル!
主戦を務めたルックスザットキルとのコンビでは、合計3つのタイトルを獲得している。

1994年生まれの「西啓太騎手」も、2018年の優駿スプリントが初タイトル。
手綱を取ったクルセイズスピリツとのコンビでは、2020年8月に当時の「大井1,000m」のレコードタイム(58.8)をマークしている。

さらに、1990年生まれの「伊藤裕人騎手」。
デビュー11年目となった2019年の優駿スプリントをナガタブラックで制し、嬉しい初タイトルを獲得。
また、1987年生まれではあるものの、2013年にデビューした「張田昂騎手」は2021年にワールドリングで優勝している。

昨年は1981年生まれの「森泰斗騎手」が勝利したが、2着は1997年生まれの「藤本現暉騎手」、3着は1991年生まれの「澤田龍哉騎手」だった。

ちなみに、「早田功駿元騎手」「西啓太騎手」「張田昂騎手」は“父も騎手”という共通点がある。
「早田功駿元騎手」の父は大井の「早田秀治元騎手」、「西啓太騎手」の父は岩手で活躍していた「西康志元騎手」、
「張田昂騎手」の父は「張田京調教師」だ。

堅実な大井、近年の勝ち星は船橋、大井、川崎で互角

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 0 3 17 0.0% 0.0%
船橋 2 1 4 26 6.1% 9.1%
大井 6 7 2 62 7.8% 16.9%
川崎 2 2 1 23 7.1% 14.3%

地元の「大井所属馬」は6勝、2着7回、3着2回。
過去10年で連対を外したのは1回という堅実ぶり。

ただし、直近7年の勝ち馬は「大井」が3勝、「船橋」「川崎」が2勝ずつと勝ち星を分け合っている。

二桁人気馬の激走

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 3 0 4 30.0% 60.0%
2人気 2 2 0 6 20.0% 40.0%
3人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
4人気 0 0 1 9 0.0% 0.0%
5人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
6人気以下 3 5 7 93 2.8% 7.4%

信頼度No.1は「1番人気馬」の3勝、2着3回だが…

注目は「6番人気以下」の3勝、2着5回、3着7回だろう。
さらに注目したいのは二桁人気の馬で、1勝、2着3回、3着3回は「10番人気以下」の馬によるものだ。

ちなみに、二桁人気で激走した7頭のうち、6頭が前走からの「距離短縮」だった。

高配当の傾向

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2023年 930 9,280 149,610
2022年 560 13,480 138,150
2021年 820 2,100 55,480
2020年 170 4,110 105,230
2019年 1,590 3,110 299,330
2018年 4,780 31,940 1,389,700
2017年 2,890 1,050 76,140
2016年 450 1,060 71,690
2015年 270 690 16,580
2014年 110 5,820 41,700
平均 1,257 7,264 234,361

「単勝」の平均配当は「1,257円」。
2017年~2019年は高配当だったものの、全体的には低めの配当が多い。

一方、「馬複」は4桁配当が7回、万馬券が2回。
同様に「三連単」も高めの配当が期待できそうで、過去10年の三連単最低配当は16,580円となっている(次点は41,700円)。

真ん中の枠が安定!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 0 19 5.0% 5.0%
2枠 1 1 0 18 5.0% 10.0%
3枠 2 2 0 14 11.1% 22.2%
4枠 2 3 2 13 10.0% 25.0%
5枠 0 2 2 16 0.0% 10.0%
6枠 2 2 3 13 10.0% 20.0%
7枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%
8枠 1 0 2 17 5.0% 5.0%

枠番別の成績は「内枠有利」の傾向。
連対馬20頭中、18頭が「6枠以内」となっており、とりわけ「3枠」「4枠」「6枠」の中間枠が良さそう。

ただし、直近2年は「7枠」「8枠」がともに1勝、3着1回。
全13回の優駿スプリント史の中で、「7枠」「8枠」が連対したのはこの1回ずつしかないが果たして…

なお、砂が入れ替わってからの傾向も気になるところ。
こちらのデータは直近3か月の大井1,200mの人気・枠順別の成績だが、内~外まで極端な差は出ていないようだ。

牝馬だって速い!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 5 9 88 8.1% 12.6%
牝馬 1 5 1 39 2.2% 13.0%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

「牡馬」が9勝、2着5回に対して、「牝馬」は1勝、2着5回。

3歳スプリント路線は牡馬/牝馬ともに「優駿スプリント」が大目標のレース。
“スピードスター”には性別など関係ない!ということだろう。

トライアル優勝馬に注目

【優駿スプリントトライアル(優駿STR)の成績】

優駿STR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
優駿STR1着 2 4 0 3 22.2% 66.7%
優駿STR2着 0 0 3 7 0.0% 0.0%
優駿STR3着 0 1 1 6 0.0% 12.5%
優駿STR4着以下 2 0 0 40 4.8% 4.8%

「優駿スプリント」と「同コース」「同距離」で行われる最重要トライアル。

過去10年のトライアル優勝馬のうち、9頭が優駿スプリントに参戦して2勝、2着4回。
上表を見ても明らかなように、トライアル敗戦から巻き返すケースはほとんど無いのが現状だ。

2024年優駿スプリントトライアルの結果

重賞昇格でレベルアップ?

【若潮スプリント】

若潮スプリント着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
若潮スプリント1着 1 0 1 2 25.0% 25.0%
若潮スプリント2着 1 0 1 3 20.0% 20.0%
若潮スプリント3着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
若潮スプリント4着以下 0 2 1 11 0.0% 14.3%

「若潮スプリント」は2019年から実施されている優駿スプリントのトライアル競走。
2021年からは重賞に昇格した注目の一戦だ。

「若潮スプリント」出走組はのべ27頭が参戦して2勝、2着2回、3着3回。
抜群の成績というわけではないが、2019年の第1回から5年連続で3着内馬を送り出している。

なお、「若潮スプリント」4着以下の馬は2着2回、3着1回だが、3頭全てが「若潮スプリント」の4着馬だった。
まだまだデータは少ないものの、重賞上位馬には是非とも注目したいところだろう。

2024年若潮スプリントの結果

コース経験は重要なファクター!?

【大井1,200m経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 6 8 5 91 5.5% 12.7%
経験なし 4 2 5 37 8.3% 12.5%

優駿スプリントの舞台である「大井1,200m」の経験があるか否か。

「経験あり」が6勝、2着8回、3着5回と優勢。
出走頭数の関係上、連対率には大きな差はないものの“経験が生きている”ということが言えそうだ。

さらに、細かく見てみよう。
「大井1,200m」を3勝以上している馬の成績は以下の通り。

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3勝以上馬 2 2 0 14 11.1% 22.2%

「大井1,200m」を3勝以上している馬は2勝、2着2回。
連対率は22.2%となっており、前述の大井1,200mの「経験あり(連対率12.7%)」よりも高くなっている。
大井1,200mが得意な馬は要チェックとなりそうだ。

優勝は逃げ先行、2着は先行、3着は追い込み

【1~3着馬の4コーナー通過順】

1着 2着 3着
1番手 3 0 2
2~5番手 6 7 1
6~10番手 1 3 3
11番手以降 0 0 4

「1~3着馬」の「4コーナーでの位置取り」はご覧の通り。

着順別に綺麗な傾向が出ている。
「1着馬」の位置取りは「1番手」の3回と「2~5番手」の6回。
「2着馬」は「2~5番手」の7回と「6~10番手」の3回、「3着馬」は「6~10番手」の3回と「11番手以降」の4回が目立つところ。

位置取り順といえばそうだが、先行勢一辺倒かと言われるとそうではない。 差し馬の台頭も期待して良さそうだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は7月18日(木)に船橋競馬場で行われる「習志野きらっとスプリント(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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