~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年12月30日(火) 
サラ系3歳以上牝馬 大井1,600m
東京シンデレラマイル(S3)

レース紹介

ガラスの蹄鉄を履くのは!?「東京シンデレラマイル(S3)」!
南関東所属馬のみで争われる唯一の牝馬重賞!
“南関東No.1牝馬”の座をかけた争いは年末の風物詩にもなっている。

▼データ分析のポイント
・名字に「本」がある騎手が8年連続で3着内
・オープン馬(A1格付)が好成績
・トライアル優勝馬を狙いたい

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 フェブランシェ 大井 リアルスティール 1人気
2023年 スピーディキック 浦和 タイセイレジェンド 1人気
2022年 スピーディキック 浦和 タイセイレジェンド 1人気
2021年 ダノンレジーナ 浦和 ダノンバラード 2人気
2020年 ダノンレジーナ 浦和 ダノンバラード 1人気
2019年 ローレライ 大井 ゴールドアリュール 5人気
2018年 ラーゴブルー 川崎 ハーツクライ 1人気
2017年 ニシノラピート 大井 サウスヴィグラス 11人気
2016年 トーセンセラヴィ 浦和 ディープインパクト 1人気
2015年 ブルーチッパー 大井 ボーナスフィーバー 2人気

過去10年でフルゲート16頭立ては7回(競走除外・出走取消を除く)、15頭立てが2回。
出走メンバーもバラエティに富んでおり、本競走が初タイトルの馬、ダートグレード競走の上位馬、さらには連覇が2頭いる。

種牡馬では、一時代を築いたゴールドアリュール、サウスヴィグラス、芝実績のあるディープインパクト、ハーツクライ。
「JBCスプリント(Jpn1)」覇者タイセイレジェンド、超ビッグネームを輩出したリアルスティール…

母系に目を向けてみると、トーセンセラヴィの母トーセンジョウオーは、南関東のダートグレード競走を6勝している。
また、ラーゴブルーも牝系をさかのぼると名馬が多く、母はトゥザヴィクトリーの半妹、自身はデニムアンドルビーの半妹。
フェブランシェの母マイティースルーはパッシングスルー、シェダル、スルーセブンシーズと計4頭の重賞馬を送り出している。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

「本」!「本」!「本」!「本」!「本」!「本」!「本」!「本」!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 吉原 寛人 笹川 翼 御神 訓史
2023年 御神 訓史 西 啓太 森 泰斗
2022年 御神 訓史 町田 直希 矢野 貴之
2021年 橋 孝太 真島 大輔 森 泰斗
2020年 橋 孝太 笹川 翼 矢野 貴之
2019年 田 正重 今野 忠成  現暉
2018年 御神 訓史 的場 文男 真島 大輔
2017年 的場 文男 橋 孝太 今野 忠成
2016年 森 泰斗 藤井 勘一郎 阿部 龍
2015年 森 泰斗 真島 大輔 笹川 翼

12月29日「東京大賞典(G1)」、30日「東京シンデレラマイル」、31日「東京2歳優駿牝馬(S1)」。
年の瀬の3重賞は毎年のように盛り上がりを見せる。

過去10年で連覇を達成した騎手は3名。
現役騎手に絞ると2020年&2021年「本橋孝太騎手」、2022年&2023年「御神本訓史騎手」の2名となる。

まずは「本橋孝太騎手」に焦点を当てると…2021年&2022年に「東京2歳優駿牝馬」を連覇。
したがって、2021年は「東京シンデレラマイル」⇒「東京2歳優駿牝馬」と2日連続でタイトルを獲得しているのだ。

続いて「御神本訓史騎手」は過去10年で3勝、3着1回。
上記の通り2022年&2023年を連覇し、翌2024年には3着に好走している。
「御神本訓史騎手」は「東京大賞典」及び「東京2歳優駿牝馬」の勝利実績がないので、“連日の重賞奪取”と言うシーンはない。

ちなみに、歴代で「東京シンデレラマイル」&「東京2歳優駿牝馬」を連勝した騎手は「本田正重騎手(2019年)」と「本橋孝太騎手」の2名。
「東京大賞典」を含めた3日連続優勝者はおらず、「東京大賞典」&「東京2歳優駿牝馬」を勝利した騎手は「内田博幸(2005年)」のみだ。

最後に、余談ではあるが「本」が名字に入っている騎手が2018年~2023年まで6連覇。
さらに、2着1回、3着2回で、目下のところ8年連続で3着内に好走している。

今年最後の大井開催!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 5 0 2 12 26.3% 26.3%
船橋 0 1 2 21 0.0% 4.2%
大井 4 8 4 75 4.4% 13.2%
川崎 1 1 2 17 4.8% 9.5%

地元の「大井所属馬」は4勝、2着8回、3着4回の成績。
これを上回る勝ち星を獲得しているのが5勝、3着2回の「浦和所属馬」だ。

なお、南関重賞における「船橋所属馬」の0勝は、ダートグレード競走と実施回数10回未満の重賞を除くと「東京シンデレラマイル」のみ。
本競走が始まってからの10年間では6勝を挙げているので、「船橋所属馬」の傾向としては下降線もしくは底となっている。

さて、この大井開催は2025年の大トリとなるので、今年のリーディング争いに注目してみよう。
12月5日終了時点の大井リーディングトレーナーは…

1位:荒山勝徳厩舎[73勝]
2位:藤田輝信厩舎[65勝]
3位:的場直之厩舎[53勝]
4位:坂井英光厩舎[46勝]
5位:渡邉和雄厩舎[43勝]
5位:真島大輔厩舎[43勝]

トップは3年連続の大井リーディングを目指す荒山勝徳厩舎(2023年66勝、2024年66勝)。
今年は前2年を上回るペースで勝ち星を挙げており、勝率32.4%もさることながら、連対率50.7%は驚異的といって良い。
重賞タイトル数は2023年1勝、2024年3勝に対して、2025年は12月5日時点で9勝。
各カテゴリで有力馬を抱えているが、
今年のハイライトはファーンヒルの「JBCスプリント(Jpn1)」、ディクテオンの「コリアカップ(韓国・G3)」だろう。

また、5位タイにつけている「真島大輔厩舎」も見逃せない。
トップジョッキーから調教師に転身、2024年に開業した新しい厩舎だが、2年目となる今年は既にTOP5入りを狙える位置につけている。

2025年大井リーディングトレーナーはこちら

ちなみに、大井以外のリーディングは以下の通り(12月19日時点)。
▽浦和:小久保智厩舎(2008年から18年連続 ※1開催を残して2位とは32勝差)
▽船橋:川島正一厩舎(2023年以来、4回目)
▽川崎:高月賢一厩舎(2016年から10年連続)

1・2番人気はセットがお得!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 6 1 0 3 60.0% 70.0%
2人気 2 2 2 4 20.0% 40.0%
3人気 0 1 1 8 0.0% 10.0%
4人気 0 1 4 5 0.0% 10.0%
5人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
6人気以下 1 4 3 97 1.0% 4.8%

「1番人気馬」が6勝、2着1回の成績。
激戦必至の重賞にあって「1番人気馬」が強さを見せている一方、3頭の馬は馬券圏外となっている。

また、3着内に好走した率では「2番人気馬」が60.0%と安定。
「1・2番人気馬」が同時に3着内に好走したケースは5回なので、「1番人気馬」が連対した7回中、5回は「2番人気馬」も一緒だったことになる。

一方、人気薄の激走にも注意したいところ。
「6番人気以下」は1勝、2着4回、3着3回となっており、直近3年はいずれも該当馬が3着内に好走しているのだ(2着2回、3着1回)。

年末最後にビッグ配当?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 270 2,110 15,020
2023年 120 520 16,190
2022年 130 3,350 14,030
2021年 320 750 12,290
2020年 140 1,050 5,730
2019年 1,090 12,870 113,680
2018年 190 630 3,870
2017年 6,150 27,690 2,405,610
2016年 150 460 2,690
2015年 350 220 4,010
平均 891 4,965 259,312

前項の通り1、2番人気が8勝、2着3回、3着2回の成績を残しているが…
「馬複」の平均配当は4,965円、「三連単」は平均259,312円と一筋縄ではいかない結果に。

平均値を押し上げている2017年のビッグ配当を除いてみると、「馬複」の平均は2,440円、「三連単」は20,834円。
上位人気馬の3着内率は高いので「三連単」は落ち着いた配当が多い一方、2着数の多い6番人気以下の活躍で「馬複」は高めの配当となっている。

多頭数で行われる牝馬重賞。
堅い決着となるケースも少なくはないが、年末最後に夢を見るのも悪くないかもしれない。

枠順による有利不利は少なそう

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 2 2 1 13 11.1% 22.2%
2枠 2 0 3 14 10.5% 10.5%
3枠 0 3 0 16 0.0% 15.8%
4枠 1 2 1 16 5.0% 15.0%
5枠 1 0 0 18 5.3% 5.3%
6枠 1 1 3 15 5.0% 10.0%
7枠 2 1 2 15 10.0% 15.0%
8枠 1 1 0 18 5.0% 10.0%

「東京シンデレラマイル」のレース名通り、「大井1,600m」で争われる。
フルゲートは16頭、過去10年では2022年を除く全てのレースが15頭以上の多頭数でレースが実施されている。

過去10年の勝利数は「1~4枠」と「5枠~8枠」がそれぞれ5勝ずつ。
また、2着数は「1~4枠」の7回に対して、「5枠~8枠」は3回、3着数は「1~4枠」と「5枠~8枠」がともに5回となっている。
2着数だけ「1~4枠」が若干多いものの、3着内に好走した数では互角と言って良さそうだ。

ちなみに、「7枠」と「8枠」は計3勝しているわけだが、うち2回は「馬複」「三連単」ともにビッグ配当。
高配当のカギは「7枠」と「8枠」の人気薄が握っているのかもしれない。

4歳と5歳が活躍

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 1 2 4 30 2.7% 8.1%
4歳 4 3 1 29 10.8% 18.9%
5歳 4 1 3 30 10.5% 13.2%
6歳 1 3 0 25 3.4% 13.8%
7歳以上 0 1 2 11 0.0% 7.1%

牝馬なので「7歳以上馬」の出走数は少ない傾向。

勝利数が最も多いのは「4歳馬」と「5歳馬」でそれぞれ4勝ずつを占めている。
また、初の古馬戦となるケースが多い「3歳馬」も“斤量1kg減”の恩恵を生かせているようだ。

格の違いを見せつける!

【斤量別の成績】

斤量 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
56kg以上 7 6 5 32 14.0% 26.0%
54~55kg 3 2 4 60 4.3 7.2%
53kg以下 0 2 1 33 0.0% 5.6%

東京シンデレラマイルの負担重量はクラス別定で以下の通りとなる。

▼A1級56kg A2級55kg B1級以下53kg 3歳馬1kg減
2023.12.26から2025.12.19までのダートグレード競走/JRA重賞勝ち馬2kg、南関重賞勝ち馬1kg加増
(2歳・3歳限定競走の成績を除く)

A1馬、いわゆるオープン馬は「56kg以上(※)」を背負うことになるが、「56kg以上」の成績は7勝、2着6回、3着5回。
実績馬の貫禄というべきもので、勝率、連対率は「54~55kg」及び「53kg以下」を大きくリードしている。

なお、「53kg以下」での好走例は、
2017年3着グラスサファイヤ(52kg)、2022年2着トップザビル(53kg)、2024年2着マーブルマカロン(53kg)となる。

※3歳馬は1kg減なので、3歳馬のA1級は「55kg以上」
(2020年3着アクアリーブル、2021年3着ケラススヴィア、2022年優勝スピーディキックが「55kg」に該当)

上位馬は要注目!

【ロジータ記念の着順別の成績】

ロジータ記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ロジータ記念1着 1 1 0 6 12.5% 25.0%
ロジータ記念2着 0 1 1 2 0.0% 25.0%
ロジータ記念3着 0 0 1 1 0.0% 0.0%
ロジータ記念4着以下 0 0 2 10 0.0% 0.0%

秋の3歳女王決定戦「ロジータ記念(S1)」。
3歳牝馬のトップクラスが集結するレースで、上位馬が東京シンデレラマイルに転戦してくることも多い。

「ロジータ記念」の1~3着馬はのべ14頭が参戦して1勝、2着2回、3着2回。
3着内率は35.7%と高く、上位馬が出走してくるようなら是非とも注目したいところだろう。

2025年ロジータ記念の結果

最重要トライアル

【東京シンデレラマイルトライアル(トライアル)の着順別の成績】

トライアル着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
トライアル1着 2 0 2 3 28.6% 28.6%
トライアル2着 0 0 0 5 0.0% 0.0%
トライアル3着 1 3 0 1 20.0% 80.0%
トライアル4着以下 0 0 0 18 0.0% 0.0%

2025年で8回目となる「東京シンデレラマイルトライアル(※)」。
本番と同条件「大井1,600m」で行われているので、重要な参考レースと言っていいだろう。
※2025年は「'25ローズベール賞(準重賞)」が該当

それは結果を見ても明らか。
過去7回のトライアル3着内の馬はのべ17頭が出走して3勝、2着3回、3着2回。
特にトライアル優勝馬は相性が良く、該当馬は過去7回全てに出走して2勝、3着2回、4着1回、7着1回、11着1回だ。

同条件ということで転戦馬が非常に多いだけに、レース内容は是非ともチェックしたいところ。

2025年ローズベール賞の結果

【JBCレディスクラシック(JBC)の着順別の成績】

JBC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
JBC1着 0 0 0 0 - -
JBC2着 0 0 0 0 - -
JBC3着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
JBC4着以下 4 2 1 17 16.7% 25.0%

ダート女王決定戦「JBCレディスクラシック(Jpn1)」。

ここは上位馬の参戦が少なく、「JBCレディスクラシック4着以下」からの巻き返しに期待となる。
該当馬はのべ24頭出走して4勝、2着2回、3着1回となっており、2023年はJBCレディスクラシック組が3着内を独占した。

実際のところ、南関東でJBC競走が開催された年に親和性が高くなる傾向にあり、船橋開催だった今年は転戦馬も多くなりそうだ。

2025年JBCレディスクラシックの結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は2歳女王決定戦!12月31日(水)大晦日に大井競馬場で行われる「東京2歳優駿牝馬(S1)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

データ満載!南関東4競馬場の情報は「nankankeiba.com」をチェック!

南関東4競馬場公式ウェブサイト nankankeiba.com

>重賞一覧