~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年12月3日(水) 
サラ系3歳以上 大井1,800m
勝島王冠(S2)

レース紹介

東京大賞典トライアル!「勝島王冠(S2)」!
南関東の中長距離ランナーはもちろん、短~マイルが得意な馬も参戦する1,800m戦。
東京大賞典トライアルとしての役割も担い、1着馬には同レースへの優先出走権が付与される。

▼データ分析のポイント
・大井所属の人馬が活躍
・マイルグランプリと埼玉新聞栄冠賞の連対馬に注目
・前走が非重賞組は1,800m以上からの転戦馬を狙いたい

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 キングストンボーイ 大井 ドゥラメンテ 2人気
2023年 サヨノネイチヤ 大井 ダノンレジェンド 5人気
2022年 ライトウォーリア 川崎 マジェスティックウォリアー 8人気
2021年 コズミックフォース 大井 キングカメハメハ 2人気
2020年 カジノフォンテン 船橋 カジノドライヴ 4人気
2019年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 1人気
2018年 モジアナフレイバー 大井 バトルプラン 3人気
2017年 ディアドムス 大井 ジャングルポケット 1人気
2016年 セイスコーピオン 川崎 デュランダル 1人気
2015年 ムサシキングオー 大井 キングヘイロー 2人気

今年で17回目を迎える勝島王冠。
以前はオープン・準重賞競走として実施されており、歴代優勝馬にはボンネビルレコード、オリオンザサンクスなどの名前もある。

近年は「東京大賞典(G1)」への重要なステップレースとして注目度もアップ!
2019年は勝島王冠1着モジアナフレイバー、同2着ノンコノユメ、2020年は勝島王冠1着カジノフォンテンが東京大賞典でも好走している。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

大井ジョッキーが好成績

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 御神本 訓史 西 啓太 矢野 貴之
2023年 西 啓太 矢野 貴之 落合 玄太
2022年 矢野 貴之 安藤 洋一 御神本 訓史
2021年 御神本 訓史 真島 大輔 松崎 正泰
2020年 張田 昂 笹川 翼 繁田 健一
2019年 繁田 健一 真島 大輔 吉原 寛人
2018年 繁田 健一 森 泰斗 笹川 翼
2017年 岡部 誠 笹川 翼 瀧川 寿希也
2016年 森 泰斗 的場 文男 和田 譲治
2015年 笹川 翼 達城 龍次 矢野 貴之

大井所属のトップジョッキーが好成績。

直近4年で2勝、3着1回の「御神本訓史騎手」。
そして、1勝、2着1回、3着1回の「矢野貴之騎手」が抜群の相性を誇る。
上記の2名は直近4年で1回ずつ4着以下に敗れているが、その時の着順は両騎手ともに4着だった。

また、同じく大井所属の「西啓太騎手」がサヨノネイチヤとのコンビで2023年に優勝、翌2024年は2着。
2023年の勝利は自身5年半ぶりのタイトルとなり、さらにそこから8か月ほどで5つのタイトルを積み重ねている。

地元勢強し!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 1 0 16 0.0% 5.9%
船橋 1 2 4 31 2.6% 7.9%
大井 7 6 6 72 7.7% 14.3%
川崎 2 1 0 6 22.2% 33.3%

地元の「大井所属馬」が7勝、2着6回、3着6回。
前項「騎手の傾向」でも「大井所属騎手」が活躍しているので、人馬ともに「大井所属」には注目だ。

ただし、矢野貴之騎手の1勝、2着1回、3着1回は、全て大井以外の所属馬とコンビを組んでいる。

1番人気馬から手広く流したい

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 3 2 2 30.0% 60.0%
2人気 3 3 0 4 30.0% 60.0%
3人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
4人気 1 0 0 9 10.0% 10.0%
5人気 1 0 3 6 10.0% 10.0%
6人気以下 1 3 4 97 1.0% 3.8%

過去10年で「1番人気馬」は3勝、2着3回、3着2回と安定。
次いで「2番人気馬」が3勝、2着3回となり、「1・2番人気」だけで12頭の連対馬を送り出している。

一方、人気薄の「6番人気以下」も1勝、2着3回、3着4回と好成績。
2021年・22年は「6番人気以下」が3着内に2頭入り波乱を演出、2023年も該当馬が3着と気を吐いている。

ちなみに、「1・2番人気馬」が揃って3着内に好走した回数は4回、同様に「1番人気・6番人気以下」は5回。
馬券的には「1番人気馬」を軸にして「2番人気馬」と「6番人気以下」を相手にしたいところ。

堅い、ときどき大荒れ?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 530 510 5,530
2023年 1,140 1,970 60,650
2022年 1,400 35,530 571,750
2021年 470 3,460 356,530
2020年 990 2,150 12,210
2019年 190 250 5,320
2018年 480 640 9,220
2017年 350 3,140 63,720
2016年 160 370 9,780
2015年 390 1,510 30,110
平均 610 4,953 112,482

1番人気馬が活躍しているレース。
「三連単」で4桁配当は4回、1万円~3万円台の配当が2回と堅い決着の年は少なくない。

一方で“高額配当”の夢も。
2021年は30万円オーバー、2022年は50万円オーバーと高配当の決着だった。
※データ期間対象外ではあるが、2014年には三連単140万円超

さて、今年は堅い?それとも大荒れ!?

有利不利は少ない

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 1 2 13 5.9% 11.8%
2枠 2 2 2 13 10.5% 21.1%
3枠 1 0 2 16 5.3% 5.3%
4枠 3 1 0 16 15.0% 20.0%
5枠 1 3 1 15 5.0% 20.0%
6枠 0 0 2 18 0.0% 0.0%
7枠 1 3 0 16 5.0% 20.0%
8枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%

「6枠」を除く全ての「枠」で勝利実績。
2023年までは「5枠」のみ勝利実績がなかったものの、2024年に「5枠」がワンツーを決めている。
それと入れ替わる形で「6枠」が0勝となった形だが、連対率、3着内率を含めて総じて横一線と言って良いだろう。

大井1,800m(※)は直線中ほどからスタートし、外回りコースをグルっと1周する。
フルゲートは16頭で、多頭数となることも多い勝島王冠だが、データ上では有利不利は少ないようだ。

※同じ場所からスタートする1,600mは内回りコース

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 8 9 113 6.5% 12.2%
牝馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%
セン馬 1 2 1 11 6.7% 20.0%

過去10年で「牝馬」の出走は2023年のコスモポポラリタ1頭のみ(10着)。

若さと勢い!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 1 0 2 11 7.1% 7.1%
4歳 3 1 0 18 13.6% 18.2%
5歳 2 1 3 16 9.1% 13.6%
6歳 4 5 1 26 11.1% 25.0%
7歳以上 0 3 4 54 0.0% 4.9%

歴戦の古馬に混じる「3歳馬」だが、過去10年で1勝、3着2回とまずまずの成績を残している。

この時期の「3歳馬」といえば、負担重量の恩恵が検討材料の1つとなる。
勝島王冠の負担重量は「A1級57kg・A2級55kg・B1級以下54kg・3歳馬2kg減・牝馬2kg減」(※)。
2018年には斤量53kgのモジアナフレイバー(A2級)が優勝し、同53kgのリコーワルサーが3着に好走している。

また、「4歳馬」の活躍も見逃せない。
2019年には「4歳」となったモジアナフレイバーが2馬身差で連覇を達成し、2020年にはカジノフォンテンが2馬身差で勝利。
この2頭は勝島王冠の勝利を勢いに変えて、同年暮れの「東京大賞典」でも3着内に好走している。

経験豊富な馬で特徴的なのは「7歳以上馬」の未勝利。
南関東の重賞は「7歳以上馬」の活躍も珍しくないが、勝島王冠に限っては若さと勢いが勝っていると言えるだろう。

※2025年の場合は、基準の重量に以下が加増される
2023.12.4から2025.11.28までのダートグレード競走及びJRA重賞勝ち馬2kg、南関S1/S2重賞勝ち馬1kg加増
(2歳・3歳限定競走の成績を除く)

条件替わりで一変する馬は?

【大井マイル重賞の着順別の成績】

大井マイル重賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
大井マイル重賞1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
大井マイル重賞2着 1 1 0 5 14.3% 28.6%
大井マイル重賞3着 0 2 0 2 0.0% 50.0%
大井マイル重賞4着以下 0 0 1 27 0.0% 0.0%

勝島王冠の約1か月前には大井でマイル重賞が組まれている。
2015年~2019年及び2023年以降は「マイルグランプリ(S2)」、2020年~2022年は「サンタアニタトロフィー(S3)」が該当する。
※本項目の過去10年データも上記に準じるものとする

過去10年のマイル重賞1~3着馬はのべ13頭が勝島王冠に出走して2勝、2着3回。
一方、対照的なのが4着以下からの出走馬で、のべ28頭が出走したものの3着が1回あるのみだ。

「内回り1,600m」から「外回り1,800m」への条件替わり(※)で一変した馬は少なかったということだろう。
ちなみに、4着以下から3着に好走した1頭は、前年の勝島王冠を勝利していたムサシキングオーとなる。
※「マイルグランプリ&サンタアニタトロフィー」⇒「勝島王冠」に直行しているとは限らない

なお、2025年は「マイルグランプリ」が勝島王冠の約1か月前(中5週)に実施されている。

2025年マイルグランプリの結果

優勝馬の過信は禁物?

【東京記念の着順別の成績】

東京記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念1着 0 0 0 2 0.0% 0.0%
東京記念2着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
東京記念3着 0 1 0 5 0.0% 16.7%
東京記念4着以下 1 0 1 28 3.3% 3.3%

続いては距離が短縮するパターン。
勝島王冠の約3か月前に行われている2,400mの長距離重賞「東京記念(S2)」。

過去10年で「東京記念」優勝馬の参戦は2頭のみではあるが、いずれも4着以下に敗れている。
2回ともに勝島王冠では2番人気以内に支持されているので、データ上は“危ない人気馬”ということになりそうだ。

「東京記念4着以下」からは、のべ30頭が出走して1勝、3着1回。
こちらも目立った数字ではないが、該当の2頭(2015年3着アウトジェネラル・2017年1着ディアドムス)は、ともに1,800mの重賞ウイナーだった。

2025年東京記念の結果

苦戦気味

【埼玉新聞栄冠賞の着順別の成績】

埼玉新聞栄冠賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
埼玉新聞栄冠賞1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
埼玉新聞栄冠賞2着 1 0 0 5 16.7% 16.7%
埼玉新聞栄冠賞3着 0 0 1 2 0.0% 0.0%
埼玉新聞栄冠賞4着以下 0 1 0 21 0.0% 4.5%

浦和2,000m(※)で行われている「埼玉新聞栄冠賞(S3)」。
「浦和」⇒「大井」とコース形態は大きく異なるが、カテゴリー的には上記の参考レースの中で最も近しい。
※2020年以前は「浦和1,900m」で実施

過去10年の「埼玉新聞栄冠賞」1~3着馬はのべ11頭が参戦して2勝、3着1回。
同様に4着以下からは22頭が参戦して2着が1回なので、「埼玉新聞栄冠賞」組も総じて苦戦していると言えそうだ。

2025年埼玉新聞栄冠賞の結果

中長距離が得意な馬が好成績?

【前走の距離別の成績】

前走距離 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1,600m未満 0 0 1 9 0.0% 0.0%
1,600m 4 4 3 37 8.3% 16.7%
1,601m~1,800m未満 0 0 0 2 0.0% 0.0%
1,800m以上 6 6 6 77 6.3% 12.6%

最後に「前走の距離別の成績」をまとめてみよう。

好走馬が最も出ているのは、前走が「1,800m以上」の馬。
過去10年で6勝、2着6回、3着6回の成績を残しているように、中長距離指向の馬が活躍しているのが分かる。

続いて、前走が「1,600m」の馬が4勝、2着4回、3着3回。
マイルグランプリをはじめ、マイル戦の番組が比較的多いということもあるが、前走マイル組にも注目したい。

ちなみに、前走「1,800m以上」の6勝は、「埼玉新聞栄冠賞」連対組が2勝、その他の4勝は「非重賞」からの参戦。
前走「1,600m」の4勝は、「マイルグランプリ」連対組が2勝、「マイルCS南部杯(盛岡・Jpn1)」が1勝、「非重賞」が1勝となる。

上記を踏まえ、参考レースと掛け合わせての狙いは、
「埼玉新聞栄冠賞」と「マイルグランプリ」の連対馬、前走が「1,800m以上」の非重賞馬となるだろう。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は勝島王冠の翌日!大井競馬場で行われる2歳重賞「ジェムストーン賞(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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