2025年6月17日(火)　
サラ系4歳以上　川崎900m川崎スパーキングスプリント(S3)

南関東では最も距離の短い重賞「川崎スパーキングスプリント(S3)」！
川崎900m戦は年間150レースほど組まれる。
その最高峰に位置する本競走は究極のスピード決戦と言ってもいいだろう。

▼データ分析のポイント
・牝馬が過去10年で6勝
・「2枠」「3枠」の連対率が際立つ
・コース経験は関係なさそう

【過去の優勝馬】

2020年まではオープン特別として実施されていた一戦。
オープンクラス(A1)による900m戦は年数回という貴重な条件でもあり、歴代優勝馬にはスピードスターが並んでいる。

重賞に昇格した2021年以降の優勝馬4頭は全て複数のスプリント重賞勝ち馬。
2020年以前でもフラットライナーズ、ポッドギルが重賞勝ちの実績、ラディヴィナは本競走の連覇を含めて川崎900m戦で9戦8勝だった。
また、牝馬が6回優勝しているのも他の重賞にはない特徴だろう。

ちなみに、データ分析の対象期間外ではあるが、
2014年の優勝馬ユーリカが叩き出した「51.5秒」は現在も破られていない「川崎900m」のレコードだ。

参考までに2025年に行われた川崎900mの最高タイムは「日吉オープン＠パレスレガシー」の53.7秒だ。

過去の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

川崎900mが得意な騎手は！？

【騎手の傾向(敬称略)】

「川崎900m」という条件に焦点を当ててみよう。

2024年の川崎900mリーディングは「山崎誠士騎手」。
騎乗回数は78回で、12勝(勝率15.4%)、2着13回(連対率32.1%)、3着8回(3着内率42.3%)となっている。
(「山崎誠士騎手」は2022・23年も同リーディングを獲得)

その他の騎手では「町田直希騎手」が11勝(勝率18.0%)、2着12回(連対率37.7%)、3着4回(3着内率44.3%)とハイアベレージ。
「町田直希騎手」は2024年に重賞2勝、今年も「東京プリンセス賞(S1)」を優勝するなど6月4日時点で重賞3勝と調子が良さそう。

「川崎スパーキングスプリント」に限ると、好相性は直近3年で1勝、3着2回の「御神本訓史騎手」。
同騎手は2024年の「川崎900m」で6勝(勝率27.3%)、2着2回(連対率36.4%)、3着2回(3着内率45.5%)とさすがの成績だ。

2024年川崎900mリーディングはこちら
2025年川崎900mリーディングはこちら

船橋所属馬が圧倒

【所属競馬場別の成績】

「船橋所属馬」が6勝、2着2回、3着3回と抜群の成績。
特に1番人気に支持された際の成績が良く、該当馬は7頭で5勝、4着1回、5着1回となっている。

重賞昇格以降でも2021年カプリフレイバー、2023年キモンルビーが1番人気に応えて勝利を手にした。

究極のスピード勝負には紛れなし

【人気別成績】

スピードの絶対値を競うような条件。
ということが関係しているのかは分からないが、「1番人気」に支持された馬は勝率70.0%と圧倒している。
「1番人気馬」は2着、3着こそ0回ではあるものの、掲示板を外したことは1度も無い。

なお、「1番人気馬」は2021年の重賞昇格以降の4年間でも3勝。
信頼度は非常に高いと言って良いだろう。

配当も低めの傾向

【配当傾向】

「単勝」の平均は387円。
1番人気馬が結果を残すレースだけに堅い決着が多い。

「馬複」「三連単」も同様の傾向。
1番人気馬が3着内に好走しなかった年は2018年、2020年、2022年の3回だ。

内～真ん中が好成績

【枠番別の成績】

向こう正面入り口からスタートして、3、4コーナーから直線へ。
コーナーがきついと言われる川崎コースだが、先行争いと最後の勝負は直線を目一杯使って行われる。

全体的にはやや「内枠」が有利な傾向。
特に「2枠」「3枠」の連対率50.0%は際立っており、過去10年で「2枠」「3枠」がどちらも連対しなかった回数は僅かに1回だ。

ただし、最内枠となる「1枠」は連対率0.0%と大苦戦している。

牝馬が強い

【牡馬牝馬別の成績】

「牝馬」が6勝を挙げる活躍。
南関東の牡牝混合重賞は「牡馬優勢」の傾向にあるが、川崎スパーキングスプリントに限ると「牝馬優勢」だ。

重賞昇格以降もこの傾向に変わりはなく、2022年コパノフィーリング、2023年キモンルビーが牡馬勢を相手に勝利している。

4歳～6歳が活躍！リピーターも！

【年齢別の成績】

「4～6歳馬」の成績が良い。
南関東では7歳以上の経験馬が活躍する重賞も少なくないが、“スピード勝負”では若い馬たちに分がありだ。

なお、2020年までは「3歳馬」の出走が可能だったが、重賞昇格とともに出走条件が「4歳以上」となっている。

ちなみに、2016年＆2017年を連覇したフラットライナーズは「4歳～6歳」時に連対、2018年＆2019年を連覇したラディヴィナは「5歳～6歳」。
ポッドギルは「4歳」の2020年に優勝し、翌2021年に3着、コアレスピューマは「7歳」の2011年に勝利して「11歳」時に3着。
そして、2023年の覇者キモンルビーは前年の「5歳時」に3着だった。

オープンクラスでは貴重な条件なので、本競走を目標としたリピーターの活躍も目立つようだ。

斤量の軽い牝馬！

【斤量別の成績】

本競走の出走条件は以下の通り(重賞昇格後)。
▼A1級57kg A2級55kg B1級以下53kg 牝馬2kg減

2020年までは3歳馬が出走可能だったため「3歳馬2kg減」、加えて重賞ではなかったため減量騎手も適用されていた。
過去最低斤量は「48.0kg」、2020年は3歳ダンディーヴォーグが「☆中越琉世騎手(-1kg)」を起用して「50.0kg」だった。

という前提条件を踏まえて…
斤量「51kg以下」は3勝を挙げ、勝率17.6%はトップの成績。
いずれも牝馬が該当し、減量騎手は起用していないため、「格上挑戦の牝馬」が結果を残していることになる。

最重量で勝利した馬は2017年のフラットライナーズで「斤量58.0kg」。
当時は「重賞勝ち馬は加増」という条件があったため58.0kgを背負っているが、軽量馬相手に貫録を示した形だ。

なお、重賞昇格後は全て「A1級」が勝利している。
2kg減量の牝馬が2頭勝っているので、内訳は「57.0kg：2勝」「55.0kg：2勝」となり格上挑戦馬の勝利はない。

コース経験は関係ない？

【川崎900mの経験有無別の成績】

川崎900mを経験しているか否かの成績。
「経験あり」が5勝、2着8回、3着7回に対し、「経験なし」は5勝、2着2回、3着3回となる。

重賞昇格以降の4年間では「経験あり」が1勝、2着4回、3着4回。
「経験なし」が3勝の結果を残しているのは興味深いところだろう。

今回の「南関データ分析」はここまで！
次回は1か月後！7月16日(水)に大井競馬場で行われる「サンタアニタトロフィー(S3)」です！

南関データ分析とは

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