~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年10月22日(水) 
サラ系3歳以上 大井1,600m
マイルグランプリ(S2)

レース紹介

秋の南関東マイル王決定戦「マイルグランプリ(S2)」
南関東史に残る名馬が歴代優勝馬に名を連ねる。
春夏シーズンから続いてきたマイル重賞戦線の大団円、秋の南関東マイル王決定戦だ。

▼データ分析のポイント
・矢野貴之騎手が直近4年で3勝
・内枠の好走率が高い
・ステップレースの優勝馬に注目

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 スマイルウィ 船橋 エスポワールシチー 1人気
2023年 スマイルウィ 船橋 エスポワールシチー 1人気
2022年 ゴールドホイヤー 川崎 トランセンド 5人気
2021年 ティーズダンク 浦和 スマートファルコン 8人気
2020年 ミューチャリー 船橋 パイロ 2人気
2019年 ワークアンドラブ 大井 シニスターミニスター 5人気
2018年 クリスタルシルバー 大井 サムライハート 4人気
2017年 セイスコーピオン 川崎 デュランダル 5人気
2016年 セイスコーピオン 川崎 デュランダル 1人気
2015年 ソルテ 大井 タイムパラドックス 1人気

2021年の「JBCクラシック(Jpn1・金沢)」覇者ミューチャリーをはじめ、
南関重賞で大活躍のソルテ、ティーズダンク、スマイルウィなどのビッグネームが勝利を手にしている。

過去を遡ってもフジノウェーブ、アジュディミツオー、アブクマポーロ、コンサートボーイ…
南関東はもとより、地方競馬を代表する名馬たちが歴代優勝馬に名を連ねているのだ。

なお、2023年・24年と連覇中だったスマイルウィは、同年末の「ゴールドカップ(S1)」を最後に引退。
過去に連覇を果たした馬は2016年・17年のセイスコーピオン、1996年・97年のコンサートボーイの3頭となる。

ちなみに、スマイルウィは2022年が2着なので3年連続連対、その他ではグレンツェントが3年連続で2着(2019年~21年)に好走している。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

矢野貴之騎手が3勝!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 矢野 貴之 張田 昂 笹川 翼
2023年 矢野 貴之 本橋 孝太 御神本 訓史
2022年 山崎 誠士 張田 昂 森 泰斗
2021年 矢野 貴之 本田 正重 真島 大輔
2020年 御神本 訓史 本田 正重 本橋 孝太
2019年 笹川 翼 森 泰斗 御神本 訓史
2018年 岡部 誠 森 泰斗 本田 正重
2017年 赤岡 修次 真島 大輔 的場 文男
2016年 森 泰斗 柏木 健宏 矢野 貴之
2015年 吉原 寛人 笹川 翼 張田 昂

「矢野貴之騎手」が直近4年で3勝。
前述のスマイルウィで連覇したほか、2021年にはティーズダンクを勝利に導いている。

余談ではあるが、“マ”イルグランプリなので、名字が「ま行」の騎手に注目してみる。
過去10回の優勝騎手のうち、名字が「ま行」は「森泰斗元騎手」「御神本訓史騎手」の2名。
3着内に好走枠を広げると「本橋孝太騎手」「真島大輔元騎手」「的場文男元騎手」が挙げられる。

「や行」の騎手が現在4連覇中なのだが、今年は「ま行」の騎手が勝利を手にすることは出来るだろうか。

■「ま行」の騎手一覧
▽見越彬央騎手
▽室陽一朗騎手
▽本橋孝太騎手
▽松崎正泰騎手
▽御神本訓史騎手
▽増田充宏騎手
▽町田直希騎手
▽ミカエル・ミシェル騎手
※10月8日時点

近年は地元の大井勢が苦戦

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 2 1 14 5.6% 16.7%
船橋 3 4 2 15 12.5% 29.2%
大井 3 4 6 73 3.5% 8.1%
川崎 3 0 1 7 27.3% 27.3%

大井の重賞だが大井絶対ではない。
浦和を除く3場が3勝ずつで並び、勝率は「川崎所属馬」、連対率は「船橋所属馬」がNo.1の成績だ。

一方の「大井所属馬」は2019年のワークアンドラブを最後に優勝馬を送り出せていない。
2020年以降、5年間の成績は2着2回、3着3回と好走はしているのでソロソロ巻き返したいところだろう。

大混戦!

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 0 3 3 40.0% 40.0%
2人気 1 2 2 5 10.0% 30.0%
3人気 0 4 0 6 0.0% 40.0%
4人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
5人気 3 2 2 3 30.0% 50.0%
6人気以下 1 1 3 84 1.1% 2.2%

全ての人気馬に連対実績があるように“大混戦”だ。

勝率では「1番人気馬」の40.0%がトップ。
「1番人気馬」は3着も3回あるので、3着内率70.0%と3連勝式の軸としては信頼度が高そう。

その他、目立つところでは「5番人気馬」の3勝、2着2回、3着2回で、連対率は全体トップ、3着内率は「1番人気馬」と並んでトップタイだ。

上位人気馬2頭+人気薄?

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 280 760 8,580
2023年 150 340 1,420
2022年 860 2,880 59,220
2021年 2,740 8,880 56,000
2020年 470 2,000 52,070
2019年 1,420 4,780 30,440
2018年 1,610 1,740 358,210
2017年 1,520 3,260 26,630
2016年 200 2,250 28,680
2015年 140 790 18,510
平均 939 2,768 63,976

前項「人気別成績」が混戦模様だったように、配当金も高配当が期待できる。
ただし、1~5番人気馬が上位に入ることが多く、超ビッグ配当はそれほど多くない。

ちなみに、1~5番人気馬が上位3着内を独占した回数は過去10年で5回。
残りの5回は「6番人気以下が1頭だけ3着内」に入っているので、上位人気馬2頭+人気薄の組み合わせに妙味がありそうだ。

内枠に注目!!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1枠 1 1 3 10 6.7% 13.3% 33.3%
2枠 1 3 1 10 6.7% 26.7% 33.3%
3枠 1 1 2 12 6.3% 12.5% 25.0%
4枠 3 1 1 12 17.6% 23.5% 29.4%
5枠 0 3 0 16 0.0% 15.8% 15.8%
6枠 2 0 1 16 10.5% 10.5% 15.8%
7枠 0 1 1 17 0.0% 5.3% 10.5%
8枠 2 0 1 16 10.5% 10.5% 15.8%

多少のバラつきはあるものの、勝率は内~外まで互角、連対率は内枠が良い傾向にある。
さらに3着内率は「1枠~4枠」、「5枠~8枠」を比較すると明らかに「1枠~4枠」が有利となっている。

大井のマイル戦は直線の短い「内回りコース」が使用される。
優勝馬こそ枠番による差は少ないが、好走率となると「内枠勢」が優勢ということだろう。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 10 9 96 8.0% 16.0%
牝馬 0 0 0 4 0.0% 0.0%
セン馬 0 0 1 9 0.0% 0.0%

「牡馬」が10勝、2着10回、3着9回、「セン馬」が3着1回。
「牝馬」は出走頭数自体が少なく、好走例は2012年2着のラインジュエルまで遡らなければならない。

若馬の勢い

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 1 0 0 3 25.0% 25.0%
4歳 3 2 1 10 18.8% 31.3%
5歳 2 2 2 19 8.0% 16.0%
6歳 2 3 3 20 7.1% 17.9%
7歳以上 2 3 4 57 3.0% 7.6%

各年代から優勝馬が出ているが、出走頭数を鑑みると若馬に注目となる。
「3歳馬」は合計4頭ながら1勝を挙げ、「4歳馬」は合計16頭が参戦して3勝、2着2回、3着1回(3着内率37.5%)。
2018年~2021年には「4歳馬」が4年連続で連対(3勝)しており、勝率は全体2位、連対率は1位の成績だ。

ちなみに、連覇した2頭スマイルウィとセイスコーピオンはともに「6歳」「7歳」で勝利している。

マイルグランプリに直結するトライアル!

【マイルグランプリトライアル(TR)の着順別の成績】

マイルグランプリTR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
マイルグランプリTR1着 2 2 1 4 22.2% 44.4%
マイルグランプリTR2着 0 0 0 6 0.0% 0.0%
マイルグランプリTR3着 0 0 0 4 0.0% 0.0%
マイルグランプリTR4着以下 0 0 0 19 0.0% 0.0%

大井1,600mを舞台に行われるトライアルレース。
※2017年までのデータは、同条件の「ムーンライトカップ」、2023年はトライアルの「武蔵野オープン」を採用

「トライアル」の優勝馬と“本番”となるマイルグランプリは相性抜群!
2021年こそトライアル優勝馬の出走は無かったが、その他の9年は全て出走して2勝、2着2回、3着1回(3着内率55.6%)だ。

一方、トライアル2着馬、3着馬はのべ10頭が参戦して、3着内は0回。
重賞で勝ち負けするにはトライアルを勝ち切る実力が欲しいところだろう。

2025年マイルグランプリトライアルの結果

連対馬に注目

【スパーキングサマーカップ(SサマーC)の着順別の成績】

SサマーC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
SサマーC1着 1 0 1 1 33.3% 33.3%
SサマーC2着 0 1 1 2 0.0% 25.0%
SサマーC3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
SサマーC4着以下 1 0 0 11 8.3% 8.3%

2020年~2022年のマイルグランプリは夏季に実施。
したがって、同じく夏場に行われる「スパーキングサマーカップ(S2)」のデータは、この3年間を除く7回分のデータとなる。

「スパーキングサマーカップ」の優勝馬は3頭が参戦して1勝、3着1回。
転戦してくる馬は多くないものの、2023年のスマイルウィは「テレ玉杯オーバルスプリント(Jpn3)」2着を挟んで勝利している。

「スパーキングサマーカップ」2着馬も成績が良く、計4頭が参戦して2着1回、3着1回。
また、2024年は同レース10着のスマイルウィが巻き返して優勝したが、
「スパーキングサマーカップ」4着以下から好走したケースはその1回のみだ。

データ上では「スパーキングサマーカップ」組は“連対馬に注目”で良いだろう。

2025年スパーキングサマーカップの結果

同条件で行われる真夏のマイル重賞

【サンタアニタトロフィー(サンタアニタT)の着順別の成績】

サンタアニタT着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
サンタアニタT1着 1 1 1 2 20.0% 40.0%
サンタアニタT2着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
サンタアニタT3着 0 1 0 1 0.0% 50.0%
サンタアニタT4着以下 1 1 0 24 3.8% 7.7%

真夏に行われる大井マイル重賞。
2020年~2022年の期間中のみ、「夏のマイルグランプリ」と「秋のサンタアニタトロフィー」の関係だったので、
データはこの3年間を除いた7回分のデータとなる。

マイルグランプリと同じ「大井1,600m」という条件だけに関連性は高いレース。
過去7回の優勝馬はのべ5頭が参戦して1勝、2着1回、3着1回、3着内率は60.0%になる。

2024年こそ「サンタアニタトロフィー(S3)」の優勝馬は奮わなかったが、当然ながら今年も要チェックとなるだろう。

2025年サンタアニタトロフィーの結果


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は10月29日(水)に浦和競馬場で行われる「埼玉新聞栄冠賞(S3)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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