
真夏のスプリント決戦!「習志野きらっとスプリント(S2)」!
2011年に創設された地方競馬スーパースプリントシリーズ。
そのファイナルを担っていたレースだが、同シリーズは2023年をもって一区切りとなった。
ただし“地方交流”には変わりなく、今年も全国各地からスピード自慢が揃うだろう。
また、2025年は船橋1,000mを舞台に「JBCスプリント(Jpn1)」が実施されることもあり、例年以上に注目度が高くなること必至だ。
▼データ分析のポイント
・過去5年で1・2番人気のワンツーは4回
・牝馬も好成績
・必勝パターンは4角先頭
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2024年 | エンテレケイア | 浦和 | アジアエクスプレス | 1人気 |
2023年 | キモンルビー | 船橋 | コパノリチャード | 1人気 |
2022年 | ギシギシ | 大井 | アルデバラン2 | 1人気 |
2021年 | コパノフィーリング | 船橋 | ヘニーヒューズ | 2人気 |
2020年 | ノブワイルド | 浦和 | ヴァーミリアン | 1人気 |
2019年 | ノブワイルド | 浦和 | ヴァーミリアン | 3人気 |
2018年 | アピア | 大井 | ファスリエフ | 1人気 |
2017年 | スアデラ | 船橋 | ゴールドアリュール | 3人気 |
2016年 | フラットライナーズ | 船橋 | シニスターミニスター | 2人気 |
2015年 | ルックスザットキル | 大井 | Wildcat Heir | 1人気 |
南関東きっての快速馬たちが歴代優勝馬に名を連ねる。
過去9頭の優勝馬のうち、スアデラを除く8頭が複数のスプリント重賞を制しているのだ。
(連覇のノブワイルドは1頭としてカウント)
また、冬期の「船橋記念(S3)」とともに、船橋1,000m戦を目標としてきた馬たちには注目したい。
こちらは過去9頭の優勝馬のうち、4頭が「船橋記念」&「習志野きらっとスプリント」を勝利。
現役屈指(7/18現在)のスプリンターでもある昨年の覇者エンテレケイアも例外ではなく、2024年の上記2レースを制している。
名手たるゆえん
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2024年 | 吉原 寛人 | 森 泰斗 | 本橋 孝太 |
2023年 | 御神本 訓史 | 矢野 貴之 | 吉原 寛人 |
2022年 | 笹川 翼 | 御神本 訓史 | 本田 正重 |
2021年 | 森 泰斗 | 御神本 訓史 | 今野 忠成 |
2020年 | 左海 誠二 | 岡部 誠 | 本橋 孝太 |
2019年 | 左海 誠二 | 御神本 訓史 | 吉原 寛人 |
2018年 | 御神本 訓史 | 西 啓太 | 赤岡 修次 |
2017年 | 本田 正重 | 岩橋 勇二 | 戸崎 圭太 |
2016年 | 左海 誠二 | 森 泰斗 | 笹川 翼 |
2015年 | 早田 功駿 | 町田 直希 | 本田 正重 |
「御神本訓史騎手」が直近7年で2勝、2着3回と抜群の相性。
この間、1番人気が4回、3番人気&4番人気が1回、6番人気が1回なので、人気を背負ってもキッチリと好走に導いている。
※4着以下に敗れた2回は4番人気(競走中止)と6番人気(13着)
その他、直近では「吉原寛人騎手」「笹川翼騎手」「森泰斗元騎手」が勝利。
人気馬の手綱を取ることの多いトップジョッキーが結果を出している重賞と言えそうだ。
ちなみに、上記ジョッキーたちが直近で樹立した成績は以下の通り。
■御神本訓史騎手:地方通算3,000勝まで残り70勝弱(7/18現在)
■吉原寛人騎手:2025年6月2日 地方通算3,200勝
■笹川翼騎手:2025年6月30日 地方通算2,300勝
■森泰斗元騎手:2025年3月18日 調教師試験に合格!
名手の活躍する南関東のレースは見どころ満載だ。
南関東優勢
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 3 | 1 | 4 | 8 | 18.8% | 25.0% |
船橋 | 4 | 4 | 3 | 29 | 10.0% | 20.0% |
大井 | 3 | 4 | 0 | 18 | 12.0% | 28.0% |
川崎 | 0 | 0 | 1 | 12 | 0.0% | 0.0% |
南関以外 | 0 | 1 | 2 | 37 | 0.0% | 2.5% |
各地から韋駄天が集結する一戦。
勝ち星としては「南関東所属馬」が全10勝を挙げている。
その中で「川崎所属馬」は0勝と劣勢だが、他の「浦和・船橋・大井」の各所属馬は互角と見て良さそうだ。
なお、「南関東以外」の内訳は、2017年2着タイセイバンデット(北海道)、2018年3着サクラレグナム(高知)。
優勝馬は全て1~3番人気馬!
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 6 | 2 | 1 | 1 | 60.0% | 80.0% |
2人気 | 2 | 3 | 0 | 5 | 20.0% | 50.0% |
3人気 | 2 | 2 | 0 | 6 | 20.0% | 40.0% |
4人気 | 0 | 3 | 1 | 6 | 0.0% | 30.0% |
5人気 | 0 | 0 | 3 | 7 | 0.0% | 0.0% |
6人気以下 | 0 | 0 | 5 | 79 | 0.0% | 0.0% |
人気馬が確実に結果を残している。
過去10年の優勝馬は全て「1~3番人気馬」で、連対馬の全20頭中、17頭を「1~3番人気馬」が占めている。
また、直近5年のうち、「1・2番人気馬」によるワンツーは4回、残りの1回も「1・3番人気馬」によるものだ。
ただし、「1~3番人気馬」の3着は1回(1番人気馬)のみで、上位3着内を独占したケースは2011年を最後に出ていない。
となると、注目は3着の多い「5番人気馬」と「6番人気以下」の馬たち。
こちらも直近5年を見てみると…3着は全て「5番人気馬」か「6番人気以下」だった。
配当金も低い
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2024年 | 330 | 750 | 12,840 |
2023年 | 210 | 470 | 9,810 |
2022年 | 250 | 580 | 6,000 |
2021年 | 370 | 490 | 32,300 |
2020年 | 290 | 450 | 7,610 |
2019年 | 590 | 730 | 13,250 |
2018年 | 160 | 850 | 23,130 |
2017年 | 400 | 2,020 | 10,420 |
2016年 | 380 | 1,200 | 14,350 |
2015年 | 250 | 700 | 5,590 |
平均 | 323 | 824 | 13,530 |
上位人気馬が活躍しているため、配当金も落ち着く傾向にある。
特に「単勝」はその傾向が顕著となっており、最高配当は590円、過去10年の平均配当は323円という低さだ。
前項「人気別の成績」の通り、「6番人気以下」の3着が多いので、三連単及び三連複で高配当を狙っても良いだろう。
「6枠」「7枠」が好成績
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0.0% | 0.0% |
2枠 | 0 | 3 | 0 | 7 | 0.0% | 30.0% |
3枠 | 3 | 0 | 0 | 16 | 15.8% | 15.8% |
4枠 | 2 | 0 | 3 | 14 | 10.5% | 10.5% |
5枠 | 0 | 0 | 2 | 16 | 0.0% | 0.0% |
6枠 | 1 | 3 | 3 | 12 | 5.3% | 21.1% |
7枠 | 3 | 3 | 1 | 12 | 15.8% | 31.6% |
8枠 | 1 | 1 | 1 | 17 | 5.0% | 10.0% |
「6枠」と「7枠」の好走率が高い傾向。
連対率トップは31.6%の「7枠」、3着内率のトップは36.8%の「7枠」と「8枠」だ。
2024年も1着:「7枠」 ⇒ 2着:「2枠」 ⇒ 3着:「6枠」での決着だった。
一方、3着内率0.0%と大苦戦しているのは「1枠」。
人気のある馬が「1枠」に入っていなかった嫌いはあるが、データ上で見ると最内枠は不利となっている。
スピード比べなら性別は関係ない!
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 6 | 8 | 9 | 68 | 6.6% | 15.4% |
牝馬 | 3 | 1 | 0 | 27 | 9.7% | 12.9% |
セン馬 | 1 | 1 | 1 | 9 | 8.3% | 16.7% |
「牝馬」が3勝、2着1回。
優勝馬は2017年スアデラ、2021年コパノフィーリング、2023年キモンルビーと全く引けを取らない。
“夏は牝馬”という格言もあるが、スピード勝負に性別など関係ない!といったところだろう。
若さと勢い!
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
3歳 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% |
4歳 | 4 | 0 | 1 | 14 | 21.1% | 21.1% |
5歳 | 0 | 2 | 4 | 19 | 0.0% | 8.0% |
6歳 | 2 | 2 | 2 | 23 | 6.9% | 13.8% |
7歳以上 | 3 | 5 | 3 | 45 | 5.4% | 14.3% |
「年齢」は若い方が有利な傾向。
連対率40.0%の「3歳馬」は、2015年の優勝馬ルックスザットキルと、2018年の2着馬クルセイズスピリツ。
斤量面の恩恵はあるものの、古馬の壁を感じさせない走りを見せている。
また、「4歳馬」も4勝と好成績。
「3歳馬」と「4歳馬」のワンツー決着は1回も無いものの、若い馬の勢いには注目したいところだ。
ちなみに、「7歳以上」の優勝馬はアピア、ノブワイルド(2勝)の2頭だが、この2頭は前走敗戦からの巻き返しだった。
※3歳~6歳の優勝馬7頭中、6頭は前走も勝利
南関東の最短距離重賞
川崎SS着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
川崎SS1着 | 2 | 0 | 1 | 7 | 20.0% | 20.0% |
川崎SS2着 | 1 | 1 | 2 | 6 | 10.0% | 20.0% |
川崎SS3着 | 1 | 1 | 0 | 5 | 14.3% | 28.6% |
川崎SS4着以下 | 0 | 0 | 1 | 17 | 0.0% | 0.0% |
2021年から重賞に昇格した川崎900m重賞。
習志野きらっとスプリントに転戦してくる馬も多く、最も重要なステップレースと言えよう。
過去10年の優勝馬は、2021年を除く全ての年で出走。
結果的には2勝、3着1回と苦戦を強いられているが、“南関東最速馬”にはマークが必要だろう。
また、川崎スパーキングスプリント2・3着馬も合計2勝、2着2回、3着2回と見逃せない。
2025年川崎スパーキングスプリントの結果
若潮スプリント着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
若潮スプリント1着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
若潮スプリント2着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
若潮スプリント3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
若潮スプリント4着以下 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
船橋1,200mで争われる3歳限定重賞。
重賞に昇格してから5回と歴史は浅いが、1着馬には習志野きらっとスプリントの優先出走権が付与されている。
若潮スプリントからの参戦は過去に1頭しか例が無く、唯一の出走馬であるメンコイボクチャンは10着だったが果たして…!?
2025年若潮スプリントの結果
スピードは古馬に劣らない
優駿スプリント着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
優駿スプリント1着 | 1 | 1 | 0 | 0 | 50.0% | 100.0% |
優駿スプリント2着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
優駿スプリント3着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
優駿スプリント4着以下 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
南関東の3歳スプリンターが目標とする「優駿スプリント(S2)」。
前項の若潮スプリント同様、この時期の3歳馬が古馬重賞に挑戦する例は少ないが、過去には2頭の優勝馬が参戦して1勝、2着1回。
「年齢別の成績」でご紹介した「3歳馬の連対2頭」はここに該当する。
2025年優駿スプリントの結果
同条件のトライアル
トライアル着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
トライアル1着 | 2 | 0 | 2 | 4 | 25.0% | 25.0% |
トライアル2着 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0.0% | 20.0% |
トライアル3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
トライアル4着以下 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0.0% | 0.0% |
習志野きらっとスプリントと同じ「船橋1,000m」で争われるトライアル競走。
※2017年、2019年は「船橋1,200m」で実施
※トライアルとして実施されている2017年以降のデータ
下級条件のトライアルとなるため、習志野きらっとスプリントには格上挑戦となる馬も少なくない。
いわゆる「夏の上がり馬」という存在になるが、過去8回のトライアル優勝馬で2勝、3着2回、4着2回なら上々の成績といえそうだ。
なお、2025年は「ドレミダッシュ」という名称のレースが該当する。
2025年ドレミダッシュの結果
先手必勝!
1着 | 2着 | 3着 | |
---|---|---|---|
1番手 | 7 | 1 | 0 |
2~5番手 | 3 | 6 | 4 |
6~10番手 | 0 | 2 | 6 |
11番手以降 | 0 | 1 | 0 |
向こう正面からスタートし、3・4コーナーから直線へ。
終い一手では厳しく、4コーナーを5番手以内では通過したいところだろう。
特に好成績を挙げているのは「4コーナー先頭」の馬(※)。
過去10年で7頭が優勝し、3着内を外したのは僅かに2回のみだ。
※4コーナー先頭≠単独先頭
ちなみに、優勝馬10頭のうち、4コーナーで最も後ろにいたのは、「5番手」のアピアとギシギシ。
特にアピアは船橋1,000mの重賞を複数回優勝しているスペシャリストだった。
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は8月13日(水)に大井競馬場で行われる「黒潮盃(S3)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
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