2025年5月21日(水)　
サラ系4歳以上　大井2,000m大井記念(S1)

伝統の中距離重賞「大井記念(S1)」
南関東の有力馬が一堂に会す伝統の一戦。
1,2着馬に優先出走権が付与される“帝王賞トライアル”としての役割も担っている重賞だ。

▼データ分析のポイント
・南関東を代表する名馬が活躍
・ブリリアントカップ組が好成績
・金盃優勝馬は苦戦する傾向

【過去10年の優勝馬】

南関東を代表する中長距離馬が優勝している。
2017年ウマノジョー以外は複数のタイトルホルダーだが、その馬たちの実績を挙げると…

▼プレティオラス：2012年東京ダービー馬
▼ケイアイレオーネ：重賞6勝(ダートグレード競走2勝)
▼リッカルド：重賞5勝(ダートグレード競走1勝)
▼モジアナフレイバー：重賞4勝、2019年東京大賞典3着
▼ストライクイーグル：重賞3勝
▼ミューチャリー：2021年「JBCクラシック(金沢・Jpn1)」制覇、NARグランプリ2021・年度代表馬
▼ランリョウオー：重賞5勝
▼セイカメテオポリス：重賞5勝
▼サヨノネイチヤ：重賞3勝
※2025.5.2現在での現役馬を含む

南関東史に残る名馬が歴代優勝馬に名を連ねているのがお分かり頂けるだろう。
2018年からは南関東最高グレードの「S1重賞」に昇格したこともあり、今まで以上にハイレベルな重賞となっている。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

名手・御神本騎手と吉原騎手が活躍

【騎手の傾向(敬称略)】

過去10年で「御神本訓史騎手」が2勝。
大井を代表するジョッキーの一人が“大井”と名の付く唯一の重賞で存在感を放っている。

存在感といえば全国の競馬場を駆け回る「吉原寛人騎手」も忘れてはならない。
過去10年で1勝、2着1回、3着2回の活躍だが、“金沢所属”としての成績なのでその凄さは際立つところ。
ちなみに、2025年は5/2時点で4つのタイトルを獲得しているが、うち3つは南関東で挙げたものである。

南関東最高グレード「S1」で行われる「大井記念」は名手の手綱捌きにも注目したい。

※南関東のグレード
南関東で行われる重賞の表記は「S1～S3」「Jpn1～Jpn3」「G1」の3種類
▽[S]：南関東所属馬 or 地方所属馬のみが出走可能
▽[Jpn]：JRA所属馬も出走可能なダートグレード競走
▽[G1]：地方競馬唯一の国際G1「東京大賞典」が該当

御神本訓史騎手の重賞タイトル
吉原寛人騎手の重賞タイトル

1番人気と実績馬に注目

【人気別成績】

過去10年で「1番人気馬」は4勝、3着4回。
戦術が定まった古馬でマークされる立場にはあるのだが、3着内率80.0%は立派な成績だろう。

「2～5番人気馬」の好走率は横一線。
となれば1勝、2着3回、3着3回の「6番人気以下」の馬たちにも注目したい。
直近5年では2着1回、3着2回で、該当馬のカジノフォンテン＆オールブラッシュはJpn1馬、キタノオクトパスはJpn1で3着の実績があった。

「1番人気」に支持された馬はもちろん、人気を落とした実績馬には注目したい。

1番人気から手広く

【配当傾向】

過去10年で1番人気馬が馬券に絡まなかったのは2015年と2022年の2回。
これらの年は各賭式で高配当を提供しているが、その他の年も堅く収まっているかといえばそうでもない。

1番人気の優勝は2016年・2018年・2020年・2024年の4回。
この4回の「馬複」平均配当は2,548円、「三連単」は15,073円と堅い配当とは言い難い。

また、1番人気が3着の年は2017年・2019年・2021年・2023年。
こちらの平均は「馬複」が6,025円、「三連単」が67,588円となっている。

データ的には堅軸の「1番人気」から手広く流しても良さそうだ。

地元の大井所属馬が強い

【所属競馬場別の成績】

地元の「大井所属馬」が7勝、2着4回、3着4回。
過去10年で「大井所属馬」によるワンツーは1度しかないが、大井の名を冠した重賞だけあって全ての年で連対を果たしている。

対抗格となるのは「船橋所属馬」で2勝、2着2回、3着3回。
勝った2頭はミューチャリー、リッカルドといった船橋を代表する名馬であり現誘導馬だ。

枠番の有利不利はない！

【枠番別の成績】

2023年、2024年と2年連続で「1枠」が勝利している。
これに伴い勝率及び連対率は「1枠」の成績が良くなっているが、全体的には内枠～外枠まで万遍なく馬券に絡んでいる。

唯一、「6枠」のみ3着内の実績がないものの、「枠番」による偏りは少ないと言えるだろう。

【牡馬牝馬別の成績】

過去10年で「牡馬」が9勝、2着8回、3着9回。
「セン馬」が1勝、2着2回、3着1回なので、実質的には“牡馬”がパーフェクトだ。

経験豊富な馬が活躍

【年齢別の成績】

各年代の馬が活躍している。

勝率No.1は「20.0%」の「4歳馬」で3勝、3着2回。
連対率では「22.6%」の「6歳馬」が2勝、2着5回、3着3回だ。

南関東は高齢馬が活躍する傾向にあるが、チャンピオンディスタンスで行われるS1重賞は互角の争いが展開されている。

最重要トライアル！

【ブリリアントカップ(BC)の着順別の成績】

※2017年までは準重賞

大井記念トライアル「ブリリアントカップ(S3)」。
2018年までは「2,000m」で争われていたが、2019年からは「1,800m」で行われている。

過去10年で6頭の大井記念覇者を輩出している「ブリリアントカップ」出走組。
うち、2016年・2018年・2020年・2024年は「ブリリアントカップ」と「大井記念」を連勝している。

大井のチャンピオンロードは「ブリリアントカップ」⇒「大井記念」⇒「帝王賞(Jpn1)」と続く。
その初戦でもある「ブリリアントカップ」には春シーズンを担う有力馬が揃う傾向にあり、レースレベルもおのずと高くなるのだろう。

2025年ブリリアントカップの結果

金盃覇者の成績は奮わず…

【金盃の着順別の成績】

同年1月に大井2,600mで行われる「金盃(S2)」。
過去10年の優勝馬のうち、7頭が大井記念に出走しているが、3着以内に好走している馬が1頭もいないのは気になるところだ。

「金盃2着以下」に限ると、のべ38頭が大井記念に出走して4勝、2着1回、3着2回。
データ傾向からすると、大井2,600mと2,000mでは求められる能力が違うということだろう。

2025年金盃の結果

報知グランプリカップ(GPC)の上位馬は！？

【報知GPCの着順別の成績】

「報知グランプリカップ(S3)」は同年1月に船橋1,800mで行われる重賞。
過去10年の「報知グランプリカップ(報知GPC)」出走組からは優勝馬3頭、2着馬8頭、3着馬2頭が大井記念に出走している。

上記の該当馬で大井記念を勝っているのは2016年ケイアイレオーネ(報知GPC3着)と2018年リッカルド(報知GPC1着)。
この2頭の共通点は「報知グランプリカップ好走」⇒「ブリリアントカップ優勝」⇒「大井記念優勝」だ。

2024年のレース体系変更に伴い、上記でご紹介した「金盃」「報知グランプリカップ」といった重賞のほか、
「報知オールスターカップ(S3)」「川崎記念(Jpn1)」もステップレースとして注視していきたいところだろう。

2025年報知グランプリカップの結果

今回の「南関データ分析」はここまで！
次回は5月28日(水)に浦和競馬場で行われる「プラチナカップ(S3)」です！

南関データ分析とは

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