

秋の3歳女王決戦「ロジータ記念(S1)」
川崎が誇る名牝ロジータ号を冠したレース。
春の南関牝馬クラシック組とトライアルレースを勝ち上がってきた馬との争いが見どころだ。
▼データ分析のポイント
・1番人気は3着内率90%
・サルビアカップ出走組は2,3着馬に注目
・関東オークス出走組が貫禄
| 年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年 | ローリエフレイバー | 大井 | マジェスティックウォリアー | 8人気 |
| 2023年 | メイドイットマム | 船橋 | ノヴェリスト | 2人気 |
| 2022年 | スピーディキック | 浦和 | タイセイレジェンド | 1人気 |
| 2021年 | カイカセンゲン | 大井 | ネオユニヴァース | 2人気 |
| 2020年 | ルイドフィーネ | 川崎 | サウスヴィグラス | 2人気 |
| 2019年 | グランモナハート | 大井 | フリオーソ | 6人気 |
| 2018年 | クロスウィンド | 船橋 | ヴァーミリアン | 4人気 |
| 2017年 | ステップオブダンス | 大井 | ゴールドアリュール | 1人気 |
| 2016年 | ミスミランダー | 船橋 | アッミラーレ | 2人気 |
| 2015年 | ララベル | 大井 | ゴールドアリュール | 1人気 |
南関東グレード最高格付の「S1重賞」、そしてロジータを冠したレースとあって、名牝級が優勝馬に名を連ねている。
過去10年の優勝馬を見渡してみても、実に7頭が複数のタイトル(※)を獲得している実力馬だ。
とりわけ、直近3年はその傾向が顕著に出ている。
2022年のスピーディキックは「東京2歳優駿牝馬(S1)」「桜花賞(S1)」「東京プリンセス賞(S1)」「戸塚記念(S1)」と4つのS1タイトルを獲得。
さらに、2023年メイドイットマムは「東京2歳優駿牝馬」「桜花賞」、2024年ローリエフレイバーも「東京2歳優駿牝馬」を制している。
すなわち、前年の「東京2歳優駿牝馬」を制した2歳女王が3年連続でロジータ記念のタイトルを獲っているのだ。
また、2021年の優勝馬カイカセンゲンは、2013年優勝馬カイカヨソウと母子制覇を達成。
産駒の活躍を心待ちにできるのも競馬の面白さの1つだろう。
※南関東クラシック優勝馬は3頭
※南関東地区以外の重賞を含む
名手の捌き
| 年 | 1着 | 2着 | 3着 |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 野畑 凌 | 落合 玄太 | 御神本 訓史 |
| 2023年 | 本橋 孝太 | 和田 譲治 | 山崎 誠士 |
| 2022年 | 御神本 訓史 | 達城 龍次 | 和田 譲治 |
| 2021年 | 張田 昂 | 和田 譲治 | 岡村 健司 |
| 2020年 | 森 泰斗 | 矢野 貴之 | 伊藤 裕人 |
| 2019年 | 本田 正重 | 吉原 寛人 | 森 泰斗 |
| 2018年 | 矢野 貴之 | 御神本 訓史 | 山崎 誠士 |
| 2017年 | 森 泰斗 | 和田 譲治 | 今野 忠成 |
| 2016年 | 森 泰斗 | 真島 大輔 | 瀧川 寿希也 |
| 2015年 | 真島 大輔 | 大山 真吾 | 笹川 翼 |
「御神本訓史騎手」が直近3年で1勝、3着1回。
同じ開催で行われる「ローレル賞(S2)」でも4年連続3着内なので、連日の“今日も御神本騎手が活躍”となっている。
また、過去10年の優勝騎手を見ると「真島大輔元騎手」「森泰斗元騎手」「矢野貴之騎手」などのトップジョッキーが並ぶ。
川崎2,100mはコーナーを6回通過するトリッキーなコース設定。
名手の巧みな手綱捌きは一際輝くところだ。
大井&船橋の2強?
| 所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 浦和 | 1 | 1 | 1 | 15 | 5.6% | 11.1% |
| 船橋 | 3 | 2 | 2 | 24 | 9.7% | 16.1% |
| 大井 | 5 | 3 | 3 | 23 | 14.7% | 23.5% |
| 川崎 | 1 | 2 | 4 | 25 | 3.1% | 9.4% |
| 南関以外 | 0 | 2 | 0 | 15 | 0.0% | 11.8% |
「大井所属馬」が5勝、2着3回、3着3回と頭一つ抜けている。
2023年までのデータでは「船橋所属馬」とともに4勝ずつを挙げていたが、2024年の結果で勝ち越した形だ。
とはいえ、直近5年は南関4場の各所属馬が勝利し、唯一2勝を挙げているのが「大井所属馬」となる。
また、2・3着も南関4場が横一線ととなっており、“大井と船橋が絶対”というわけではない。
なお、2020年の優勝馬ルイドフィーネは「川崎所属馬」としては2007年トキノミスオース以来、
2022年スピーディキックは「浦和所属馬」として2006年マキノチーフ以来の勝利だった。
1番人気馬が主役!
| 人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1人気 | 3 | 2 | 4 | 1 | 30.0% | 50.0% |
| 2人気 | 4 | 2 | 0 | 4 | 40.0% | 60.0% |
| 3人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% |
| 4人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% |
| 5人気 | 0 | 1 | 0 | 9 | 0.0% | 10.0% |
| 6人気以下 | 2 | 4 | 4 | 72 | 2.4% | 7.3% |
「1番人気馬」が存在感を見せている。
過去10年の成績は3勝、2着2回、3着4回となり、連対率50.0%、3着内率90.0%とほぼほぼ隙がない。
また、「2番人気馬」も4勝、2着2回と相性が良い。
「1番人気馬」と「2番人気馬」を合わせると7勝、2着4回、3着4回だが、意外にもワンツーは2回のみとなる。
その他では「6番人気以下」の2勝、2着4回、3着4回も目立つところ。
過去10年では2018年を除く9年間で該当馬が3着内に好走、うち2頭以上好走した例は2017年の1回のみ。
上記を踏まえ、「1・2番人気馬」が同時に3着内に好走した例は5回。
うち、4回は「1番人気馬」「2番人気馬」「6番人気以下」が3着内に好走している。
馬複、三連単は高配当
| 年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
|---|---|---|---|
| 2024年 | 1,650 | 5,030 | 55,500 |
| 2023年 | 440 | 6,640 | 24,000 |
| 2022年 | 120 | 670 | 4,190 |
| 2021年 | 490 | 1,680 | 103,970 |
| 2020年 | 300 | 260 | 4,950 |
| 2019年 | 2,110 | 9,050 | 109,710 |
| 2018年 | 670 | 1,170 | 5,660 |
| 2017年 | 260 | 2,080 | 47,270 |
| 2016年 | 310 | 440 | 7,960 |
| 2015年 | 200 | 2,080 | 23,390 |
| 平均 | 655 | 2,910 | 38,660 |
「単勝式」は平均655円と堅めの決着。
名だたる名牝が実力を遺憾なく発揮している結果と言えそうだ。
一方で、「馬複」「三連単」は高配当となる傾向にある。
要因としては前項「人気別成績」でも示した「6番人気以下」の台頭だろう。
1番人気を軸にマルチ、フォーメーションで手広く流しても良いかもしれない。
枠番による有利不利は少ない
| 枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1枠 | 1 | 0 | 0 | 9 | 10.0% | 10.0% |
| 2枠 | 1 | 3 | 1 | 5 | 10.0% | 40.0% |
| 3枠 | 0 | 0 | 1 | 16 | 0.0% | 0.0% |
| 4枠 | 2 | 0 | 0 | 15 | 11.8% | 11.8% |
| 5枠 | 1 | 3 | 1 | 13 | 5.6% | 22.2% |
| 6枠 | 2 | 1 | 1 | 16 | 10.0% | 15.0% |
| 7枠 | 1 | 3 | 4 | 12 | 5.0% | 20.0% |
| 8枠 | 2 | 0 | 2 | 16 | 10.0% | 10.0% |
ロジータ記念が行われる「川崎2,100m」は向こう正面からスタートしてぐるっと1周半。
1周1,200mの小回りコースなので、外を走る馬は必然的に距離のロスが多くなる。
と、なると「内枠勢」有利?
過去10年のデータを見てみると「3枠」を除く「全ての枠番」で勝利実績があるように、必ずしも内枠有利とはなっていないようだ。
こちらのデータは直近1年間に行われた「川崎2,100m」の成績。
「川崎記念(Jpn1)」「関東オークス(Jpn2)」等が行われる希少な条件なのでバラつきはあるが、外枠でもしっかりと結果が出ている。
また、「人気別成績」の項目でもご紹介しているが、1番人気馬が実力を発揮できるコースでもあるようだ。
レースレベルが向上!
| サルビアC着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| サルビアC1着 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0.0% | 0.0% |
| サルビアC2着 | 1 | 1 | 1 | 4 | 14.3% | 28.6% |
| サルビアC3着 | 0 | 3 | 1 | 3 | 0.0% | 42.9% |
| サルビアC4着以下 | 1 | 1 | 0 | 20 | 4.5% | 9.1% |
ロジータ記念の最重要トライアルに位置する「サルビアカップ(準重賞)」。
過去10年の「サルビアカップ」優勝馬は全てロジータ記念に出走しているが、好走した回数は3着の2回のみ。
一方、近年は「サルビアカップ」2、3着馬が好走する傾向にあり、のべ14頭が出走して1勝、2着4回、3着2回だ。
2018年より「サルビアカップ」は「準重賞」に昇格し、出走条件も「B3以下」から「A1以下(オープン)」に拡大。
上記の好走例はすべて2018年以降となるので、準重賞昇格後のレースレベルは明らかに向上したと言えるだろう。
2025年サルビアカップの結果
戸塚記念組は好成績
| 戸塚記念着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 戸塚記念1着 | 1 | 0 | 0 | 1 | 50.0% | 50.0% |
| 戸塚記念2着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
| 戸塚記念3着 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% |
| 戸塚記念4着以下 | 3 | 2 | 4 | 6 | 20.0% | 33.3% |
ロジータ記念と同じ「川崎2,100m」で行われている3歳重賞。
過去10年の「戸塚記念組」からは4頭の優勝馬を輩出し、2着は3回、3着も4回ある。
出走頭数はのべ18頭なので、3着内率は61.1%、これを「戸塚記念の1桁着順馬13頭」の3着内率に絞ると76.9%にまで跳ね上がる。
2022年のロジータ記念1~3着馬は全て「戸塚記念組」から。
戸塚記念を制したスピーディキックがきっちりとロジータ記念のタイトルも手にしている。
なお、2025年の戸塚記念は全て牡馬だったので、本データは参考程度にご覧頂きたい。
2025年戸塚記念の結果
JRA勢相手に好走した馬は強い!
| 関東オークス着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 関東オークス1着 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
| 関東オークス2着 | 1 | 1 | 2 | 1 | 20.0% | 40.0% |
| 関東オークス3着 | 2 | 1 | 0 | 2 | 40.0% | 60.0% |
| 関東オークス4着以下 | 3 | 5 | 1 | 22 | 9.7% | 25.8% |
南関東牝馬クラシック第3戦「関東オークス」。
こちらもロジータ記念と同舞台で行われる一戦だ。
「1~3着馬」はのべ10頭が参戦して3勝、2着2回、3着2回。
JRA勢相手に好走した実力は評価したいところ。
また、「4着以下」からも3勝、2着5回、3着1回。
2024年は関東オークス6着のローリエフレイバーが勝利し(戸塚記念9着)、関東オークス2着ミスカッレーラが3着に好走した。
2025年関東オークスの結果
| クラシック成績 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 牝馬C3着内 | 7 | 7 | 4 | 19 | 18.9% | 37.8% |
| 牡馬C3着内 | 0 | 0 | 0 | 0 | - | - |
最後に南関東クラシック(※)で3着内に好走していた馬たちの成績。
「牝馬クラシック」で3着以内に好走した馬は、のべ37頭がロジータ記念に参戦して7勝、2着7回、3着4回。
当然ながら中心的な存在とはなるものの、約半数が4着以下に敗れているので信頼度は決して高くない。
ちなみに、のべ11頭のクラシックホースが参戦しているが、結果は3勝、2着2回となっている。
※牝馬クラシック:「桜花賞(S1)」「東京プリンセス賞(S1)」「関東オークス(Jpn2)」
※牡馬クラシック:「羽田盃(現Jpn1)」「東京ダービー(現Jpn1)」「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」(2023年以前のJDDを含む)
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回も2日連続重賞!12月3日(水)に大井競馬場で行われる「勝島王冠(S2)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!
(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。
データ満載!南関東4競馬場の情報は「nankankeiba.com」をチェック!