~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年11月19日(水) 
サラ系3歳牝馬 川崎2,100m
ロジータ記念(S1)

レース紹介

秋の3歳女王決戦「ロジータ記念(S1)」
川崎が誇る名牝ロジータ号を冠したレース。
春の南関牝馬クラシック組とトライアルレースを勝ち上がってきた馬との争いが見どころだ。

▼データ分析のポイント
・1番人気は3着内率90%
・サルビアカップ出走組は2,3着馬に注目
・関東オークス出走組が貫禄

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 ローリエフレイバー 大井 マジェスティックウォリアー 8人気
2023年 メイドイットマム 船橋 ノヴェリスト 2人気
2022年 スピーディキック 浦和 タイセイレジェンド 1人気
2021年 カイカセンゲン 大井 ネオユニヴァース 2人気
2020年 ルイドフィーネ 川崎 サウスヴィグラス 2人気
2019年 グランモナハート 大井 フリオーソ 6人気
2018年 クロスウィンド 船橋 ヴァーミリアン 4人気
2017年 ステップオブダンス 大井 ゴールドアリュール 1人気
2016年 ミスミランダー 船橋 アッミラーレ 2人気
2015年 ララベル 大井 ゴールドアリュール 1人気

南関東グレード最高格付の「S1重賞」、そしてロジータを冠したレースとあって、名牝級が優勝馬に名を連ねている。
過去10年の優勝馬を見渡してみても、実に7頭が複数のタイトル(※)を獲得している実力馬だ。

とりわけ、直近3年はその傾向が顕著に出ている。
2022年のスピーディキックは「東京2歳優駿牝馬(S1)」「桜花賞(S1)」「東京プリンセス賞(S1)」「戸塚記念(S1)」と4つのS1タイトルを獲得。
さらに、2023年メイドイットマムは「東京2歳優駿牝馬」「桜花賞」、2024年ローリエフレイバーも「東京2歳優駿牝馬」を制している。

すなわち、前年の「東京2歳優駿牝馬」を制した2歳女王が3年連続でロジータ記念のタイトルを獲っているのだ。

また、2021年の優勝馬カイカセンゲンは、2013年優勝馬カイカヨソウと母子制覇を達成。
産駒の活躍を心待ちにできるのも競馬の面白さの1つだろう。

※南関東クラシック優勝馬は3頭
※南関東地区以外の重賞を含む

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

名手の捌き

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 野畑 凌 落合 玄太 御神本 訓史
2023年 本橋 孝太 和田 譲治 山崎 誠士
2022年 御神本 訓史 達城 龍次 和田 譲治
2021年 張田 昂 和田 譲治 岡村 健司
2020年 森 泰斗 矢野 貴之 伊藤 裕人
2019年 本田 正重 吉原 寛人 森 泰斗
2018年 矢野 貴之 御神本 訓史 山崎 誠士
2017年 森 泰斗 和田 譲治 今野 忠成
2016年 森 泰斗 真島 大輔 瀧川 寿希也
2015年 真島 大輔 大山 真吾 笹川 翼

「御神本訓史騎手」が直近3年で1勝、3着1回。
同じ開催で行われる「ローレル賞(S2)」でも4年連続3着内なので、連日の“今日も御神本騎手が活躍”となっている。

また、過去10年の優勝騎手を見ると「真島大輔元騎手」「森泰斗元騎手」「矢野貴之騎手」などのトップジョッキーが並ぶ。
川崎2,100mはコーナーを6回通過するトリッキーなコース設定。
名手の巧みな手綱捌きは一際輝くところだ。

大井&船橋の2強?

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 1 1 15 5.6% 11.1%
船橋 3 2 2 24 9.7% 16.1%
大井 5 3 3 23 14.7% 23.5%
川崎 1 2 4 25 3.1% 9.4%
南関以外 0 2 0 15 0.0% 11.8%

「大井所属馬」が5勝、2着3回、3着3回と頭一つ抜けている。
2023年までのデータでは「船橋所属馬」とともに4勝ずつを挙げていたが、2024年の結果で勝ち越した形だ。

とはいえ、直近5年は南関4場の各所属馬が勝利し、唯一2勝を挙げているのが「大井所属馬」となる。
また、2・3着も南関4場が横一線ととなっており、“大井と船橋が絶対”というわけではない。

なお、2020年の優勝馬ルイドフィーネは「川崎所属馬」としては2007年トキノミスオース以来、
2022年スピーディキックは「浦和所属馬」として2006年マキノチーフ以来の勝利だった。

1番人気馬が主役!

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 2 4 1 30.0% 50.0%
2人気 4 2 0 4 40.0% 60.0%
3人気 0 0 1 9 0.0% 0.0%
4人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
5人気 0 1 0 9 0.0% 10.0%
6人気以下 2 4 4 72 2.4% 7.3%

「1番人気馬」が存在感を見せている。
過去10年の成績は3勝、2着2回、3着4回となり、連対率50.0%、3着内率90.0%とほぼほぼ隙がない。

また、「2番人気馬」も4勝、2着2回と相性が良い。
「1番人気馬」と「2番人気馬」を合わせると7勝、2着4回、3着4回だが、意外にもワンツーは2回のみとなる。

その他では「6番人気以下」の2勝、2着4回、3着4回も目立つところ。
過去10年では2018年を除く9年間で該当馬が3着内に好走、うち2頭以上好走した例は2017年の1回のみ。

上記を踏まえ、「1・2番人気馬」が同時に3着内に好走した例は5回。
うち、4回は「1番人気馬」「2番人気馬」「6番人気以下」が3着内に好走している。

馬複、三連単は高配当

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 1,650 5,030 55,500
2023年 440 6,640 24,000
2022年 120 670 4,190
2021年 490 1,680 103,970
2020年 300 260 4,950
2019年 2,110 9,050 109,710
2018年 670 1,170 5,660
2017年 260 2,080 47,270
2016年 310 440 7,960
2015年 200 2,080 23,390
平均 655 2,910 38,660

「単勝式」は平均655円と堅めの決着。
名だたる名牝が実力を遺憾なく発揮している結果と言えそうだ。

一方で、「馬複」「三連単」は高配当となる傾向にある。
要因としては前項「人気別成績」でも示した「6番人気以下」の台頭だろう。

1番人気を軸にマルチ、フォーメーションで手広く流しても良いかもしれない。

枠番による有利不利は少ない

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 0 9 10.0% 10.0%
2枠 1 3 1 5 10.0% 40.0%
3枠 0 0 1 16 0.0% 0.0%
4枠 2 0 0 15 11.8% 11.8%
5枠 1 3 1 13 5.6% 22.2%
6枠 2 1 1 16 10.0% 15.0%
7枠 1 3 4 12 5.0% 20.0%
8枠 2 0 2 16 10.0% 10.0%

ロジータ記念が行われる「川崎2,100m」は向こう正面からスタートしてぐるっと1周半。
1周1,200mの小回りコースなので、外を走る馬は必然的に距離のロスが多くなる。

と、なると「内枠勢」有利?
過去10年のデータを見てみると「3枠」を除く「全ての枠番」で勝利実績があるように、必ずしも内枠有利とはなっていないようだ。

こちらのデータは直近1年間に行われた「川崎2,100m」の成績。
「川崎記念(Jpn1)」「関東オークス(Jpn2)」等が行われる希少な条件なのでバラつきはあるが、外枠でもしっかりと結果が出ている。
また、「人気別成績」の項目でもご紹介しているが、1番人気馬が実力を発揮できるコースでもあるようだ。

レースレベルが向上!

【サルビアカップ(サルビアC)の着順別の成績】

サルビアC着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
サルビアC1着 0 0 2 8 0.0% 0.0%
サルビアC2着 1 1 1 4 14.3% 28.6%
サルビアC3着 0 3 1 3 0.0% 42.9%
サルビアC4着以下 1 1 0 20 4.5% 9.1%

ロジータ記念の最重要トライアルに位置する「サルビアカップ(準重賞)」。

過去10年の「サルビアカップ」優勝馬は全てロジータ記念に出走しているが、好走した回数は3着の2回のみ。
一方、近年は「サルビアカップ」2、3着馬が好走する傾向にあり、のべ14頭が出走して1勝、2着4回、3着2回だ。

2018年より「サルビアカップ」は「準重賞」に昇格し、出走条件も「B3以下」から「A1以下(オープン)」に拡大。
上記の好走例はすべて2018年以降となるので、準重賞昇格後のレースレベルは明らかに向上したと言えるだろう。

2025年サルビアカップの結果

戸塚記念組は好成績

【戸塚記念の着順別の成績】

戸塚記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
戸塚記念1着 1 0 0 1 50.0% 50.0%
戸塚記念2着 0 0 0 0 - -
戸塚記念3着 0 1 0 0 0.0% 100.0%
戸塚記念4着以下 3 2 4 6 20.0% 33.3%

ロジータ記念と同じ「川崎2,100m」で行われている3歳重賞。

過去10年の「戸塚記念組」からは4頭の優勝馬を輩出し、2着は3回、3着も4回ある。
出走頭数はのべ18頭なので、3着内率は61.1%、これを「戸塚記念の1桁着順馬13頭」の3着内率に絞ると76.9%にまで跳ね上がる。

2022年のロジータ記念1~3着馬は全て「戸塚記念組」から。
戸塚記念を制したスピーディキックがきっちりとロジータ記念のタイトルも手にしている。

なお、2025年の戸塚記念は全て牡馬だったので、本データは参考程度にご覧頂きたい。

2025年戸塚記念の結果

JRA勢相手に好走した馬は強い!

【関東オークスの着順別の成績】

関東オークス着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
関東オークス1着 0 0 0 0 - -
関東オークス2着 1 1 2 1 20.0% 40.0%
関東オークス3着 2 1 0 2 40.0% 60.0%
関東オークス4着以下 3 5 1 22 9.7% 25.8%

南関東牝馬クラシック第3戦「関東オークス」。
こちらもロジータ記念と同舞台で行われる一戦だ。

「1~3着馬」はのべ10頭が参戦して3勝、2着2回、3着2回。
JRA勢相手に好走した実力は評価したいところ。

また、「4着以下」からも3勝、2着5回、3着1回。
2024年は関東オークス6着のローリエフレイバーが勝利し(戸塚記念9着)、関東オークス2着ミスカッレーラが3着に好走した。

2025年関東オークスの結果

【クラシック(C)3着内馬の着順別の成績】

クラシック成績 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牝馬C3着内 7 7 4 19 18.9% 37.8%
牡馬C3着内 0 0 0 0 - -

最後に南関東クラシック(※)で3着内に好走していた馬たちの成績。

「牝馬クラシック」で3着以内に好走した馬は、のべ37頭がロジータ記念に参戦して7勝、2着7回、3着4回。
当然ながら中心的な存在とはなるものの、約半数が4着以下に敗れているので信頼度は決して高くない。

ちなみに、のべ11頭のクラシックホースが参戦しているが、結果は3勝、2着2回となっている。

※牝馬クラシック:「桜花賞(S1)」「東京プリンセス賞(S1)」「関東オークス(Jpn2)」
※牡馬クラシック:「羽田盃(現Jpn1)」「東京ダービー(現Jpn1)」「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」(2023年以前のJDDを含む)


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回も2日連続重賞!12月3日(水)に大井競馬場で行われる「勝島王冠(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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