~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年10月29日(水) 
サラ系3歳以上 浦和2,000m
埼玉新聞栄冠賞(S3)

レース紹介

浦和記念を占う「埼玉新聞栄冠賞(S3)」!
2021年から「浦和記念(Jpn2)」と同じ「2,000m」に距離を変更(旧1,900m)。
1着馬には同レースへの優先出走権が付与される。

▼データ分析のポイント
・騎手は船橋、馬は船橋&浦和
・1~3番人気馬が8勝だが上位独占はない
・4角先頭が必勝パターン

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 ナニハサテオキ 浦和 ジャングルポケット 1人気
2023年 ジョエル 船橋 トーセンブライト 4人気
2022年 ライトウォーリア 川崎 マジェスティックウォリアー 6人気
2021年 タービランス 浦和 パイロ 1人気
2020年 タービランス 浦和 パイロ 1人気
2019年 ディアデルレイ 船橋 キングカメハメハ 2人気
2018年 トーセンデューク 浦和 ディープインパクト 2人気
2017年 カンムル 浦和 サマーバード 2人気
2016年 タイムズアロー 船橋 タイムパラドックス 2人気
2015年 カキツバタロイヤル 船橋 ロイヤルタッチ 3人気

浦和競馬の大一番「浦和記念」を占う重要な一戦。

2020年&2021年の埼玉新聞栄冠賞を連覇したタービランスは浦和記念でも4着・2着と活躍。
“森泰斗騎手”として最後の重賞タイトルだった2024年のナニハサテオキは浦和記念で5着に好走している。

過去にはボランタス、ブルーラッドなどが、同年の「埼玉新聞栄冠賞」&「浦和記念」を勝利。
1周1,200mと小回りな浦和コースだけに、地の利を味方にして強豪JRA勢を迎えたいところだ。

ちなみに、翌2026年の「埼玉新聞栄冠賞」は「埼玉栄冠」とレース名称が変更される。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら
2026年の南関重賞一覧はこちら

船橋ジョッキーズが躍動

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 森 泰斗 張田 昂 川島 正太郎
2023年 所 蛍 本橋 孝太 張田 昂
2022年 矢野 貴之 山崎 誠士 本田 正重
2021年 笹川 翼 本田 正重 矢野 貴之
2020年 笹川 翼 矢野 貴之 左海 誠二
2019年 本田 正重 森 泰斗 石崎 駿
2018年 森 泰斗 本橋 孝太 高松 亮
2017年 左海 誠二 岡部 誠 繁田 健一
2016年 西村 栄喜 森 泰斗 吉原 寛人
2015年 中野 省吾 本田 正重 真島 大輔

「船橋ジョッキーズ(太字)」の成績が目覚ましい。
船橋所属騎手を合計すると7勝、2着7回、3着5回で、直近2年は1着~3着を独占している。

その中でも注目は2023年の優勝騎手「所蛍(トコロホタル)騎手」だろう。
「所蛍騎手」は2023年4月にデビューした新人ジョッキーで、通算8勝目が嬉しい嬉しい重賞初タイトルとなった。
通算成績は10月17日時点で46勝、デビュー以来、コンスタントに勝ち星を重ねている印象だ。

勝負服は「胴赤・黄一本輪、そで緑」という呼称で、所属する張田京調教師が騎手時代に着用していた勝負服と同じ配色となる。
※埼玉新聞栄冠賞は馬主服を着用していたが、張田京厩舎のジョエルで勝利

ちなみに、過去10年の優勝騎手に名を連ねる「船橋ジョッキーズ」のうち、3名は本競走が南関東初タイトルだった。
※所蛍騎手、西村栄喜騎手、中野省吾騎手

地元の「浦和所属騎手」は苦戦気味で、好走例は2017年3着の「繁田健一現調教師」のみ。
優勝騎手に至っては過去34回の歴史の中で、2001年の「繁田健一元騎手(ロイヤルエンデバー)」しかいないだけに、今年こそは奮起を期待したい。

「船橋」vs「浦和」

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 5 3 2 35 11.1% 17.8%
船橋 4 6 6 21 10.8% 27.0%
大井 0 1 1 17 0.0% 5.3%
川崎 1 0 1 6 12.5% 12.5%

ジョッキーが船橋なら馬も船橋!
「船橋所属馬」は過去10年で4勝、2着6回、3着6回の成績で、3着内率は43.2%にまでなる。

一方、勝利数では地元の「浦和所属馬」も負けてない。
過去10年では5勝、2着3回、3着2回の成績を残しており、「船橋所属馬」と「浦和所属馬」を合計すると9勝、2着9回、3着8回にまでなる。
※ワンツーは5回

余談だが、過去10年で2勝を挙げている「小久保智厩舎」の初タイトルは2008年の埼玉新聞栄冠賞(クレイアートビュン)だ。

1~3番人気馬が8勝だが!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 3 2 2 30.0% 60.0%
2人気 4 0 1 5 40.0% 40.0%
3人気 1 1 1 7 10.0% 20.0%
4人気 1 2 3 4 10.0% 30.0%
5人気 0 1 1 8 0.0% 10.0%
6人気以下 1 3 2 53 1.7% 6.8%

「1~3番人気馬」が過去10年で8勝を挙げている。
2022年は「6番人気馬」、2023年は「4番人気馬」が勝利したものの、基本的には上位人気馬が勝つ傾向にあると言って良さそうだ。

しかしながら、過去10年で「1~3番人気馬」が上位3着内を独占した回数は「0回」というデータもある。
2024年も「1番人気馬」が勝利した一方、2着には「4番人気馬」、3着には「5番人気馬」が好走していた。

ちなみに、2022年は「6番人気」のライトウォーリアが勝利。
「1~3番人気馬」以外の馬が勝利したのは、2010年ドリームトレジャー(6番人気)以来、実に12年ぶりの出来事だった。

配当も低めの傾向

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 130 850 5,930
2023年 700 1,250 101,250
2022年 3,160 14,630 351,640
2021年 350 2,180 19,760
2020年 380 800 5,580
2019年 600 250 5,490
2018年 560 610 8,390
2017年 390 3,360 15,480
2016年 340 600 7,000
2015年 480 3,280 19,450
平均 709 2,781 53,997

上位人気馬が順当に結果を出している重賞。
2024年も1着から順に1番人気 ⇒ 4番人気 ⇒ 5番人気だったが、配当的には落ち着いたものだった。

なお、2022年の「三連単」は30万円超の高配当だが、同賭式が10万円オーバーとなったのも2010年(約14万円)以来だ。

枠の差は無い!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 2 6 11.1% 11.1%
2枠 1 1 1 7 10.0% 20.0%
3枠 1 1 2 6 10.0% 20.0%
4枠 1 1 0 8 10.0% 20.0%
5枠 1 0 3 9 7.7% 7.7%
6枠 0 3 1 14 0.0% 16.7%
7枠 4 1 0 14 21.1% 26.3%
8枠 1 3 1 15 5.0% 20.0%

向こう正面中ほどの手前からスタートする「浦和1,900m」。
これが2021年からはスタート地点を100m後方にした「2,000m」で争われている。
コース形態としては大きく変わらないが、フルゲートの頭数が「11頭」から「12頭」と1頭分増えた形だ。

「1,900m」で行われていた2015年~2020年(6年分)の成績は以下の通り。
「5枠~8枠」の外枠勢が好成績を残す傾向にある。
----------------------
▽1枠~4枠:2勝、2着1回、3着3回(勝率8.3%、連対率12.5%)
▽5枠~8枠:4勝、2着5回、3着3回(勝率10.0%、連対率22.5%)
----------------------

では、2021年~2024年(4年分)の成績を見てみよう。
奇麗に分け合っているが、同枠の出走頭数の関係で「1枠~4枠」がやや有利と言うデータとなった。
----------------------
▼1枠~4枠:2勝、2着2回、3着2回(勝率13.3%、連対率26.7%)
▼5枠~8枠:2勝、2着2回、3着2回(勝率6.7%、連対率13.3%)
----------------------

小回りの浦和コース、そして中距離戦となるとイメージ的には「内枠有利」。
これをデータとして出してみると、「内/外」では大きな差は出ていないことになる。

ちなみに、2024年7月1日~2025年6月30日に行われた「浦和2,000m」の成績はこちら。
勝率こそ「7枠」「8枠」が低いものの、連対率、3着内率は互角と見ていいだろう。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 10 9 8 70 10.3% 19.6%
牝馬 0 0 0 2 0.0% 0.0%
セン馬 0 1 2 7 0.0% 10.0%

過去10年で「牝馬」は2頭しか出走していないので、基本的には牡馬中心のレースとなっている。

世代間の差は無い!

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 1 1 1 5 12.5% 25.0%
4歳 0 0 0 14 0.0% 0.0%
5歳 3 3 2 6 21.4% 42.9%
6歳 0 2 3 13 0.0% 11.1%
7歳以上 6 4 4 41 10.9% 18.2%

2022年までは年齢による減量はなかったが、2023年から負担重量の条件に「3歳馬2kg減」というアローワンスが追加された。
また、2024年からは“2歳・3歳重賞を除く”重賞の勝ち鞍によって加増される条件も加わっている。
これにより、実績を残している3歳馬にとってはチャンスが広がったと言えるだろう。

ということで、「3歳馬」の成績に注目してみよう。
2023年、24年は「3歳馬」の出走はなく、データは2022年以前のものだが、
古馬と同斤量の中でのべ8頭が出走して1勝、2着1回、3着1回の成績を残している。
上記のうち、1勝、3着1回は3歳重賞「戸塚記念(S1)」連対からの転戦なので、条件に当てはまる馬が出走してくれば注目したい。

コース替わりで一変

【東京記念の着順別の成績】

東京記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念1着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
東京記念2着 0 2 0 1 0.0% 66.7%
東京記念3着 1 0 0 4 20.0% 20.0%
東京記念4着以下 0 3 2 18 0.0% 13.0%

埼玉新聞栄冠賞の約1か月前に行われる「東京記念(S2)」。
大井2,400mで争われる重賞だが、埼玉新聞栄冠賞に転戦してくる馬は多い。

「東京記念」出走組はのべ32頭が参戦して1勝、2着5回、3着2回。
特に、「東京記念」で4着以下に敗れた馬が2着3回、3着2回なので、コース替わりで巻き返す馬が多いようだ。

2025年東京記念の結果

4角先頭の馬が6勝、3着内は9回!

【1~3着馬の4コーナー通過順】

1着 2着 3着
1番手 6 1 2
2~5番手 4 7 6
6~11番手 0 2 2

浦和競馬場は1周1,200mの小回りコース。
埼玉新聞栄冠賞に関してはコーナーを6回通過するが、こちらのデータは「最終4コーナーの通過順」となる。

上表を見ると明らかだが、優勝馬は4コーナーで「先頭」ないし「2~5番手」の馬に限られる。
これは2、3着も同様の傾向となっているが、過去10回中、2着7回、3着6回となっている「2~5番手」には要注目だろう。

本データは最終4コーナーでの位置取りなので(道中ではない)、一概に「逃げ馬有利」とは言えないものの、
早め早めに動ける馬が有利となる傾向にあるようだ。

ただし、2021年と2022年は4コーナー「6~11番手」の馬が2着で高配当を演出。
該当馬は2021年ハイランドピーク(6番人気)、2022年マンガン(5番人気)だが、ともに末脚には定評がある馬たちだ。

展開を嫌われて人気を落としている差し馬には是非とも注目したい。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は11月5日(水)に船橋競馬場で行われる2歳重賞「平和賞(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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