~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年9月17日(水) 
サラ系3歳以上 大井2,400m
東京記念(S2)

レース紹介

ステイヤーの血が騒ぐ「東京記念(S2)」
大井2,400mで争われる伝統の一戦。
長距離が得意なステイヤーをはじめ、秋のビッグレースを見据える有力馬が参戦してくる。

▼データ分析のポイント
・名手の手綱捌き
・過去の東京記念で好走実績がある馬に注目
・大井記念組が好成績

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 ナッジ 大井 フェノーメノ 2人気
2023年 セイカメテオポリス 大井 マジェスティックウォリアー 1人気
2022年 ランリョウオー 浦和 パイロ 1人気
2021年 フレッチャビアンカ 船橋 キンシャサノキセキ 4人気
2020年 サウンドトゥルー 船橋 フレンチデピュティ 3人気
2019年 ストライクイーグル 大井 キンシャサノキセキ 3人気
2018年 シュテルングランツ 浦和 ステイゴールド 2人気
2017年 サブノクロヒョウ 大井 ロージズインメイ 12人気
2016年 ユーロビート 大井 スズカマンボ 1人気
2015年 プレティオラス 大井 フィガロ 3人気

南関東4場で行われた2,000m以上のレース数は以下の通り。

▼2020年:117レース
▼2021年:146レース
▼2022年:163レース
▼2023年:160レース
▼2024年:178レース
▼2025年:122レース(9/7現在)

年を追うごとにレース数が増加しているように、南関東における長距離需要は高まっている。
その中から“重賞”という条件は合計16レース(2024年)、さらに、東京記念が行われる2,400m以上の重賞となると年間3レースしかない。

ステイヤーにとっての大目標が限られることもあり、東京記念はリピーターの活躍が目立つ。
同一馬による複数回の優勝も多く、2014年&2016年はユーロビート、2013年&2015年はプレティオラスが優勝している。

その他、2、3着馬もリピーターが活躍する傾向にあるが、詳細は後述の「東京記念の1着~3着馬」にてご紹介しよう。

過去10年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

名手の捌きに酔いしれろ!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 矢野 貴之 本田 正重 森 泰斗
2023年 吉原 寛人 本橋 孝太 今野 忠成
2022年 本橋 孝太 本田 正重 今野 忠成
2021年 御神本 訓史 山口 達弥 本橋 孝太
2020年 森 泰斗 西 啓太 繁田 健一
2019年 吉原 寛人 矢野 貴之 真島 大輔
2018年 的場 文男 大畑 雅章 吉原 寛人
2017年 和田 譲治 大畑 雅章 石崎 駿
2016年 吉原 寛人 石崎 駿 的場 文男
2015年 本橋 孝太 森 泰斗 中野 省吾

長距離戦は騎手の捌きにも注目!

過去10年で活躍が目立つのは金沢所属の「吉原寛人騎手」で3勝、3着1回。
いずれも大井所属馬とのコンビで好走しており、とりわけ渡邉和雄厩舎の管理馬で2勝、3着1回の成績を残している。

「吉原寛人騎手」と言えば、全国の競馬場で勝ち星を量産している名手中の名手。
2025年の勝ち星は116勝(重賞14勝)、うち56勝(重賞5勝)を南関東で挙げている。
北から南まで全国各地の競馬場を飛び回る引く手あまたのジョッキーだけに、今年の東京記念でも騎乗するようであれば是非とも注目したい。

その他では、2勝、2着1回、3着1回の「本橋孝太騎手」も見逃せない。
2015年には東京ダービー馬プレティオラス、2022年には南関東を代表する名馬ランリョウオーとともに東京記念を勝利。
通算のタイトル数は「40」を数えるように、ビッグレースでの存在感は南関東でも屈指と言って良いだろう。

さらには、「御神本訓史騎手」「矢野貴之騎手」「本田正重騎手」「今野忠成騎手」といった名手が流石の捌きを披露している。

※データは9月7日時点

大井所属馬が6勝!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 2 2 1 17 9.1% 18.2%
船橋 2 2 4 27 5.7% 11.4%
大井 6 4 5 52 9.0% 14.9%
川崎 0 0 0 8 0.0% 0.0%
南関以外 0 2 0 7 0.0% 22.2%

地元の「大井所属馬」が6勝、2着4回、3着5回。
これに「船橋所属馬」の2勝、2着2回、3着4回、「浦和所属馬」の2勝、2着2回、3着1回が続く。

また、東京記念は2020年まで全国交流として行われていたため、データ上は南関東以外の馬が含まれる。
好走例は2回あり、両方とも愛知所属のカツゲキキトキトだ。

人気馬がきっちりと!?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 3 3 0 4 30.0% 60.0%
2人気 2 1 2 5 20.0% 30.0%
3人気 3 0 2 5 30.0% 30.0%
4人気 1 1 0 8 10.0% 20.0%
5人気 0 2 2 6 0.0% 20.0%
6人気以下 1 3 4 83 1.1% 4.4%

基本的には上位人気馬が勝利する傾向にあり、「1~3番人気馬」を合わせると8勝。
同人気馬によるワンツー決着も3回あるが、2019年を最後にワンツーが出ていないのは気になるところ。

それを連対率で見てみると…「1番人気馬」は60.0%と安定感がある。
一方、「2・3番人気馬」の連対率はそれぞれ30.0%と高くはないので、「2・3番人気馬」を軸に入れるのは少し不安かもしれない。

目立つところでは「6番人気以下」の1勝、2着3回、3着4回で、このあたりが次項で紹介する「配当傾向」に影響しているのだろう。

高配当も期待できる

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 380 4,190 43,590
2023年 280 990 11,420
2022年 310 1,080 8,020
2021年 620 6,410 56,160
2020年 510 7,660 160,480
2019年 560 880 22,660
2018年 480 960 34,390
2017年 12,320 32,180 687,250
2016年 210 1,770 5,830
2015年 510 590 7,550
平均 1,618 5,671 103,735

3番人気以内の馬が8勝しているので「単勝」は落ち着いた配当が多い。

一方、「馬複」は4桁配当が5回、万馬券が1回。
さらに、「三連単」は万馬券が7回あり、うち2回は10万円オーバーの高額配当だ。

前項の通り、高配当を狙って上位人気馬から手広く流しても面白いかもしれない。

枠番による差は少ない

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 2 1 0 11 14.3% 21.4%
2枠 1 2 1 12 6.3% 18.8%
3枠 1 2 4 11 5.6% 16.7%
4枠 2 1 2 13 11.1% 16.7%
5枠 0 1 1 16 0.0% 5.6%
6枠 2 2 0 14 11.1% 22.2%
7枠 1 1 2 15 5.3% 10.5%
8枠 1 0 0 19 5.0% 5.0%

以前までは「6枠」が良かったが、近年は偏りも無く平準化されてきた。
唯一、「5枠」のみ勝利実績がないものの、「1枠」~「8枠」まで勝利数、連対数に大きな差は出ていない。

大井2,400mは向こう正面入り口からスタートして、外回りコースを1周半、コーナー6回という設定。
内側をロスなく走るに越したことはないが、データからは枠番による有利/不利は読み解けないところだ。

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 8 8 9 97 6.6% 13.1%
牝馬 0 0 0 4 0.0% 0.0%
セン馬 2 2 1 10 13.3% 26.7%

「セン馬」が2勝、2着2回、3着1回と好成績。
実質的には「牡馬」ではあるものの、他の重賞と比較すると活躍が目立つところ。

とはいえ、上記のうち、1勝、2着1回、3着1回はユーロビートが占めている。

世代を超えたステイヤー対決

【年齢別の成績】

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3歳 0 0 0 1 0.0% 0.0%
4歳 3 4 3 12 13.6% 31.8%
5歳 2 2 1 27 6.3% 12.5%
6歳 2 1 3 26 6.3% 9.4%
7歳以上 3 3 3 45 5.6% 11.1%

若馬の勢いか?それとも経験豊富な年長馬か?

「4歳馬」が3勝、2着4回、3着3回で勝率、連対率ともにNo.1。
次に好走率が高いのは「5歳馬」なので、「若馬」or「年長馬」だと前者の「若馬」に分がある。

ただし、出走頭数は「7歳以上」の馬が圧倒的に多いので、好走している頭数で見ると互角と言えそう。

リピーターが活躍する東京記念!

【東京記念の1~3着馬】

1着 2着 3着
2024年 ナッジ ウラノメトリア アイブランコ
2023年 セイカメテオポリス ランリョウオー ミヤギザオウ
2022年 ランリョウオー セイカメテオポリス フレッチャビアンカ
2021年 フレッチャビアンカ エメリミット フィアットルクス
2020年 サウンドトゥルー サブノクロヒョウ リンゾウチャネル
2019年 ストライクイーグル センチュリオン スギノグローアップ
2018年 シュテルングランツ カツゲキキトキト ユーロビート
2017年 サブノクロヒョウ カツゲキキトキト キングニミッツ
2016年 ユーロビート ストゥディウム ケイアイレオーネ
2015年 プレティオラス ユーロビート カキツバタロイヤル

東京記念の「1~3着馬」はご覧のとおり。
太字(※)は複数回3着内に好走している馬だが、2019年と2024年以外は全て該当馬が1頭以上いることになる。
※対象期間外(2014年以前)の成績含む

また、長期に渡って活躍する馬が多いのも特徴。
2016年に勝利したユーロビートは、2014年にも勝利しているほか、2015年には2着、2018年にも3着がある。
さらに、2015年3着のカキツバタロイヤルは2010年、2012年にも3着、2017年の優勝馬サブノクロヒョウは2020年の2着馬だ。

南関東の長距離重賞は貴重な条件だけに、息の長い活躍を見せるステイヤーには一目置く必要があるだろう。

前年の1,2着馬に明暗?

【前年の東京記念の着順別の成績】

前年着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
前年1着 0 2 1 4 0.0% 28.6%
前年2着 2 1 0 4 28.6% 42.9%
前年3着 0 0 0 3 0.0% 0.0%
前年4着以下 0 1 3 21 0.0% 4.0%

こちらは、「前年の東京記念」における着順別の成績。
前項の「東京記念の1~3着馬」にあるように、複数年にまたがっての活躍も目立つが、前年の東京記念好走馬も好成績を残している。

前年の連対馬に焦点を当ててみよう。

「前年1着馬」が翌年の東京記念に出走してきたケースは7回あるが、連覇は1度もなく2着2回、3着1回の成績。
一方、「前年2着馬」は同じく7頭が挑戦しているが、こちらは2勝、2着1回となるので、リベンジを果たしたケースの方が多いという結果に。

前年の連対馬は翌年も出走してくる傾向にあるが、過去61回の歴史の中で連覇を達成したのは2008年&2009年のルースリンドただ1頭だ。

2024年東京記念の結果

同条件のトライアル

【東京記念トライアル(東京記念TR)の着順別の成績】

東京記念TR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
東京記念TR1着 2 0 0 5 28.6% 28.6%
東京記念TR2着 2 0 0 4 33.3% 33.3%
東京記念TR3着 0 2 1 4 0.0% 28.6%
東京記念TR4着以下 0 0 3 16 0.0% 0.0%

2018年から実施されているトライアル競走。

実施当初から「トライアル」 ⇒ 「東京記念」と歩みを進める馬は多く、
2018年以降の7年で「トライアル」1~3着馬は全20頭が参戦して4勝、2着2回、3着1回となる。

東京記念と同じ「2,400m」のオープン競走という条件だけに連動性、そして好走率は高い。
しかしながら、トライアルの結果がそのまま本番に直結するかと言うと、必ずしもそうではないようだ。

2025年東京記念トライアル競走の結果

大井記念上位馬は要チェック!

【大井記念の着順別の成績】

大井記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
大井記念1着 3 0 1 2 50.0% 50.0%
大井記念2着 0 2 1 2 0.0% 40.0%
大井記念3着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
大井記念4着以下 1 4 3 26 2.9% 14.7%

同年5月に大井2,000mで行われる「大井記念(S1)」。
「帝王賞(Jpn1)」のステップレースの1つではあるが、例年、南関東の中長距離路線の有力馬が多く参戦している。

「大井記念」覇者は過去10年で6頭が参戦。
2022年と2023年は大井記念覇者が東京記念を勝利するなど、通算で3勝、3着1回と信頼度は高い。

2025年大井記念の結果

ダイオライト記念組は好成績!

【ダイオライト記念(D記念)の着順別の成績】

D記念着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
D記念1着 0 0 0 0 - -
D記念2着 0 0 0 1 0.0% 0.0%
D記念3着 2 0 0 1 66.7% 66.7%
D記念4着以下 2 1 1 14 11.1% 16.7%

同年3月に船橋2,400mで行われるダートグレード競走「ダイオライト記念(Jpn2)」。
南関東からはタイトルホルダーが参戦することも多く、東京記念にも出走してくるようであれば、当然注目度は高くなる。

「ダイオライト記念」組からはのべ22頭が参戦して4勝、2着1回、3着1回。
JRA勢相手に好走した馬はもちろん、ダイオライト記念に挑戦した馬となれば実力上位といったところだ。

2025年ダイオライト記念の結果

金盃覇者は大不振…!?

【金盃の着順別の成績】

金盃着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
金盃1着 1 0 1 6 12.5% 12.5%
金盃2着 1 1 0 5 14.3% 28.6%
金盃3着 1 0 0 5 16.7% 16.7%
金盃4着以下 2 2 2 23 6.9% 13.8%

同年1月~2月に大井2,600mで行われる長距離重賞「金盃(S2)」。
南関東では2,400m以上の重賞が3競走(※)のみなので、東京記念と同様、「金盃」にも長距離が得意なステイヤーが出走してくる。
※「東京記念」「金盃」「ダイオライト記念」

と、なると関係性は高いように思うが、「金盃」の優勝馬に絶対的な信頼は置き難い。

過去10年の「金盃」1着馬は計8頭が参戦して1勝、3着1回。
優勝馬は2020年サウンドトゥルーのみとなっている。

2025年金盃の結果


今回の「南関データ分析」はここまで!

次回は3歳ダート三冠の最終戦!
10月8日(水)に大井競馬場で行われる「ジャパンダートクラシック(Jpn1)」を特別公開します!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

データ満載!南関東4競馬場の情報は「nankankeiba.com」をチェック!

南関東4競馬場公式ウェブサイト nankankeiba.com

>重賞一覧