~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2025年7月17日(木) 
サラ系3歳 大井1,200m
優駿スプリント(S2)

レース紹介

3歳スプリント王決定戦「優駿スプリント(S2)」!
南関東の3歳スプリンターにとって大目標となる重賞。
生粋のスプリンター vs クラシックからの路線変更組に注目だ。

▼データ分析のポイント
・10番人気以下の激走が多い
・優駿スプリントTRの優勝馬に注目
・若潮スプリント組は6年連続3着内

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2024年 ティントレット 大井 ホッコータルマエ 3人気
2023年 フジコチャン 大井 エスポワールシチー 3人気
2022年 プライルード 大井 ラブリーデイ 2人気
2021年 ワールドリング 船橋 トゥザワールド 5人気
2020年 カプリフレイバー 船橋 サウスヴィグラス 1人気
2019年 ナガタブラック 川崎 クロフネ 6人気
2018年 クルセイズスピリツ 大井 サウスヴィグラス 11人気
2017年 バンドオンザラン 川崎 スズカコーズウェイ 8人気
2016年 エイシンヒート 大井 Street Sense 2人気
2015年 ルックスザットキル 大井 Wildcat Heir 1人気

ティントレット、プライルード、ワールドリング、カプリフレイバー、ルックスザットキル…
歴代優勝馬からは南関東の短距離重賞を複数回勝利している“スピードスター”が誕生している。

スピードの指標の1つとなるのが「タイム」。
過去10年の平均勝ちタイムは「1:12.56」、最速タイムは2023年にフジコチャンが走破した「1:11.7」だ。
このタイムは2011年にミヤサンキューティが叩き出したレースレコード「1:11.6」に迫る好タイムだった。

大井競馬場は2023年10月末の開催よりオーストラリア産の砂(通称:白砂)を採用。
導入当初から“重い砂”と評されてきたが、徐々にタイムは短縮傾向にあり、2024年12月からは砂厚を10cm⇒9cmとしたことで高速化が顕著に。
2024年12月以降の最高タイムは「東京スプリント(Jpn3)」の「1:11.3」だが、その他にも11秒台の決着は5回もあるから驚きだ。
※白砂となって以降(砂厚10cm当時)、11秒台での決着は2024年10月「東京盃(Jpn2)」の「1:11.3」のみだった

なお、2025年の3歳1,200m戦に限定すると、最速タイムは6/13「3歳(一)(二)」で計測されたキエティスムの「1:12.2」。
次点はその前日に行われた「優駿スプリントトライアル」で、リオンダリーナが「1:12.3」というタイムを出している。
※7/4時点

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

若手騎手が活躍!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2024年 矢野 貴之 森 泰斗 西 啓太
2023年 森 泰斗 藤本 現暉 澤田 龍哉
2022年 本田 正重 岡村 健司 笹川 翼
2021年 張田 昂 今野 忠成 左海 誠二
2020年 繁田 健一 御神本 訓史 本橋 孝太
2019年 伊藤 裕人 森 泰斗 川島 正太郎
2018年 西 啓太 赤岡 修次 本田 正重
2017年 赤岡 修次 的場 文男 左海 誠二
2016年 矢野 貴之 上田 健人 笹川 翼
2015年 早田 功駿 赤嶺 亮 的場 文男

若手騎手の活躍に注目!

1990年生まれの「早田功駿元騎手」は、2015年の優駿スプリントが初の重賞タイトル!
主戦を務めたルックスザットキルとのコンビでは、合計3つのタイトルを獲得している。

1994年生まれの「西啓太騎手」も、2018年の優駿スプリントが初タイトル。
手綱を取ったクルセイズスピリツとのコンビでは、2020年8月に当時の「大井1,000m」のレコードタイム(58.8秒)をマークしている。
※7月4日時点のレコードはノアヴィグラスの「57.7秒」

さらに、1990年生まれの「伊藤裕人騎手」。
デビュー11年目となった2019年の優駿スプリントをナガタブラックで制し、嬉しい初タイトルを獲得。
また、1987年生まれではあるものの、2013年にデビューした「張田昂騎手」は2021年にワールドリングで優勝している。

直近2年はベテランの「森泰斗元騎手」、「矢野貴之騎手」が勝利しているが、
2着、3着には1991年生まれの「澤田龍哉騎手」、1994年生まれの「西啓太騎手」、1997年生まれの「藤本現暉騎手」が好走している。

ちなみに、「早田功駿元騎手」「西啓太騎手」「張田昂騎手」は“父も騎手”という共通点がある。
「早田功駿元騎手」の父は大井の「早田秀治元騎手」、「西啓太騎手」の父は岩手で活躍していた「西康志元騎手」、
「張田昂騎手」の父は船橋の「張田京調教師」だ。

堅実な大井

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 0 0 3 19 0.0% 0.0%
船橋 2 2 4 30 5.3% 10.5%
大井 6 7 3 60 7.9% 17.1%
川崎 2 1 0 19 9.1% 13.6%

地元の「大井所属馬」は6勝、2着7回、3着3回。
過去10年で連対を外したのは1回という堅実ぶりで、「大井所属馬」によるワンツーは4回ある。

二桁人気馬の激走

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 2 3 1 4 20.0% 50.0%
2人気 2 3 0 5 20.0% 50.0%
3人気 2 0 0 8 20.0% 20.0%
4人気 0 0 1 9 0.0% 0.0%
5人気 1 0 1 8 10.0% 10.0%
6人気以下 3 4 7 94 2.8% 6.5%

「1・2番人気馬」が勝率20.0%、連対率50.0%の信頼度。
次いで、勝率では同率の「3番人気馬」が続くが、2着は1度もないので「1・2番人気馬」ほどの信頼度はない。

その中で注目したいのは「6番人気以下」の3勝、2着4回、3着7回。
さらに細かく見ると“二桁人気の馬”が1勝、2着2回、3着3回と波乱を演出しているのだ。

ちなみに、二桁人気で激走した6頭のうち、5頭が前走からの「距離短縮」だった。

高配当の傾向

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2024年 750 1,180 7,160
2023年 930 9,280 149,610
2022年 560 13,480 138,150
2021年 820 2,100 55,480
2020年 170 4,110 105,230
2019年 1,590 3,110 299,330
2018年 4,780 31,940 1,389,700
2017年 2,890 1,050 76,140
2016年 450 1,060 71,690
2015年 270 690 16,580
平均 1,321 6,800 230,907

「単勝」の平均配当は「1,321円」。
2017年~2019年は高配当だったものの、その3年を除いた平均は「564円」と低めの配当が多い。

一方、「馬複」は4桁配当が7回、万馬券が2回。
同様に「三連単」も高めの配当が期待できそうで、過去10年では万馬券が9回。うち10万超が5回、100万円超も1回ある。

真ん中の枠が安定!

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 1 0 0 19 5.0% 5.0%
2枠 1 1 0 18 5.0% 10.0%
3枠 2 2 0 14 11.1% 22.2%
4枠 2 3 2 13 10.0% 25.0%
5枠 0 2 1 17 0.0% 10.0%
6枠 2 1 4 13 10.0% 15.0%
7枠 1 0 1 18 5.0% 5.0%
8枠 1 1 2 16 5.0% 10.0%

枠番別の成績は「内枠有利」の傾向。
連対馬20頭中、17頭が「6枠以内」となっており、とりわけ「3枠」「4枠」「6枠」の中間枠が良さそう。

ただし、直近3年は「7枠」が1勝、3着1回、「8枠」が1勝、2着1回、3着1回。
全14回の優駿スプリント史の中で「7枠」「8枠」が連対したのは上記の3回なので、傾向的には外寄りにシフトしているのかもしれない。

前述もしたが、「白砂」「砂厚」と枠番傾向に影響を与える要素も多いので、直近3か月の枠番傾向(大井1,200m)もチェックしておきたい。

牝馬だって速い!

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 5 9 89 8.0% 12.5%
牝馬 1 5 1 38 2.2% 13.3%
セン馬 0 0 0 1 0.0% 0.0%

「牡馬」が9勝、2着5回に対して、「牝馬」は1勝、2着5回。

3歳スプリント路線は牡馬/牝馬ともに「優駿スプリント」が大目標のレース。
勝ち星こそ「牡馬」に分があるものの、スピード勝負なら「牝馬」も劣らないところだろう。

トライアル優勝馬に注目

【優駿スプリントトライアル(優駿STR)の成績】

優駿STR着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
優駿STR1着 1 4 1 3 11.1% 55.6%
優駿STR2着 0 0 2 7 0.0% 0.0%
優駿STR3着 0 1 1 6 0.0% 12.5%
優駿STR4着以下 2 0 0 36 5.3% 5.3%

「優駿スプリント」と「同コース」「同距離」で行われる最重要トライアル。

過去10年のトライアル優勝馬のうち、9頭が優駿スプリントに参戦して1勝、2着4回。
上表を見ても明らかなように、トライアル敗戦から巻き返すケースはほとんど無いのが現状だ。

2025年優駿スプリントトライアルの結果

重賞昇格でレベルアップ?

【若潮スプリント】

若潮スプリント着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
若潮スプリント1着 1 1 1 2 20.0% 40.0%
若潮スプリント2着 1 0 1 4 16.7% 16.7%
若潮スプリント3着 0 0 0 5 0.0% 0.0%
若潮スプリント4着以下 0 2 1 15 0.0% 11.1%

「若潮スプリント」は2019年から実施されている優駿スプリントのトライアル競走。
2021年からは重賞に昇格した注目の一戦だ。

「若潮スプリント」出走組はのべ34頭が参戦して2勝、2着3回、3着3回。
抜群の成績というわけではないが、2019年の第1回から6年連続で3着内馬を送り出している。

なお、「若潮スプリント」4着以下の馬は2着2回、3着1回だが、3頭全てが「若潮スプリント」の4着馬だった。
レースレベルが高い重賞の上位馬には是非とも注目したいところだろう。

2025年若潮スプリントの結果

コース経験は重要なファクター!?

【大井1,200m経験有無別の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
経験あり 5 8 5 90 4.6% 12.0%
経験なし 5 2 5 38 10.0% 14.0%

優駿スプリントの舞台である「大井1,200m」の経験があるか否か。

「経験あり」が5勝、2着8回、3着5回。
対する「経験なし」が5勝、3着2回、3着5回なのでほぼほぼ互角と言って良さそうだ。

さらに、細かく見てみよう。
「大井1,200m」を3勝以上している馬の成績は以下の通り。

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
3勝以上馬 1 2 1 15 5.3% 15.8%

「大井1,200m」を3勝以上している馬は1勝、2着2回、3着1回。
得意条件に越したことは無いものの、突出した成績ではないので、「経験」や「得意条件」の他にも重要なファクターを探すことが必要そうだ。

優勝は逃げ先行、2着は先行、3着は差し寄り

【1~3着馬の4コーナー通過順】

1着 2着 3着
1番手 2 0 2
2~5番手 7 7 1
6~10番手 1 3 4
11番手以降 0 0 3

「1~3着馬」の「4コーナーでの位置取り」はご覧の通り。

着順別に綺麗な傾向が出ている。
「1着馬」の位置取りで目立つところは「1番手」の2回と「2~5番手」の7回。
「2着馬」は「1番手」の0回と「2~5番手」の7回、「3着馬」は「6~10番手」の4回と「11番手以降」の3回が目立つところ。

ざっくり書くと、勝つのは先行、2着は4角先頭以外、3着はどこからでもと言ったところか。


今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は7月30日(水)に船橋競馬場で行われる「習志野きらっとスプリント(S2)」です!

南関データ分析とは

南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
知って得するデータから豆知識まで、予想に役立つデータをご紹介いたします!

(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
競走除外馬及び出走取消馬はデータには含めておりません。
また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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