~南関重賞を解く~ 南関データ分析

2018年3月28日(水) 
サラ系3歳 大井1,700m
京浜盃(S2)

レース紹介

羽田盃トライアル「京浜盃(S2)」
3歳クラシックへの登竜門となる京浜盃。
JRAでは「弥生賞(G2)」に位置する競走となり、南関東クラシックへ向け有力馬が顔を合わせる。
優勝馬の多くは南関東クラシックで大活躍している出世レースだが、ここに至るまでの傾向を分析してみよう。

【過去10年の優勝馬】

優勝馬 所属 種牡馬 人気
2017年 ヒガシウィルウィン 船橋 サウスヴィグラス 3人気
2016年 タービランス 浦和 パイロ 2人気
2015年 オウマタイム 船橋 タイムパラドックス 3人気
2014年 ハッピースプリント 大井 アッミラーレ 1人気
2013年 ジェネラルグラント 船橋 ロージズインメイ 2人気
2012年 パンタレイ 川崎 フィガロ 2人気
2011年 クラーベセクレタ 船橋 ワイルドラッシュ 1人気
2010年 ジーエスライカー 大井 サウスヴィグラス 6人気
2009年 ナイキハイグレード 船橋 アグネスタキオン 1人気
2008年 ディラクエ 川崎 フサイチコンコルド 1人気

南関東を代表する名馬がズラリ。
過去10年の優勝馬のうち、のちの南関クラシックホースは5頭、連対にまで広げると8頭にもおよぶ。
つまり、「京浜盃」での優勝は南関クラシック戦線の”主役”になることを意味するのである。

過去5年の成績はこちら
第1回からの歴代優勝馬はこちら

森泰斗騎手が連覇中!

【騎手の傾向(敬称略)】

1着 2着 3着
2017年 森 泰斗 赤岡 修次 矢野 貴之
2016年 森 泰斗 笹川 翼 和田 譲治
2015年 左海 誠二 張田 京 吉原 寛人
2014年 吉原 寛人 真島 大輔 山崎 誠士
2013年 石崎 駿 佐藤 裕太 左海 誠二
2012年 森 泰斗 戸崎 圭太 山崎 誠士
2011年 戸崎 圭太 御神本 訓史 的場 文男
2010年 戸崎 圭太 坂井 英光 今野 忠成
2009年 戸崎 圭太 酒井 忍 柏木 健宏
2008年 今野 忠成 坂井 英光 御神本 訓史

「森泰斗騎手」が連覇中!
2017年はヒガシウィルウィン、2016年はタービランスで制しており、
いずれも京浜盃をステップにクラシックのタイトルを手にすることになる。
ちなみに、「森泰斗騎手」は2012年にもパンタレイで京浜盃を制覇。
「森泰斗騎手」にとってはこの勝利が重賞4勝目ではあったが、“牡馬”とのコンビでは初めての重賞タイトルとなった。

船橋所属馬が圧倒!

【所属競馬場別の成績】

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
浦和 1 1 0 14 6.3% 12.5%
船橋 5 4 2 35 10.9% 19.6%
大井 2 4 6 49 3.3% 9.8%
川崎 2 1 2 21 7.7% 11.5%

過去10年で5勝を挙げる「船橋所属馬」。
2着も4回あり、「船橋所属馬」でのワン・ツー決着は4回を数える。
地元の「大井所属馬」は2勝を挙げているものの、2着4回、3着6回と勝ち切れていない印象だ。

1着は上位人気馬!紐は下位人気馬?

【人気別成績】

人気別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1人気 4 2 0 4 40.0% 60.0%
2人気 3 1 1 5 30.0% 40.0%
3人気 2 1 1 6 20.0% 30.0%
4人気 0 0 0 10 0.0% 0.0%
5人気 0 2 3 5 0.0% 20.0%
6人気以下 1 4 5 89 1.0% 5.1%

「1番人気馬」の4勝を筆頭に、「2番人気馬」3勝、「3番人気馬」2勝と上位人気馬が勝利を手にしている。
しかしながら、「1~3番人気馬」は4着以下に沈むケースが多いことにも注目したい。
直近5年に絞ると、「1~3番人気馬」のうち、同年に2頭以上、馬券に絡んだ回数は1回のみ。
特に「1番人気馬」は苦戦しており、現在、3年連続で4着以下に敗れている。

一方、勝ち星こそないものの、「5番人気馬」は2着2回、3着3回の成績で、3着内率50%は上位人気馬とそん色ない。
同様に、「6番人気以下」も1勝、2着4回、3着5回と健闘が目立っている。

単勝は堅く、馬複、三連単は高配当!

【配当傾向】

単勝(円) 馬複(円) 三連単(円)
2017年 420 2,360 29,050
2016年 300 3,370 173,480
2015年 490 19,530 286,030
2014年 110 880 6,550
2013年 330 540 7,170
2012年 510 830 12,380
2011年 130 380 3,510
2010年 1,770 4,100 435,660
2009年 110 790 114,720
2008年 170 850 4,800
平均 434 3,363 107,335

前項の通り、上位人気馬が結果を出していることもあり、「単勝」は非常に堅く収まっている。

一方、「馬複」、「三連単」は高配当の香りが…
上位人気馬が揃って好走するケースが少ないため、“紐荒れ”の傾向にある。
特に「三連単」は高配当が多く、過去10年で4回、10万円オーバーのビッグ配当が飛び出している。

ピンク祭り!?

【枠番別の成績】

枠番 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
1枠 0 0 2 14 0.0% 0.0%
2枠 2 3 1 10 12.5% 31.3%
3枠 1 0 1 17 5.3% 5.3%
4枠 1 0 0 19 5.0% 5.0%
5枠 1 1 3 14 5.3% 10.5%
6枠 0 1 2 17 0.0% 5.0%
7枠 2 1 0 16 10.5% 15.8%
8枠 3 4 1 12 15.0% 35.0%

「8枠」が最も好成績を残しているが、注目は以下に示す直近4年の成績。

1着 2着 3着
2017年 7枠 8枠 1枠
2016年 8枠 8枠 5枠
2015年 7枠 8枠 2枠
2014年 8枠 8枠 5枠

なんと、過去4年で「8枠」は2勝、2着4回。
「8枠」は2頭ゲートに入るので、計8頭中、6頭が連対していることになる。
昨年にいたっては、8枠の“ピンク”ドッグウッドが2着に好走と、まさにピンク祭りとなっていた。

なお、2017年&2015年の1着は「7枠」。
距離のロスが多いイメージのある「7枠」&「8枠」が上位を独占している。

ちなみに、「1~4枠」の「内枠勢」は「2枠」を除いて苦戦しているようだ。

クラシックを狙う牡馬が優勢

【牡馬牝馬別の成績】

性別 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
牡馬 9 9 9 112 6.5% 12.9%
牝馬 1 1 1 7 10.0% 20.0%
セン馬 0 0 0 0 0.0% 0.0%

牡馬クラシックを狙う素質馬が参戦していることもあり、「牡馬」が圧倒的に有利。
そんな中、「牝馬」が1回だけ優勝している。
優勝馬は、後に「羽田盃(S1)」、「東京ダービー(S1)」の南関牡馬クラシック二冠を達成するクラーベセクレタだ。

近年の出世レース!

【ニューイヤーカップの着順別の成績】

ニューイヤーカップ着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
ニューイヤーカップ1着 1 1 0 4 16.7% 33.3%
ニューイヤーカップ2着 1 2 1 3 14.3% 42.9%
ニューイヤーカップ3着 1 1 0 3 20.0% 40.0%
ニューイヤーカップ4着以下 0 0 1 27 0.0% 0.0%

「浦和1,600m」で行われる年明け恒例の3歳重賞。
直近3年の京浜盃優勝馬は「ニューイヤーカップ(S3)」から出ており、近年では“出世レース”となっている。

過去10年の優勝馬は6頭が京浜盃に出走し、1勝、2着1回。
あまり相性の良いレースではなかったが、昨年の優勝馬ヒガシウィルウィンは京浜盃も制し、その後、大出世している。

「ニューイヤーカップ」2着馬は京浜盃で1勝、2着2回、3着1回。
着順別の成績では最も安定感があり、2016年にはタービランスが京浜盃で優勝している。
また、「ニューイヤーカップ」3着馬からは2015年の京浜盃優勝馬オウマタイムを輩出。

2018年ニューイヤーカップの結果

雲取賞組は苦戦…

【雲取賞の着順別の成績】

雲取賞着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
雲取賞1着 0 1 1 4 0.0% 16.7%
雲取賞2着 0 0 0 9 0.0% 0.0%
雲取賞3着 0 0 0 10 0.0% 0.0%
雲取賞4着以下 1 1 4 24 3.3% 6.7%

京浜盃のトライアルレースとして実施されている準重賞。
コース設定は「大井1,600m」で、京浜盃が行われる「大井1,700m」と条件は似ている。
しかしながら、「大井1,600m=内回り」、「大井1,700m=外回り」とその性質は大きく異なる。

そんな条件の違いを鑑みながら、「雲取賞」組の成績を見てみると…

過去10年で「雲取賞」組はのべ55頭が京浜盃に出走しているが、
京浜盃を優勝したのは「雲取賞4着」からの戴冠となった2010年ジーエスライカーのみ。
特に、「雲取賞上位馬」は苦戦を強いられており、「雲取賞1~3着馬」からはのべ25頭が参戦し、優勝馬は出ていない。

「大井1,600m」で適性を見せた馬よりも、「大井1,700m」への条件替わりを考慮した方がいいのかもしれない。

なお、「雲取賞」は2019年より重賞「雲取賞(S3)」へと格上げされる。
また、距離も「大井1,800m」へと変更されることもあり、今まで以上に注目度は高くなりそうだ。

2018年雲取賞の結果

JRA勢相手の好走歴は信頼の証!?

【全日本2歳優駿の着順別の成績】

全日本2歳優駿着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿1着 1 0 0 0 100.0% 100.0%
全日本2歳優駿2着 2 0 0 1 66.7% 66.7%
全日本2歳優駿3着 1 1 1 2 20.0% 40.0%
全日本2歳優駿4着以下 1 3 2 16 4.5% 18.2%

「全日本2歳優駿(Jpn1)」は前年の12月に行われる2歳ダート王決定戦。
強豪JRA勢をはじめ、全国から有力馬が参戦しており、レベルの高い戦いが展開されている。

過去10年で地方馬の優勝は2013年ハッピースプリント、2009年ラブミーチャンの2頭。
うち、ハッピースプリントが京浜盃にも参戦し勝利を手にしている。

また、「全日本2歳優駿」2着馬は3頭が参戦し、2頭の京浜盃ウイナーを輩出。
さらに、「全日本2歳優駿」3着馬からは1頭が京浜盃を制し、2着、3着もそれぞれ1回ずつある。

JRA勢相手に好走=能力の証ではあるが、「全日本2歳優駿」での“好走馬”にフォーカスを当ててみよう。

【全日本2歳優駿「上位馬」の成績】

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
全日本2歳優駿[5着以内] 5 4 2 6 29.4% 52.9%
全日本2歳優駿[地方最先着馬] 4 2 0 4 40.0% 60.0%

上表の上段は、「全日本2歳優駿」で5着以内に好走した馬の京浜盃での成績だ。
これを見ると、いかに好成績かが分かる数字で、のべ17頭が京浜盃に参戦し、11頭が3着以内に好走している。

さらに、“地方最先着馬”に絞り込んだ数字が上表の下段。
勝率40%、連対率は60%とさらに信頼度が増している。

やはりJRA勢相手に好走した馬の実力は素直に評価しないといけないようだ。

2017年全日本2歳優駿の結果

成長曲線の差?

【南関2歳重賞ウイナーの成績】

2歳重賞 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率
鎌倉記念優勝馬 1 1 1 4 14.3% 28.6%
平和賞優勝馬 0 0 1 6 0.0% 0.0%
ハイセイコー記念優勝馬 1 0 0 5 16.7% 16.7%
全日本2歳優駿優勝馬 1 0 0 0 100.0% 100.0%

南関東では、例年9月~12月にかけて2歳重賞が行われる。
京浜盃出走馬の成長曲線は各馬それぞれだが、果たして「2歳重賞ウイナー」が京浜盃でも通用しているのだろうか?

上表の通り、「2歳重賞ウイナー」はのべ21頭が参戦。
そのうち、京浜盃を勝った馬は前述のハッピースプリントを含めて3頭しかいない。
もちろん、クラシックへの“一叩き”として走る馬もいるが、京浜盃に限ってはあまり結果が出ていないようだ。

ちなみに、ハイセイコー記念優勝馬で京浜盃を制している馬は2009年ナイキハイグレード。
鎌倉記念優勝馬で京浜盃を制しているのは2015年オウマタイムだ。


今回の「南関データ分析」はここまで!
「南関データ分析」は平成29年度限定でお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
もしも!もしも好評のようでしたら、平成30年度も継続できるかもしれません…
1年間お読み頂き、ありがとうございました♪

南関データ分析とは

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また、当コンテンツの内容においては、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。

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