
日本で一番長いダート重賞「金盃(S2)」
南関東のみならず、国内で行われるダート重賞では最も長い距離(2,600m)で争われる。
向こう正面からスタートし約1周半の攻防。
馬と騎手との折り合い、騎手同士の駆け引き、まさに人馬一体となる争いは見応え充分だ!
なお、金盃は2015年から距離が2,600m(旧2,000m)に変更されているため、今回の分析の一部は2015年以降の「過去3年」とする。
※サンプル数が少ないので、ご参考までにどうぞ
※第1回~第18回は2,400m、第19回~第58回は2,000m、第59回(2015年)以降は2,600m
年 | 優勝馬 | 所属 | 種牡馬 | 人気 |
---|---|---|---|---|
2017年 | ユーロビート | 大井 | スズカマンボ | 2人気 |
2016年 | ジャルディーノ | 大井 | ワイルドラッシュ | 3人気 |
2015年 | アウトジェネラル | 大井 | アドマイヤドン | 8人気 |
2014年 | フォーティファイド | 大井 | フォーティナイナー | 4人気 |
2013年 | トーセンルーチェ | 船橋 | マリエンバード | 2人気 |
2012年 | トーセンルーチェ | 船橋 | マリエンバード | 4人気 |
2011年 | スーパーパワー | 大井 | スキャターザゴールド | 1人気 |
2010年 | マズルブラスト | 船橋 | ホワイトマズル | 2人気 |
2009年 | バグパイプウィンド | 大井 | テイエムオペラオー | 1人気 | 2008年 | ルースリンド | 船橋 | エルコンドルパサー | 1人気 |
過去10年の優勝馬のうち、2,000m以上の南関重賞を“複数”制している馬は5頭(太字)。
南関東では長距離重賞が限られていることもあり、ステイヤーにとっては大目標となるレースの1つとなっている。
長距離戦は騎手の腕の見せ所!?
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2017年 | 吉原 寛人 | 山本 聡哉 | 森 泰斗 |
2016年 | 真島 大輔 | 吉原 寛人 | 本橋 孝太 |
2015年 | 御神本 訓史 | 森 泰斗 | 石崎 駿 |
2014年 | 戸崎 圭太 | 吉原 寛人 | 御神本 訓史 |
2013年 | 張田 京 | 御神本 訓史 | 石崎 駿 |
2012年 | 張田 京 | 米倉 知 | 森 泰斗 |
2011年 | 真島 大輔 | 今野 忠成 | 佐藤 博紀 |
2010年 | 戸崎 圭太 | 石崎 隆之 | 的場 文男 |
2009年 | 的場 文男 | 内田 博幸 | 戸崎 圭太 |
2008年 | 内田 博幸 | 戸崎 圭太 | 坂井 英光 |
長距離戦は騎手で買え!?
過去10年の1着~3着には、年間100勝以上をマークするジョッキーがずらりと並んでいる。
「太字」は前年に100勝以上(※)の勝ち星を挙げた騎手で、さらに「赤字」は前年の南関東リーディング上位3名だ。
※JRA含む
距離が2,600mとなった2015年以降は「吉原寛人騎手」と「森泰斗騎手」が2回ずつ馬券に絡んでいる。
また、優勝騎手の「御神本訓史騎手」、「真島大輔騎手」は前年の南関東リーディングでともに2位だった。
2017年南関東リーディングはこちら
地元勢強し!
所属 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
浦和 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% |
船橋 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0.0% | 0.0% |
大井 | 3 | 2 | 2 | 27 | 8.8% | 14.7% |
川崎 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% |
過去3年の成績は、地元の「大井所属馬」が3戦全勝!
金盃の前後には「報知グランプリカップ(S3・船橋1,800m)」、「川崎記念(Jpn1・川崎2,100m)」が組まれていることもあり、
「浦和・船橋・川崎」の各所属馬の出走は少なくなっているようだ。
ちなみに、連対率100%の「川崎所属馬」は、2015年2着のドラゴンエアル。
「船橋所属馬」の3着は2017年のクラージュドールで、鞍上は両馬ともに「森泰斗騎手」だった。
上位人気の成績は拮抗!?
人気別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1人気 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0.0% | 33.3% |
2人気 | 1 | 0 | 1 | 1 | 33.3% | 33.3% |
3人気 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% |
4人気 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0.0% | 33.3% |
5人気 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% |
6人気以下 | 1 | 1 | 1 | 28 | 3.2% | 6.5% |
過去3年とサンプル数は少ないが、「1~4番人気」は揃って連対率33.3%。
「6番人気以下同士」での決着は1度もないため、「1~4番人気」のうち、1頭は必ず連対していることになる。
ただし、人気上位馬同士での決着は少なく、「3番人気」、「4番人気」でのワンツー決着が1度あるのみだ。
そして、「1番人気馬」が苦戦している。
過去3年で2着が1回のみと、信頼度はやや低くなっているようだ。
荒れる傾向!
年 | 単勝(円) | 馬複(円) | 三連単(円) |
---|---|---|---|
2017年 | 400 | 14,050 | 118,070 |
2016年 | 450 | 1,610 | 11,730 |
2015年 | 4,070 | 4,620 | 553,090 |
平均 | 1,640 | 6,760 | 227,630 |
「人気別成績」で示したように、上位人気馬同士での決着が少ない。
それは配当面にも影響しており、各賭式で配当が高くなっている。
唯一、1番人気馬が連対したのは2015年の2着。
その時は「単勝4,070円」のアウトジェネラルが優勝し、3着には12番人気フォーティファイドが入っている。
ちなみに、後述もするが、フォーティファイドは”金盃リピーター”で、2013年の金盃で2着、2014年の金盃では優勝している。
1枠&2枠が抜群の成績!
枠番 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 2 | 2 | 1 | 0.0% | 40.0% |
2枠 | 2 | 0 | 0 | 3 | 40.0% | 40.0% |
3枠 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
4枠 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
5枠 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0.0% | 16.7% |
6枠 | 1 | 0 | 1 | 4 | 16.7% | 16.7% |
7枠 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
8枠 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
過去3年で「1枠」は2着2回、3着2回。
「1枠」は優勝こそないものの、3着内率は80%と好走率が高い。
※2017年の14頭立て(3枠から複数頭)以外は、全てフルゲート16頭立て(1枠から複数頭)
さらに、「2枠」は2勝を挙げており、枠連「1-2」は過去3年で2回もある。
ちなみに、南関東には「枠単」という賭式もあり、上記の枠連「1-2」は両方とも枠単「2⇒1」だった。
コーナーを6回通過する長距離戦だけに、最短距離を走れる枠はプラスに作用するのかもしれない。
性別 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
牡馬 | 2 | 2 | 3 | 33 | 5.0% | 10.0% |
牝馬 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
セン馬 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% |
「牡馬」が2勝、2着2回、3着3回、「セン馬」が1勝、2着1回の成績を挙げている。
「牝馬」は2017年にタイムビヨンド(6着)が参戦したのみだ。
古豪が活躍!
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
4歳 | 0 | 2 | 0 | 4 | 0.0% | 33.3% |
5歳 | 1 | 0 | 0 | 8 | 11.1% | 11.1% |
6歳 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0.0% | 0.0% |
7歳以上 | 2 | 1 | 3 | 18 | 8.3% | 12.5% |
「7歳以上」の古豪が2勝、2着1回、3着3回と活躍。
一方、出走頭数は少ないものの、連対率33.3%の「4歳馬」も見逃せない。
活躍が顕著な「7歳以上」だが、年齢別にさらに細かく見てみよう。
年齢 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
7歳 | 1 | 1 | 2 | 6 | 10.0% | 20.0% |
8歳 | 1 | 0 | 0 | 3 | 25.0% | 25.0% |
9歳 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0.0% | 0.0% |
10歳 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0.0% | 0.0% |
11歳 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
2016年に「7歳馬」が1~3着を独占しているように、「7歳馬」の活躍が目立っている。
2015年こそ掲示板には入っていないが、2017年の3着~5着も「7歳馬」だ。
なお、2016年2着の7歳馬はユーロビートだが、翌年、8歳馬として金盃を制している。
金盃が得意な馬を探せ!
年 | 1着 | 2着 | 3着 |
---|---|---|---|
2017年 | ユーロビート | ウマノジョー | クラージュドール |
2016年 | ジャルディーノ | ユーロビート | プレティオラス |
2015年 | アウトジェネラル | ドラゴンエアル | フォーティファイド |
2014年 | フォーティファイド | ツクバチャーム | アウトジェネラル |
2013年 | トーセンルーチェ | フォーティファイド | スターシップ |
2012年 | トーセンルーチェ | タートルベイ | スマートインパルス |
2011年 | スーパーパワー | シーズザゴールド | フリートアドミラル |
2010年 | マズルブラスト | セレン | クレイアートビュン |
2009年 | バグパイプウィンド | ルースリンド | マンオブパーサー |
2008年 | ルースリンド | ナイキアースワーク | レッドドラゴン |
「太字」は金盃で複数回、3着以内に好走した馬となる。
2015年から距離が2,600mに替わっているものの、リピーターが活躍する傾向には変わりないようだ。
大井2,400mで争われる「東京記念(S1※1)」の分析でも”リピーターの活躍”を記載しているが、
南関東においては限られた条件(※2)ということもあり、長距離戦を目標に息の長い活躍をする馬が多いのかもしれない。
※1.2018年から「S1競走」に格上げ(旧S2競走)
※2.南関東で行われる2,400m以上の重賞は「金盃」、「東京記念(大井2,400m)」、「ダイオライト記念(船橋2,400m・Jpn2)」
ガーネット賞着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
ガーネット賞1着 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% |
ガーネット賞2着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
ガーネット賞3着 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0.0% | 0.0% |
ガーネット賞4着以下 | 0 | 0 | 0 | 6 | 0.0% | 0.0% |
金盃トライアルとして大井2,000mで行われていた「ガーネット賞」。
2018年からは「金盃トライアル競走(大井2,400m)」が新設されたが、降雪の影響により競走取止となっている。
※2018年のガーネット賞は非トライアル(競走取止)
なお、ガーネット賞優勝馬では、2016年のジャルディーノが金盃を制している。
報知ASC連対馬は3着内率100%!
報知ASC着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
報知ASC1着 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% |
報知ASC2着 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.0% | 0.0% |
報知ASC3着 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.0% | 0.0% |
報知ASC4着以下 | 1 | 0 | 0 | 3 | 25.0% | 25.0% |
お正月の川崎開催で行われる2,100mの重賞。
金盃の前後は中長距離重賞が各場で行われていることもあり、「報知オールスターカップ(S3)」からの転戦馬は少ない。
それでも、2017年2着のクラージュドールは金盃で3着、2015年の優勝馬ドラゴンエアルは金盃でも2着に好走。
重賞で勝ち負けしてきた馬には当然ながら注目となりそうだ。
2018年報知オールスターカップの結果
東京記念着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 |
---|---|---|---|---|---|---|
東京記念1着 | 1 | 0 | 1 | 0 | 50.0% | 50.0% |
東京記念2着 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 50.0% |
東京記念3着 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0.0% | 0.0% |
東京記念4着以下 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0.0% | 0.0% |
前年の9月~10月に行われる2,400mの「東京記念」。
前述したように、南関東では貴重な長距離重賞ということで、金盃と同様に多くのステイヤーが参戦している。
過去3年の「東京記念」優勝馬からは2頭が金盃に出走し、1勝、3着1回と3着内率は100%。
「東京記念」2着馬も2頭が出走し、2着が1回ある。
ちなみに、2016年金盃の2~4着馬は、着順こそ違うものの、前年の東京記念1~3着馬だった。
2017年東京記念の結果
今回の「南関データ分析」はここまで!
次回は南関東牝馬クラシック第1戦!3月21日(水祝)に行われる「桜花賞(S1)」です!
南関重賞の過去の傾向をデータで分析!
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(SPAT4プレミアムポイント事務局調べ)
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